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馬事師 2

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 拠点村への招待を受け入れてくれることが決まった馬事師らを、まずは馬場の予定地へと案内した。

「……ここが、俺たちの馬場に?」
「うん。整地されていないから、準備は大変かと思うんだけど……。
 まぁでも初めは小さめの規模から始めて、少しずつ広げていく方向で、徐々に整えていけば良いと思ってる。
 厩舎は奥に造るけど、家屋は道沿いの方が良いかと思うんだけど……希望はある?」

 馬を育てるには広大な土地が必要ということで、拠点村から少し離れた場所を、候補地として紹介した。
 洪水に洗われ続け、比較的なだらかな平地が大きく広がり、所々に湧き水が湧いている。そんな立地。
 ここには現在南西に続く新たな道の整備が進められていたけれど、あるものといえばそれだけ。ほぼ手付かずの平野だ。

「こんなに豊かな地が手付かず……」
「今までは、ことあるごとに氾濫で水に流されてしまう場所だったからね」

 かつては当然道もあったし、村もあったのだけど……。
 氾濫が頻発するようになり、最終的には立ち退きを余儀なくされたのだ。
 本当は、セイバーン村も同じく放棄する話が出ていたらしいのだけど、ここの実りは特別で、手放すには痛手が大きすぎた。
 それで、領主の館をこの地に移してまで、畑を維持することになったという。

「厩舎と家屋は繋げてほしい。馬だけを離しておくのは、危険も多いし、俺たちの手間が増える」

 答えた男……ロジオンの意外な言葉。

「へぇ……やっぱり牧場とは違うんだね。渡り廊下で繋がっている感じで良いのかな? それとも建物をくっつけてしまうのが良い? 北ではどうなってるんだ?」
「そもそも定住していない。季節によって移動するからな。
 家屋は天幕。馬場は柵でぐるりと仕切るが、音が聞き取れるようすぐ近くに設置する」
「……ずっと天幕生活なの?」
「冬以外は」

 ……思っていた形式とだいぶん違いそうだ。

「それは牧草の量の問題で?」
「そうだ」

 話を聞きながらサヤが、硝子筆を紙の上に走らせ、注意事項を書き記す。
 厩舎と家屋は隣接。音が聞き取れる距離……。

「ふむ……マル、北との育成環境の差、それから休耕地で白詰草等を栽培した場合の牧草量の計算は……」

 そう言い終わらぬうちに、一枚の紙が差し出されたので、俺はそれを手に取った。

「そちらにざっくりとなら済ませてますよぅ。
 麦の生産量を落とさないためには、農地を三倍程増やす必要があります」
「それは作業人数的に難しいんじゃないか?」
「そうですね。ですが農耕馬を手に入れることができれば多少は補えるでしょう。
 ここで生産される馬の全てが軍用馬となるわけではないでしょうから。
 麦の収穫率が上がれば、畑の量はそこまで増やさずとも良いんですけどねぇ……。馬で補えない部分の作業量負担も大きいでしょうから」
「エーミルトに頑張ってもらわないとな。とりあえずは五割増くらいで計算だけしておいてもらえる?」
「畏まりました」

 測量を行ってくれている土建組合員の働きを眺めながら、ざっくりと農地の回し方を、頭の中で考えてみたが、これもかなり複雑化しそうだ。

「日々食べる牧草とは別に、貯蔵塔に詰め込む牧草をどれだけ確保できるかか……。
 土地は余っているが、収穫しなければならないとなると……やはりここにも人手の問題が出るな」

 俺の呟きに、相槌を打ったサヤ。

「私の国では、牧草を育てる業者というのが存在しましたけど」
「そこまで細分化してるの?」
 大きな牧場が数件あるような場合なので……ここでは難しいかと思います……。
 牧草の収穫は、人を雇うという方向で解決するのが妥当ではないでしょうか」
「そうだな……燕麦と大麦の生産も加えるから……あぁ、でも農家のその年の収入減を、どこで帳尻合わせしていくかも考えないと……」

 俺の呟くことも全てサヤが書き残してくれている。戻ったらそれを元にして、来年以降の農業計画を練らなければならない。

「今年中にできることは整地と……家屋の建設は来年度からだな。今年は拠点村で長屋暮らしとなるが……あ、心配しないで、収入源は確保する。
 丁度厩番が不在なんだよ。良い種馬を探すためにも、軍用馬の仕入れは年単位で行う必要があるし、購入した軍用馬の管理も含めて、ここを当面お願いできるかな?」
「……もう、買い付けるのか……?」

 戸惑いを隠せない様子でロジオン。
 馬場や厩舎の建設は来年度だと言っているのにと、不思議そうにする。
 だけどこういうのは、必要と思えば購入できるといった類のものではないはずだ。

「思う馬に巡り会えるかどうかは運次第だろ。早めに動いておいて損は無い。
 君らが手放さざるを得なかった種馬に、巡り会える可能性だって上がるのだし」
「…………」

 ロジオンの返事は無く、無言……。
 でも、どうせ種馬を探すならば、早い方が良い。絶対に。
 同じ馬に二度出会えることはまず無い。軍用馬が職務を遂行できる期間は十年ほどの短い間だし、相当相性が合わなかったりしない限り、買えば大抵引退まで使うことになる。
 だから、出会いの機会は多いに越したことはない。一度や二度で理想の馬の全てに出会えるなんて思っていないしね。
 折角決意を固めてくれた彼らが、誇りを持って仕事ができる環境を用意してやりたいし、そうでなきゃ、良い軍用馬は生まれてこないだろう。

「……整地は、必要無い」
「え?」
「軍用馬は、道無き道を進むことも必要な馬。場を整える必要は無い」
「成る程。じゃあ、冬までにしておいた方が良いことって、何かあるかな?」
「……俺たちはこの時期には……冬に備えて牧草を刈り取る作業を行なっているが……」
「まだ貯蔵塔が無いんだもんなぁ……」

 貯蔵塔という、聴き慣れない言葉に微妙な顔をするロジオン。まぁ実際、塔と言うには細いし低いのだけど、形状が塔と表現するしかない感じになっているのだよな。
 今いる馬用の飼料は備蓄が進められているし、多少馬を買い入れたとしても、これで賄えるので安心してもらうとして、とりあえず今年することが無くなってしまうなと思っていたのだが……。

「……それなら、今いる軍用馬の管理ついでに、慣らし直しをするか。
 体調を整えてやることもできるが……」

 長く馬に触れていないから、我々の慣らしも兼ねて……と、言いにくそうにロジオン。
 一度は馬事師としての実力が無いと判断され、放逐された身。はたして領地の大切な馬を任せてもらえるだろうかという、不安があったのかもしれない。
 けれども、俺たちからしたら願ってもない申し出だ!

「本当? そうしてもらえると有難い!」
「あぁそれなら……厩の傍の空き地、あそこの建築を急がせますかねぇ。
 馬の管理をするなら、住む場所は近い方が良いですから。あそこは厩管理者用の宿舎にする方向で調整しませんか。
 購入した種も、そちらで管理すれば良いですし」

 マルもそう進言してくれ、異論は無いと態度で示してくれた。

「うん。そうだな、それが良い」

 馬の世話が大変だと言っていた騎士らも喜ぶことだろう。

 俺たちの反応が好感触だったのか、ロジオンはまた少し、考え……。

「……それから、家屋も必要無い」

 ボソボソと呟かれたのは、想定外の言葉。
 いや、家屋無しでどうするつもりだ……住む場所はないと駄目だろ。

「馬房に人の寝れる場所さえ作ってくれればそこで冬を越す。
 ここはあちらほど雪深くないから、それで充分だと思う」
「冬を越す⁉︎」

 さらっとそう言われたが、いやいや、そんなの無理だしね。ここだって雪で閉ざされるんだよ。
 そりゃ、頭上高くまで雪が降り積もるなんてことはないけども。

「いやいやいや、雪は当然降るし、冬は閉ざされる立地だよ。
 うーん……マル、彼らのやり方って……」
「馬事師は集団ごとにかなり違いがありますからねぇ……。貴方たちは結構なやり方してたみたいですね……北の地でそれって、凍死者出ませんでしたか」
「……場合によっては」

 ⁉︎
 駄目だろうそのやり方は⁉︎

 慌てて根掘り葉掘り尋問する羽目になった。
 それによると、北では相当な制限を課せられた生活を余儀なくされていたようで、正直に言って人の扱いではないと身が凍るような内容だった。
 それというのも、三代に渡り赤を輩出していなかった彼らは、どんどん必要経費を削減されていっている状態で、かなりギリギリの生活であったようなのだ。
 環境が整わないのに赤以上を輩出するなど、無理に決まっている!

「そんなやり方しないから!
 こっちは赤なんてどうだっていいし、そんなふうにしたって赤が生まれるものじゃないって分かってなかったのその北の貴族は⁉︎」
「分かってるからやってたんでしょうけどねぇ」

 彼らを切り捨て、別の馬事師らを迎え入れるために……。

「とりあえず図面! まずはこっちの厩舎や馬房、馬場の構造を見てもらうから!
 越冬は馬ごと拠点村に来てもらうし、あんな立地で孤立とか絶対に駄目!」

 結局それで、拠点村の厩も増築することにした。
 今後はここで騎士試験を行い、新人騎士には拠点村警備を数年担ってもらうつもりで考えている。
 馬の増減を考えても、厩は拡張すべきだろう。

 厩舎や家屋についてもこちらの基準を取り入れてもらえるよう説得してみたのだが、これに関しては難航した。
 馬の育成のため、草原を移動することが多いとのことだったから、そんなにご大層な家屋は必要ないと言い張る。
 まぁ実際、移動生活が主になるならば、良い家があっても埃をかぶるだけ……手間を増やすだけとも考えられる。

「分かった……。
 じゃあサヤ! こうなったら馬車の改良だ。
 徹底的に、道具類の見直しをする。協力してもらえる⁉︎」

 越冬中は拠点村に来てもらうし、日常は移動が中心。馬場として提供するこの土地は、一応の拠点と定め、住居は簡易的なものにする代わり、厩管理者の厩舎と馬車を整え、生活に無理がないよう設備を見直す方向で話をゴリ押し。
 馬車の改良は、ウルヴズ行商団的にも価値あることだろうし、なんならエルランドだって喜ぶだろうし!
 君たちだけのためにするんじゃなく、拠点村発展のためだからと説得して了承させた。

 そんなわけで、旅生活を豊かにする品の開発が、セイバーンの秘匿権開発の優先事項に加わった。

 そうしてそれから、約一年……。
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