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閑話 白い娘 2

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 ユストにより、白化の病について、王家より発表されたと同じ内容が、改めてセレイナ殿と、シルビアに伝えられた。
 この病は、血に種を宿す者同士の婚姻により、子に受け継がれ、開花する病であること。
 種を持たない者との婚姻ならば、絶対に開花しない。つまり、陛下は種を持たないとされる伴侶を得たため、王家の白も、次代では絶たれると予想されているのだ。
 ただし、この種は何百年もの長きに渡り、公爵家と王家で交わり続け、強化されてきた。たとえ開花せずとも、血の中には種は残り続ける。
 更に、王家と公爵家は近親での婚姻を繰り返してきており、血の濃度も高まっている。これを薄めるには相当な年数を要するだろうとのこと。一代、二代、他家と婚姻したくらいでは、この種の所持者を減らせない。
 これを根絶しようと思ったら親から受け継ぐ設計図を自ら選別するくらいのことが必要で、それは神にしかできない所業だ。
 だから、時間をかけて血を薄め、種の保持者を減らしていき、病の発言率を下げていくことが、今できる最大限のこと。本当の意味で殲滅するのは、正直無理だと考えるしかない。

 まぁ、そこはまだまだ先の話だ。シルビアは七歳だし、婚姻なんてずっと先のことだ。今はここでの生活について話そう。

 この病の特徴は、光の毒を体外へ排除するものであるはずの、メラニンというものが、身体で生成されないということ。
 シルビアはそのため、光の毒を全て身体に受け入れてしまう。本来なら日焼けで済むものが、火傷となってしまう体質なのだ。
 また、瞳にも病の特徴は出ていて、一般の者たちより、彼女は光を強く感じる。我々が普通に過ごす日常の光でも、彼女には眩しすぎるのだ。
 更に、光の毒を体内に溜め込みすぎた場合、斑の病……肌に黒いシミが広がり死に至る、皮膚癌という病を引き起こす可能性が、高まる。

「今まで、陽の光には極力触れぬように過ごして来られたのですね?」

 サヤの問いかけに、セレイナ殿はこくんと頷いた。

「意識していたわけではありませんが、人目に触れることが叶わぬ身でありましたので……」

 そう答えたセレイナ殿は、不憫そうに娘を抱き寄せ、眉を寄せる……。
 サヤは、暫く考え込むように俯いて。

「では、多分……シルビア様は、少量のメラニンならば生成できているのだと思います。白髪と言うよりはプラチナ……髪の色が淡く黄味掛かっていらっしゃいますし、瞳にも色がありますから」
「そうなのですか⁉︎」
「はい、とはいえ、一般の方々よりは、格段に少ないです。
 今まで通り、陽の光は極力控えて生活していただけたらと思いますが、きちんと対策を取れば、それほど重篤なことにはならないかと。
 もうお伝えしてあると思いますが、光の毒を取り込むのを抑制する働きがあるものとして、衣服は極力絹物、色は濃い目の色を使うよう心掛けていただけらば、外出も然程難しく考えなくても行えると思います。
 それから、瞳の保護に、つばの広い帽子や、色付きの眼鏡をご利用いただければ、更に目の保護ができると思うのですよね。
 瞳はやはり、皮膚のような膜の守りがない分、弱いので、あまり強い光に晒され続けると、視力の低下も早く招いてしまいますから……」

 ユストやナジェスタ立ち会いのもと、白化の病について、サヤの知識を今一度確認した。
 陛下が病について公表したことで、この病の知識は表に出た。でも、これがサヤの知識であるということは、おおっぴらに口外できない。
 神殿の目もあるし、その知識を欲する輩につけ狙われるかもしれないからだ。
 とはいえ、これからこの病については、もっと調査していかなければならないし、今を生きていくシルビアにとって、知識は命綱だ。だからサヤは、この一家に知識を晒すことを、自ら選んだ。
 一応、サヤからの知識であることは、伏せるようお願いしたけれど。

 サヤはこの日のために、色々と思い出す努力をした様子。
 鉄分を用いて色を変えた硝子で、瞳に入る紫外線も減らせると話した。これは今回初耳のこと。

「確か、ワイン……葡萄酒の酸化も、紫外線が理由だったと思うんです。一部のお酒などは、色付きの瓶に入れて酢になるのを防ぐでしょう?
 だから、緑や茶色……が、確か……鉄分で着色していたと思うんです。他にも混ぜれば、黒い硝子も作れたかと。
 私の国では、この黒や茶色い硝子で眼鏡を作り、瞳に入る光量を調節していました」

 酒には詳しくないのでいまいちピンとこなかったが、色付きの瓶が使われているものがあるのは、そういった理由なのか……。
 それにしてもサヤは、硝子を着色する手法まで知っているようだ。これも秘匿権ではないものの、口外が憚られる知識ではあるはずなんだけどなぁ……。

「サヤさん、メラニンが作れない人でも、髪が色付いている場合があるの?」
「はい。日焼けして、黄色く変色する場合があるんです。ですが、シルビアちゃんには色的にも、当てはまらないかと。その場合、光沢の無い黄色っぽい色になったと思うんです。
 ただ……私の知識は、知識でしかないので……実際に、白皮症の方を目にしたことはありませんし……あくまで多分……としか、言えなくて……」

 少し自信がないのだとサヤ。
 けれど、瞳に色が付いている以上、少量のメラニンが作られていることは確かであるそう。

「髪の色素も作れていたなら、瞳に色が付くだけよりは、もう少し生成量が多いとなるんです。
 本当はメラニンにも種類があったりするのですけど、そこは私もあまりちゃんと覚えてないので……。
 とにかく、色が濃くなればなるほど、メラニンの生成量は多いです」
「先王様は薄紫の瞳だったよね?」
「先王様は、シルビアちゃんよりはメラニン生成量が少ないのだと思います」
「……でも陛下の赤い濃い色は除外なの?」
「陛下の瞳は、本当は透明です。赤いのは、血管の色が透けて見えているからで、先王様の瞳が薄い紫だったのも、血管の色が若干透けていたのだと……」

 陛下の瞳が本当は透明……。なんとも底知れない知識だ。
 とにかくシルビアは、陽の光を直接、長時間浴びないようにすることが、大切であるという。

「陽除け外套よりも、つばの広い帽子の方が、本当は良いんです。顔に光が直接当たりませんから。
 でもこの国にはあまり、帽子が無いみたいなので……一回ルーシーさんに相談してみましょうか」
「そうだな。異国のもので、良いものがあれば仕入れてもらったら良いし、無くても……」
「はい。再現できると思います。形は然程、特殊ではないので。
 それから、夏の長袖は暑いですから、従者服等で採用した意匠を使って、少しでも涼しい衣服を模索できないかなって」
「あぁ、それは良いかもな!
 貴族女性も、肌の白い方が好まれる。白化の方用とせずとも、日焼け対策品とすれば、結構良い線で売れそうだ」

 意匠師がいる環境って凄いな。これって思ったものは即座に図案にできるのだから。

「私の国のアルビノの方は、学校に通って、結構普通に生活されているんです。
 だから、シルビア様も……毎日とはいかなくても、友達を作りやすい環境が得られるように、できたらなって」

 そんな風に優しく語るサヤが愛おしい。
 クロードたちにも、サヤの優しさは伝わっている様子。シルビアは、友達ができるかもしれないとあって、ソワソワと身を揺らし、セレイナ殿も少し涙ぐんでいた。

「まぁ色々と時間は掛かると思うんだけど、シルビアが過ごしやすくなる道具も開発していこうと思う。
 それもクロードの仕事の一環になるからね」
「はい。娘のためならば尚のこと、頑張れます!」

 明日から即仕事に携わりたいと主張するクロードに、もう一日くらいゆっくりしたら?    と、伝えたのだけど、早く仕事を覚えたいし、現場も見たいと言う。リカルド様からも、圧巻だと聞いているらしい。

「そうだな。では明日、早速現場を確認してもらおうか。
 そろそろ各地から研修の者らも到着しだすと思うから、それまでにクロードにも、現場の采配を覚えておいてほしいしな。
 とはいっても、さして難しいことはないのだけどね。
 工事自体は土建組合に依頼してあるから、彼らに任せたら良い。こっちがしなくちゃいけないことは、正確な土嚢の作り方と、積み方を、騎士らの身体へ徹底的に叩き込むことだ。
 なにせ体力とコツの必要な作業なんだ。すぐに疲れて休んでいたんじゃ、作業も進まないし、有事の際にも使えない。
 個人としては、一定速度で一定の練度を保ち、できるだけ多くの土嚢を作り、積み上げること。
 軍隊としては、迅速に作業を進める連携的面の修練が必要になる」

 交易路を任せてある土建組合員には、前回の土嚢壁作りを担当してくれた若手が多く参加しているから、分からないことや、疑問に思ったことは、彼らに確認すると良いと、伝えておいた。それから、職務の同僚としてアーシュも紹介しておく。

「セイバーンの貴族出身者、二人だけだから、ちょっと大変だと思うんだけど……」
「どうぞ宜しくお願い致します」
「こちらこそ。
 ご承知と思いますが、職務上同僚です。どうかヴァーリンの名はお気になさらず。気兼ねなく接していただけたらと思います」

 クロードってほんとできた人だなと思う……。
 表面上や建前でそう言っているのじゃないのが凄いよな。

 夕刻近くになって、借家の整理がほぼ終了したと、女中が報告に来た。
 寝室と居間に関しては、生活できる環境に整ったとのこと。また、調理場等の使用方法も、使用人には伝えたそう。
 クロードの借家は貴族の方というのもあり、風呂付きのものを選んであったのだけど、それも本日より利用できるよう、準備も済ませたそうだ。

 さて、一応これで一通りのことは伝え終わったと思うのだけど、あとは……ここの村に関してだ。

「じゃぁ最後に、この村の構造について説明していこうと思う。勿論、セレイナ殿とシルビアも、聞いておくれね。
 ここの村、全体が大災厄前文例文化研究所という名の、研究施設となっているって、言ったろう?
 だもんだから、変わった規則や変な施設や、妙な設備が多いんだ。
 今日から暫く生活してもらう借家にも、その妙な設備が付随している。帰ってから戸惑わないように、先に使い方を伝えておくね。
 じゃ、とりあえず調理場と、風呂の順で巡るかな」
「…………え、風呂ですか?」
「うん。一定以上敷地を有する家屋には、借家でも風呂を設置してある。騎士訓練所に設けたものよりは小さめだけどね」
「えっ⁉︎     あれが借家にあるのですか⁉︎」

 うん。言うとみんなそんな反応になる。
 だけど、シルビアは体調の問題があるから言わずもがなとしても、クロードみたいな、貴族としての地位まで高い人に、一般人と一緒に湯屋を利用してもらうわけにはいかない。安全上の問題もさることながら、皆の心の平穏のためにもね。

「じゃ、ついて来て。きっと面白いから」

 そうして数分後。大興奮のシルビアが大いに叫び、笑い、キャッキャとはしゃいだのは、言うまでもない。
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