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新たな問題 16

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館に戻り、まずしたことは、マルとの密会。

「腹が決まった。
 サヤ以外を娶るつもりはないから、俺が矢面に立つようにする」

 そう伝えると、それだけで大体のことは理解してくれた様子。
 一つ息を吐いて、まあそれが一番無難ですかね。との返事があった。彼も考えていたことであるらしい。

「けれど……それで本当に、良いんですね?
 セイバーンの後継問題……後々色々、しわ寄せがありますよ?」
「初めから分かっていればなんの問題にもならないよ。
 そのための準備をすれば良い」

 後継問題の最もたる部分は、後継ができないということだが、はじめから子ができないと分かっているなら、早くから養子を取るなりすれば良い。
 ただ、そのままサヤを娶り、子ができないでは、彼女が責められる結果になってしまう。
 だからそうならないように、一計を案じることにした。
 その腹案をマルに伝え、審議を問うと、それで良いように思いますとのこと。じゃあこれで行こうと、言葉を返した。

 どうせサヤがいなければ、終わっていた血筋なのだから、結果は一緒。申し訳ないが、俺が後継となるしかない以上、飲み込んでもらう。
 例えそれが、父上や領民への裏切りだと言われようが、俺の魂と生涯はサヤに捧げると決めたのだから、そう使うと心も決めた。
 俺が全部背負う。
 血を残すという責任は取れないけれど、それ以外のことで、俺はセイバーンと国に尽くし、償おう。

 彼女がいったい、何を考えてああ言ったのか。
 本当のところは分からないけれど、たとえサヤが穢されていようと、子を成せぬ身体であろうと、そんなことはどうでも良いのだ。
 俺が巡り会ったのはそれも含めたサヤで、彼女の人生に起こったことの全てが、今の彼女を形作っている。
 ならば、その全部を受け入れれば良い。それだけのこと。

「了解です。
 じゃあ、最終的に、そこに収まるように調節すれば良いってことで、任されます」
「うん。頼む」

 簡単な確認だけ済ませたら、それで終わり。
 あとは時が来た時にとなった。


 ◆


 朝食を済まし、再度やって来たオブシズと、ハイン、サヤを引き連れて。
 ナジェスタと、その弟子二人と共に、父上の部屋を訪れた。

「父上、おはようございます。本日より新たな者を雇い入れましたので、ご挨拶に伺いました」

 中へ通され、父上を見たオブシズが、ギクリと反応するのを視界の端で感じる。
 オブシズにとっても、十二年ぶりとなる父上だと思う。俺の記憶と同じだけ、前の父上しか知らなかったなら、その衝撃は俺の時と同じだろう。

「うん?……レイシール、懐かしい人物を、連れてきたな」
「父上も覚えていらっしゃいましたか。
 オブシズです。本日より、俺の武官となりました」
「オブシズ…………そうか。レイシールを宜しく頼む」

 名が違うことは当然理解した様子であったけれど、父上はさらりとそれを流した。
 穏やかに言葉を発した父上に対し、オブシズはとても動揺した様子を見せ、暫し言葉を言い淀む。

「領主様……ご病気だとは、伺っていましたが……」
「そんな顔をしないでくれるか。いっときを考えれば、随分マシなのだよ。ちゃんと快復に向かっているからな」

 同じ毒を服用し続けているとはいえ、病を維持するためではなく、治療のためだ。
 その言葉には、必ず快復するという決意も伺えた。
 そんな意思の強さに、これは父上に似なかったなぁと思う。俺も父上のように、心を強く持たなければいけないと思うのだけど、いかんせん、虚弱の自覚がある……。
 内心でそんな風に考えていたのだけれど、父上の視線がナジェスタに移動したので、気持ちを引き締めた。

「レイシール、そちらの女性方は?」
「ユストの父上殿……マティアス医師の愛弟子、ナジェスタ医師です。
 越冬の病状管理に来ていただけました」

 付き従うガイウスの視線が鋭くなったのは感じたけれど、あえて無視して、話を進める。ここが肝心だ。今は余計な口を挟ませてはいけない。まずは彼女がちゃんと医師である姿を、きちんと仕事をこなせることを、目にしてもらわなければ。
 俺の考えを察したわけではないだろうが、ぺこりとお辞儀をしたナジェスタが早速といった様子で前に進み出た。

「少し拝見させてもらいます」
「宜しく頼む」

 それまでのどこかぼやぼやとした様子を一変させて、真剣そのもの。瞼の裏や、喉の奥、脈拍等……助手の手を借りつつ、テキパキと確認し、眠気や吐き気、腹痛等があるか、毒が切れる直前の倦怠感は、毒が切れた時の症状は如何程か……と、確認していく。
 それを助手の一人が、紙に書き記していく。

「現在、服毒の回数と分量は」
「日に一回こちらを一袋内服している」

 薄紙で包まれたその薬を確認する。
 もう一人の助手が、その包みを一つ受け取り、小皿に移して、手荷物から取り出した小ぶりの天秤で重さを計測した。かなり慎重に。何度かやり直し、平均値を出す。
 それも紙に記され、最終的にナジェスタの手元へ。
 彼女はそれを確認し、しばらく思考を巡らせるように、視線を伏せた。

「薬師の到着は、遅れるのでしたよね……」
「うん。今年中には、到着してくれることを願っているのだけどね……」

 胡桃らと一緒にやって来るからな……。
 俺の答えに、薬の重さの部分をトントンと指で叩いていたナジェスタは、程なくして視線を上げた。

「状態をお見受けする限り、薬の量が少々過剰であるように思います。
 こちらに移動してくる際に、処方された分量なのですよね?」

 そう問う彼女に、コクリと頷いて返事を返す。

「万が一の発作を考え、安全性を優先させ、この量に定めたのでしょうけれど、これから越冬の間、私が常に、この屋敷に滞在しておりますから、状態には細かく対応できます。
 分量の調整は、薬師が到着してからとなりますから、まず薬師の到着までは、この一包みの薬を、食事ごとに三つに分けて、内服するようにいたしましょう。
 摂取までの感覚が広いと、身体への負担が増します。少量ずつをこまめに続ける方が、分量も早く減らしていけます。
 それから、発汗を促すため、室温をもう少し上げるか、汗をかける環境が欲しいです。
 巡りをよくした方が、体内の毒を早く追い出せます」
「めぐり……?」

 聞き慣れない言葉だ。なんの巡りだろう?    言葉の前後からも推し量れず、首を傾げたのだけど……。

「新陳代謝を高めるということでしょうか……。
 えっと、肉体の組織というのは、日々少しずつ入れ替わっていくんです。
 例えば爪や髪……皮膚だって、垢となって剥がれ落ちていくでしょう?
 全身の大体の部分がそうやって、与えられた栄養を使って再構築されていくのですけど、そのことを新陳代謝と、私の国では言うんです。
 巡りというのは、その肉体組織の入れ替わりのことですか?」

 サヤの補足に、ナジェスタがこくりと頷いた。

「我々もそのように考えています。身体の巡りとともに毒も捨てられます。体温を上げることは、その巡りの促進につながると言われています」
「ああ、同じです。でしたら、湯に浸かるのはどうでしょう。
 室内を常に高温に保つのは、燃費も悪いですし薪の消費も激しいです。この越冬の時期には、薪が貴重なのですよね?
 私の国には足湯という文化があるのですが、足のみを湯につけて温めます。けれど、末端を温めることで全身の体温が長い時間高く維持できるということが分かっていまして、ごく短時間の足湯で数時間効果を得られますし、発汗作用もあります」
「あしゆ……一度、体験してみたいです。
 室温を上げるのは体温を保つためなので、室温を上げるのと同等の効果があるならば、是非取り入れたいです」
「直ぐに用意できます。診察が終わりましたら、お部屋へ準備致しますね」

 女性二人の会話がなんとも高度だ。
 ナジェスタの言うことをサヤがあっさり理解し、新たな提案をしているのがなんとも凄い……。

「サヤ、内臓も、入れ替わるというのか?」
「はい。変わらないものもあるといいますけど、内臓も、骨も時間をかけて……と、母に聞いた覚えがあります。
 そうでなければ、子供が大きく育つなんて、無理でしょう?」

 ……そういえばそうか……。赤子と大人では何もかも大きさが異なる。入れ替わりながら、少しずつ増え、大きくなっていくと言う感じか?    蛇の脱皮のように。

「体内に入れる毒は、いっぺんに沢山より、少量をこまめにの方が、身体の負担は少ないんです。
 毒は毒。極力早く脱却する方が、身体の負担も減りますから、薬は小分けにします。その足湯の効果があれば、それも取り入れて、治療を進めていきましょう。
 薬師の方が到着したら、服用量をもう一度、調整します」

 なんとなく漠然とだけど、意味は理解できた。
 父上に確認すると、父上にもなんとなくだが、感覚は伝わった様子。

「自分の身体になにが行われているかを、意識することも重要なんですよ。
 頭が理解できることには、身体も従うんです。だから、治りも早くなります」

 サヤのそんな言葉に、ナジェスタすら感心の視線を寄越す。
 そんな効果があるのか?    と、聞くと。あるんですよとサヤ。

「例えば筋肉を鍛えるのだって、ただ漠然と部位を虐めるのではなく、この筋肉を刺激するのだと意識して行うと、全然違うんです」
「……サヤさんも、医療従事者なの?」
「あっ、いえ……母が……そうでした。私の国には、女性の医療従事者も、多いんです。
 私の知識など、表層を撫でた程度なのですけど……」
「素晴らしいです!    今度是非、お話を伺いたいくらい!」

 あ、ナジェスタの雰囲気が戻ってきたな。

「ガイウス、今日の薬はもう服用されたのか?」

 ボロを出してしまう前にと思い、あえてガイウスに確認すると、少し逡巡したのち、いいえとの返事が返る。

「昨日、医師の往診があると伺いましたので……」

 誰かが気を利かせて、知らせてくれていたか。

「では、まず今日から、薬の服用方法の変更を、進めてみようか。父上、それで宜しいですか?」
「私に異存はない」

 父上の了解を得たので、本日よりの変更となった。
 初めは少し、怠さを感じることもあるかもしれないから、厳しいようなら正直に伝えてほしいとナジェスタ。
 薬の分量を、きっちりと計って三つのに分けて、それのひとつを服用した。

 昼食後にまた往診に来るが、その前に違和感を感じたらいつでも呼ぶようにと伝えて、父上の部屋を後にする。

「レイシール様……領主様の、あの状態は……」
「中毒だ……。長らく急病となっていた理由が、それなんだ……」
「…………」
「だけど、お助けできた」
「……後ほど詳しく、状況をお聞きできますか」

 険しい表情のオブシズに、是と答え、ナジェスタを部屋まで送った。
 サヤが直ぐに足湯の準備をすると先に場を離れる。

「ではナジェスタ、宜しく頼む」
「はい。あのぅ……レイシール様?
 領主様ですが、二年以上、服毒が続いていたわりに、しっかりなさっています。
 毒は食事に混ぜてということでしたから、比較的身体の負担が少ない方法での摂取をなさっていたのでしょうね。
 意思の方も強い方とおみうけしましたから、きっと大丈夫。必ず、春を迎えられます」

 俺の気持ちを慮ってくれたのか、ナジェスタがそんな風に言ってくれて、少し肩の荷が下りた気がした。

「うん……ありがとう。
 それから、もし俺たちの立会いがない場合に、医療行為を妨害されるようなことがあれば、報告してほしい。対処するから。
 父上を、どうか頼む」

 そう言うと、にっこり笑って「任せてください!」と、胸を叩く。

 ナジェスタらと別れて、俺たちは執務室へ。
 そろそろエルランドらの出立時刻だから、彼らを見送ってから、オブシズにここの説明を含め、伝えていくことにしよう。
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