794 / 1,121
オゼロ官邸 7
しおりを挟む
オゼロの秘匿権は常に狙われているという。
間者などどこからでも入ってくるし、信頼できると思っていた者でも裏切ることがある。
貴族にはよくあることだが、唯一無二の金の卵を持つこの地では、それが一層顕著だという。
「仔細を伝えるわけにはいかんのだよ。これは、長きにわたってオゼロ領主が守ってきたものだからね」
そう言いつつもエルピディオ様は、二十年前、ある秘匿権の製造過程を担当する者から、裏切りがあったのだと告げた。
その発端は、二十年前より、更に十年以上を遡る。
「他家より婿養子に入ったある男の裏切りだった。
婚姻を結ぶ折に当然調べていた。その男の素性や、交友関係……前歴に至るまで。
そこにジェスルの名は無く、妻を立てる良い男で、その家族にとっては好条件のものだった。
その娘は末の生まれで、可愛がられていたから尚のこと、手元を離したくないという親の気持ちが大きかったのさ。
一子には直ぐに恵まれた。二人とも、後継を考えるような立ち位置ではなかったから、子の数にはあまり拘らなかった。
その婿も順調に出世して、秘匿権の関わる重要な立場を任されるようになった。
けれどそれが全部計画の上のことだったのさ。
その者は、オゼロの貴重な情報を得るために、色々な策略を巡らせていたよ。そのうちの一つがラッセルに絡まっていた。
彼を職場から遠去けるために、その家族へも手が伸ばされていた……。
結果として、情報を守ることはできたものの、幾人かの犠牲が出た。
我々は表面的な事件に振り回され、本質を見極めるまでに無駄な時間を費やしてしまった。
その計画は、何年もかけて周到に練られていたよ。まるで関係無い事柄を重ねるようにして。その切れ端を全て掻き集めるまで、何も見えてこないようなね……」
何か、引っかかる話だった。
何だろう……前に聞いていたような気がしてしまうのは、何だ?
少し考えて、マルの話してくれた、神隠しの話と被るのだと気付いた。
確か、存在を消したのは第二夫人の末娘……。家族全てが、存在を消したという話だったはず。
…………そう、か。お身内の方……。血が代々受け継ぎ守って来たものだったからこそ…………その責任として、存在を消す処置となったのか……。
「ラッセルを巻き込んだあの策略を突き止めたのは、ラッセル等人の没後……あれの残してくれた資料が助けとなった。
己より地位の高い相手だったその者を調べているなど、口が裂けても言えなかったのだろうな……。もしくは、完璧に言い逃れなどできぬ証拠を、掴もうとしていたのか……。
あれの身に変化が起き始めた頃から、細かく記録が残されていた。あれはそういうことを、厭わず行ってくれる、良き文官だった」
息子や、彼本人にも課せられた汚名。それにより、一度は役職を退けられたラッセルだったが、新たに与えられた職場で地道に職務を遂行することで疑いを晴らし、二年という年月をかけ、元の職場に復帰した。けれど、それから僅か半年で体調を崩し、さして経たぬうちに、病没したそうだ……。
結局、一番の主犯格であった婿養子は処分したものの、全てを狩り尽くせば、また別の虫が湧くだろう……。
それで、害の少ないと見越した虫は、残すことになったそうだ。
「状況を理解し、対処した後に、ヴィルジールのことも探したのだがね……。見つけ出すことが叶わず、長らく苦渋を舐めさせることとなってしまった。
本当に、申し訳なく思っているよ」
だがそれは、致し方なかったのだろう。なにせオブシズは、見つけられることなどないように、動いていたのだから。
彼が傭兵という道を選んだのは、傭兵は定住しないからだ。
偽名を名乗るなど当たり前で、身元を問われることもない職業というのは、案外少ない。
父の言いつけをを守るため、処分を望む身内から逃れるために、オブシズは敢えて、その過酷な道を選択したのだろう。
オゼロ領を避け、国中……下手をしたら異国まで出向いていたろうオブシズを見つけ出すことは、実際難しかった。目立つ瞳は、ずっと隠していたろうしな……。
「今からでも、其方の父の名誉を回復することはできる。其方の瞳に対する嫌疑も当て付け同然のものであるし、晴らすことはできよう。
どうだろう。オゼロへ戻って来てはくれまいか?」
不意に飛び出した、エルピディオ様の言葉にドキリとした。
その可能性を全く考えていなかったのだ。オブシズの名誉が回復するならば……ヴィルジールと名乗ることに支障が無くなったのならば、それも当然のこと。
オブシズがセイバーンにいてくれたのは、たまたまなのだし……。
再会した時から、共にいてくれることが当たり前のように思っていて、オブシズがいなくなるかもしれないのだということに、正直かなりの衝撃を受けていたけれど、それがオブシズの幸せならば、受け入れなければと思った。
もう父と再会することは叶わないけれど、母は健在かもしれないし、それならばきっと、オゼロ領内にいらっしゃるだろう。学舎での友人たちとだって、関係を築き直すべきだよな。
なにより、父上の墓前を訪れることができるようになるのは喜ばしいことだ。
俺は内心を隠すために顔を伏せた。
オブシズの思うようにしてほしいと思ったから。
「……有難いお言葉ではありますが……。私は、バルカルセを捨てました。今更あの家名を名乗りたいとも思わないのです。
父も……きっと家名など、特に拘ってはいなかったでしょう……。ですから、オゼロ様の中で父の名誉が回復しているならば、私はそれだけで……」
今後も、家名を名乗る気は無いと、オブシズは言った。
疑いは晴れたとしても、身内から処分を望まれた事実は変わらない。
元々仲が良いわけでもなかったですしねと苦笑。戻ったところで、お互い居心地が悪いだけだろう。
「それに、今の状況では……またレイモンドが何をしでかすか分かりません。
オゼロ様。そのレイモンドの件で、少々お伺いしたいことがあるのですが……」
今回レイモンドを使者に加えた経緯を、お聞かせ願えませんか。と、オブシズは問うた。
確かに。価格操作が俺たちとレイモンドの関係を見るためというのは、いささか順番がおかしい気がする。
するとエルピディオ様は、少々バツが悪そうに頭を掻いた。
「もとはといえば、あの汲み上げ機の製造を牽制するためだよ。
あれはとんでもない代物だ。それこそ、我々の木炭に匹敵する逸品だよ。
なにせ、人の生活を支配する水に、大きく絡む」
人が生活する上で欠かせないもの。それが火であり水だ。あの汲み上げ機が広まれば、きっと人の生活は大きく様変わりする。
その急激な変化をもたらす品が、たかだか金貨二十七枚だと、エルピディオ様。
「元々我々は、常に秘匿権の動きに目を光らせている。
日常的に情報を狙われている身なのでね。あそこを警戒しておくのが手っ取り早いんだよ。
昨年、急にセイバーンの名が多く上がるようになり、その違和感は元から持っていた。
急激な変化は、人の世を乱しかねない。
セイバーンに、ジェスルの者が嫁いでいたことも知っていたが……なにもジェスルの者が、全て裏に絡んでいるというわけでもない。
特別注目もしていなかったのだが……その妙に動き出したことが気になった」
結局その、妙に動き出したものが俺だったわけだ。
間者などどこからでも入ってくるし、信頼できると思っていた者でも裏切ることがある。
貴族にはよくあることだが、唯一無二の金の卵を持つこの地では、それが一層顕著だという。
「仔細を伝えるわけにはいかんのだよ。これは、長きにわたってオゼロ領主が守ってきたものだからね」
そう言いつつもエルピディオ様は、二十年前、ある秘匿権の製造過程を担当する者から、裏切りがあったのだと告げた。
その発端は、二十年前より、更に十年以上を遡る。
「他家より婿養子に入ったある男の裏切りだった。
婚姻を結ぶ折に当然調べていた。その男の素性や、交友関係……前歴に至るまで。
そこにジェスルの名は無く、妻を立てる良い男で、その家族にとっては好条件のものだった。
その娘は末の生まれで、可愛がられていたから尚のこと、手元を離したくないという親の気持ちが大きかったのさ。
一子には直ぐに恵まれた。二人とも、後継を考えるような立ち位置ではなかったから、子の数にはあまり拘らなかった。
その婿も順調に出世して、秘匿権の関わる重要な立場を任されるようになった。
けれどそれが全部計画の上のことだったのさ。
その者は、オゼロの貴重な情報を得るために、色々な策略を巡らせていたよ。そのうちの一つがラッセルに絡まっていた。
彼を職場から遠去けるために、その家族へも手が伸ばされていた……。
結果として、情報を守ることはできたものの、幾人かの犠牲が出た。
我々は表面的な事件に振り回され、本質を見極めるまでに無駄な時間を費やしてしまった。
その計画は、何年もかけて周到に練られていたよ。まるで関係無い事柄を重ねるようにして。その切れ端を全て掻き集めるまで、何も見えてこないようなね……」
何か、引っかかる話だった。
何だろう……前に聞いていたような気がしてしまうのは、何だ?
少し考えて、マルの話してくれた、神隠しの話と被るのだと気付いた。
確か、存在を消したのは第二夫人の末娘……。家族全てが、存在を消したという話だったはず。
…………そう、か。お身内の方……。血が代々受け継ぎ守って来たものだったからこそ…………その責任として、存在を消す処置となったのか……。
「ラッセルを巻き込んだあの策略を突き止めたのは、ラッセル等人の没後……あれの残してくれた資料が助けとなった。
己より地位の高い相手だったその者を調べているなど、口が裂けても言えなかったのだろうな……。もしくは、完璧に言い逃れなどできぬ証拠を、掴もうとしていたのか……。
あれの身に変化が起き始めた頃から、細かく記録が残されていた。あれはそういうことを、厭わず行ってくれる、良き文官だった」
息子や、彼本人にも課せられた汚名。それにより、一度は役職を退けられたラッセルだったが、新たに与えられた職場で地道に職務を遂行することで疑いを晴らし、二年という年月をかけ、元の職場に復帰した。けれど、それから僅か半年で体調を崩し、さして経たぬうちに、病没したそうだ……。
結局、一番の主犯格であった婿養子は処分したものの、全てを狩り尽くせば、また別の虫が湧くだろう……。
それで、害の少ないと見越した虫は、残すことになったそうだ。
「状況を理解し、対処した後に、ヴィルジールのことも探したのだがね……。見つけ出すことが叶わず、長らく苦渋を舐めさせることとなってしまった。
本当に、申し訳なく思っているよ」
だがそれは、致し方なかったのだろう。なにせオブシズは、見つけられることなどないように、動いていたのだから。
彼が傭兵という道を選んだのは、傭兵は定住しないからだ。
偽名を名乗るなど当たり前で、身元を問われることもない職業というのは、案外少ない。
父の言いつけをを守るため、処分を望む身内から逃れるために、オブシズは敢えて、その過酷な道を選択したのだろう。
オゼロ領を避け、国中……下手をしたら異国まで出向いていたろうオブシズを見つけ出すことは、実際難しかった。目立つ瞳は、ずっと隠していたろうしな……。
「今からでも、其方の父の名誉を回復することはできる。其方の瞳に対する嫌疑も当て付け同然のものであるし、晴らすことはできよう。
どうだろう。オゼロへ戻って来てはくれまいか?」
不意に飛び出した、エルピディオ様の言葉にドキリとした。
その可能性を全く考えていなかったのだ。オブシズの名誉が回復するならば……ヴィルジールと名乗ることに支障が無くなったのならば、それも当然のこと。
オブシズがセイバーンにいてくれたのは、たまたまなのだし……。
再会した時から、共にいてくれることが当たり前のように思っていて、オブシズがいなくなるかもしれないのだということに、正直かなりの衝撃を受けていたけれど、それがオブシズの幸せならば、受け入れなければと思った。
もう父と再会することは叶わないけれど、母は健在かもしれないし、それならばきっと、オゼロ領内にいらっしゃるだろう。学舎での友人たちとだって、関係を築き直すべきだよな。
なにより、父上の墓前を訪れることができるようになるのは喜ばしいことだ。
俺は内心を隠すために顔を伏せた。
オブシズの思うようにしてほしいと思ったから。
「……有難いお言葉ではありますが……。私は、バルカルセを捨てました。今更あの家名を名乗りたいとも思わないのです。
父も……きっと家名など、特に拘ってはいなかったでしょう……。ですから、オゼロ様の中で父の名誉が回復しているならば、私はそれだけで……」
今後も、家名を名乗る気は無いと、オブシズは言った。
疑いは晴れたとしても、身内から処分を望まれた事実は変わらない。
元々仲が良いわけでもなかったですしねと苦笑。戻ったところで、お互い居心地が悪いだけだろう。
「それに、今の状況では……またレイモンドが何をしでかすか分かりません。
オゼロ様。そのレイモンドの件で、少々お伺いしたいことがあるのですが……」
今回レイモンドを使者に加えた経緯を、お聞かせ願えませんか。と、オブシズは問うた。
確かに。価格操作が俺たちとレイモンドの関係を見るためというのは、いささか順番がおかしい気がする。
するとエルピディオ様は、少々バツが悪そうに頭を掻いた。
「もとはといえば、あの汲み上げ機の製造を牽制するためだよ。
あれはとんでもない代物だ。それこそ、我々の木炭に匹敵する逸品だよ。
なにせ、人の生活を支配する水に、大きく絡む」
人が生活する上で欠かせないもの。それが火であり水だ。あの汲み上げ機が広まれば、きっと人の生活は大きく様変わりする。
その急激な変化をもたらす品が、たかだか金貨二十七枚だと、エルピディオ様。
「元々我々は、常に秘匿権の動きに目を光らせている。
日常的に情報を狙われている身なのでね。あそこを警戒しておくのが手っ取り早いんだよ。
昨年、急にセイバーンの名が多く上がるようになり、その違和感は元から持っていた。
急激な変化は、人の世を乱しかねない。
セイバーンに、ジェスルの者が嫁いでいたことも知っていたが……なにもジェスルの者が、全て裏に絡んでいるというわけでもない。
特別注目もしていなかったのだが……その妙に動き出したことが気になった」
結局その、妙に動き出したものが俺だったわけだ。
0
お気に入りに追加
836
あなたにおすすめの小説
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
距離を置きましょう? やったー喜んで! 物理的にですけど、良いですよね?
hazuki.mikado
恋愛
婚約者が私と距離を置きたいらしい。
待ってましたッ! 喜んで!
なんなら物理的な距離でも良いですよ?
乗り気じゃない婚約をヒロインに押し付けて逃げる気満々の公爵令嬢は悪役令嬢でしかも転生者。
あれ? どうしてこうなった?
頑張って断罪劇から逃げたつもりだったけど、先に待ち構えていた隣りの家のお兄さんにあっさり捕まってでろでろに溺愛されちゃう中身アラサー女子のお話し。
×××
取扱説明事項〜▲▲▲
作者は誤字脱字変換ミスと投稿ミスを繰り返すという老眼鏡とハズキルーペが手放せない(老)人です(~ ̄³ ̄)~マジでミスをやらかしますが生暖かく見守って頂けると有り難いです(_ _)お気に入り登録や感想、動く栞、以前は無かった♡機能。そして有り難いことに動画の視聴。ついでに誤字脱字報告という皆様の愛(老人介護)がモチベアップの燃料です(人*´∀`)。*゜+
皆様の愛を真摯に受け止めております(_ _)←多分。
9/18 HOT女性1位獲得シマシタ。応援ありがとうございますッヽ(*゚ー゚*)ノ
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
運命の番でも愛されなくて結構です
えみ
恋愛
30歳の誕生日を迎えた日、私は交通事故で死んでしまった。
ちょうどその日は、彼氏と最高の誕生日を迎える予定だったが…、車に轢かれる前に私が見たのは、彼氏が綺麗で若い女の子とキスしている姿だった。
今までの人生で浮気をされた回数は両手で数えるほど。男運がないと友達に言われ続けてもう30歳。
新しく生まれ変わったら、もう恋愛はしたくないと思ったけれど…、気が付いたら地下室の魔法陣の上に寝ていた。身体は死ぬ直前のまま、生まれ変わることなく、別の世界で30歳から再スタートすることになった。
と思ったら、この世界は魔法や獣人がいる世界で、「運命の番」というものもあるようで…
「運命の番」というものがあるのなら、浮気されることなく愛されると思っていた。
最後の恋愛だと思ってもう少し頑張ってみよう。
相手が誰であっても愛し愛される関係を築いていきたいと思っていた。
それなのに、まさか相手が…、年下ショタっ子王子!?
これは犯罪になりませんか!?
心に傷がある臆病アラサー女子と、好きな子に素直になれないショタ王子のほのぼの恋愛ストーリー…の予定です。
難しい文章は書けませんので、頭からっぽにして読んでみてください。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる