646 / 1,121
新風 13
しおりを挟む
「仕掛けて来るだろうというのは、考えていらっしゃったのですか?」
「うん」
訓練所に足を進めながら、このことはサヤには内密にと、約束を交わした。
サヤのいない所でこんなことがあったなんて知られてしまえば、彼女は怒るし、自分を責める。
今回の人物には、とにかくサヤを関わらせたくなかったものだから、上手いこと釣られてくれて、良かったと心底思っている。
まぁ、思っていた以上の大物が、おまけについてきてしまった感じなんだけど。
ホッと胸をなでおろしていると、クロードより……。
「それにしても……先程の輩は何故、諦めるに至ったのでしょう……」
との質問が。
「懐に襟飾をしまっていたみたいだったから、ここで意識を手放したら、主人殿の身元が判明してしまうよって脅したからかな」
そう答えると、少しの沈黙の後、また別の質問が返ってきた。
「…………何故襟飾がしまってあると思われたのです?」
「襟に跡が残っていたし、胸元を気にする素振りがあったし、他二人が意識を手放していないことを確認していたから、身元を証明する何かを所持していて、引くべきか否か思案しているんだと思ったんだけど」
「……………………ちょっと待ってください、あの場の判断なのですか?」
信じがたいと言いたげなクロード。それにオブシズは苦笑気味だ。
「そもそも、なんで黒幕がいると思われたのです?」
「十一人の表情と緊張感に、ばらつきがあったからだよ。
あの三人だけ、本気度合いが違ったし、担がれていた方の意思や思考を念頭に置いている節が無かったから。
クロードのこと、分かっていたろうに、忠告ひとつしなかったし……、彼の方は、ただ言い訳としての、囮なんだろうなと」
「クロード様、レイシール様は読心に長けていらっしゃるので、ちょっと我々では気付き難いようなことも、推測できてしまうみたいなんですよ」
「読める範疇のことなのですか…………⁉︎ あの短時間で、十一人ですよ?」
「一人一人を確認してるんじゃないんだ。広の視点といって、全体をふんわりと把握する視界の取り方を、前にサヤが教えてくれてね。
ずっと練習してきたから、だいぶん広い範囲が認識できるようになってきてて、それで状況把握が格段に早くなった」
俺の説明に、二人は顔を見合わせて、オブシズは苦笑。クロードは困惑。
だけどこれは本当で、読みに関しては、広の視点がすごぶる有効だったのだ。
それまでの俺は、表情や視線の動きを判断材料にしていたのだけど、広の視点によって、ざっくりと大まかなものでよければ、場全体の雰囲気が掴めるようになった。
一人に集中していられるならば、ちょっとした肩の揺れや、指の動きなど、全身を余すことなく網羅できるから、まるで少し先の未来が見えているかのような感覚なのだよな。
つま先に体重がかかったことが分かれば、次は踏み込んでくるだろう……とか、肩が跳ねれば、図星なんだな……とか、表情と視線の動き、その答えを身体の動作が補足してくれる感じだ。
コツを掴むまでが長かったけど、分かったら一気に楽になった。
「とは言っても、結局短剣じゃ、やれることが限られるし、宝の持ち腐れも良いところなんだけど」
左手を使うようになって、剣を受けること自体は体力の続く限りできるようになったけれど、戦力としては、全くと言って良いほど、足しになっていない。
「さっきの彼の方。多分また来るのだろうなっていうのは、井戸の時の表情で分かっていたし……ああいう方の思考だと、今度は人目につかない、邪魔の入らない場所でって思うのだろうなって。それと、きっちりこちらの対応を教えておかないと、しつこく来そうだったから」
洗礼が黙認されていることから、その返礼だってある程度目溢しされているのだろうことが推測できたし、流血沙汰だけ避ければ問題無いだろうと考え、あの喧嘩を買うことにしたのだけど、抜剣して、俺たちに怪我を負わせることを厭わなかったことで、これは洗礼に見せかけた妨害行為なんだろうという結論に至った。
だから、脅すだけじゃなく、情報を極力引き出そうと思ったのだけど……。そちらは流石に、なかなか掴ませてはもらえそうになくて、ここで得られるものは得られたと思った段階で、ケリをつけたのだ。
「伯爵家以上か、もしくは長より上の役職……ってなると、もう大臣のどなたかしかいない感じだけど」
「ではやはり、オゼロ公爵様……⁉︎」
「どうかな。上の方だと思い込まされて、気が大きくなっていただけって可能性も大いにあるしね。
あの三人も、顔を晒していたから、直属の上司を俺たちに知られることは、織り込み済みだと思うんだよ。だけど、懐の襟飾は気にした……」
「…………顔割れは厭わないのに、襟飾は駄目……? そんなことってありますかね」
「普通に考えれば無いけれど、使い分けているんだと思うんだよね」
「使い分ける?」
「表の職務と、裏の職務。仕えている相手が、違うんじゃないかな」
「っ⁉︎」
まぁその辺りのことは、彼らの外見的特徴をマルに伝え、調べてもらおうと思っている。
身の安全を優先し、深追いを避けたのも、こちらにマルという奥の手があるからだ。
ここで無理してまで情報収集に躍起にならずとも、彼の分析があれば、あちらが想定している以上の情報が得られると、俺は確信を持っているから。
「だから今は、あそこら辺が妥当だったと思う。
これで俺たちを簡単には処理できないって、裏の方には分かっていただけたろう。
公爵家が関わっているかどうかは、次の対応で考察できると思う。今はここまで分かれば充分かな」
あの程度では、俺たちは引き下がりはしないと、理解していただけたはずだ。
今回殺気は無かったから、少々手傷を負わせ、脅しをかけるだけのつもりであったのだろうけど、次の出方しだいであちらの望みもだいぶん絞り込めると思う。
そうすれば……もっと、視界が開けてくるはずだ。
オゼロとは限らない。アギーやヴァーリンだって、一枚岩では無いだろうし。今の情報量でそこまで絞り込めるとは思っていない。
ただ……影を持つ家なのだろうとは、考えていた。
顔を共有し、表と裏に立場を持つなんて、組織で相当な工作を重ねなければ、成立させられないだろうから。
だから、公爵四家と、ジェスル…………まずはこの五家が、候補の筆頭だ。
「マル、そろそろ終わってる?」
無事訓練所まで到着し、マルとの合流を果たせた。
思っていた通り、打ち合わせは終了していて、これから俺たちを探しに行こうかと考えていたらしい。
「どうやら単独行動は控えた方が良さそうだよ」
「おや。またちょっかいですか」
「うん。さっきの方だったけど、それを利用した別口」
かいつまんで状況を説明し、襲撃者の特徴を伝えると、調べておきます。とのこと。
リカルド様はご立腹であったけれど、今度は返り討ちにしたとお伝えしたら、溜飲が下がった様子。そんなに腹立たしかったんですね。
「でも、許したんですかぁ。お優しいですねぇ」
「焚きつけられたにせよ、二度目なんですから、役人に突き出してやっても良かったと思いますけどね。実際下手をしたら怪我じゃ済まなかったんですから」
「今回はあくまで、洗礼に対抗しただけとしておく方が、穏便かと思ったんだ。こっちが気付いてることは、当事者にだけ伝われば充分だろう?
それに……実力差は歴然としていたし、皆大丈夫だと、思っていたから」
二人とも、何を言わずとも鞘ごと剣を抜いたのだ。抜剣した者を相手取って、普段より重い鞘付きの剣を振るうなんて、実力と自信が伴わなければ、取れない行動だろう。
まあ当然、三度目を許すつもりは無い。そこまではしてこないと思うけど。
今度はちゃんと、陛下が直属の上司って伝えておいたし、更に上なんて存在しないから、担がれる心配も無いだろう。
そんな風に話す俺たちから少し離れて交わされた、クロードとリカルド様の会話は、俺には届いていなかった。
「兄上……レイシール様は、予想外のお方でした……」
「なんだ、もう後悔しているのか?」
「いえ……思い違いをしていたのだと、気づいたのです。
私は彼の方を、美しい声で歌う大瑠璃だと思っておりました……。ですが彼の方は……ただ美声を響かせ鳴くだけの小鳥ではございませんね。強いて例えるなら……雀鷹……でしょうか。
自覚はしておられぬようですが、我が主と定めた方は才器……炯眼の士です」
「大瑠璃。
……雀鷹………………くっ」
急に笑いし出したリカルド様に、訓練所の皆がビクリと反応。しかしすぐ視線を逸らし、引きつった顔で見ないふり。
俺は珍しいこともあるものだなぁと、楽しそうな二人につられ、口元が綻ぶ。
「弟の前だと、リカルド様も普通に笑うんだな」
それに対し、マルとオブシズは、ちょっと意味ありげな微苦笑。
「……そうなんですかねぇ……」
「あれ絶対レイシール様案件だよ……」
「うん」
