457 / 1,121
来世 5
しおりを挟む
本日、天気は快晴。
「遠征日和ですねっ」
「うん。吹雪いてなくて良かった」
村の者たちに見咎められても困るので、南側の人が居ない区域から、俺たちは出発することとなった。
荷物は少ない。昼食用の諸々が入った背負い袋が一つと、花を持ち帰るための箱が一つ。
箱の中には羽毛が詰めてあるのだが、これは緩衝材がわりだ。
何か不足の事態があってもそのままセイバーン村に逃げ込めるし、これで大丈夫だろう。
防寒対策万全の服装で、俺たちは橇に綱を装着させる。本日も牽引役はイェーナだった。少しでも橇に慣れた者の方が良いだろうと判断されたためである。
「いってらっしゃいませ」
「うん。昼過ぎには戻れると思うから」
ハインに危険だから駄目です。なんて言われることもなく……。気持ち悪いくらい素直に送り出してくれたのが若干引っかかる気もしたけれど、そこはまぁ……良しとする。イェーナが一緒であるとはいえ、サヤと二人で出かけられるのだということが、なんだか今更ながらとても嬉しくて。細かいことは気にしないでいられるくらい、気分が高揚していた。
そして出発してから少し……。
「確かに、眼鏡が必要だったなぁ……これは、眩しい」
「本当に。キラキラですね」
輝く太陽の光を雪が反射し、更に蒲公英のような色のイェーナだ。色付き硝子をはめ込んだ仮面をしていても、若干眩しい。
結構な速度だし、馬車みたいに壁もないため寒風が直接顔に当たり、ものすごく冷たいのだが……。
「凄い、綺麗だ……」
「ディズニー映画みたい……」
周りの風景は、見惚れてしまうくらい、素晴らしかった。
白と、黒と、青しかない。
なのに何故こうも、完成されているのだろう……。
知っているはずの風景なのに、まるで別世界。けれどちゃんと、記憶に面影がある。
「雪の世界って、こんな風なんや……」
「もっと寂しい風景かと思ってたのにな」
晴れ渡っているからこそなのだろう。吹雪けば一瞬で、死の世界だ。だからこそ、美しいのだろう……。
そんな風に考えていたら、
「これが……神の御坐す世界なんやね……」
という、サヤの呟きにどきりとした。
「え? なんて?」
「あの子が……来世に逝く時に、通る場所やって。
真っ白の空間……そこで、羽化をするのだって。来世までは遠いから、飛んでいくんだよって、教えてくれはった。
あの子は…………こんな世界を、飛んでいくんやね」
何か思い詰めたような、押し殺した声音。
それがその子を亡くした悲しみからのみ、発せられた言葉でないことは、その重い響きで察することができた。
「あの子は、迷い子にならんと、逝けるやろか……」
不安そうに、揺れる声音で……。
「私も…………そこに逝けるんやろか……」
掻き消されそうな小さな呟きが耳をかすめ、ゾクリと背筋を冷気が撫でた。
まるで見てきたみたいに鮮明に、裸身を晒し、背に虹色の羽を広げるサヤが想像できてしまい、その恐怖が衝動的に、俺の手をサヤに向かわせる。
「れっ、レイ! 操縦しとる時に手を離したら……っ!」
席に座るサヤを背後から抱き竦めて、顎に手を回す。サヤの抗議の声は唇で塞いだ。
だけどぐらりと橇が不規則な動きをして、慌てて唇を離し、取手に縋り付く。
「っ、……あっぶな……!」
「な、何考えて……っ⁉︎ 阿呆っ! こんな時にスケベ! なんで急にそんな……バカ!」
必死で立て直す俺を、羞恥を誤魔化すように罵るサヤ。
ブレた橇の動きにイェーナが気付いた様子で速度を少し落としてくれて、なんとか転がらずに立て直すことができた。
「あのさ、サヤ。考えたんだけどね。
その子の名前、いくつか候補があるんだけど、どうにも絞り込めなくて」
「誤魔化したって駄目や!」
急に口付けしたことを誤魔化していると解釈されてしまった……。
まぁ、俺としては、目的を達成できているのでよしとする。
この世界で暮らす間や、ちゃんと天寿を全うしてから旅立つ死後の世界を、サヤひとりにする気なんてない。
なのにそんな苦しそうに、不安そうに、俺のことを忘れたみたいに、考えてほしくなどない。
「イリーナでしょ、ヘルミナ、カルラ、シスル……どれが良いと思う?
アリーゼ、リュシー……。どんな子だったの。どの名前がしっくりくるかな」
立て続けに女性名を連ねる俺に呆れたのか、サヤの返事が来ない。
こちらを振り返ることもしないから、もしかして物凄い怒らせただろうかと、少し不安になる。
「………………カルラ……カルラが良いと、思う……」
悪かったと謝ろう……そう思い口を開きかけた時に、サヤの返事があった。
「迦楼羅天は、私の国では神様の中のお一人でな、魔を退け病を除くと言われてるお方やし……」
「神様の名前をいただくの?」
「よくあることやで。神様や、英雄の名前を、あやかれるようにって、いただくこと。
響きだけをいただいて、別の漢字をつけたりもする。
……あの子は…………カルラは、飛んでいかなあかんし……迦楼羅天は、鳥の姿をした神様やしな」
前を向いたまま、そう言うサヤに、じゃあ、カルラにしようなと、告げると、こくりと頷く。
「……もう少ししたら、交代しよ」
「そう? 俺まだ大丈夫だけど」
「私も……操縦したい」
「そうか。じゃあ……イェーナ! 一回止まってくれ!」
声を張り上げて指示を飛ばし、俺も足元の歯止めを踏んで、減速を促す。
そうしながら、自分を異物だと言うサヤが、ここで独りに慣れなければいけないと言うサヤが、死後にまで不安を抱いているなんて、耐えられないと、思った。
妻となることを受け入れてくれたけれど、きっと心は、まだ孤独だ……。
揺れ動いてる……。まだ葛藤してる……。本当に、俺を夫として良いのかどうか……。
本当に、ここにいて、良いのかどうか……。
彼女が心から安心していられるようにするには、どうすれば、良いのだろう……。
「遠征日和ですねっ」
「うん。吹雪いてなくて良かった」
村の者たちに見咎められても困るので、南側の人が居ない区域から、俺たちは出発することとなった。
荷物は少ない。昼食用の諸々が入った背負い袋が一つと、花を持ち帰るための箱が一つ。
箱の中には羽毛が詰めてあるのだが、これは緩衝材がわりだ。
何か不足の事態があってもそのままセイバーン村に逃げ込めるし、これで大丈夫だろう。
防寒対策万全の服装で、俺たちは橇に綱を装着させる。本日も牽引役はイェーナだった。少しでも橇に慣れた者の方が良いだろうと判断されたためである。
「いってらっしゃいませ」
「うん。昼過ぎには戻れると思うから」
ハインに危険だから駄目です。なんて言われることもなく……。気持ち悪いくらい素直に送り出してくれたのが若干引っかかる気もしたけれど、そこはまぁ……良しとする。イェーナが一緒であるとはいえ、サヤと二人で出かけられるのだということが、なんだか今更ながらとても嬉しくて。細かいことは気にしないでいられるくらい、気分が高揚していた。
そして出発してから少し……。
「確かに、眼鏡が必要だったなぁ……これは、眩しい」
「本当に。キラキラですね」
輝く太陽の光を雪が反射し、更に蒲公英のような色のイェーナだ。色付き硝子をはめ込んだ仮面をしていても、若干眩しい。
結構な速度だし、馬車みたいに壁もないため寒風が直接顔に当たり、ものすごく冷たいのだが……。
「凄い、綺麗だ……」
「ディズニー映画みたい……」
周りの風景は、見惚れてしまうくらい、素晴らしかった。
白と、黒と、青しかない。
なのに何故こうも、完成されているのだろう……。
知っているはずの風景なのに、まるで別世界。けれどちゃんと、記憶に面影がある。
「雪の世界って、こんな風なんや……」
「もっと寂しい風景かと思ってたのにな」
晴れ渡っているからこそなのだろう。吹雪けば一瞬で、死の世界だ。だからこそ、美しいのだろう……。
そんな風に考えていたら、
「これが……神の御坐す世界なんやね……」
という、サヤの呟きにどきりとした。
「え? なんて?」
「あの子が……来世に逝く時に、通る場所やって。
真っ白の空間……そこで、羽化をするのだって。来世までは遠いから、飛んでいくんだよって、教えてくれはった。
あの子は…………こんな世界を、飛んでいくんやね」
何か思い詰めたような、押し殺した声音。
それがその子を亡くした悲しみからのみ、発せられた言葉でないことは、その重い響きで察することができた。
「あの子は、迷い子にならんと、逝けるやろか……」
不安そうに、揺れる声音で……。
「私も…………そこに逝けるんやろか……」
掻き消されそうな小さな呟きが耳をかすめ、ゾクリと背筋を冷気が撫でた。
まるで見てきたみたいに鮮明に、裸身を晒し、背に虹色の羽を広げるサヤが想像できてしまい、その恐怖が衝動的に、俺の手をサヤに向かわせる。
「れっ、レイ! 操縦しとる時に手を離したら……っ!」
席に座るサヤを背後から抱き竦めて、顎に手を回す。サヤの抗議の声は唇で塞いだ。
だけどぐらりと橇が不規則な動きをして、慌てて唇を離し、取手に縋り付く。
「っ、……あっぶな……!」
「な、何考えて……っ⁉︎ 阿呆っ! こんな時にスケベ! なんで急にそんな……バカ!」
必死で立て直す俺を、羞恥を誤魔化すように罵るサヤ。
ブレた橇の動きにイェーナが気付いた様子で速度を少し落としてくれて、なんとか転がらずに立て直すことができた。
「あのさ、サヤ。考えたんだけどね。
その子の名前、いくつか候補があるんだけど、どうにも絞り込めなくて」
「誤魔化したって駄目や!」
急に口付けしたことを誤魔化していると解釈されてしまった……。
まぁ、俺としては、目的を達成できているのでよしとする。
この世界で暮らす間や、ちゃんと天寿を全うしてから旅立つ死後の世界を、サヤひとりにする気なんてない。
なのにそんな苦しそうに、不安そうに、俺のことを忘れたみたいに、考えてほしくなどない。
「イリーナでしょ、ヘルミナ、カルラ、シスル……どれが良いと思う?
アリーゼ、リュシー……。どんな子だったの。どの名前がしっくりくるかな」
立て続けに女性名を連ねる俺に呆れたのか、サヤの返事が来ない。
こちらを振り返ることもしないから、もしかして物凄い怒らせただろうかと、少し不安になる。
「………………カルラ……カルラが良いと、思う……」
悪かったと謝ろう……そう思い口を開きかけた時に、サヤの返事があった。
「迦楼羅天は、私の国では神様の中のお一人でな、魔を退け病を除くと言われてるお方やし……」
「神様の名前をいただくの?」
「よくあることやで。神様や、英雄の名前を、あやかれるようにって、いただくこと。
響きだけをいただいて、別の漢字をつけたりもする。
……あの子は…………カルラは、飛んでいかなあかんし……迦楼羅天は、鳥の姿をした神様やしな」
前を向いたまま、そう言うサヤに、じゃあ、カルラにしようなと、告げると、こくりと頷く。
「……もう少ししたら、交代しよ」
「そう? 俺まだ大丈夫だけど」
「私も……操縦したい」
「そうか。じゃあ……イェーナ! 一回止まってくれ!」
声を張り上げて指示を飛ばし、俺も足元の歯止めを踏んで、減速を促す。
そうしながら、自分を異物だと言うサヤが、ここで独りに慣れなければいけないと言うサヤが、死後にまで不安を抱いているなんて、耐えられないと、思った。
妻となることを受け入れてくれたけれど、きっと心は、まだ孤独だ……。
揺れ動いてる……。まだ葛藤してる……。本当に、俺を夫として良いのかどうか……。
本当に、ここにいて、良いのかどうか……。
彼女が心から安心していられるようにするには、どうすれば、良いのだろう……。
0
お気に入りに追加
836
あなたにおすすめの小説
義娘が転生型ヒロインのようですが、立派な淑女に育ててみせます!~鍵を握るのが私の恋愛って本当ですか!?~
咲宮
恋愛
没落貴族のクロエ・オルコットは、馬車の事故で両親を失ったルルメリアを義娘として引き取ることに。しかし、ルルメリアが突然「あたしひろいんなの‼」と言い出した。
ぎゃくはーれむだの、男をはべらせるだの、とんでもない言葉を並べるルルメリアに頭を抱えるクロエ。このままではまずいと思ったクロエは、ルルメリアを「立派な淑女」にすべく奔走し始める。
育児に励むクロエだが、ある日馬車の前に飛び込もうとした男性を助ける。実はその相手は若き伯爵のようで――?
これは若くして母となったクロエが、義娘と恋愛に翻弄されながらも奮闘する物語。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
※毎日更新を予定しております。
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
【完結】愛する人にはいつだって捨てられる運命だから
SKYTRICK
BL
凶悪自由人豪商攻め×苦労人猫化貧乏受け
※一言でも感想嬉しいです!
孤児のミカはヒルトマン男爵家のローレンツ子息に拾われ彼の使用人として十年を過ごしていた。ローレンツの愛を受け止め、秘密の恋人関係を結んだミカだが、十八歳の誕生日に彼に告げられる。
——「ルイーザと腹の子をお前は殺そうとしたのか?」
ローレンツの新しい恋人であるルイーザは妊娠していた上に、彼女を毒殺しようとした罪まで着せられてしまうミカ。愛した男に裏切られ、屋敷からも追い出されてしまうミカだが、行く当てはない。
ただの人間ではなく、弱ったら黒猫に変化する体質のミカは雪の吹き荒れる冬を駆けていく。狩猟区に迷い込んだ黒猫のミカに、突然矢が放たれる。
——あぁ、ここで死ぬんだ……。
——『黒猫、死ぬのか?』
安堵にも似た諦念に包まれながら意識を失いかけるミカを抱いたのは、凶悪と名高い豪商のライハルトだった。
☆3/10J庭で同人誌にしました。通販しています。
もしかしてこの世界美醜逆転?………はっ、勝った!妹よ、そのブサメン第2王子は喜んで差し上げますわ!
結ノ葉
ファンタジー
目が冷めたらめ~っちゃくちゃ美少女!って言うわけではないけど色々ケアしまくってそこそこの美少女になった昨日と同じ顔の私が!(それどころか若返ってる分ほっぺ何て、ぷにっぷにだよぷにっぷに…)
でもちょっと小さい?ってことは…私の唯一自慢のわがままぼでぃーがない!
何てこと‼まぁ…成長を願いましょう…きっときっと大丈夫よ…………
……で何コレ……もしや転生?よっしゃこれテンプレで何回も見た、人生勝ち組!って思ってたら…何で周りの人たち布被ってんの!?宗教?宗教なの?え…親もお兄ちゃまも?この家で布被ってないのが私と妹だけ?
え?イケメンは?新聞見ても外に出てもブサメンばっか……イヤ無理無理無理外出たく無い…
え?何で俺イケメンだろみたいな顔して外歩いてんの?絶対にケア何もしてない…まじで無理清潔感皆無じゃん…清潔感…com…back…
ってん?あれは………うちのバカ(妹)と第2王子?
無理…清潔感皆無×清潔感皆無…うぇ…せめて布してよ、布!
って、こっち来ないでよ!マジで来ないで!恥ずかしいとかじゃないから!やだ!匂い移るじゃない!
イヤー!!!!!助けてお兄ー様!
【R18・完結】おっとり側女と堅物騎士の後宮性活
野地マルテ
恋愛
皇帝の側女、ジネットは現在二十八歳。二十四歳で側女となった彼女は一度も皇帝の渡りがないまま、後宮解体の日を迎え、外に出ることになった。
この四年間、ジネットをずっと支え続けたのは護衛兼従者の騎士、フィンセントだ。皇帝は、女に性的に攻められないと興奮しないという性癖者だった。主君の性癖を知っていたフィンセントは、いつか訪れるかもしれない渡りに備え、女主人であるジネットに男の悦ばせ方を叩きこんだのだった。結局、一度も皇帝はジネットの元に来なかったものの、彼女はフィンセントに感謝の念を抱いていた。
ほんのり鬼畜な堅物騎士フィンセントと、おっとりお姉さん系側女によるどすけべラブストーリーです。
◆R18回には※がありますが、設定の都合上、ほぼ全話性描写を含みます。
◆ヒロインがヒーローを性的に攻めるシーンが多々あります。手や口、胸を使った行為あり。リバあります。
婚約も結婚も計画的に。
cyaru
恋愛
長年の婚約者だったルカシュとの関係が学園に入学してからおかしくなった。
忙しい、時間がないと学園に入って5年間はゆっくりと時間を取ることも出来なくなっていた。
原因はスピカという一人の女学生。
少し早めに貰った誕生日のプレゼントの髪留めのお礼を言おうと思ったのだが…。
「あ、もういい。無理だわ」
ベルルカ伯爵家のエステル17歳は空から落ちてきた鳩の糞に気持ちが切り替わった。
ついでに運命も切り替わった‥‥はずなのだが…。
ルカシュは婚約破棄になると知るや「アレは言葉のあやだ」「心を入れ替える」「愛しているのはエステルだけだ」と言い出し、「会ってくれるまで通い続ける」と屋敷にやって来る。
「こんなに足繁く来られるのにこの5年はなんだったの?!」エステルはルカシュの行動に更にキレる。
もうルカシュには気持ちもなく、どちらかと居言えば気持ち悪いとすら思うようになったエステルは父親に新しい婚約者を選んでくれと急かすがなかなか話が進まない。
そんな中「うちの息子、どうでしょう?」と声がかかった。
ルカシュと早く離れたいエステルはその話に飛びついた。
しかし…学園を退学してまで婚約した男性は隣国でも問題視されている自己肯定感が地を這う引き籠り侯爵子息だった。
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~)
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる