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最後の夏 4
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手紙というのは、一通送るだけで下手をしたら、金貨が飛ぶ。
例えば俺が陛下に書簡を送る際、直接届けるならばそれくらいは軽く掛かるだろう。
だから、相当重要だったり、秘密の厳守が必要な場合だったりしない限り、直接は送らない。
通常は近場の公爵領へと送り、そこから王都まで纏めて運ばれていくことになる。
そしてその状態でも、銅貨では済まない。銀貨が必要だ。セイバーンからアギーの距離でそうなのだから、距離により上がるであろうその金額は推して知るべしというもの……。
つまり手紙とは、文字が読み書きできた上に、それなりの収入を持たなければ利用できない、特別な情報処理手段。
そして貴族や裕福な家ならば配下や使用人を使えるからまだ良いのだが、一般的にはそこまで信頼できる手段ともならない。
自由に使える使用人を持たない以上、希望する場所に行く行商人らを見つけ出し、託すという形になるからだ。
どれだけ金が掛かろうと、届かないことがあるのは当然と、覚悟をしておくしかない。そういうものだった。
貴族の送る手紙が高いのは、一つ届けることに往復の費用をかけ、人を使うから……。それは貴族の名の下に行われるため、託された者も確実に届けるように苦慮する。
一般の場合は、料金は言い値次第だし、踏み倒されたって分からない……。
だから郵便事業はいけると思った。
手紙を運ぶ上での負担などたかが知れている。一通運ぶも、十通運ぶも、重さはさほど変わらない。
交易路を利用し、定期的に、決まった場所へ纏めた手紙を送る。
交易路の合流場所や宿場で、向かう地方ごとに纏めた手紙を受け渡しして、戻ってくる。そういう形を取れば、今まででは考えられないくらい、安価に手紙がやり取りできるだろう。
それを貴族の名の下に行えば、指定地域まで確実に届けられるようになるはずだ。
ブンカケンの事業にもこれは活きる。
地方の所属者へ定期的に送ることになる予定の、無償開示品改良等の連絡事項。それを送るのに郵便を使えば、今より確実に、安価に処理できるようになる。
ざっと試算しただけだが、一般の利用が十通以上になると仮定すれば、銀貨以下の利用料金にできるとなった。
十通溜まったら出発するという形を取れば、赤字は無い。急ぎではないなら、まずはそれで充分だろう。
こしてこの、速報案と、郵便法案……俺たちはそれを将来、獣化できる獣人の職務に育て上げたいと考えていた。
馬は速いが、人と同じように思考できるわけではない。だから、荷物には必ず人も加わるし、人を使う以上人件費が上乗せされることになる。
馬だけに荷を託すことはできないし、その速さを維持できる距離は、人一人の重みを足さなければならない以上、当然落ちる。
だが獣人は、乗り手を必要としない。
自らの意思で走れるし、判断できる。体力にだって恵まれている。
手紙程度なら、何十通かを背負って走ったところで、重さなど苦にもならない。なにせ、彼らは人を乗せて一日を走り通せるのだから。
そう、つまり……。
獣人を、人の生活から切り離せない存在にするため、俺たちはこの三年を費やしてきていた。
彼らがいなければ、生活が成り立たなくなるような……そんな手札を得るために。
干し野菜の研究も同じ目的のためだった。
だがそれは思うように進まず、しかしこうして、別の形で実ったことになる。
人には、得手不得手がある。獣人にもそれはあって、直情であるから、腹の探り合いをするような政治的な仕事には向いていないことが多い。
けれど、一つのことを愚直にやり続けたり、鼻の性能や体力を使う職には、適性が高いだろう。
そう、例えば農耕にも……。匂いを頼りに畑の成分を調整するならば、麦の生産量は飛躍的に伸ばせるはずだ!
とはいえ……。
俺と共に長く農耕に関わっていたハインが、土の性質を鼻で判断するという方法には気付かなかったし、ロゼのいう美味しい匂いというものを、ハインは理解できないと言った。
多分……一定以上の性能を有する必要があるのだろう。
だから今のところ、嗅覚師の鼻で試験的に試みていくしかないのだが、今回のロゼの匂い調整で、分かったことも大いにある。
フェルドナレンの、他地方の小麦栽培は、三つの手順を年ごとに入れ替えて行われる。
一年目が小麦栽培。二年目が野菜栽培。三年目が畑を休ませ、雑草が伸びるに任せる……というもの。
しかしセイバーンではその方法が取られておらず、毎年小麦栽培が行われていた。
サヤの世界的に、小麦の連作というのは、あり得ないことなのだそう。
「同じ作物を作り続けるとは、同じ養分を使い続けるということです。
今までは氾濫により、肥沃な土が供給されていたからそれが成立していましたが、もう、その方法は許されません」
サヤもそう言った。
他の地方と同じく、三つの作物を回すようにして畑を利用することで、麦の生産量を確保するよう、切り替えるしかないと。
「ですが申しました通り、私の国ではもう、休耕畑を設けることはしていません。そうせずとも輪作することで、畑の成分を調整することが可能と分かったからです。
特に、セイバーン村に宿場ができるならば、この休耕畑を設けない農法、大いに意味があると言えます」
シュヴァル馬事商ができ、馬に必要な飼料についても色々知ることができたので尚のこと、セイバーン村でこれを取り入れる意味ができた。
だから、次の種まきから、新たな戦いが始まるのだ……。
「今年から、他地方と同じく、輪作を取り入れることにする。
ただし、休耕畑を必要としない方法を取り入れるつもりなんだ。
まだ完成形とは言えないが……アヴァロンに設けた試験畑で得た結果を反映させるものだから、成功するかどうかを賭けるといったものではない。
成功はする。
ただし、その成功の価値が、まだ五十程度で、これから百に伸ばしていく、成長させていく方法ということだ。
畑を増やし、農耕馬も取り入れる。色々勝手は変わってくるだろう……」
皆を見回して、その瞳をひとつひとつ、確認してみた。
覚悟と、期待に満ちた顔……。
「苦労はさせる。
けれど……それに見合う成果を、必ず得てみせる。
だからどうか、協力してほしい」
そう前置きして、セイバーン村での収穫量が減り続ける理由から、説明を始めた。
◆
ここが恵まれた地であり続けることができた仕組みに、村人らは瞳を見開き唖然と聞き入っていた……。
「じゃあ……あの、氾濫のおかげで俺たちは、多くの恵みを得られていたんで……?」
「うん」
「…………じゃあ、もう……」
その恵みは、失われた。
神の与えてくれた恩恵を、我々は手放したのかと項垂れる一同。
俺の言うことを荒唐無稽だとか、出鱈目だとか言う村人はひとりもいなかった。かなり突飛な話をしているはずなんだけどな。
こんなに長く待たせたのに、彼らはまだ俺を、信頼してくれている……。
……この純朴な人たちを犠牲にするなら、そんな富は欲しくないと、改めて思う。
「氾濫は、なくちゃならなかったんですね……」
「それは違う。
それは、神の与えてくれた恩恵ではあったけれど、得る価値のあるものではなかった。
お前たちの命を肥料にした小麦など欲しくはない。そう思ったから、俺は氾濫の抑制を選んだんだ」
そう言うと、ハッとしたように顔を上げる村人たち。
「犠牲を強いる方法しかないわけじゃない。多少手間が増えようと、皆で笑って暮らす方法は、見つけ出せる。
それを今年から証明するんだよ」
その模索のための三年だったのだ。
「では説明する。もう氾濫は起こさせない。それを前提とする農法だ」
例えば俺が陛下に書簡を送る際、直接届けるならばそれくらいは軽く掛かるだろう。
だから、相当重要だったり、秘密の厳守が必要な場合だったりしない限り、直接は送らない。
通常は近場の公爵領へと送り、そこから王都まで纏めて運ばれていくことになる。
そしてその状態でも、銅貨では済まない。銀貨が必要だ。セイバーンからアギーの距離でそうなのだから、距離により上がるであろうその金額は推して知るべしというもの……。
つまり手紙とは、文字が読み書きできた上に、それなりの収入を持たなければ利用できない、特別な情報処理手段。
そして貴族や裕福な家ならば配下や使用人を使えるからまだ良いのだが、一般的にはそこまで信頼できる手段ともならない。
自由に使える使用人を持たない以上、希望する場所に行く行商人らを見つけ出し、託すという形になるからだ。
どれだけ金が掛かろうと、届かないことがあるのは当然と、覚悟をしておくしかない。そういうものだった。
貴族の送る手紙が高いのは、一つ届けることに往復の費用をかけ、人を使うから……。それは貴族の名の下に行われるため、託された者も確実に届けるように苦慮する。
一般の場合は、料金は言い値次第だし、踏み倒されたって分からない……。
だから郵便事業はいけると思った。
手紙を運ぶ上での負担などたかが知れている。一通運ぶも、十通運ぶも、重さはさほど変わらない。
交易路を利用し、定期的に、決まった場所へ纏めた手紙を送る。
交易路の合流場所や宿場で、向かう地方ごとに纏めた手紙を受け渡しして、戻ってくる。そういう形を取れば、今まででは考えられないくらい、安価に手紙がやり取りできるだろう。
それを貴族の名の下に行えば、指定地域まで確実に届けられるようになるはずだ。
ブンカケンの事業にもこれは活きる。
地方の所属者へ定期的に送ることになる予定の、無償開示品改良等の連絡事項。それを送るのに郵便を使えば、今より確実に、安価に処理できるようになる。
ざっと試算しただけだが、一般の利用が十通以上になると仮定すれば、銀貨以下の利用料金にできるとなった。
十通溜まったら出発するという形を取れば、赤字は無い。急ぎではないなら、まずはそれで充分だろう。
こしてこの、速報案と、郵便法案……俺たちはそれを将来、獣化できる獣人の職務に育て上げたいと考えていた。
馬は速いが、人と同じように思考できるわけではない。だから、荷物には必ず人も加わるし、人を使う以上人件費が上乗せされることになる。
馬だけに荷を託すことはできないし、その速さを維持できる距離は、人一人の重みを足さなければならない以上、当然落ちる。
だが獣人は、乗り手を必要としない。
自らの意思で走れるし、判断できる。体力にだって恵まれている。
手紙程度なら、何十通かを背負って走ったところで、重さなど苦にもならない。なにせ、彼らは人を乗せて一日を走り通せるのだから。
そう、つまり……。
獣人を、人の生活から切り離せない存在にするため、俺たちはこの三年を費やしてきていた。
彼らがいなければ、生活が成り立たなくなるような……そんな手札を得るために。
干し野菜の研究も同じ目的のためだった。
だがそれは思うように進まず、しかしこうして、別の形で実ったことになる。
人には、得手不得手がある。獣人にもそれはあって、直情であるから、腹の探り合いをするような政治的な仕事には向いていないことが多い。
けれど、一つのことを愚直にやり続けたり、鼻の性能や体力を使う職には、適性が高いだろう。
そう、例えば農耕にも……。匂いを頼りに畑の成分を調整するならば、麦の生産量は飛躍的に伸ばせるはずだ!
とはいえ……。
俺と共に長く農耕に関わっていたハインが、土の性質を鼻で判断するという方法には気付かなかったし、ロゼのいう美味しい匂いというものを、ハインは理解できないと言った。
多分……一定以上の性能を有する必要があるのだろう。
だから今のところ、嗅覚師の鼻で試験的に試みていくしかないのだが、今回のロゼの匂い調整で、分かったことも大いにある。
フェルドナレンの、他地方の小麦栽培は、三つの手順を年ごとに入れ替えて行われる。
一年目が小麦栽培。二年目が野菜栽培。三年目が畑を休ませ、雑草が伸びるに任せる……というもの。
しかしセイバーンではその方法が取られておらず、毎年小麦栽培が行われていた。
サヤの世界的に、小麦の連作というのは、あり得ないことなのだそう。
「同じ作物を作り続けるとは、同じ養分を使い続けるということです。
今までは氾濫により、肥沃な土が供給されていたからそれが成立していましたが、もう、その方法は許されません」
サヤもそう言った。
他の地方と同じく、三つの作物を回すようにして畑を利用することで、麦の生産量を確保するよう、切り替えるしかないと。
「ですが申しました通り、私の国ではもう、休耕畑を設けることはしていません。そうせずとも輪作することで、畑の成分を調整することが可能と分かったからです。
特に、セイバーン村に宿場ができるならば、この休耕畑を設けない農法、大いに意味があると言えます」
シュヴァル馬事商ができ、馬に必要な飼料についても色々知ることができたので尚のこと、セイバーン村でこれを取り入れる意味ができた。
だから、次の種まきから、新たな戦いが始まるのだ……。
「今年から、他地方と同じく、輪作を取り入れることにする。
ただし、休耕畑を必要としない方法を取り入れるつもりなんだ。
まだ完成形とは言えないが……アヴァロンに設けた試験畑で得た結果を反映させるものだから、成功するかどうかを賭けるといったものではない。
成功はする。
ただし、その成功の価値が、まだ五十程度で、これから百に伸ばしていく、成長させていく方法ということだ。
畑を増やし、農耕馬も取り入れる。色々勝手は変わってくるだろう……」
皆を見回して、その瞳をひとつひとつ、確認してみた。
覚悟と、期待に満ちた顔……。
「苦労はさせる。
けれど……それに見合う成果を、必ず得てみせる。
だからどうか、協力してほしい」
そう前置きして、セイバーン村での収穫量が減り続ける理由から、説明を始めた。
◆
ここが恵まれた地であり続けることができた仕組みに、村人らは瞳を見開き唖然と聞き入っていた……。
「じゃあ……あの、氾濫のおかげで俺たちは、多くの恵みを得られていたんで……?」
「うん」
「…………じゃあ、もう……」
その恵みは、失われた。
神の与えてくれた恩恵を、我々は手放したのかと項垂れる一同。
俺の言うことを荒唐無稽だとか、出鱈目だとか言う村人はひとりもいなかった。かなり突飛な話をしているはずなんだけどな。
こんなに長く待たせたのに、彼らはまだ俺を、信頼してくれている……。
……この純朴な人たちを犠牲にするなら、そんな富は欲しくないと、改めて思う。
「氾濫は、なくちゃならなかったんですね……」
「それは違う。
それは、神の与えてくれた恩恵ではあったけれど、得る価値のあるものではなかった。
お前たちの命を肥料にした小麦など欲しくはない。そう思ったから、俺は氾濫の抑制を選んだんだ」
そう言うと、ハッとしたように顔を上げる村人たち。
「犠牲を強いる方法しかないわけじゃない。多少手間が増えようと、皆で笑って暮らす方法は、見つけ出せる。
それを今年から証明するんだよ」
その模索のための三年だったのだ。
「では説明する。もう氾濫は起こさせない。それを前提とする農法だ」
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