897 / 1,121
探れない過去 3
しおりを挟む
とはいえ、身元の定かでない孤児を、アギーの官邸に連れ込むわけにもいかない。
俺たちはそのまま馬車を都の近郊部に向けた。
プローホルを囲う街壁に近付くほど下層の者らの生活空間となっていくのだが、その中のひとつの宿……。
アイルが待機している場所だ。
「どうした?」
近くで小さく犬笛を吹いたのだけど、聞こえたよう。直ぐに出てきてくれた。あまり使いたくなかったのだけど、仕方がない。
「ごめんアイル。この子を頼まれてほしいんだ。
孤児院に連れ帰るつもりなんだけど、アギー官邸に連れて行くわけにもいかないし、まずは手当てしてやりたい……」
早く綺麗にしてやらないと、傷口から悪いものが入ってしまうかもしれない。
そう言うと、宿の裏口に回るように言われた。貴族の格好をした俺たちでは、悪目立ちしてしまうからだ。
サヤがユストを呼びに行くと言ってくれ、オブシズと二人、馬車で官邸に向かった。
俺、シザー、ルフスは宿の裏手に回る。すると、アイルと共に来ていた様子の吠狼がもう一名、俺たちを待ち受けていた。
小柄で年齢不詳……。若く見えるのだが、妙な落ち着きがあるため判別が難しい感じだ。
赤紫の髪には手拭いを巻いていて、それが目深なため眉が隠れており、表情の判別が難しい……。
初めて見る顔であったけれど、直ぐに「……っス」と、小さな声。
「サヤさんが戻られましたら案内しまスんで、気にせず中へ」
「あぁ、ありがとう」
「とんでもねぇっス」
彼がここに残り、サヤが戻ったら知らせてくれるらしい。
「初めて見る顔だったな」
「あれは外が多い」
ぽそりと呟いたのに、アイルから返事があった。
外が多いというのは、野外活動担当ということかな。
そうしている間にも足を進め、宿の裏口から中へ。
従業員用の通路と思しき、乱雑に物が置かれた廊下を進んだ。ルフスが顔をしかめていたけれど、気にするなと声を掛ける。
急な要請に融通をきかせてくれたのだから、有難いくらいだ。
案内された部屋で、寝台に子を下ろした。
十二……三、もう少し上か? 細い身体は栄養状態の悪さを物語っており、小さいのもそのためではないかと推測できる。
ぼろ切れ同然の衣服は小刀で破いて取り除く。すると、骨の浮き出た身体があらわになった。
……こう言ってはなんだけれど、懐かしい。ハインも、こんな風だったから……。
「湯をもらってこよう」
「あ、あと……適当な古着も確保できないかな」
私がしますからと焦るルフスに、俺は応急処置もできるからと言い訳して、子供の世話を引き受けた。
切傷が無いかをまず丹念に確認する……。
肌が汚らしいから分かりにくかったけれど、ほぼ打ち身ばかりである様子にホッとする。
多少唇が切れたりはしているけれど、刃物傷のようなものは見受けられない……。
程なくして、アイルが桶を抱えて戻った。
熱湯であったから、ついでに水ももらい、薄めてから使用。
手拭いを何枚も湯に放り込んだ。
ここからは、根気のいる作業だ。
垢と汚れは子供の身体にこびりついている。
それを濡らした手拭いを当ててふやかしつつ、やんわりと拭っていくのだ。
打ち身が酷いから、ごしごし擦れば痛いだろうから。
湯は三回入れ替え、髪も丹念に拭った。
おかげで、褐色だと思っていた髪が、濃緑色だったことが判明。
唇を持ち上げると、折れた歯があることにも気付く……。まだ幼いのに……そう思うと、なんとも苦しい気持ちになる。
幸いだったのは、打ち身の場所。それが、急所等の危険な箇所には無かったことだ。
折檻と言っていたし、さすがに急所は避けていたのかもしれない。
そうこうしてる間にサヤが戻り、連れてこられたユストが改めて傷を確認してくれた。
「骨は折れてない。打撲痕、擦傷少量、切傷も無し。これなら大丈夫」
「そうか、良かった……」
だけどそこで、何か考えるように沈黙したユスト。
暫くしてから、子どもの唇を押し上げるようにして口をこじ開け、顔を近づけて中もしっかりと見回した。
「………………うん。とりあえずは様子見。食べ物を与える時は、固形物はまず避けたほうが良いと思う。
口内は切ってる箇所があるから、ぬるめのものから」
「分かった。では一日ここで預かろう。明日は落ち合う予定の場所で合流する」
「申し訳ないけど頼むな」
「オーキス、食事の手配ができるか主人に確認してきてくれ」
「っス」
そんなやりとりの中も、子供は目を覚さないまま。
何をされても起きなかったから少し気になっていたのだけど、それは帰りの馬車で一応の答えをもらった。
「多分……眠り薬が使われていたと思います」
思ってもいなかったユストの言葉。口中に苦味のある香りがあり、医師のよく使うものであるという。
「…………孤児に、眠り薬?」
「痛みで騒いだから、医師に処置してもらったとかでしょうか……?」
首を傾げてサヤが言う。けれど、それでわざわざ医師を呼ぶとは思えないよな……。
顔を見合わせた俺たちに、ユストも同意のよう。
「まぁ、もしかしたら痛み止めと、休ませることを目的として飲まされた可能性もあるので、なんともいえませんが……」
その独特な香りの眠り薬は、少々の麻酔効果もあるらしい。どちらにしろ高価だし、切開や抜歯等に用いるものであるらしいから、打撲程度なら使わないという。
そしてユストは、もう一つ気になったんですと、言葉を続けた。
「あの打撲痕も……なんかこう、違和感ありませんでした?」
「……折檻だから、急所は外してたんじゃないのかな?」
確かに、危険な場所は殴られていないようで、ホッとしたのだけど……。
「神殿の素人に、そんな機転がきくんですかね……?」
そんな風に言われると、途端におかしな気がしてくるから不思議だ。
「まぁ、あの子が本能的に避けていた可能性もあるので……でも、それにしては綺麗に当たってない気がして……。
なんとなく、見た目だけ痛めつけたみたいな印象で、ちょっと気持ち悪いなぁと、思ってしまって……」
……と、収まり悪い感じにユスト。
「……けど、打撲は打撲だ」
「えぇ、あそこまで殴られてますから……」
執拗に、攻撃され続けた様子。見せかけのためにしては、傷が酷すぎる……。
肌に残った黒痕等、暴力が常態化している跡も見受けられた……。
なによりあの垢にまみれて、痩せ細った身体は……ほんの数日でどうこうできるものじゃない。冗談抜きで、追い詰められた生活をしていた証拠だろう。
俺の返答に、また考え込んだユスト。
彼自身も、何かしらの確信があって言葉を発しているのではないのだろう。
どことなくある違和感を、つい言葉にしてみたというだけで……。
「まぁ、拠点村に連れ帰るということは、孤児院ですよね?」
「そうだな」
「神殿でここまで折檻されるって、うちでも脱走しなきゃ良いですけどねぇ……連れてこられた子たち、だいたいはじめ何かしら、やらかしますから」
毎年、少数ずつだが孤児を引き受けていっている。そういった子らは、慣れるまでに何かしら問題を起こす。
とはいえ、腹いっぱい食べられる環境というものの魅力は抗い難いらしく、脱走者はまだ出ていない。
そして、生活していくうちにそこに馴染み、友を作っていくのだ。
……よく考えたら収容できる人数、大丈夫だよな?
今年は、孤児院を卒業した子もいるから、少しくらい増えたって問題無いだろう……多分。
「馴染めると良いんだけどな……」
まぁ、脱走したとしても、吠狼の守りがあるからな。
必ず見つかるだろう。
そんな風に楽観視していた。
俺たちはそのまま馬車を都の近郊部に向けた。
プローホルを囲う街壁に近付くほど下層の者らの生活空間となっていくのだが、その中のひとつの宿……。
アイルが待機している場所だ。
「どうした?」
近くで小さく犬笛を吹いたのだけど、聞こえたよう。直ぐに出てきてくれた。あまり使いたくなかったのだけど、仕方がない。
「ごめんアイル。この子を頼まれてほしいんだ。
孤児院に連れ帰るつもりなんだけど、アギー官邸に連れて行くわけにもいかないし、まずは手当てしてやりたい……」
早く綺麗にしてやらないと、傷口から悪いものが入ってしまうかもしれない。
そう言うと、宿の裏口に回るように言われた。貴族の格好をした俺たちでは、悪目立ちしてしまうからだ。
サヤがユストを呼びに行くと言ってくれ、オブシズと二人、馬車で官邸に向かった。
俺、シザー、ルフスは宿の裏手に回る。すると、アイルと共に来ていた様子の吠狼がもう一名、俺たちを待ち受けていた。
小柄で年齢不詳……。若く見えるのだが、妙な落ち着きがあるため判別が難しい感じだ。
赤紫の髪には手拭いを巻いていて、それが目深なため眉が隠れており、表情の判別が難しい……。
初めて見る顔であったけれど、直ぐに「……っス」と、小さな声。
「サヤさんが戻られましたら案内しまスんで、気にせず中へ」
「あぁ、ありがとう」
「とんでもねぇっス」
彼がここに残り、サヤが戻ったら知らせてくれるらしい。
「初めて見る顔だったな」
「あれは外が多い」
ぽそりと呟いたのに、アイルから返事があった。
外が多いというのは、野外活動担当ということかな。
そうしている間にも足を進め、宿の裏口から中へ。
従業員用の通路と思しき、乱雑に物が置かれた廊下を進んだ。ルフスが顔をしかめていたけれど、気にするなと声を掛ける。
急な要請に融通をきかせてくれたのだから、有難いくらいだ。
案内された部屋で、寝台に子を下ろした。
十二……三、もう少し上か? 細い身体は栄養状態の悪さを物語っており、小さいのもそのためではないかと推測できる。
ぼろ切れ同然の衣服は小刀で破いて取り除く。すると、骨の浮き出た身体があらわになった。
……こう言ってはなんだけれど、懐かしい。ハインも、こんな風だったから……。
「湯をもらってこよう」
「あ、あと……適当な古着も確保できないかな」
私がしますからと焦るルフスに、俺は応急処置もできるからと言い訳して、子供の世話を引き受けた。
切傷が無いかをまず丹念に確認する……。
肌が汚らしいから分かりにくかったけれど、ほぼ打ち身ばかりである様子にホッとする。
多少唇が切れたりはしているけれど、刃物傷のようなものは見受けられない……。
程なくして、アイルが桶を抱えて戻った。
熱湯であったから、ついでに水ももらい、薄めてから使用。
手拭いを何枚も湯に放り込んだ。
ここからは、根気のいる作業だ。
垢と汚れは子供の身体にこびりついている。
それを濡らした手拭いを当ててふやかしつつ、やんわりと拭っていくのだ。
打ち身が酷いから、ごしごし擦れば痛いだろうから。
湯は三回入れ替え、髪も丹念に拭った。
おかげで、褐色だと思っていた髪が、濃緑色だったことが判明。
唇を持ち上げると、折れた歯があることにも気付く……。まだ幼いのに……そう思うと、なんとも苦しい気持ちになる。
幸いだったのは、打ち身の場所。それが、急所等の危険な箇所には無かったことだ。
折檻と言っていたし、さすがに急所は避けていたのかもしれない。
そうこうしてる間にサヤが戻り、連れてこられたユストが改めて傷を確認してくれた。
「骨は折れてない。打撲痕、擦傷少量、切傷も無し。これなら大丈夫」
「そうか、良かった……」
だけどそこで、何か考えるように沈黙したユスト。
暫くしてから、子どもの唇を押し上げるようにして口をこじ開け、顔を近づけて中もしっかりと見回した。
「………………うん。とりあえずは様子見。食べ物を与える時は、固形物はまず避けたほうが良いと思う。
口内は切ってる箇所があるから、ぬるめのものから」
「分かった。では一日ここで預かろう。明日は落ち合う予定の場所で合流する」
「申し訳ないけど頼むな」
「オーキス、食事の手配ができるか主人に確認してきてくれ」
「っス」
そんなやりとりの中も、子供は目を覚さないまま。
何をされても起きなかったから少し気になっていたのだけど、それは帰りの馬車で一応の答えをもらった。
「多分……眠り薬が使われていたと思います」
思ってもいなかったユストの言葉。口中に苦味のある香りがあり、医師のよく使うものであるという。
「…………孤児に、眠り薬?」
「痛みで騒いだから、医師に処置してもらったとかでしょうか……?」
首を傾げてサヤが言う。けれど、それでわざわざ医師を呼ぶとは思えないよな……。
顔を見合わせた俺たちに、ユストも同意のよう。
「まぁ、もしかしたら痛み止めと、休ませることを目的として飲まされた可能性もあるので、なんともいえませんが……」
その独特な香りの眠り薬は、少々の麻酔効果もあるらしい。どちらにしろ高価だし、切開や抜歯等に用いるものであるらしいから、打撲程度なら使わないという。
そしてユストは、もう一つ気になったんですと、言葉を続けた。
「あの打撲痕も……なんかこう、違和感ありませんでした?」
「……折檻だから、急所は外してたんじゃないのかな?」
確かに、危険な場所は殴られていないようで、ホッとしたのだけど……。
「神殿の素人に、そんな機転がきくんですかね……?」
そんな風に言われると、途端におかしな気がしてくるから不思議だ。
「まぁ、あの子が本能的に避けていた可能性もあるので……でも、それにしては綺麗に当たってない気がして……。
なんとなく、見た目だけ痛めつけたみたいな印象で、ちょっと気持ち悪いなぁと、思ってしまって……」
……と、収まり悪い感じにユスト。
「……けど、打撲は打撲だ」
「えぇ、あそこまで殴られてますから……」
執拗に、攻撃され続けた様子。見せかけのためにしては、傷が酷すぎる……。
肌に残った黒痕等、暴力が常態化している跡も見受けられた……。
なによりあの垢にまみれて、痩せ細った身体は……ほんの数日でどうこうできるものじゃない。冗談抜きで、追い詰められた生活をしていた証拠だろう。
俺の返答に、また考え込んだユスト。
彼自身も、何かしらの確信があって言葉を発しているのではないのだろう。
どことなくある違和感を、つい言葉にしてみたというだけで……。
「まぁ、拠点村に連れ帰るということは、孤児院ですよね?」
「そうだな」
「神殿でここまで折檻されるって、うちでも脱走しなきゃ良いですけどねぇ……連れてこられた子たち、だいたいはじめ何かしら、やらかしますから」
毎年、少数ずつだが孤児を引き受けていっている。そういった子らは、慣れるまでに何かしら問題を起こす。
とはいえ、腹いっぱい食べられる環境というものの魅力は抗い難いらしく、脱走者はまだ出ていない。
そして、生活していくうちにそこに馴染み、友を作っていくのだ。
……よく考えたら収容できる人数、大丈夫だよな?
今年は、孤児院を卒業した子もいるから、少しくらい増えたって問題無いだろう……多分。
「馴染めると良いんだけどな……」
まぁ、脱走したとしても、吠狼の守りがあるからな。
必ず見つかるだろう。
そんな風に楽観視していた。
0
お気に入りに追加
836
あなたにおすすめの小説
義娘が転生型ヒロインのようですが、立派な淑女に育ててみせます!~鍵を握るのが私の恋愛って本当ですか!?~
咲宮
恋愛
没落貴族のクロエ・オルコットは、馬車の事故で両親を失ったルルメリアを義娘として引き取ることに。しかし、ルルメリアが突然「あたしひろいんなの‼」と言い出した。
ぎゃくはーれむだの、男をはべらせるだの、とんでもない言葉を並べるルルメリアに頭を抱えるクロエ。このままではまずいと思ったクロエは、ルルメリアを「立派な淑女」にすべく奔走し始める。
育児に励むクロエだが、ある日馬車の前に飛び込もうとした男性を助ける。実はその相手は若き伯爵のようで――?
これは若くして母となったクロエが、義娘と恋愛に翻弄されながらも奮闘する物語。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
※毎日更新を予定しております。
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
【完結】愛する人にはいつだって捨てられる運命だから
SKYTRICK
BL
凶悪自由人豪商攻め×苦労人猫化貧乏受け
※一言でも感想嬉しいです!
孤児のミカはヒルトマン男爵家のローレンツ子息に拾われ彼の使用人として十年を過ごしていた。ローレンツの愛を受け止め、秘密の恋人関係を結んだミカだが、十八歳の誕生日に彼に告げられる。
——「ルイーザと腹の子をお前は殺そうとしたのか?」
ローレンツの新しい恋人であるルイーザは妊娠していた上に、彼女を毒殺しようとした罪まで着せられてしまうミカ。愛した男に裏切られ、屋敷からも追い出されてしまうミカだが、行く当てはない。
ただの人間ではなく、弱ったら黒猫に変化する体質のミカは雪の吹き荒れる冬を駆けていく。狩猟区に迷い込んだ黒猫のミカに、突然矢が放たれる。
——あぁ、ここで死ぬんだ……。
——『黒猫、死ぬのか?』
安堵にも似た諦念に包まれながら意識を失いかけるミカを抱いたのは、凶悪と名高い豪商のライハルトだった。
☆3/10J庭で同人誌にしました。通販しています。
もしかしてこの世界美醜逆転?………はっ、勝った!妹よ、そのブサメン第2王子は喜んで差し上げますわ!
結ノ葉
ファンタジー
目が冷めたらめ~っちゃくちゃ美少女!って言うわけではないけど色々ケアしまくってそこそこの美少女になった昨日と同じ顔の私が!(それどころか若返ってる分ほっぺ何て、ぷにっぷにだよぷにっぷに…)
でもちょっと小さい?ってことは…私の唯一自慢のわがままぼでぃーがない!
何てこと‼まぁ…成長を願いましょう…きっときっと大丈夫よ…………
……で何コレ……もしや転生?よっしゃこれテンプレで何回も見た、人生勝ち組!って思ってたら…何で周りの人たち布被ってんの!?宗教?宗教なの?え…親もお兄ちゃまも?この家で布被ってないのが私と妹だけ?
え?イケメンは?新聞見ても外に出てもブサメンばっか……イヤ無理無理無理外出たく無い…
え?何で俺イケメンだろみたいな顔して外歩いてんの?絶対にケア何もしてない…まじで無理清潔感皆無じゃん…清潔感…com…back…
ってん?あれは………うちのバカ(妹)と第2王子?
無理…清潔感皆無×清潔感皆無…うぇ…せめて布してよ、布!
って、こっち来ないでよ!マジで来ないで!恥ずかしいとかじゃないから!やだ!匂い移るじゃない!
イヤー!!!!!助けてお兄ー様!
【R18・完結】おっとり側女と堅物騎士の後宮性活
野地マルテ
恋愛
皇帝の側女、ジネットは現在二十八歳。二十四歳で側女となった彼女は一度も皇帝の渡りがないまま、後宮解体の日を迎え、外に出ることになった。
この四年間、ジネットをずっと支え続けたのは護衛兼従者の騎士、フィンセントだ。皇帝は、女に性的に攻められないと興奮しないという性癖者だった。主君の性癖を知っていたフィンセントは、いつか訪れるかもしれない渡りに備え、女主人であるジネットに男の悦ばせ方を叩きこんだのだった。結局、一度も皇帝はジネットの元に来なかったものの、彼女はフィンセントに感謝の念を抱いていた。
ほんのり鬼畜な堅物騎士フィンセントと、おっとりお姉さん系側女によるどすけべラブストーリーです。
◆R18回には※がありますが、設定の都合上、ほぼ全話性描写を含みます。
◆ヒロインがヒーローを性的に攻めるシーンが多々あります。手や口、胸を使った行為あり。リバあります。
婚約も結婚も計画的に。
cyaru
恋愛
長年の婚約者だったルカシュとの関係が学園に入学してからおかしくなった。
忙しい、時間がないと学園に入って5年間はゆっくりと時間を取ることも出来なくなっていた。
原因はスピカという一人の女学生。
少し早めに貰った誕生日のプレゼントの髪留めのお礼を言おうと思ったのだが…。
「あ、もういい。無理だわ」
ベルルカ伯爵家のエステル17歳は空から落ちてきた鳩の糞に気持ちが切り替わった。
ついでに運命も切り替わった‥‥はずなのだが…。
ルカシュは婚約破棄になると知るや「アレは言葉のあやだ」「心を入れ替える」「愛しているのはエステルだけだ」と言い出し、「会ってくれるまで通い続ける」と屋敷にやって来る。
「こんなに足繁く来られるのにこの5年はなんだったの?!」エステルはルカシュの行動に更にキレる。
もうルカシュには気持ちもなく、どちらかと居言えば気持ち悪いとすら思うようになったエステルは父親に新しい婚約者を選んでくれと急かすがなかなか話が進まない。
そんな中「うちの息子、どうでしょう?」と声がかかった。
ルカシュと早く離れたいエステルはその話に飛びついた。
しかし…学園を退学してまで婚約した男性は隣国でも問題視されている自己肯定感が地を這う引き籠り侯爵子息だった。
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~)
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる