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新風 9
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女近衛は、きっと成人前の仕官と同じ扱いを受けているだろう。ほんの些細な失敗や体調不良で、これだから女はと、こき下ろし、嘲笑され、蔑まれてしまう。
それは、フォーツ殿の言葉や、受付室の視線や言葉だけで察することができた。
けれど。
「人が、来ます」
絞り出すように、サヤが言った。そして俺の胸を押して、腕から逃れようとする。俺まで醜聞に巻き込みたくないと、思っているのだろう。
舌打ちしそうになるのを、なんとか堪えた。俺だってどうせその洗礼の最中にいるのだから、気にする必要なんてないのに。
「オブシズ……クロード」
「極力隠します。レイシール様、サヤを長椅子に寝かせましょう。体調不良をそのまま示す方が、まだ……」
厳しい声音でそう言うオブシズに頷く。そうだな……俺がサヤを抱きしめておくより、その方がまだ外聞が良いか。
サヤを横たえさせると。上着を脱いだオブシズがそれを差し出してくれた。ありがたく受け取って、サヤの上半身を包む。
するとそこに、小柄な騎士が小走りでやって来た。
キョロキョロと周りを見渡し、またどこかへ走り去ろうとしているから、誰か探しているのだろうか? と、そう思ったら、その人物がオブシズに目を止める。
「あ!」
オブシズに走り寄ってくる姿に、昔の知人なのかと思ったのだけど、近付いてきたその人に、唖然とした。
「……フィオレンティーナ殿⁉︎」
貴女それ、男装してるって言われませんか⁉︎
普通に、騎士の格好をしているフィオレンティーナ殿だった。長衣に細袴、上着を纏い、腰に長剣。坊主頭に近い短髪だし、この人を女性だとうかがわせる要素が、女近衛の襟飾しか無い。ていうか、その格好でここ出歩いてて、何も言われてないわけ、ないですよね⁉︎
「ここにおられたか! 早々に見つかってようござった」
田舎の訛りが少々残る口調。間違いなくフィオレンティーナ殿だ。
キビキビとした足取りでやって来て「陛下が来いとのお達し。ついて参られよ」と早口で言われた。
急いている様子に「何か問題が?」と、聞けば……。
「ん。さしたることではない……で、ござるが。まぁ、問題ではある。
とはいえ、ここではなく……んん? サヤ?」
「申し訳ない、今少し、体調を崩しているんだ。
人目には触れさせたくない……その……奇異の目に晒されては、治るものも治らない……」
そう返すと、何かを察したのだろう。ではっ。と、踵を返す。
「少々待っておられい。援軍を呼んでこよう」
頼もしくそう言ったフィオレンティーナ殿が、もと来た方向に全力で走り去る。呼びとめる間も無かった……。
「……王宮内、あんな風に疾走しては駄目じゃないのか?」
「まあ駄目ですが……今は有事ですし」
そのクロードの呟きに、それもそうかと、受け入れることにした。
◆
の、だが。
援軍として呼ばれて来たのは当然女近衛の面々。
そのなんとも不思議な出で立ちに唖然としている俺たちの前で、彼女らはとても明るかった。
「サヤ、大丈夫?」
「あらあら、見事に真っ青」
「立てるなら、腕を組んで歩こ。支えておくから大丈夫」
「陛下も近場の会議室に移動してござる、そこまでの辛抱だ」
「四人で楽しそうにして見えれば、問題無いでしょ。
だからマルグ! 貴女先頭! 視線引きつけ要員! フィオは後ろねっ」
「しょうがないわねぇ」
「心得てござる!」
ものすっごく楽しそうな女近衛の四人。洗礼の重圧など一切感じていない様子で、お祭り騒ぎさながらだ。
リヴィ様は陛下の移動に付き従っているとのこと。
それにしても……。
四人の服装は、皆がまちまちだった。
マルグレート様はいかにも貴族の令嬢らしい艶やかな装い。だのに剣帯と腰の短剣がなんとも異様。
ロレッタ殿とユーロディア殿は地元で仕事着としていた服だと思う。無論、細袴は男物だ。
で、フィオレンティーナ殿は男性騎士にしか見えないわけで……。
なんだろう。この混沌とした図は……。
きゃっきゃウフフと楽しげに歩く姿は、和気藹々とした華やかな女性陣だが、それは雰囲気だけ。
中心のサヤはマルグレート様の影だし、後ろもフィオレンティーナ殿で隠れているから目立たないだろうけれども。
道行く官や使用人からは、どこかげんなりとした視線。……え、げんなり?
「はぁい♪」
まるで娼館の色女の如く、腰を振ってしゃなりと歩くマルグレート様が、ひらひらと指をひらめかせ、道行く男性に色目を使いまくるせいで、そこら辺の男性陣の熱視線が彼女に一点集中。
どうやって嗅ぎ分けているのか、女性慣れしていない方を見極めている様子で、声をかけた大半の人が挙動不審になる。
おかげでその後ろの男装めいた集団には、ほんと視線が行かない。神技か。
「…………現実か、これ……」
「そのようですね」
なんか頭痛がする。
女近衛は一体どうなってしまったんだ……。
ちょっと目の前のものを信じられないままに足を進め、三階の一番手前にある小さめの会議室へとするりと身を投じたのだけど。
「サヤ、こちらへいらっしゃい」
入った途端、リヴィ様がサヤを掬い上げた。
横抱きにされたサヤは、あれよあれよという間に長椅子へと運ばれ、そこに寝かされたのだけど……。
その傍らには、白い髪の女性が、さも当然と長椅子に座っている。
「何があった」
俺を見据え、威厳のある声音で鋭く問う陛下。だけど……。
説明しにくいな、あれは……。
「はい……洗礼の最中、逃れた先で司教方の一団に遭遇しまして、それが些か、サヤには毒でした」
言葉を濁す。
女性だらけのこの場で、あの内容はあまりにあまりで……口にしたくなかった。
それに多分……俺とサヤ以外は、気づいてすらいないのだろうし……。
利害関係で多くのことが構成されているのは、なにも貴族社会だけではない。
それに、ああいったことが多々利用されていることも、充分理解している。
そもそも貴族の婚姻こそが、その利害関係に大きく影響されているのだ。あの大司教とアレクセイ殿は…………少々特異な例であるというだけの話でしかない。
あぁ、それにあれか。神に身を捧げた彼らは、婚姻を結ぶことが無い。それでも当然、人の本能というものは、簡単に律せるものではないから……。
ハインだって言っていた。神殿の孤児には二種類あり、ひとつは労働力として消費され、もうひとつは稚児や湯女として……っ。
聞いた時は衝撃が過ぎて、聞き流してしまっていた。あれって、こんな、こんなことだったのか……?
駄目だ。俺も今はまだ、混乱してる……。
人間誰にだって趣味嗜好はあって、あの大司教にとってはその……それが、一般的ではないものであったというだけで……。
そして多分それを、アレクセイ殿は、分かって、利用していて……。
あの若さで、司教にまで上り詰めた理由が、理解できてしまった気が、していた。
でも、それを俺はとやかくいう立場にはなかったし……。
「…………申し訳ありません。これ以上は……」
言えない。
そうした俺に、陛下は不満そうではあったものの、話を打ち切ってくれた。
「まぁ良いわ。私も今は時間が無い。
これより少々、その司教らの元に赴かねばならぬのでな。
其方らはここでこのまま待て。それまでは自由にして良い。リヴィ、行くぞ。他の四人はここに残れ」
「了解でござる」
「畏まりましたー!」
状況を理解していない女近衛らは、ひたすら明るい。
でもそれが、何か気持ちをホッとさせてくれた。
まぁ、ちぐはぐな出で立ちであっても、女近衛の五名の仲が悪い様子は無い。
リヴィ様はきちんと女近衛の正装で、耳に耳飾も煌めいているというのに……一体なにがどうなっているのだろう?
アレクセイ殿のことを考えたくなくて、あえて思考をそちらの方向に切り替えていた俺に、リヴィ様が優しくおっしゃった。
「レイ殿、人払いはしてありますから、このままここでゆっくりしてらして。しっかりサヤを、労って差し上げてね」
「有難うございます。お言葉に甘えさせてもらいます」
ホッとする。この人たちの優しさに。
「サヤー、何か欲しいものある?」
「ディア、駄目。寝かせてあげる」
「えー、でも退屈だよ。あっ、本とか読んであげよっか!」
「……まるっきり子供扱いか……なんと不憫な……」
サヤを取り囲んでキャイキャイやっている女近衛たちに、とりあえず男の俺たち三人は、少々居心地悪いのは我慢しようと、目配せしあった。
それは、フォーツ殿の言葉や、受付室の視線や言葉だけで察することができた。
けれど。
「人が、来ます」
絞り出すように、サヤが言った。そして俺の胸を押して、腕から逃れようとする。俺まで醜聞に巻き込みたくないと、思っているのだろう。
舌打ちしそうになるのを、なんとか堪えた。俺だってどうせその洗礼の最中にいるのだから、気にする必要なんてないのに。
「オブシズ……クロード」
「極力隠します。レイシール様、サヤを長椅子に寝かせましょう。体調不良をそのまま示す方が、まだ……」
厳しい声音でそう言うオブシズに頷く。そうだな……俺がサヤを抱きしめておくより、その方がまだ外聞が良いか。
サヤを横たえさせると。上着を脱いだオブシズがそれを差し出してくれた。ありがたく受け取って、サヤの上半身を包む。
するとそこに、小柄な騎士が小走りでやって来た。
キョロキョロと周りを見渡し、またどこかへ走り去ろうとしているから、誰か探しているのだろうか? と、そう思ったら、その人物がオブシズに目を止める。
「あ!」
オブシズに走り寄ってくる姿に、昔の知人なのかと思ったのだけど、近付いてきたその人に、唖然とした。
「……フィオレンティーナ殿⁉︎」
貴女それ、男装してるって言われませんか⁉︎
普通に、騎士の格好をしているフィオレンティーナ殿だった。長衣に細袴、上着を纏い、腰に長剣。坊主頭に近い短髪だし、この人を女性だとうかがわせる要素が、女近衛の襟飾しか無い。ていうか、その格好でここ出歩いてて、何も言われてないわけ、ないですよね⁉︎
「ここにおられたか! 早々に見つかってようござった」
田舎の訛りが少々残る口調。間違いなくフィオレンティーナ殿だ。
キビキビとした足取りでやって来て「陛下が来いとのお達し。ついて参られよ」と早口で言われた。
急いている様子に「何か問題が?」と、聞けば……。
「ん。さしたることではない……で、ござるが。まぁ、問題ではある。
とはいえ、ここではなく……んん? サヤ?」
「申し訳ない、今少し、体調を崩しているんだ。
人目には触れさせたくない……その……奇異の目に晒されては、治るものも治らない……」
そう返すと、何かを察したのだろう。ではっ。と、踵を返す。
「少々待っておられい。援軍を呼んでこよう」
頼もしくそう言ったフィオレンティーナ殿が、もと来た方向に全力で走り去る。呼びとめる間も無かった……。
「……王宮内、あんな風に疾走しては駄目じゃないのか?」
「まあ駄目ですが……今は有事ですし」
そのクロードの呟きに、それもそうかと、受け入れることにした。
◆
の、だが。
援軍として呼ばれて来たのは当然女近衛の面々。
そのなんとも不思議な出で立ちに唖然としている俺たちの前で、彼女らはとても明るかった。
「サヤ、大丈夫?」
「あらあら、見事に真っ青」
「立てるなら、腕を組んで歩こ。支えておくから大丈夫」
「陛下も近場の会議室に移動してござる、そこまでの辛抱だ」
「四人で楽しそうにして見えれば、問題無いでしょ。
だからマルグ! 貴女先頭! 視線引きつけ要員! フィオは後ろねっ」
「しょうがないわねぇ」
「心得てござる!」
ものすっごく楽しそうな女近衛の四人。洗礼の重圧など一切感じていない様子で、お祭り騒ぎさながらだ。
リヴィ様は陛下の移動に付き従っているとのこと。
それにしても……。
四人の服装は、皆がまちまちだった。
マルグレート様はいかにも貴族の令嬢らしい艶やかな装い。だのに剣帯と腰の短剣がなんとも異様。
ロレッタ殿とユーロディア殿は地元で仕事着としていた服だと思う。無論、細袴は男物だ。
で、フィオレンティーナ殿は男性騎士にしか見えないわけで……。
なんだろう。この混沌とした図は……。
きゃっきゃウフフと楽しげに歩く姿は、和気藹々とした華やかな女性陣だが、それは雰囲気だけ。
中心のサヤはマルグレート様の影だし、後ろもフィオレンティーナ殿で隠れているから目立たないだろうけれども。
道行く官や使用人からは、どこかげんなりとした視線。……え、げんなり?
「はぁい♪」
まるで娼館の色女の如く、腰を振ってしゃなりと歩くマルグレート様が、ひらひらと指をひらめかせ、道行く男性に色目を使いまくるせいで、そこら辺の男性陣の熱視線が彼女に一点集中。
どうやって嗅ぎ分けているのか、女性慣れしていない方を見極めている様子で、声をかけた大半の人が挙動不審になる。
おかげでその後ろの男装めいた集団には、ほんと視線が行かない。神技か。
「…………現実か、これ……」
「そのようですね」
なんか頭痛がする。
女近衛は一体どうなってしまったんだ……。
ちょっと目の前のものを信じられないままに足を進め、三階の一番手前にある小さめの会議室へとするりと身を投じたのだけど。
「サヤ、こちらへいらっしゃい」
入った途端、リヴィ様がサヤを掬い上げた。
横抱きにされたサヤは、あれよあれよという間に長椅子へと運ばれ、そこに寝かされたのだけど……。
その傍らには、白い髪の女性が、さも当然と長椅子に座っている。
「何があった」
俺を見据え、威厳のある声音で鋭く問う陛下。だけど……。
説明しにくいな、あれは……。
「はい……洗礼の最中、逃れた先で司教方の一団に遭遇しまして、それが些か、サヤには毒でした」
言葉を濁す。
女性だらけのこの場で、あの内容はあまりにあまりで……口にしたくなかった。
それに多分……俺とサヤ以外は、気づいてすらいないのだろうし……。
利害関係で多くのことが構成されているのは、なにも貴族社会だけではない。
それに、ああいったことが多々利用されていることも、充分理解している。
そもそも貴族の婚姻こそが、その利害関係に大きく影響されているのだ。あの大司教とアレクセイ殿は…………少々特異な例であるというだけの話でしかない。
あぁ、それにあれか。神に身を捧げた彼らは、婚姻を結ぶことが無い。それでも当然、人の本能というものは、簡単に律せるものではないから……。
ハインだって言っていた。神殿の孤児には二種類あり、ひとつは労働力として消費され、もうひとつは稚児や湯女として……っ。
聞いた時は衝撃が過ぎて、聞き流してしまっていた。あれって、こんな、こんなことだったのか……?
駄目だ。俺も今はまだ、混乱してる……。
人間誰にだって趣味嗜好はあって、あの大司教にとってはその……それが、一般的ではないものであったというだけで……。
そして多分それを、アレクセイ殿は、分かって、利用していて……。
あの若さで、司教にまで上り詰めた理由が、理解できてしまった気が、していた。
でも、それを俺はとやかくいう立場にはなかったし……。
「…………申し訳ありません。これ以上は……」
言えない。
そうした俺に、陛下は不満そうではあったものの、話を打ち切ってくれた。
「まぁ良いわ。私も今は時間が無い。
これより少々、その司教らの元に赴かねばならぬのでな。
其方らはここでこのまま待て。それまでは自由にして良い。リヴィ、行くぞ。他の四人はここに残れ」
「了解でござる」
「畏まりましたー!」
状況を理解していない女近衛らは、ひたすら明るい。
でもそれが、何か気持ちをホッとさせてくれた。
まぁ、ちぐはぐな出で立ちであっても、女近衛の五名の仲が悪い様子は無い。
リヴィ様はきちんと女近衛の正装で、耳に耳飾も煌めいているというのに……一体なにがどうなっているのだろう?
アレクセイ殿のことを考えたくなくて、あえて思考をそちらの方向に切り替えていた俺に、リヴィ様が優しくおっしゃった。
「レイ殿、人払いはしてありますから、このままここでゆっくりしてらして。しっかりサヤを、労って差し上げてね」
「有難うございます。お言葉に甘えさせてもらいます」
ホッとする。この人たちの優しさに。
「サヤー、何か欲しいものある?」
「ディア、駄目。寝かせてあげる」
「えー、でも退屈だよ。あっ、本とか読んであげよっか!」
「……まるっきり子供扱いか……なんと不憫な……」
サヤを取り囲んでキャイキャイやっている女近衛たちに、とりあえず男の俺たち三人は、少々居心地悪いのは我慢しようと、目配せしあった。
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