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父の軌跡 13
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邸には、俺と母のみだったと記憶している。
使用人などは置いていなかった。
食材などを買いに行っていた覚えがないから、定期的に届けてもらっていたのかもしれない。
馬車で邸前に乗り付け、俺はその前に降り立った。夢の、出発地点に。
「レイ……大丈夫?」
「うん。まだ、だいじょうぶ」
歯の根は合わないけど。
いつまでもここにいても仕方ない。思い切らなければずっと、このざわざわした気持ちのままここに立っていることになる。
そう思ったから、一歩を踏み出した。
低い石垣の塀に鉄格子みたいな柵が乗っていて、それが邸を取り巻いているのだけど、その柵には蔦が絡みついていた。野薔薇かな……? 白い花が咲いていた記憶が、うっすらとある。
「庭、までしか……出られなかった、おぼえがある……。
だけどたまに、散歩として、外に、薪拾いに行っていた。……薪拾いだった……のかな? なんかこの邸、そういうのが必要な人が、住む感じではないな……」
子供の頃にはなんとも思っていなかった。けれど、何かちぐはぐな感じがする。
母と子の二人で暮らすにしては、広すぎる邸……。
サヤと手を繋いで、その庭を、進む。庭では、何をしていたろうかと、そんなことを考える。
だけど頭が拒否しているのか、ぼやけた思考が、記憶を探らせてくれない。頭を振って、気持ちを切り替えようとするけれど、上手くできなかった。
扉の前に立つ。
取っ手は随分下にあるけれど、俺の記憶の中では、頭より上だ。
「鍵を開けます」
背後からアーシュの声。
ユストとアーシュ。そしてカークが、俺と共に来ていた。それが馬車に乗れる人数ギリギリだったのだ。因みに、ジークはくじ引きではずれを引いたので留守番だ。
懐から鍵を取り出したアーシュが扉を開ける。
つまりこの邸、セイバーンの所有なんだな……。位置的に考えても、山城に仕える者の邸宅であったのかもしれない。
少し軋み、耳障りな音を立てたものの、扉はあっさり開いた。
アーシュが横に避けて、どうぞと中へ促す。
「レイシール様、しばしお待ちください、中を確認します」
ハインとジェイドがさっと中に入り、気配を探る。シザーは俺の守りに残っている。もう、いつものちょっと遠慮気味のシザーだ。糸のような細目で、ソワソワと、心配そうに俺の周りをウロウロしている。
中を確認した二人が、不審なものは無いと判断し、入り口前に戻ってきたので、俺とサヤで邸に足を踏み入れた。
ふんわりと、ほこりっぽいような匂いがした。
コツリと、床に下ろした長靴が、音を立てる。
なんとなく覚えている玄関周りを見渡し、すぐ右隣の扉へと、進むことにする。
そこは、応接室……。大抵この部屋で、過ごしていたと思う。ここには大窓があって、外がよく見えるのだ。
いつ来るか分からない父上を待って、母は、俺を窓の前で遊ばせつつ、椅子に座り、机に頬杖をついて、よく外を見ていたと記憶している。
扉を開き、中に入る。やはり、ぼんやりと見た覚えのあるものが点在している室内だ。何気なく足を踏み出し、なんだ……案外大丈夫かもな……と、思った矢先、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けた。
ふと見下ろした長椅子の横に置いてあった木箱……。
こらレイっ!投げちゃだめって、おしえたでしょっ!
「っれい⁉︎」
聞こえた声に驚いて急に飛びのき、勢いあまって床に尻餅をついてしまった俺に、サヤが慌てて駆け寄って来る。
けれど俺は、サヤに重なるもう一人の人物に、視線が釘付けだった。
「あ、あ、うあぁ……なん、で、いる⁉︎」
積み木さん、痛いって言ってるでしょ!これは、投げて遊ぶものじゃないの。違う使い方は、積み木さんがかわいそう!
腰に手をやって、体を折り曲げて、俺と目線を合わせている。まっすぐこっちを見てる。
怒っている。眉を釣り上げて、結っていない灰色の髪が、右の肩口から前に垂れ下がっていて、ゆらゆらと揺れている。
その髪が、急にピン!と、伸びた。引っ張られたみたいに。
こらレイ!引っ張らないでっていつも言ってるでしょっ!
「い、いやだっ、こっちに来るな!」
「レイ!」
抱き竦められた。
視界が覆われて、風景が遮断される。すると急に声が消えた。
サヤの温もりと、柔らかさと、香りに包まれて、頭上から、ゆっくりと落ち着いたサヤの声が、俺の名を呼んだ。
「レイ、大丈夫。一緒におる。レイがおるのは、ここやで。私のところ」
サヤの、ところ……。
過去じゃない……過去じゃないんだ……。
過去じゃない、のに。あの人が……母が、いた。
それを考えると、また俺を呼ぶ声がする気がして、怖くなった。
「話をしよう。そうすれば、少しずつ、意識が離れる。幻視は、消える」
「き、消える……?」
「うん、消える。せやから、話をしよう」
「……い、いつもと、ぎゃく、みたいに、なってる……」
「いつも?」
「ふるえるのは、サヤなのに……」
「せやね。いつもは私が怖がって、レイがこうしてくれる。こうされると、すごく落ち着く気がしいひん?」
「……うん。する……」
「うん。これがな、フラッシュバック。風景に重なって見える人もおるって、先生が言うてはったことがある。人それぞれやて。
記憶を刺激するものが、蓋をしている思い出を揺さぶって起こす。そういう現象。
何が原因か、分かる?」
「…………は、箱が……」
「あの箱? あれは、なんの箱?」
「お、おもちゃ箱……で……」
「そう。レイも、お母様も、よく触れてたものやし、たくさん思い出が、あったんやね」
落ち着いた喋り口調で、淡々と話すサヤに、激しく暴れていた心臓が宥められていく。
しばらくそうしてもらって、恐る恐る、サヤの後ろを覗き込むと、もう母はそこにいなかった。
そのことにホッとして……脱力した。サヤの肩に頭を乗せて、長い息を吐く。
「びっくり、した……。
まさか、いるなんて、思わなくて……」
いるような気がする……とは、思っていたけれど、まさか本当に、いるだなんて……。
「幻覚みたいなもの。実際にはいいひんし、レイにしか見えてへん。
レイは、記憶が鮮明なんかな。
もの凄くきちんと覚えてるから、まるでいるみたいに、錯覚するくらい、はっきり見えたのかも」
「…………サヤも?」
「私は、思い出して、気持ちがつられるだけや。見えたりはしいひん」
見えない……けれど、こんなに胸が痛くなるんだな……。
サヤがいつも、震えていたのは、これだったのか……。
頬をつたう汗を、サヤが拭ってくれ、そして背中をゆっくりとさすられた。
汗をかいているのに、手足は痺れたように強張っていて、寒さすら感じる。ガクガクと震える身体を、温めてくれているのだろう。
しばらくそうしてもらい、深呼吸を繰り返してから、身体を離した。もう、大丈夫……。
おもちゃ箱を見ないようにしつつ、室内を確認して回ったけれど、これといった発見は無かったので、次の部屋に行くことにする。
「お母様が見えても、全部、それはレイの記憶。レイが経験したこと。
せやから、その時の思い出が、目の前にあるだけや。なんも怖ぁない。怖いと思ったら、言うて。また、隠すから」
さも当然のことのようにサヤが言うから……このようなことは、サヤの世界では、普通に起こることなのだろうかと考えた。
慌てることは、ないのかもしれない……。サヤがいて対処してくれる。なら……俺はカークが納得するまで、ここを見て回る。それに専念しよう。
気を取り直して、邸の中を歩いて回った。
先を歩く俺たち二人に、ただ皆は黙って、ついてくる。
時折母の残像や、無いはずの声が聞こえたけれど、次第にそれにも慣れていった。
ただ、どんどん心は重くなる。一階を見終わる頃には、限界を迎えていた。
辛い……。
幻の母は、決まって俺を見ている……。
視線が合うことが、怖い。色んな表情の母が、今本当に、俺を見ているようで……。
立っていることも辛くて、階段に座り込んで、壁に寄りかかった。
見るなと叫んで、暴れてしまいたい衝動にかられる……記憶を刺激するものに、憎悪すら感じてしまう。
邸を壊してしまいたい……こんなものがなければ、こんな風に記憶を刺激されることもないのじゃないか……なんで俺は、こんな思いまでして、ここを見て回ってるんだ……カークは俺に何を見せたいんだよ……。
「大丈夫?」
「…………」
サヤの問いに、答える気力もない。
なんとか顔を上げてサヤを見ると、頭を肩に、抱き寄せられた。
凄く苦しそうな顔をしていたから、心配になる。
「……サヤの方が、辛そうな顔、してる……」
「もう、外に行こう。もう充分やない? レイ、顔色も悪うなってる」
「……だけど……まだ、全部、見てない……」
辛かった。
もう充分……俺もほんと、そう思う。もうこれ以上はいい。気持ちが悪い。死んだ人を目にするだなんて、やはり常軌を逸しているとしか思えない。
なのに、口は真逆の言葉を吐いた。
母は俺を見てる。いつも、視線を合わせて俺を見る。それは決まって、俺が座り込んでいるときに起こる。多分……俺が記憶に、すり寄った時に……幼かった頃の、俺の視線に、合わせた時に、まるで歯車が噛み合ったみたいに、再現される……。
「見たく、ない、のに……」
見たくないのに、見てしまう……確認せずにはいられなくて……。
「普通の、表情にしか、見えないんだ……」
母の顔が、仮面に見えない……。
使用人などは置いていなかった。
食材などを買いに行っていた覚えがないから、定期的に届けてもらっていたのかもしれない。
馬車で邸前に乗り付け、俺はその前に降り立った。夢の、出発地点に。
「レイ……大丈夫?」
「うん。まだ、だいじょうぶ」
歯の根は合わないけど。
いつまでもここにいても仕方ない。思い切らなければずっと、このざわざわした気持ちのままここに立っていることになる。
そう思ったから、一歩を踏み出した。
低い石垣の塀に鉄格子みたいな柵が乗っていて、それが邸を取り巻いているのだけど、その柵には蔦が絡みついていた。野薔薇かな……? 白い花が咲いていた記憶が、うっすらとある。
「庭、までしか……出られなかった、おぼえがある……。
だけどたまに、散歩として、外に、薪拾いに行っていた。……薪拾いだった……のかな? なんかこの邸、そういうのが必要な人が、住む感じではないな……」
子供の頃にはなんとも思っていなかった。けれど、何かちぐはぐな感じがする。
母と子の二人で暮らすにしては、広すぎる邸……。
サヤと手を繋いで、その庭を、進む。庭では、何をしていたろうかと、そんなことを考える。
だけど頭が拒否しているのか、ぼやけた思考が、記憶を探らせてくれない。頭を振って、気持ちを切り替えようとするけれど、上手くできなかった。
扉の前に立つ。
取っ手は随分下にあるけれど、俺の記憶の中では、頭より上だ。
「鍵を開けます」
背後からアーシュの声。
ユストとアーシュ。そしてカークが、俺と共に来ていた。それが馬車に乗れる人数ギリギリだったのだ。因みに、ジークはくじ引きではずれを引いたので留守番だ。
懐から鍵を取り出したアーシュが扉を開ける。
つまりこの邸、セイバーンの所有なんだな……。位置的に考えても、山城に仕える者の邸宅であったのかもしれない。
少し軋み、耳障りな音を立てたものの、扉はあっさり開いた。
アーシュが横に避けて、どうぞと中へ促す。
「レイシール様、しばしお待ちください、中を確認します」
ハインとジェイドがさっと中に入り、気配を探る。シザーは俺の守りに残っている。もう、いつものちょっと遠慮気味のシザーだ。糸のような細目で、ソワソワと、心配そうに俺の周りをウロウロしている。
中を確認した二人が、不審なものは無いと判断し、入り口前に戻ってきたので、俺とサヤで邸に足を踏み入れた。
ふんわりと、ほこりっぽいような匂いがした。
コツリと、床に下ろした長靴が、音を立てる。
なんとなく覚えている玄関周りを見渡し、すぐ右隣の扉へと、進むことにする。
そこは、応接室……。大抵この部屋で、過ごしていたと思う。ここには大窓があって、外がよく見えるのだ。
いつ来るか分からない父上を待って、母は、俺を窓の前で遊ばせつつ、椅子に座り、机に頬杖をついて、よく外を見ていたと記憶している。
扉を開き、中に入る。やはり、ぼんやりと見た覚えのあるものが点在している室内だ。何気なく足を踏み出し、なんだ……案外大丈夫かもな……と、思った矢先、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けた。
ふと見下ろした長椅子の横に置いてあった木箱……。
こらレイっ!投げちゃだめって、おしえたでしょっ!
「っれい⁉︎」
聞こえた声に驚いて急に飛びのき、勢いあまって床に尻餅をついてしまった俺に、サヤが慌てて駆け寄って来る。
けれど俺は、サヤに重なるもう一人の人物に、視線が釘付けだった。
「あ、あ、うあぁ……なん、で、いる⁉︎」
積み木さん、痛いって言ってるでしょ!これは、投げて遊ぶものじゃないの。違う使い方は、積み木さんがかわいそう!
腰に手をやって、体を折り曲げて、俺と目線を合わせている。まっすぐこっちを見てる。
怒っている。眉を釣り上げて、結っていない灰色の髪が、右の肩口から前に垂れ下がっていて、ゆらゆらと揺れている。
その髪が、急にピン!と、伸びた。引っ張られたみたいに。
こらレイ!引っ張らないでっていつも言ってるでしょっ!
「い、いやだっ、こっちに来るな!」
「レイ!」
抱き竦められた。
視界が覆われて、風景が遮断される。すると急に声が消えた。
サヤの温もりと、柔らかさと、香りに包まれて、頭上から、ゆっくりと落ち着いたサヤの声が、俺の名を呼んだ。
「レイ、大丈夫。一緒におる。レイがおるのは、ここやで。私のところ」
サヤの、ところ……。
過去じゃない……過去じゃないんだ……。
過去じゃない、のに。あの人が……母が、いた。
それを考えると、また俺を呼ぶ声がする気がして、怖くなった。
「話をしよう。そうすれば、少しずつ、意識が離れる。幻視は、消える」
「き、消える……?」
「うん、消える。せやから、話をしよう」
「……い、いつもと、ぎゃく、みたいに、なってる……」
「いつも?」
「ふるえるのは、サヤなのに……」
「せやね。いつもは私が怖がって、レイがこうしてくれる。こうされると、すごく落ち着く気がしいひん?」
「……うん。する……」
「うん。これがな、フラッシュバック。風景に重なって見える人もおるって、先生が言うてはったことがある。人それぞれやて。
記憶を刺激するものが、蓋をしている思い出を揺さぶって起こす。そういう現象。
何が原因か、分かる?」
「…………は、箱が……」
「あの箱? あれは、なんの箱?」
「お、おもちゃ箱……で……」
「そう。レイも、お母様も、よく触れてたものやし、たくさん思い出が、あったんやね」
落ち着いた喋り口調で、淡々と話すサヤに、激しく暴れていた心臓が宥められていく。
しばらくそうしてもらって、恐る恐る、サヤの後ろを覗き込むと、もう母はそこにいなかった。
そのことにホッとして……脱力した。サヤの肩に頭を乗せて、長い息を吐く。
「びっくり、した……。
まさか、いるなんて、思わなくて……」
いるような気がする……とは、思っていたけれど、まさか本当に、いるだなんて……。
「幻覚みたいなもの。実際にはいいひんし、レイにしか見えてへん。
レイは、記憶が鮮明なんかな。
もの凄くきちんと覚えてるから、まるでいるみたいに、錯覚するくらい、はっきり見えたのかも」
「…………サヤも?」
「私は、思い出して、気持ちがつられるだけや。見えたりはしいひん」
見えない……けれど、こんなに胸が痛くなるんだな……。
サヤがいつも、震えていたのは、これだったのか……。
頬をつたう汗を、サヤが拭ってくれ、そして背中をゆっくりとさすられた。
汗をかいているのに、手足は痺れたように強張っていて、寒さすら感じる。ガクガクと震える身体を、温めてくれているのだろう。
しばらくそうしてもらい、深呼吸を繰り返してから、身体を離した。もう、大丈夫……。
おもちゃ箱を見ないようにしつつ、室内を確認して回ったけれど、これといった発見は無かったので、次の部屋に行くことにする。
「お母様が見えても、全部、それはレイの記憶。レイが経験したこと。
せやから、その時の思い出が、目の前にあるだけや。なんも怖ぁない。怖いと思ったら、言うて。また、隠すから」
さも当然のことのようにサヤが言うから……このようなことは、サヤの世界では、普通に起こることなのだろうかと考えた。
慌てることは、ないのかもしれない……。サヤがいて対処してくれる。なら……俺はカークが納得するまで、ここを見て回る。それに専念しよう。
気を取り直して、邸の中を歩いて回った。
先を歩く俺たち二人に、ただ皆は黙って、ついてくる。
時折母の残像や、無いはずの声が聞こえたけれど、次第にそれにも慣れていった。
ただ、どんどん心は重くなる。一階を見終わる頃には、限界を迎えていた。
辛い……。
幻の母は、決まって俺を見ている……。
視線が合うことが、怖い。色んな表情の母が、今本当に、俺を見ているようで……。
立っていることも辛くて、階段に座り込んで、壁に寄りかかった。
見るなと叫んで、暴れてしまいたい衝動にかられる……記憶を刺激するものに、憎悪すら感じてしまう。
邸を壊してしまいたい……こんなものがなければ、こんな風に記憶を刺激されることもないのじゃないか……なんで俺は、こんな思いまでして、ここを見て回ってるんだ……カークは俺に何を見せたいんだよ……。
「大丈夫?」
「…………」
サヤの問いに、答える気力もない。
なんとか顔を上げてサヤを見ると、頭を肩に、抱き寄せられた。
凄く苦しそうな顔をしていたから、心配になる。
「……サヤの方が、辛そうな顔、してる……」
「もう、外に行こう。もう充分やない? レイ、顔色も悪うなってる」
「……だけど……まだ、全部、見てない……」
辛かった。
もう充分……俺もほんと、そう思う。もうこれ以上はいい。気持ちが悪い。死んだ人を目にするだなんて、やはり常軌を逸しているとしか思えない。
なのに、口は真逆の言葉を吐いた。
母は俺を見てる。いつも、視線を合わせて俺を見る。それは決まって、俺が座り込んでいるときに起こる。多分……俺が記憶に、すり寄った時に……幼かった頃の、俺の視線に、合わせた時に、まるで歯車が噛み合ったみたいに、再現される……。
「見たく、ない、のに……」
見たくないのに、見てしまう……確認せずにはいられなくて……。
「普通の、表情にしか、見えないんだ……」
母の顔が、仮面に見えない……。
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★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~)
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
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