訓練所に足を進めながら、このことはサヤには内密にと、約束を交わした。
サヤのいない所でこんなことがあったなんて知られてしまえば、彼女は怒るし、自分を責める。
今回の人物には、とにかくサヤを関わらせたくなかったものだから、上手いこと釣られてくれて、良かったと心底思っている。
まぁ、思っていた以上の大物が、おまけについてきてしまった感じなんだけど。
ホッと胸をなでおろしていると、クロードより……。
「それにしても……先程の輩は何故、諦めるに至ったのでしょう……」
との質問が。
「懐に襟飾をしまっていたみたいだったから、ここで意識を手放したら、主人殿の身元が判明してしまうよって脅したからかな」
そう答えると、少しの沈黙の後、また別の質問が返ってきた。
「…………何故襟飾がしまってあると思われたのです?」
「襟に跡が残っていたし、胸元を気にする素振りがあったし、他二人が意識を手放していないことを確認していたから、身元を証明する何かを所持していて、引くべきか否か思案しているんだと思ったんだけど」
「……………………ちょっと待ってください、あの場の判断なのですか?」
信じがたいと言いたげなクロード。それにオブシズは苦笑気味だ。
「そもそも、なんで黒幕がいると思われたのです?」
「十一人の表情と緊張感に、ばらつきがあったからだよ。
あの三人だけ、本気度合いが違ったし、担がれていた方の意思や思考を念頭に置いている節が無かったから。
クロードのこと、分かっていたろうに、忠告ひとつしなかったし……、彼の方は、ただ言い訳としての、囮なんだろうなと」
「クロード様、レイシール様は読心に長けていらっしゃるので、ちょっと我々では気付き難いようなことも、推測できてしまうみたいなんですよ」
「読める範疇のことなのですか…………⁉︎ あの短時間で、十一人ですよ?」
「一人一人を確認してるんじゃないんだ。広の視点といって、全体をふんわりと把握する視界の取り方を、前にサヤが教えてくれてね。
ずっと練習してきたから、だいぶん広い範囲が認識できるようになってきてて、それで状況把握が格段に早くなった」
俺の説明に、二人は顔を見合わせて、オブシズは苦笑。クロードは困惑。
だけどこれは本当で、読みに関しては、広の視点がすごぶる有効だったのだ。
それまでの俺は、表情や視線の動きを判断材料にしていたのだけど、広の視点によって、ざっくりと大まかなものでよければ、場全体の雰囲気が掴めるようになった。
一人に集中していられるならば、ちょっとした肩の揺れや、指の動きなど、全身を余すことなく網羅できるから、まるで少し先の未来が見えているかのような感覚なのだよな。
つま先に体重がかかったことが分かれば、次は踏み込んでくるだろう……とか、肩が跳ねれば、図星なんだな……とか、表情と視線の動き、その答えを身体の動作が補足してくれる感じだ。
コツを掴むまでが長かったけど、分かったら一気に楽になった。
「とは言っても、結局短剣じゃ、やれることが限られるし、宝の持ち腐れも良いところなんだけど」
左手を使うようになって、剣を受けること自体は体力の続く限りできるようになったけれど、戦力としては、全くと言って良いほど、足しになっていない。
「さっきの彼の方。多分また来るのだろうなっていうのは、井戸の時の表情で分かっていたし……ああいう方の思考だと、今度は人目につかない、邪魔の入らない場所でって思うのだろうなって。それと、きっちりこちらの対応を教えておかないと、しつこく来そうだったから」
洗礼が黙認されていることから、その返礼だってある程度目溢しされているのだろうことが推測できたし、流血沙汰だけ避ければ問題無いだろうと考え、あの喧嘩を買うことにしたのだけど、抜剣して、俺たちに怪我を負わせることを厭わなかったことで、これは洗礼に見せかけた妨害行為なんだろうという結論に至った。
だから、脅すだけじゃなく、情報を極力引き出そうと思ったのだけど……。そちらは流石に、なかなか掴ませてはもらえそうになくて、ここで得られるものは得られたと思った段階で、ケリをつけたのだ。
「伯爵家以上か、もしくは長より上の役職……ってなると、もう大臣のどなたかしかいない感じだけど」
「ではやはり、オゼロ公爵様……⁉︎」
「どうかな。上の方だと思い込まされて、気が大きくなっていただけって可能性も大いにあるしね。
あの三人も、顔を晒していたから、直属の上司を俺たちに知られることは、織り込み済みだと思うんだよ。だけど、懐の襟飾は気にした……」
「…………顔割れは厭わないのに、襟飾は駄目……? そんなことってありますかね」
「普通に考えれば無いけれど、使い分けているんだと思うんだよね」
「使い分ける?」
「表の職務と、裏の職務。仕えている相手が、違うんじゃないかな」
「っ⁉︎」
まぁその辺りのことは、彼らの外見的特徴をマルに伝え、調べてもらおうと思っている。
身の安全を優先し、深追いを避けたのも、こちらにマルという奥の手があるからだ。
ここで無理してまで情報収集に躍起にならずとも、彼の分析があれば、あちらが想定している以上の情報が得られると、俺は確信を持っているから。
「だから今は、あそこら辺が妥当だったと思う。
これで俺たちを簡単には処理できないって、裏の方には分かっていただけたろう。
公爵家が関わっているかどうかは、次の対応で考察できると思う。今はここまで分かれば充分かな」
あの程度では、俺たちは引き下がりはしないと、理解していただけたはずだ。
今回殺気は無かったから、少々手傷を負わせ、脅しをかけるだけのつもりであったのだろうけど、次の出方しだいであちらの望みもだいぶん絞り込めると思う。
そうすれば……もっと、視界が開けてくるはずだ。
オゼロとは限らない。アギーやヴァーリンだって、一枚岩では無いだろうし。今の情報量でそこまで絞り込めるとは思っていない。
ただ……影を持つ家なのだろうとは、考えていた。
顔を共有し、表と裏に立場を持つなんて、組織で相当な工作を重ねなければ、成立させられないだろうから。
だから、公爵四家と、ジェスル…………まずはこの五家が、候補の筆頭だ。
「マル、そろそろ終わってる?」
無事訓練所まで到着し、マルとの合流を果たせた。
思っていた通り、打ち合わせは終了していて、これから俺たちを探しに行こうかと考えていたらしい。
「どうやら単独行動は控えた方が良さそうだよ」
「おや。またちょっかいですか」
「うん。さっきの方だったけど、それを利用した別口」
かいつまんで状況を説明し、襲撃者の特徴を伝えると、調べておきます。とのこと。
リカルド様はご立腹であったけれど、今度は返り討ちにしたとお伝えしたら、溜飲が下がった様子。そんなに腹立たしかったんですね。
「でも、許したんですかぁ。お優しいですねぇ」
「焚きつけられたにせよ、二度目なんですから、役人に突き出してやっても良かったと思いますけどね。実際下手をしたら怪我じゃ済まなかったんですから」
「今回はあくまで、洗礼に対抗しただけとしておく方が、穏便かと思ったんだ。こっちが気付いてることは、当事者にだけ伝われば充分だろう?
それに……実力差は歴然としていたし、皆大丈夫だと、思っていたから」
二人とも、何を言わずとも鞘ごと剣を抜いたのだ。抜剣した者を相手取って、普段より重い鞘付きの剣を振るうなんて、実力と自信が伴わなければ、取れない行動だろう。
まあ当然、三度目を許すつもりは無い。そこまではしてこないと思うけど。
今度はちゃんと、陛下が直属の上司って伝えておいたし、更に上なんて存在しないから、担がれる心配も無いだろう。
そんな風に話す俺たちから少し離れて交わされた、クロードとリカルド様の会話は、俺には届いていなかった。
「兄上……レイシール様は、予想外のお方でした……」
「なんだ、もう後悔しているのか?」
「いえ……思い違いをしていたのだと、気づいたのです。
私は彼の方を、美しい声で歌う大瑠璃だと思っておりました……。ですが彼の方は……ただ美声を響かせ鳴くだけの小鳥ではございませんね。強いて例えるなら……雀鷹……でしょうか。
自覚はしておられぬようですが、我が主と定めた方は才器……炯眼の士です」
「大瑠璃。
……雀鷹………………くっ」
急に笑いし出したリカルド様に、訓練所の皆がビクリと反応。しかしすぐ視線を逸らし、引きつった顔で見ないふり。
俺は珍しいこともあるものだなぁと、楽しそうな二人につられ、口元が綻ぶ。
「弟の前だと、リカルド様も普通に笑うんだな」
それに対し、マルとオブシズは、ちょっと意味ありげな微苦笑。
「……そうなんですかねぇ……」
「あれ絶対レイシール様案件だよ……」
0
お気に入りに追加
837
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる