上 下
917 / 1,121

最後の夏 5

しおりを挟む
 小麦の生産において大量に消費する栄養素は、窒素とカリウムであるらしい。
 それは、この地方の土で小麦を育てる場合ということなので、どの地方でも同じと言うことではないのだけど、取り敢えずそこは置いておく。
 沢山ある試験畑の殆どに使用したのが、その二つの要素を強く含む肥料だった。
 この二つは、麦の根と茎を育てるのに必要とされるものであると、サヤから聞いていた。
 麦踏みで株を増やした畑が尽く不作だったのも、この二つが圧倒的に足りなかったからだろう。

「一年目、小麦を生産したら、収穫後の畑は放置しない。雨季が明けてから菜物を植えるようにする。
 大量に作れば良いよ。これは冬の食料として備蓄できる方法を研究し、ある程度形になってきているから、作れるだけ作って、食べて、余れば保存に回すことができる。
 ただ、一部は残して畑に鋤き込む。外側の育ちすぎた葉とか、そういうのをね。
 で、十の月の水撒きは廃止。意味はあるが、労働に見合う成果とはなっていないと判断した。
 だけど心配しないで。
 この水撒きの代わりが菜物の栽培だ。菜を育てることで、小麦に必要な養分をまた土に、増やすことができるみたいなんだ。
 しかも、水を撒くよりも沢山の養分を得られる可能性がある。先程作物の葉を残して鋤き込むと言ったけれど、それが畑の養分になるんだ」

 他の地域では当たり前にしていることだけど、ここではしていなかったから、その意味も丁寧に説明した。
 そして二年目は、大麦、燕麦、菜種、蕪や馬鈴薯、茄子や胡瓜、葉物など、畑に不足した養分を補うための作物を植える。ここはまだ模索段階だけれど、ある程度は追肥で調節できると考えていた。
 他の地方でよく作られている作物を参考に、極力育てられる種類を増やしたいと思っている。
 そして三年目……。

「豆の牧草を植える。宿場での需要が見込めるから、農耕馬を利用するのに必要なもの以外は、売れば良い。これを休耕畑の代わりに取り入れる」

 ハマーフェルドにも伝えた手法だ。これをここでも取り入れる。蓮華や白詰草は栽培の手間も掛からない。種を巻いておけば、水やり以外の世話はほぼ必要無いだろう。
 余った牧草は貯蔵塔に備蓄。売るも良し、冬場の家畜の餌にするも良し。

「この三年周期をまずは二回繰り返してみるつもりだ。
 六年、この手法を維持し、その間に情報を分析し、重ねた研究で次の形へと移行する。
 畑の量はどこも増えるが、三倍にはしない。今ある分の半分のみを増やす形になる。
 当然労働量は増えるけれど……それは農耕馬を取り入れることで補う。
 それで、今までの労力とあまり変わらない仕事量で、小麦の生産量は豊作時を維持できる……場合によっては増やせるかもしれないと、そう考えている」
「……畑は、たったそれっぽっち増やすだけ?」
「そりゃ、あまり増えても困るけど……」
「本当に大丈夫なんで?」

 不安そうにそう問い返してくる村人たち。
 だから俺は敢えて、内緒ごとを伝えるみたいに、悪戯っぽく笑ってみせた。

「うん。そうできる魔法を見つけたんだ」

 そしてこれが、俺たちの用意したとっておき。

「十二の月に、小麦の苗を踏む行程を追加する! 今までの土掛け、あれをもう少し荒っぽくするよ!」
「ふ、踏む⁉︎」
「踏んじゃダメじゃん⁉︎」
「そんなことしたら、茎が折れて枯れちまうだろ⁉︎」

 思っていた通りの反応。つい叫んでしまった青年の声に、皆からそうだそうだと賛同の声が上がる。
 それを暫くの間心地よく聞いて、頃合いを見計らい手を挙げた。ピタリと声が途絶える。

「枯れないよ。大丈夫」

 にこりと微笑んでそう告げると、半信半疑といった様子で、お互い顔を見合わせる村人たち。

「枯れないどころか、良いことが沢山ある。
 小麦は踏むことで傷付き、傷を修復するために根を増やし、株をも増やす。
 それにより、今までより多くの養分を取り込みやすくなり、株を増やした分栄養を広く行き渡らせなきゃならないから、麦の背が高くなりにくい。
 そうなれば当然、育ちすぎて、穂の重みで茎が折れてしまう可能性を減らせるし、風にだって強くなる。そういう性質を持っていたことが分かった!
 だが、株が増えた分、養分も多く必要になる。そこを追肥で補う!」

 その追肥に、窒素とカリウムを多く含むと思われるものを用いる。
 肥料になるものを漁り、探していたコダンの研究が、ここで実を結んだ。

「春になったら、土に草木灰と菜種の油粕を鋤き込み、。これが追肥となる。
 それにより、増えた株がそれぞれに穂を実らせることで、収穫量が増えるんだ!」

 できる限り明るく、声を張った。
 株が増えることに関しては、必ず保証してやれる。追肥で効果的に育てることもだ。
 本来なら……農民らの畑で直接試すしかなかった。失敗することも当然と、受け入れるしかなかった。
 そうであったなら、こんな風には言えなかったろう。

「ち、ちょっと良いですか?
 つまり、持ってる畑を今ある分の半分ほど増やし、それらを三つに分けて栽培するんですよね?
 なら、麦を育てる量が、今までの半分になっちまう……。それじゃ今年の収穫量すら、怪しいですよ。
 それに、俺たちはもうずっと、麦を作り続けてきた……だから畑はもう、限界ってことなんでしょ?
 じゃあ、その素晴らしい農法を試したとしても、実りが期待できるとは……」
「大丈夫。できる手段を得てる」

 そう言うと、また瞳を見開き、ついでに口もあんぐりと開く村人たち。

「馬だよ! 人の手では掘り返せなかった深さで、畑を耕すんだ。
 麦の根が届くより深い場所の土は、まだ養分を多く含んでる。その土を上に持ってくる!
 そう何度も使える手じゃないが、今年に限っては、それで収穫量を確保できるはずだ!」

 これもサヤに教えてもらっていた奥の手だった。
 家畜を農耕に利用していなかったからこそ使える手で、本当はずっと前に聞いていた……。
 けれど、この時のために伏せていた。
 一年を凌ぐために使っても、次の年までに新たな農法が確立できている保証がなかったから……。
 ギリギリまで耐えてもらう。それを選んできた。

「今年は、十の月から、水撒きの代わりに畑を耕す。
 十一の月までに種まき。
 十二の月のうちに、麦踏みを数度挟む。
 土掛けは春になってから、追肥の際に行う。
 その他の細かい部分はエーミルトが計画を立ててくれているから、彼に相談すると良い。
 畑の管理が始まったら、ここに通ってもらう形に整える。
 農耕馬は五頭確保する予定だから、畑を鋤く順番を五組に分けて決めておいてほしい」
「エーミルトさんかぁ!」
「あぁ、あの人が言うなら間違いねぇか」

 やっと皆の表情に、安堵が戻ってきた。
 長年、ここの農夫であったエーミルトが立てた計画ならば、ここのこと、小麦のことをよく知ってる。それを当然、ふまえてくれているはずだ。
 それが分かって、ホッとしたのだろう。村人らは少しずつ、うずうずそわそわしだし、期待に弾んだ声で言葉が交わされる。

「馬……かぁ。そうだよな、もう氾濫、無くなったんだし……」
「馬があんなら、内職の品も、自分たちで運べるんじゃないか?」

 それは良い!と、盛り上がる村人たち。
 メバックからの馬車を心待ちにしなくとも、自分たちで買い付けだってできると話が弾む。
 そんな中で……ぽつりと呟かれた、別の声。

「馬が持てるなら、アヴァロンまで子供らを送ってやれんかな。農耕馬なら荷車も引けるだろう?」
「……そうだねえ。勉強してみたいって言ってたもんねぇ」

 子供らから、小さく歓声が上がった。けれど、大人の話を邪魔しないよう、さっと引っ込み、期待に満ちた視線だけをキラキラと輝かせる。
 集会所の中が、久しぶりに明るい、良い雰囲気になった気がした。
 馬を持てると期待する声に、俺も口を挟むことにする。

「農耕馬は村の管理で五頭確保しようと思ってたけど……早めに工面しようか?
 厩を用意すれば、シュヴァル馬事商からすぐに買えるから……そうだな、ユミルたちの家……あそこの跡地を厩に改装するよう、アーロンに頼んでおけば、八の月のうちには完成するんじゃないかな」

 一家に一頭……としても良いのだけど、そこまで馬を必要とする予定は無い。荷運びに使うにしても、持て余すだけだろう。
 だから、風呂同様、村人の持ち回りで管理するのが良いと思う。費用も減るし、越冬の飼料確保だってけっこうなものになるから。
 そう言うと、納得の声がいくつか上がり、質問も飛んできた。

「エーミルトさんはアヴァロンから通うんで?」
「交易路を使えば、一時間かからずここに来れるからね」
「そっか……案外近いな。それなら……」

 荷車も欲しいよなぁ……と、誰かの声。
 だけどそれは少々難ありだぞと、俺は思った。
 荷車の揺れは結構すごいのだ。体重の軽い子供たちは、石にでも乗り上げれば荷台から放り出されてしまうかもしれない。
 そんなことになってしまえば、下手すると怪我では済まない。

「……子供らを幼年院にやるなら、辻馬車を手配しようか?」

 人を雇うことになるから割高だけれど……怪我をするような方法で通うなんて、危険すぎる。
 そう思い口を挟んだのだけど……。

「いやいや、どうせ内職の品をアヴァロンまで運ぶんだ。それに子供らを同乗させりゃいいんで」
「荷車じゃ雨の日品を濡らしちまう」
「じゃぁやっぱり幌馬車だな。金出し合って村で一つ確保するか」

 内職で程々身入りが良いのか、小麦の生産性は落ちているものの、村人らの会話は切迫感が薄い。
 だからこそ、この三年を耐えれたのだと思う……。沢山の内職を提案してくれたサヤに、頭が上がらない思いだった。

 幌馬車……かぁ。
 だけど幌馬車も、揺れが酷いと、子供らが放り出されそうなんだよなぁ……。
 幌がある分マシだけれど、やっぱり心配だ。
 けれどそこで、ふと思い出した。

「幌馬車……ブンカケンの検証品から用意しようか?
 試験用の試作だが、質としてはちゃんとしたものだし、少々形が特殊だけれど、使用感についてを後で教えてもらえるなら、手頃に入手できる」
「へぇ、そんなのがあるんですかい」
「形が特別って……どう特別なんで?」
「うん……」

 言葉で説明するのは少々難しいのだけど……。

「幌馬車の前部分に座席がある、人と物を分けて管理する仕様になってる」

 そう言うと、興味を持ったよう……。

「あと……どうせアヴァロンまで荷物を運んでくるならば、そのまま屋台を持って自分たちで販売するのも良いんじゃないか?
 手の空いた年寄りとか、女性……店番はそんな人たちでも充分に勤まるし、卸値で売るより、屋台を借りる方が値も良いと思う。
 それで、村の必要な物資を買い付けて、夕刻子供らを連れて戻る……とかね」

 アヴァロンで働く者を一緒に運ぶこともできるよと言えば、俄然みんなの食いつきが変わった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に引っ越しする予定じゃなかったのに

ブラックベリィ
恋愛
主人公は、高校二年生の女の子 名前は、吉原舞花 よしはら まい 母親の再婚の為に、引っ越しすることになったコトから始まる物語り。

義娘が転生型ヒロインのようですが、立派な淑女に育ててみせます!~鍵を握るのが私の恋愛って本当ですか!?~

咲宮
恋愛
 没落貴族のクロエ・オルコットは、馬車の事故で両親を失ったルルメリアを義娘として引き取ることに。しかし、ルルメリアが突然「あたしひろいんなの‼」と言い出した。  ぎゃくはーれむだの、男をはべらせるだの、とんでもない言葉を並べるルルメリアに頭を抱えるクロエ。このままではまずいと思ったクロエは、ルルメリアを「立派な淑女」にすべく奔走し始める。  育児に励むクロエだが、ある日馬車の前に飛び込もうとした男性を助ける。実はその相手は若き伯爵のようで――?  これは若くして母となったクロエが、義娘と恋愛に翻弄されながらも奮闘する物語。 ※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。 ※毎日更新を予定しております。

「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
 ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。  チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。  なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!  こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。  ※注:すべてわかった上で自重してません。

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

藤森フクロウ
ファンタジー
 相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。  悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。  そこには土下座する幼女女神がいた。 『ごめんなさあああい!!!』  最初っからギャン泣きクライマックス。  社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。  真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……  そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?    ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!   第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。  ♦お知らせ♦  余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!  漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。  よかったらお手に取っていただければ幸いです。    書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。  7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。  今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。  コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。  漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。  ※基本予約投稿が多いです。  たまに失敗してトチ狂ったことになっています。  原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。  現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。  

【完結】愛する人にはいつだって捨てられる運命だから

SKYTRICK
BL
凶悪自由人豪商攻め×苦労人猫化貧乏受け ※一言でも感想嬉しいです! 孤児のミカはヒルトマン男爵家のローレンツ子息に拾われ彼の使用人として十年を過ごしていた。ローレンツの愛を受け止め、秘密の恋人関係を結んだミカだが、十八歳の誕生日に彼に告げられる。 ——「ルイーザと腹の子をお前は殺そうとしたのか?」 ローレンツの新しい恋人であるルイーザは妊娠していた上に、彼女を毒殺しようとした罪まで着せられてしまうミカ。愛した男に裏切られ、屋敷からも追い出されてしまうミカだが、行く当てはない。 ただの人間ではなく、弱ったら黒猫に変化する体質のミカは雪の吹き荒れる冬を駆けていく。狩猟区に迷い込んだ黒猫のミカに、突然矢が放たれる。 ——あぁ、ここで死ぬんだ……。 ——『黒猫、死ぬのか?』 安堵にも似た諦念に包まれながら意識を失いかけるミカを抱いたのは、凶悪と名高い豪商のライハルトだった。 ☆3/10J庭で同人誌にしました。通販しています。

もしかしてこの世界美醜逆転?………はっ、勝った!妹よ、そのブサメン第2王子は喜んで差し上げますわ!

結ノ葉
ファンタジー
目が冷めたらめ~っちゃくちゃ美少女!って言うわけではないけど色々ケアしまくってそこそこの美少女になった昨日と同じ顔の私が!(それどころか若返ってる分ほっぺ何て、ぷにっぷにだよぷにっぷに…)  でもちょっと小さい?ってことは…私の唯一自慢のわがままぼでぃーがない! 何てこと‼まぁ…成長を願いましょう…きっときっと大丈夫よ………… ……で何コレ……もしや転生?よっしゃこれテンプレで何回も見た、人生勝ち組!って思ってたら…何で周りの人たち布被ってんの!?宗教?宗教なの?え…親もお兄ちゃまも?この家で布被ってないのが私と妹だけ? え?イケメンは?新聞見ても外に出てもブサメンばっか……イヤ無理無理無理外出たく無い… え?何で俺イケメンだろみたいな顔して外歩いてんの?絶対にケア何もしてない…まじで無理清潔感皆無じゃん…清潔感…com…back… ってん?あれは………うちのバカ(妹)と第2王子? 無理…清潔感皆無×清潔感皆無…うぇ…せめて布してよ、布! って、こっち来ないでよ!マジで来ないで!恥ずかしいとかじゃないから!やだ!匂い移るじゃない! イヤー!!!!!助けてお兄ー様!

【R18・完結】おっとり側女と堅物騎士の後宮性活

野地マルテ
恋愛
皇帝の側女、ジネットは現在二十八歳。二十四歳で側女となった彼女は一度も皇帝の渡りがないまま、後宮解体の日を迎え、外に出ることになった。 この四年間、ジネットをずっと支え続けたのは護衛兼従者の騎士、フィンセントだ。皇帝は、女に性的に攻められないと興奮しないという性癖者だった。主君の性癖を知っていたフィンセントは、いつか訪れるかもしれない渡りに備え、女主人であるジネットに男の悦ばせ方を叩きこんだのだった。結局、一度も皇帝はジネットの元に来なかったものの、彼女はフィンセントに感謝の念を抱いていた。 ほんのり鬼畜な堅物騎士フィンセントと、おっとりお姉さん系側女によるどすけべラブストーリーです。 ◆R18回には※がありますが、設定の都合上、ほぼ全話性描写を含みます。 ◆ヒロインがヒーローを性的に攻めるシーンが多々あります。手や口、胸を使った行為あり。リバあります。

婚約も結婚も計画的に。

cyaru
恋愛
長年の婚約者だったルカシュとの関係が学園に入学してからおかしくなった。 忙しい、時間がないと学園に入って5年間はゆっくりと時間を取ることも出来なくなっていた。 原因はスピカという一人の女学生。 少し早めに貰った誕生日のプレゼントの髪留めのお礼を言おうと思ったのだが…。 「あ、もういい。無理だわ」 ベルルカ伯爵家のエステル17歳は空から落ちてきた鳩の糞に気持ちが切り替わった。 ついでに運命も切り替わった‥‥はずなのだが…。 ルカシュは婚約破棄になると知るや「アレは言葉のあやだ」「心を入れ替える」「愛しているのはエステルだけだ」と言い出し、「会ってくれるまで通い続ける」と屋敷にやって来る。 「こんなに足繁く来られるのにこの5年はなんだったの?!」エステルはルカシュの行動に更にキレる。 もうルカシュには気持ちもなく、どちらかと居言えば気持ち悪いとすら思うようになったエステルは父親に新しい婚約者を選んでくれと急かすがなかなか話が進まない。 そんな中「うちの息子、どうでしょう?」と声がかかった。 ルカシュと早く離れたいエステルはその話に飛びついた。 しかし…学園を退学してまで婚約した男性は隣国でも問題視されている自己肯定感が地を這う引き籠り侯爵子息だった。 ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~) ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

処理中です...