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門出 7

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「お待ちしておりました。ようこそ、クオンティーヌ様」

 キラキラの素晴らしい笑顔でギル。
 アギーの方を支店に招くのは今回が初めてとのこと。
 ワドの采配で、部屋の準備も全て整っており、準備万端で臨んでいる。

「お久しゅう、バート商会支店店主、ギルバート殿。急なお願いを快く聞き入れてくださって、感謝しておりますわ」

 ギルの手を借りて馬車を降りたクオンティーヌ様は、旅装ながらも可愛らしい出で立ち。茶を主体とした落ち着いた色調で全身を纏めている。

「お父様が従者や武官を必要以上に用意するものだから、置いてくるのに苦労したわ。
 私、極力身軽に動き回りたいたちなの。店主もそのように理解しておいていただけます?」
「畏まりました」
「まあそれで、私に関しては女中、従者、武官は一人ずつよ。それから、女近衛の正装の件、進めていただいていると思うのだけど、使者の方と一緒に参りましたの。
 そちらにも各一人ずつ。それと、明日の到着となるはずなのだけど、耳飾の件、まずひと組いらっしゃるわ。もう準備はできていて?」

 単刀直入にハキハキと語るクオンティーヌ様。その周りで使用人らが荷物の運び込みを行なっていたのだが、馬車の中からもう一人が身を乗り出し、俺の視線はそこに釘付けとなった。

「リヴィ様!」
「紹介するわ。使者のオリヴィエラよ。私の姉でもあるのだけど、店主はご存知よね」

 そう言ってクオンティーヌ様は、さっと俺の元に足を進めて来た。自分がギルの横にいたのでは、ギルが動けないと思ったのだろう。
 ちらりと俺に意味ありげな視線を寄越すので、苦笑にならぬよう意識して顔を作る。

「先日はお世話になりました」
「今度はこちらが世話になるわ」
「思った以上にお早いお着きでしたね」

 ギルが、馬車を降りるリヴィ様に、自然な動きで手を差し出している。すると、小さく震える手がそっと、ギルの手に、遠慮がちに触れた……。

「お久しぶりでございます、オリヴィエラ様」
「…………」

 けれど返事は無かった。視線を足元に落とし、必死で耐えているといった様子のリヴィ様。
 ギルを怖がっているというより、恥ずかしくてそちらを見れないといった感じだ。そんな彼女に、俺の横で待機していたサヤが「リヴィ様」と声を掛ける。

「っ、サヤ!」
「リヴィ様が使者なのですね。驚きましたけれど、嬉しいです。よくお越しくださいました」

 女性の装いであるサヤがそう言い駆け寄ると、縋るようにそちらへ手を伸ばす。
 するとギルはスッと身を引いて、ワドに応接室へ皆様をご案内するので、荷捌きは任せると指示。

 ……ギルが口をきいたことないって、こういうことか……。

「あの通りなのよね……。
 あの店主は上背があるから姉様だって大柄に見えないのに、結局縮こまるんだもの……」

 ボソリと溜息を吐くような呟き。
 俺には、リヴィ様が酷く怯えているように見受けられた。
 ギルにどんな風に思われているか……その不安がとても大きいのじゃないかと思う。

「クリス姉様からの伝言。上手くやれ、ですって。お互い他にやることもあるってのに責任重大よ」
「……まぁ、姫様は常に、多くを求めるお方ですからね……覚悟してましたよ」

 苦笑しつつ、俺も小声でそう答える。
 予感はあったんだよな……リヴィ様が使者として、ここに来るのじゃないかって。
 だから、色々考えてはいたんだ。

「とりあえず、私は初めの耳飾が完成するまでここに居させてもらうわ。姉様の方は、女近衛の正装が纏まるまでかしらね。あ、姉は隊長職を賜ることが決まっているの。採寸も必要でしょ。
 今決まっている他の隊員候補の寸法は、分かる範囲でってことになるのだけど、採寸表を預かっているわ。
 でも……決まってない隊員もいるのに……そこら辺は大丈夫なのかしら……」
「一応策は考えております。ですが、少なくともここにいるお二人に関しては、正確な採寸をさせていただけるので有難い。
 せっかくの晴れ舞台ですからね。最も美しい形で正装を提供したいと、私も考えておりましたので」

 やって来たギルがそんな風に言葉を挟む。爽やかな微笑みは絶やしていないが、闘志が瞳にちらついている。仕事の顔だ。
 特別傷ついたといった様子は見受けられない。リヴィ様の態度にも慣れているのだろうし。

「それではまず、お部屋が整うまで応接室にてお寛ぎください。ご案内します。料理長が、サヤ直伝の茶菓子をご用意しておりまして、ぜひご賞味頂きたいと申しております」
「……何、貴方の従者……じゃなかった、婚約者、料理までするの?」
「サヤはなんだってできますよ!    料理も、裁縫も、絵だって上手ですし!」
「…………惚気は要らないわ」

 真っ赤になったサヤが慌てて俺の口を塞ぎに駆けてくる。
 そして余計なこと言わないでください!    と、サヤに叱られる俺を横に、ギルが呆れたように肩を竦めて言ったのは……。

「それがね、残念なことに惚気ではございません。本気なのです」
「…………貴方よくこの男に付き合ってられるわね」

 クオンティーヌ様の言葉に、ギルは良い笑顔を作り、意味深に「まぁ、直ぐに分かりますよ」と言った。


 ◆


 部屋の準備に女中が残され、応接室には従者と護衛のみ。

 本日用意されたサヤ直伝の茶菓子はメレンゲクッキーと言われるもの。
吠狼より『メバックへ向かう馬車の一団がある。紋はアギー』と、犬笛を使った緊急連絡が入り、急ぎ用意された。
速報があったとはいえ、なにせ時間が限られるから、とにかく早く作れるものをと、これになったのだ。
 ワドは部屋の準備へと動いてもらっているため、今はハインがこの部屋を仕切ることとなり、現在お茶を用意している。
 そしてまず運ばれた茶菓子を見てのひと言。

「……何これ。見たことないわ」
「まぁ、まるで小手毬のよう……」

 つい……と言った様子で呟いたリヴィ様が、ハッと口元を隠す。
 俺とサヤの前という気安さからか、珍しい菓子に気を取られたのか……本当につい、だったのだろう。

「初めてお声をお聞かせいただけましたね」

 と微笑んだギルに、お顔が茹ってしまった。
 ギルのキラキラがもう毒なんじゃないかってくらいに反応するな……。心臓が止まってしまわないか心配になる……。

 まずは長椅子でくつろいでいただきながらお茶を楽しむことにする。夕食まで時間もあるし、少しくらいは腹に入れても平気だろう。
 茶が配られる間に、クオンティーヌ様が俺とギルを交互に見て言ったのは……。

「本当に貴方、店主と友人だったのね」
「嘘は言いませんよ……。ギルとは十年以上の縁です。学舎でずっと、共におりましたから」
「はい。卒業後もこうして、縁を繋げさせていただいております」

 大貴族前だものな。ギルはいつも以上にかしこまった態度だ。
 表情を引き締め、そうしていると本当に王子様だと思う。隙が無い。

「貴方達が並んでいると……成る程ねぇ、レイシール殿が女性に見えるのも頷けるわ」
「見えませんよ⁉︎」
「残念、見えるわ。貴方髪も長いし……成人前だから仕方がないのだろうけど」
「本当に……この習慣にはほとほと苦労してきましたけどね……。
 でも学舎のあの噂はただの悪戯ですよ。本当。本気にしないでくださいね」

 そう言い苦笑する俺の横で、ギルがメレンゲクッキーを口にし、お茶を飲む。
 毒味を店主自ら行って勧められたお茶を、クオンティーヌ様はまず口にした。

「そういえばそうだったわね。学舎の縁……」
「ギルも、姫様とは面識がありますから、ご安心ください」
「……そう、そこも……。貴方達ってよく分からないわね」

 下級貴族と庶民であるのに、親友であると言い、更にはクリスタ様がクリスティーナ様であり、姫様であることも知っている。
 普通に考えたら有り得ないことだ。
 でも姫様が男装なんかして学舎に来るから、この有り得ないことが起こっているのであって、俺たちにはどうにも回避できなかったと思う……。諸悪の根源は姫様だ。

「店主、貴方が女近衛の正装依頼を賜った理由は、理解していて?」
「無論。女性の男装という形でですが、もう七年以上、実績を積んでおりますので、ご安心ください。
 とくに昨年より、サヤの男装も数多く手掛けました。他の老舗と比べましても、この件に関しての経験値は大きく先陣を切っていると自負しております」
「そう……自信もあるようで安心したわ。
 で、姉様。姉様が黙ったままじゃ何も進まないのだから、いい加減にしてくれないかしら」

 急にイラっとした声音でクオンティーヌ様がそう言い、隣で縮こまっているリヴィ様を睨め付けると、リヴィ様は泣き出しはしないかと不安になる程狼狽えた。

「私、こういう貴族的なやりとりあまり好きじゃないのよね。まどろっこしいし。
 だからできれば早々に、このやりとりをどうにかしたいのだけど、姉様に気兼ねして店主もずっと堅苦しい口調を崩せないわけ。
 当然、普段の貴方達、そんな風じゃないわよね?    取材も兼ねているのだから、本来のやりとりを見せていただきたいのだけど」

 仕事でしょ、しっかりしてよ!    と、クオンティーヌ様。
 それでようやっと、リヴィ様はなけなしの勇気を振り絞った。

「あ、あの……どうか、気兼ねなく、なさって……」

 それだけ言うのがやっとであるといった様子。
 俺とギルは顔を見合わせて、まぁ大丈夫だろ。と、いうことで、態度を崩すことにした。

「リヴィ様、お茶は如何ですか?
 身体が温まれば、気持ちも少しはほぐれます。そんなに緊張なさらずとも、大丈夫ですから」

 俺の後ろに従者として立っていたサヤが、そう声を掛けると、リヴィ様は「サヤ……」と、縋るように手を差し伸べる。
 サヤが俺を見るので、良いよと頷くと、リヴィ様の元に足を進めた。

「では、サヤも従者としてでなく、我が婚約者として振舞わせていただきますね。
 あと、ここでのサヤはカメリアと名乗る意匠師でもあるので、少々やるべきことが多い身なんです。退席も増えると思いますが、ご了承頂けると幸いです」
「え?……意匠師?」
「絵も上手いって、先程言ったでしょう?
 バート商会の手掛けている衣服に、サヤの意匠は意外とありますよ。サヤの着る従者服然り、俺の着るものにもね」
「…………嘘⁉︎」

 声を刎ねあげるクオンティーヌ様。これにはリヴィ様も瞳を見開き、サヤを見る。

「実は、そうなんです……。とはいっても、私の故郷の衣服を元にしたものを、絵にしているだけなのですけど……」

 困ったような顔で笑いつつ、そう言い訳を口にするサヤ。すると当然それは、ギルによって否定された。

「異文化とはいえ、取り入れるべきものは多くあります。謙遜してますが、彼女は素晴らしい意匠師です。
 そうだ、サヤ。お前の下絵をお二人に見ていただくか?    オリヴィエラ様も、少しは心安らぐかもしれないし……」
「は、はい……でもあの……お目汚しでは?    私……そんな大したものは……」
「と、言ってますけど、如何ですかオリヴィエラ様?」

 ギルが敢えてリヴィ様にそう問うた。すると彼女は、縮こまりながらもなんとかこくりと頷く。

「では持って参りましょう。少し席を外すことをお許しください」

 そう言い退室する際、俺に視線を寄越すギル。うん、分かってる。多少なりとも落ち着けるよう、配慮するよ。
 頷き返すと、ギルは颯爽と足を進め、部屋を出て行った。
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