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来世 2
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「…………これは何?」
「ブックエンドです。本棚の途中で本を立てたまま止めておいたりするのに使います」
「……これは?」
「クリップです。書類を数枚まとめておきたい時に便利なんですよ」
「…………これは?」
「クリップボードって言います。これもあると色々便利なんです」
サヤの部屋。
執務机の上には謎の図がどんどんと増えている。
サヤに許された労働は、頭脳労働だった。確かに。これなら体調の悪化はせずとも疲れることが可能だろう。
そう思い、俺も気安く許可を出したのだが……。
「ファイルも欲しいんですよね……こういう書類を分類分けするのに便利ですし。
できるならば規格化したいところなんですけど、この村の中だけでもできないものでしょうか」
「……あまり、根を詰めすぎないでもらえるかな……」
「これしかすることないのですから、これに全力投球するのは当たり前です」
「…………投げなくて良いから……」
机の端には描き潰してしまった木筆が並んでおり、墨壺の墨もたった数日で半分近く減っている……。
そして今彼女が手掛けているのは、また別のもの……なんだろう……ちょっと斜めに傾いた机かな?……よく分からない構造だ……。
とにかく、その分量が凄い。やって良いよと言ったら、片っ端から書類仕事を貰い、更に今は、新たな道具を次々と描き記していっている。
結局何をやらせてもやりすぎるのだなという結論に至った俺は、サヤに「ちょっと休憩に付き合ってもらえるか」と、声を掛けた。
「もうちょっと待ってもらえますか。これだけ描き切ってしまいたいので」
「………………」
こちらに視線も寄こさず、黙々と手元の作業に集中するサヤ。
これは言っても聞かないなと思ったので、サヤの背後から、顔を覗き込むように身を乗り出して……。
「フッ」
「ひぁ⁉︎」
耳周りが弱いのだということは、この前確信を持った。
息を吹きかけるだけでだいたい動きが止まってしまうのだ。
「これ以上続けるなら俺にも考えがある」
耳に唇が触れそうなくらい近くでそう囁くと……。
「や、やめます……」
墨壺に木筆を戻すのを、半分残念に思いながら待って、不承不承といった感じで席を立った彼女を、そのまま腕に抱き込んだ。
「あ、あの……」
「うん?」
「……最近、無駄な触れ合いが、多くないですか……」
「無駄じゃない。
俺にはだいたい人がついて回るし、サヤは部屋に籠ってる。
ここに来ないと、サヤに触れられない。二人きりになれない。他が無いのだから増えてない。
それと、サヤがちゃんと食べているか、こうやって確認してる」
「食べてますよ……」
「うん。ちょっと、柔くなってきた気がする……」
まるで棒きれのように、骨が浮いた感触だったサヤの肩や、両手で掴めてしまいそうだった腰回りが、どことなく、しなやかさを取り戻しているように思う。
それでもまだ全然、前の抱き心地とは違うのだけど。
そんなことを考えつつ、なんとなくサヤの身体を撫でて確認していたのだが……。
「あ、あの…………恥ずかしい……ので、もうそのくらいに……」
「誰も見てない」
「見てなくても! あまり触られるのは、恥ずかしいんです!」
「どうして? サヤは俺の恋人なのに」
「…………レイ、最近遠慮がのうなってきてへん……?」
やっと口調が崩れたサヤの頬に口づけをしたら、胸をぐいぐい通して身を無理やり離された。
朱に染まった顔に、さも怒っているかのように眉を釣り上げた表情。けれど、瞳にあるのは戸惑いと羞恥で、彼女が本気で怒っているのじゃないのは見て取れる。
まだ全然触り足りない……もっとサヤと触れ合っていたい。それに、これからちょっと、サヤには辛いかもしれない話をしなければいけないのだ……。
そう思って、サヤにまだ触れたいと腕を伸ばすと……。
「……何か、嫌なことでもあったん?」
と、そんなことを聞かれ……。
嫌……と、いうわけではなく……どう話そうかと……悩んでいたことを、結局促される形になった。
「……その……亡くなった者たちの葬儀をね、近々また……行うそうなのだけど……」
その中に、サヤが手紙で知らせてきたであろう、幼子が含まれていたのだ。
越冬の最中は、葬儀が行いにくい。
特に今回のように人数が多いと……一度に葬儀をあげてしまうわけにはいかなくなる。
特に流浪の民である彼らの葬儀は火葬ではなく、鳥葬や獣葬だ。ひとところに沢山の屍を弔うわけにもいかない。人里の近隣で行うわけにもいかない。
人の血肉の味を覚え、飢えた獣が村に乱入するなんてことがあってはならないし、その土地の生態系を狂わせるようなやり方は、自然に還るとは言えないからだ。
この時期だから、雪に埋めておけば腐敗はある程度防がれる。
それで、日時を選び、少しずつ葬儀が進められているのだが……。
それを伝えると、サヤの表情が、明らかに強張った。
…………そんな顔を、するのじゃないかと、思ったんだ……。だから…………。
もう一度サヤの腕を引き、抱き込む。
今度は文句も、抵抗も無かった。
「……スヴェンより、サヤにお願いしたいという、話があったんだ。
あの幼子に……名を与えてやってほしいと。
その名を手向けにして、葬いに出すと言うんだ。
その幼子は……殊の外、サヤに懐いていたと、そう言っていた。……手紙にあった子だよな?」
そう問うと、胸に埋まっていた頭が、こくりと頷く。
そして、悲しみを紛らわせるかのように、俺の背に細い腕が回され、少々痛いくらいに、キツく抱きしめられた。
「ロゼちゃんと、さして変わらへんくらいやった……母親を亡くして、父親に捨てられたんやて……。
胸が痛いって沢山泣いてた……最後は私の…………」
そこでまた、より一層サヤの手に、力が篭った。
「次は、私の……………………」
胸に押し付けられ、くぐもったサヤの声は、俺の耳には届かない。
しばらくそうして、サヤを受け止めていたのだけど……。
「あの……葬儀の時、何かあの子に……名前以外のものを、供えたらあかん?」
と、そう問われた。
「ん……どうだろうな……。
着ていた服も全て、私物は仲間の中で分配されると言っていたから……。
鳥葬や獣葬は、自然の営みの中へ還す……全て綺麗に、平らげてもらうんだ。
だから、貴金属や衣服みたいな、邪魔になるものは全て取り払ってしまうらしいから……」
食べやすいよう、身体の部位を切り分けることすらするのだ……ということは、サヤには伏せた。
亡くなった幼子を、身綺麗に整えてやろうとする娘だから……そういうのを聞かせるのは酷だろう……。
「供え物をして良いかどうかは、スヴェンに確認しておく。
それで……名は、どうする? もし辛いようなら…………」
言いかけた言葉を、途中で飲み込んだ。
サヤの手にまた、キュッと、力が篭ったのを感じたから。
サヤの国で、名付けは……親が子に贈る、一番最初の贈り物なのだと、マルが言っていたのを思い出す。
サヤという名が、貴き夜……という意味を持つことや、それが難産の末、夜に産まれたサヤを言祝ぎ、贈られたことも……。
ならサヤは、その幼子の親代わりとして、最初で最後の贈り物をするということで……。
「……二人で一緒に、考えようか」
サヤが母親の代わりをするならば、俺が父親の代わりをするべきかなと思って、そう言うと……。
サヤは涙に濡れた瞳を、弾かれたように、勢いよく、俺に向けた。
一瞬唇を震わせて、何か言おうとして……だけど言葉は出てこなかった。
その代わりのように、サヤが爪先立ちになって、自ら俺の唇に、己のものを触れ合わせる。
いつもの、啄むような、細やかな……。だけど、彼女からだなんて、それは本当に久しぶりで…………。
それが、サヤのありったけの行動で、俺の提案を受け入れてくれた答えなのだということは、その柔らかい感触で充分伝わった。
「良い名を、送ってやろう……来世にも、その言祝ぎが、届くように……」
そう言い、俺からも啄む口づけを贈ると、何故かサヤは、また泣きそうなほどに、顔を歪めた。
「っ…………うん…………」
そう呟いてから、俺の胸に、顔を埋める……。
幼子との間に、何か、あったのだろうか……。
たくさん見送った中の、ひとり。
彼女の中で、その幼子は、そうではないらしい。
そんなことを漠然と思いながら、ただサヤを抱きしめた。
「ブックエンドです。本棚の途中で本を立てたまま止めておいたりするのに使います」
「……これは?」
「クリップです。書類を数枚まとめておきたい時に便利なんですよ」
「…………これは?」
「クリップボードって言います。これもあると色々便利なんです」
サヤの部屋。
執務机の上には謎の図がどんどんと増えている。
サヤに許された労働は、頭脳労働だった。確かに。これなら体調の悪化はせずとも疲れることが可能だろう。
そう思い、俺も気安く許可を出したのだが……。
「ファイルも欲しいんですよね……こういう書類を分類分けするのに便利ですし。
できるならば規格化したいところなんですけど、この村の中だけでもできないものでしょうか」
「……あまり、根を詰めすぎないでもらえるかな……」
「これしかすることないのですから、これに全力投球するのは当たり前です」
「…………投げなくて良いから……」
机の端には描き潰してしまった木筆が並んでおり、墨壺の墨もたった数日で半分近く減っている……。
そして今彼女が手掛けているのは、また別のもの……なんだろう……ちょっと斜めに傾いた机かな?……よく分からない構造だ……。
とにかく、その分量が凄い。やって良いよと言ったら、片っ端から書類仕事を貰い、更に今は、新たな道具を次々と描き記していっている。
結局何をやらせてもやりすぎるのだなという結論に至った俺は、サヤに「ちょっと休憩に付き合ってもらえるか」と、声を掛けた。
「もうちょっと待ってもらえますか。これだけ描き切ってしまいたいので」
「………………」
こちらに視線も寄こさず、黙々と手元の作業に集中するサヤ。
これは言っても聞かないなと思ったので、サヤの背後から、顔を覗き込むように身を乗り出して……。
「フッ」
「ひぁ⁉︎」
耳周りが弱いのだということは、この前確信を持った。
息を吹きかけるだけでだいたい動きが止まってしまうのだ。
「これ以上続けるなら俺にも考えがある」
耳に唇が触れそうなくらい近くでそう囁くと……。
「や、やめます……」
墨壺に木筆を戻すのを、半分残念に思いながら待って、不承不承といった感じで席を立った彼女を、そのまま腕に抱き込んだ。
「あ、あの……」
「うん?」
「……最近、無駄な触れ合いが、多くないですか……」
「無駄じゃない。
俺にはだいたい人がついて回るし、サヤは部屋に籠ってる。
ここに来ないと、サヤに触れられない。二人きりになれない。他が無いのだから増えてない。
それと、サヤがちゃんと食べているか、こうやって確認してる」
「食べてますよ……」
「うん。ちょっと、柔くなってきた気がする……」
まるで棒きれのように、骨が浮いた感触だったサヤの肩や、両手で掴めてしまいそうだった腰回りが、どことなく、しなやかさを取り戻しているように思う。
それでもまだ全然、前の抱き心地とは違うのだけど。
そんなことを考えつつ、なんとなくサヤの身体を撫でて確認していたのだが……。
「あ、あの…………恥ずかしい……ので、もうそのくらいに……」
「誰も見てない」
「見てなくても! あまり触られるのは、恥ずかしいんです!」
「どうして? サヤは俺の恋人なのに」
「…………レイ、最近遠慮がのうなってきてへん……?」
やっと口調が崩れたサヤの頬に口づけをしたら、胸をぐいぐい通して身を無理やり離された。
朱に染まった顔に、さも怒っているかのように眉を釣り上げた表情。けれど、瞳にあるのは戸惑いと羞恥で、彼女が本気で怒っているのじゃないのは見て取れる。
まだ全然触り足りない……もっとサヤと触れ合っていたい。それに、これからちょっと、サヤには辛いかもしれない話をしなければいけないのだ……。
そう思って、サヤにまだ触れたいと腕を伸ばすと……。
「……何か、嫌なことでもあったん?」
と、そんなことを聞かれ……。
嫌……と、いうわけではなく……どう話そうかと……悩んでいたことを、結局促される形になった。
「……その……亡くなった者たちの葬儀をね、近々また……行うそうなのだけど……」
その中に、サヤが手紙で知らせてきたであろう、幼子が含まれていたのだ。
越冬の最中は、葬儀が行いにくい。
特に今回のように人数が多いと……一度に葬儀をあげてしまうわけにはいかなくなる。
特に流浪の民である彼らの葬儀は火葬ではなく、鳥葬や獣葬だ。ひとところに沢山の屍を弔うわけにもいかない。人里の近隣で行うわけにもいかない。
人の血肉の味を覚え、飢えた獣が村に乱入するなんてことがあってはならないし、その土地の生態系を狂わせるようなやり方は、自然に還るとは言えないからだ。
この時期だから、雪に埋めておけば腐敗はある程度防がれる。
それで、日時を選び、少しずつ葬儀が進められているのだが……。
それを伝えると、サヤの表情が、明らかに強張った。
…………そんな顔を、するのじゃないかと、思ったんだ……。だから…………。
もう一度サヤの腕を引き、抱き込む。
今度は文句も、抵抗も無かった。
「……スヴェンより、サヤにお願いしたいという、話があったんだ。
あの幼子に……名を与えてやってほしいと。
その名を手向けにして、葬いに出すと言うんだ。
その幼子は……殊の外、サヤに懐いていたと、そう言っていた。……手紙にあった子だよな?」
そう問うと、胸に埋まっていた頭が、こくりと頷く。
そして、悲しみを紛らわせるかのように、俺の背に細い腕が回され、少々痛いくらいに、キツく抱きしめられた。
「ロゼちゃんと、さして変わらへんくらいやった……母親を亡くして、父親に捨てられたんやて……。
胸が痛いって沢山泣いてた……最後は私の…………」
そこでまた、より一層サヤの手に、力が篭った。
「次は、私の……………………」
胸に押し付けられ、くぐもったサヤの声は、俺の耳には届かない。
しばらくそうして、サヤを受け止めていたのだけど……。
「あの……葬儀の時、何かあの子に……名前以外のものを、供えたらあかん?」
と、そう問われた。
「ん……どうだろうな……。
着ていた服も全て、私物は仲間の中で分配されると言っていたから……。
鳥葬や獣葬は、自然の営みの中へ還す……全て綺麗に、平らげてもらうんだ。
だから、貴金属や衣服みたいな、邪魔になるものは全て取り払ってしまうらしいから……」
食べやすいよう、身体の部位を切り分けることすらするのだ……ということは、サヤには伏せた。
亡くなった幼子を、身綺麗に整えてやろうとする娘だから……そういうのを聞かせるのは酷だろう……。
「供え物をして良いかどうかは、スヴェンに確認しておく。
それで……名は、どうする? もし辛いようなら…………」
言いかけた言葉を、途中で飲み込んだ。
サヤの手にまた、キュッと、力が篭ったのを感じたから。
サヤの国で、名付けは……親が子に贈る、一番最初の贈り物なのだと、マルが言っていたのを思い出す。
サヤという名が、貴き夜……という意味を持つことや、それが難産の末、夜に産まれたサヤを言祝ぎ、贈られたことも……。
ならサヤは、その幼子の親代わりとして、最初で最後の贈り物をするということで……。
「……二人で一緒に、考えようか」
サヤが母親の代わりをするならば、俺が父親の代わりをするべきかなと思って、そう言うと……。
サヤは涙に濡れた瞳を、弾かれたように、勢いよく、俺に向けた。
一瞬唇を震わせて、何か言おうとして……だけど言葉は出てこなかった。
その代わりのように、サヤが爪先立ちになって、自ら俺の唇に、己のものを触れ合わせる。
いつもの、啄むような、細やかな……。だけど、彼女からだなんて、それは本当に久しぶりで…………。
それが、サヤのありったけの行動で、俺の提案を受け入れてくれた答えなのだということは、その柔らかい感触で充分伝わった。
「良い名を、送ってやろう……来世にも、その言祝ぎが、届くように……」
そう言い、俺からも啄む口づけを贈ると、何故かサヤは、また泣きそうなほどに、顔を歪めた。
「っ…………うん…………」
そう呟いてから、俺の胸に、顔を埋める……。
幼子との間に、何か、あったのだろうか……。
たくさん見送った中の、ひとり。
彼女の中で、その幼子は、そうではないらしい。
そんなことを漠然と思いながら、ただサヤを抱きしめた。
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