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拠点村 2-4

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「ええ?    あの……待って、国の事業にする?    貴方何言ってるの?    貴方の目的すら見えてこないんだけど」
「いやだから、俺の目的は国力の底上げですよ。地方行政官ですよ、俺。職務なんですよ。
 儲けるのは国。税収を上げることが目的です」
「…………………………税収?」
「そうですよ。姫様が、国力の底上げを当代の目標として掲げているんです。地方行政官としては、民の生活向上こそが職務。民の生活を豊かにする物を、広めなきゃならないんです。
 国力は貴族が潤っても上がりません。民の生活が安定し、豊かになっていくことが、必要なんです。
 だから、少し高いけれど後々生活を助けてくれる品……。長い目で見ると得をすると思える品……。あれを得る為に頑張って働こうと思える品。ちょっと努力すれば手が届く品。そういうのが、我々が求めているものなので、民にとって潤いとなる品を優先的に開発するのは当然でしょう?」

 そう言うと、なんとも意味が理解できないといった顔をする……。

「だけど貴方……それ、貴方は手間ばかりじゃないの?」
「本来貴族の役割ってそういうものじゃないですか?
 俺は皆が苦しんで生活する姿は見たくありません。セイバーンに住みたい。ここで生きていきたい。そう思ってほしいので、そのためにこうするのは当然かと」
「……分かった。貴方、全然貴族目線じゃないのね」
「貴族らしさは無いってよく言われます」

 でも貴族らしさなんてものは、さして重要ではないと、最近特に思っている。
 結局国を支えているのは民なのだ。民無くしては、貴族も国も成り立たない。なのに貴族中心に世の中を考えるからややこしくなる。

「セイバーンは麦を作る農民らに支えられています。なら、彼らが潤わないと成り立ちません。
 だから、氾濫を防ぐ必要があったし、これからも彼らの生活が少しでも良くなるよう、努力をするべきだ。
 ただ今を繰り返したのでは先は無いですよ。少しずつ失われて、先細りしていくだけです」

 新たなものを作り出していかなければ、失われるばかりになってしまう。
 それは、セイバーンを襲っていた氾濫と、サヤの話から痛いほど学べた。
 ただ今を維持することは、何も生まない……。よくなろうと努力しなければ、知識や技術を残していかなければ、少しずつ失い、最後は滅ぶ。

「麦を作る農民らが潤ったらどうなるっていうのよ」
「もっと麦を多く作るにはどうすれば良いか、考える余裕が生まれますよ。その結果、国が潤うんだ。
 今、セイバーンと多領では収穫率に差があります。
 計算してみると、だいたい二倍強……。ま、土地の広さと収穫率からざっと計算したものなので、誤差はありますが、概ね比率的にはそうなっています。
 セイバーンは麦の効率的な生産、収穫量向上を常に考えて今日に至っている。
 多領では、まだその段階に無い。植えて実るに任せている地方が圧倒的に多いと、俺たちは考えています。
 少なくとも水路を設置すれば、麦の生産量は増えます。それは我々の、今までの経験と結果から示せる。
 けれど、だからってそれを真似て、水路を引いた領地がどれほどあります?
 水路を引くだけの費用の捻出が難しい……税収が伴わない……もしくは、貴族の搾取により、それが進められていない。
 それぞれが、それぞれの役割を担えていないのが原因ですか?    違います。貴族が貴族として機能していないからです。
 我々は今ある税収から、民の生活を向上する対策を取らなきゃならない。少し無理をしてでもそれをする決断を下さなきゃいけないはずだ。
 なのに搾取するために秘匿権を利用する。知識の独占により、現状を民に知らせない。知識を滞らせることで、発展を妨げているんです。
 今、フェルドナレンは豊かだと言われていますが……現状は、もっと厳しいですよ。
 民からの搾取……身食いが横行していますからね。更に、秘匿権がそれを増長させている。
 フェルドナレンは、既に痩せてきているというのが、俺たちの結論です」

 いつしか、クオン様はぽかんと口と、瞳を見開いていた。
 まさか雑貨類の発明からこんな話を持ち出されるとは思ってもみなかったという感じか。
 だけど、今は麦の生産を引き合いに出して話したけれど、これがこの社会の歪み、全てを表している。
 我々は搾取することで、自らの成長を閉ざしているのだ。
 それが、領地と領民であったり、人と獣人であったりするだけで……。

「まあつまりね、民が潤えば国が潤います。
 民の生活の向上こそが今姫様が求めているもので、俺はそのために役職を賜りました。
 だから、秘匿権を個人的なことに利用するのは俺のすべきことではないし、それをしてしまったら職務怠慢ですよ。
 とはいえ、他領の運営方針にまで口出しできる立場ではありませんからね。
 その結果、俺なりのやり方で民の生活の向上を図る手段として、民の生活に根ざした道具類の開発をしている。といった感じです」

 そうして、秘匿権の価値を少しずつで良い、削り落としていくのだ。
 民の生活にゆとりが出れば、優しさを分け与える余裕だって生まれてくるはず。
 識字率を上げ、民の知識欲を上げ、何故?    という疑問を育てる。
 生活の苦しさゆえに、孤児や獣人を貶め、気持ちを慰めるしかない社会構造を変えていく。
 水滴を、小さな波紋を、大きな波へと育てていく……。

 本当に小さな試みだ。
 だけど、いつか絶対にこれを、育てきってみせる。
 獣人だって人だと、当たり前に言える世の中にしてみせる。
 皆で笑える社会を作るんだ。

「……貴方、腑抜けて見えるのに……案外深く考える人なのね……」
「クオン、失礼ですわ」

 ついぽろりと本音が溢れてしまったクオン様を、すかさずリヴィ様が窘めた。
 いや、見た目に威厳とか無いのはよく分かっているので良いんですよ。
 恐縮するリヴィ様に自覚ありますからと笑って言うと、なんとも複雑な顔をされてしまった。
 そして、たしなめられたクオン様であったけれど、やはり姉上殿の言葉など聞き流している様子。悪びれた様子もなく、更に質問を重ねてきた。

「この村に孤児院を作る話。あれもこの国力向上に絡むわけ?」

 そこを掘り下げてきますか……。
 ダニルのこともあり、今一番俺が心を悩ませている部分なのだけど、その気持ちを言葉にするのは難しい。
 でも、今ここで言い澱むことは許されないと感じた。
 ここでクオン様を納得させられないなら、ダニルだって無理なのだ。

「絡みますね。現状での孤児は、将来的に罪人を生むと考えられていますし、その通りです。
 でもそれって、子を育てる機能がこの国に無いからですよね。
 神殿は孤児を食わせてくれますが、孤児は神に身を捧げ、一生を神殿で終えます。そこに生産性はない。神殿は、貴族や民からの寄進で運営されていますから。
 あ、それが悪いと言っているわけではないんですよ。ただ、現状では神殿に収まり切らない孤児が、路地に溢れている。神の救いの手は足りていないのです。
 このフェルドナレンに身を置く者は、すべからく国の礎。
 ですから孤児院では、神殿が救いきれていない孤児を、一部担おうと考えてます。
 国から略奪する身に堕ちるのではなく、生産してもらう立場となるよう、学ばせて、職を得てもらう。将来社会の一端を担えるようにね」

 罪を償うのではなく、罪を贖う。世のため、歯車の一つとなるのだ。
 これ以上の罪を重ね、来世も堕ちるのではなく、少しでも、明るい方へ。

「孤児は、苦難の生を、罪の償いのために課せられているのよ?
 育ててやっては、彼らの労役にはならないのではないの?」

 そう問うクオン様に、俺は逆に切り返した。

「では伺いますが、クオン様。
 今から硝子職人の元で硝子筆が作れるように修練を詰めと言われたら、貴女はそれを苦もなくこなすことができますか?」

 そう聞き返すと、クオン様は首を傾げ、少し考えた後……。

「苦もなく……は、無理というか、身につく気がしないわね……」
「俺もですよ。
 でも彼らは……孤児らは、身に付けなければならない。必ずです。
 庇護者のいない彼らは、自らを生かすために自らが働くしかありません。
 育つのを根気強く待っている時間も与えられない。失敗も許されない。与えられた期間のうちに、与えられたものを得るしかないんですよ。
 それは、労役に等しい苦難の道ではないでしょうか。ただ育つ。それだけがどれほど彼らにとって過酷なことか。
 だから俺は、彼らを育てることが、彼らが苦難の道を外れることだとは、思っていません。
 むしろ、領民である彼らを育てるのは、領主である俺の義務です。領民全ての幸福のために働くのが、領主一族の役割でしょう?
 彼らが更なる罪に堕ちることの方が、神の意思に反することだと、俺は思います」

 話しながら、俺はダニルの進むべき道が見えた気がした。
 そうだ……。神は全ての民を慈しんで下さっている。孤児も、罪人も、きっと獣人もだ。
 何故かそれは疑いもなくそう思えた。
 分け隔てなく、全ての子を愛して下さっている。手を伸ばす者全ての手を、握り返して下さる方々だ。
 あの優しい瞳は、たとえ罪を犯したた身であっても見捨てたりはしない。いつか必ず分かってくれると、踏み止まってくれると信じて、ただひたすら、その命の巡りを繰り返し、見守って下さるのだ。

「……はぁ、なんだか壮大ね。
 まぁ、神の気持ちや願いなんて私には全然分からないのだけど、一つはっきりしていることはあるわ。
 ……貴方、分かってやってるのよね?
 貴方のやることって、貴族社会と、聖職者を、敵に回すことだって」

 それまでとは声の調子を変え、クオン様が真剣な表情で鋭くそう問うた。
 流石に聡明な方だなと思う。十五歳でそこを見落とさないか。

「秘匿権を得ている貴族が多いってことは、彼らにとってそれが美味しい果実だからよね。
 孤児のことだってそう。神殿にとってそれは、必要な労役なのよ。
 それを貴方は踏み躙る。社会構造上、なくてはならないものを壊そうとしてる。そう解釈されても文句は言えないわよね?
 それ、姫様は良しとしていると思うの?」

 解釈されても、文句は言えない……か。
 正しく、その解釈の通りを望み、実行しようとしているのだから、文句なんて言えないよな。
 けれど、少なくとも今の先は、荒野へと続く道だ。いつか滅びるしかない、先細りの道……。

「俺は、風除けとしての役割も期待されている……と、伺いました。
 女性の王政です。今までのフェルドナレンに無かったことをする姫様ですからね。
 姫様が、表立って前に立てば、国が乱れます。
 でも俺ならば、成人前の未熟者が、何かゴソゴソ目障りなことをやっている。で、済みますよ」

 神殿の力を三割ほど削ぐとおっしゃっていたのも姫様だ。ならば、孤児院計画は姫様の意思に反してはいないだろう。
 孤児が生産性を高め、税収も見込めるとなれば、わざわざ彼らを死なせる無駄を、犯さない世になる。そうなれば神殿だって、孤児を消耗品として扱えなくなるだろう。
 国力の向上だって、姫様の方針だからな。実績を詰めと言われているから、その通りにしているだけだ。
 俺の思惑がそこに含まれているとしても、姫様を裏切ることはしていない。

「必ず成果を上げます。
 フェルドナレンを動かす歯車の一つとして、その役割を全うします。
 とは、姫様にもお伝えしました」

 あの方ならば、俺が進む道を信じて下さると思う。
 任せた以上、全てを任せてくれる方でもある。
 そうしていつか、この行いが実った時。

「お前に任せた私の目に狂いはなかった」

 と、いつものように、胸を張って言葉にしてもらえるよう、俺たちは頑張るのだ。

「……取材したは良いけど……。
 これ、記事にしにくい内容ねぇ……。
 貴方のやることの先を見たいと思った場合、このまま書いちゃったら困るじゃないの……」

 最後にそう呟いたクオン様は、なんとも難しい顔で、溜息を吐いた。
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