上 下
357 / 1,121

父の軌跡 6

しおりを挟む
 道中で、休憩を兼ねた昼食の時間。
 サヤが準備してくれていた弁当が、良い話題を提供してくれた。

「これはなんと美味なことか!」
「マヨネーズという調味料なんだ」

 人気だなぁ、マヨネーズ。
 数種類用意されたそれは、定番のサンドイッチだ。
 タマゴサンドカツサンド、そしてミックスサンド。
 このミックスというのが、カークはお気に召した様子。本来のミックスは、卵や薫製肉や野菜を重ねて作る、俺が一番初めに食べたサンドイッチを指すらしいのだが、サヤが今回作ったものは、細かく刻んで混ぜてある。卵と胡瓜、炙った肉が、マヨネーズでまとめてあるのだ。
 俺の隣では、シザーがカツサンドに恍惚としている。
 本当は、ソースというものが欲しいらしいのだが、流石のサヤも、それの作り方は知らないらしい。
 だから、ケチャップと塩胡椒で濃いめの味付けがされている。
 肉を叩いて柔らかくし、小麦粉や卵、麺麭の粉をまぶして揚げ焼きにしてあるのだが、俺もこれはとても好きだ。そのカツにケチャップを塗り、辛子を混ぜたマヨネーズを塗った麺麭に、炒め玉葱とともに挟んである。

 あっという間にペロリと平らげてしまって、ソワソワとカツサンドを見ているシザーに、サヤがもう一つどうぞと差し出すと、言葉は発さないものの、ぺこりとお辞儀をして受け取る。尻尾があればきっと大きく横に揺れていただろう。
 まるで武官らしからぬ可愛さだ。たまに俺より年上だということを忘れてしまう……。学年が下だからややこしい。

「私が仕えていた頃は、このような美味なものは食せませんでした。なんと豊かになったことか」
「うーん……食材はほぼ一緒じゃないかな。これはサヤが、国の調味料を教えてくれたから作れるんだよ。
 この子の国は、秘匿権にはあまり重きが置かれていなくてね。情報の共有を図ることで、色々なものが我々の国より発展している。料理もまた然りなんだ」

 俺の言葉に、サヤがぺこりとカークにお辞儀をする。
 教えてくれたということに少々驚かれたが、サヤはそこに拘りを持たないのだと伝えておいた。
 ここを言っておかないと、道中で多分、もっと驚かせることになるしな……。

 三日という行程は、随分長いと思っていたのだけれど、話は尽きず、時間が過ぎるのは案外早かった。
 半ばの野宿も、俺やカークは護衛の関係上、馬車の座席で休んだから、寝台とさして変わらない快適さで過ごすことができた。
 立ち寄った街で新鮮な野菜や肉、飼葉は確保できたし、道中の食事も、街以外ではハインやサヤが見事な手際で、普段となんら遜色のない食事を提供してくれる。
 サヤは試作の乾燥させた麺を持参していたので、これを出した時にはカークも驚いていた。
 初めて食べる麺の形状にもだが、現在保存食を研究しているという話にだ。

「地方行政官という職を賜るのだけど……まだ名ばかりでね。
 交易路がつまり、そういう扱いだからついた役職名なのだけど、市政の生活向上に関わるのは、私としてもおおいに興味がある事柄なんだ。
 だから、それに関することを色々。
 前も話した通り、サヤの国では秘匿権が特別重要視はされていない。
 それによって、我々とは違った価値観のもと、道具や料理が発展していて、大変興味深い。
 だから新たに立ち上げた事業で、その思想をこの国に取り入れられないかと考えているんだよ」

 恐ろしいことに、カークは大変な聞き上手だった。
 そこまで話すつもりはなかったのになということを、つい口にしてしまっていたりするのだ。
 とはいえ、サヤの秘密や獣人については伏せていた。流石に口を滑らせて良い事柄ではない。

「なんという勿体無いことをしてしまったことか。知っていれば、滞在している間に、拠点村も見せていただけたかもしれませんのに」

 そんな風に大変悔しそうに言ってくれるものだから、嬉しくなってつい話してしまうのだ。
 ブンカケンに関して、周りからは反発しか得ていない今の俺にとって、カークの肯定的な姿勢は気持ちが救われた。

 カークをあまり良く思っていないハインは、相変わらず棘のある態度であったけれど、それ以外は概ね良好。
 ジェイドは通常より爽やかな青年を演じており、サヤと二人でやり取りしている姿は、まるで兄弟のようで微笑ましい。
 シザーはというと、道中で随分と慣れてきた様子。こっそりとサヤの性別についても伝えたのだけど、元から人と距離を取りがちなシザーは、あまり問題としていない様子で、サヤとの関係も良いように見えた。
 一人だけ女性ということもあり、時には配慮も必要だったのだが、言葉にせずともそれとなく手助けしてくれ、彼の細やかに気がきく一面には、サヤも感心していた。

 道中は、至って順調。
 そう、そのはずなのに……。
 西に進むにつれ、俺は何故か、体調を崩していった。
 理由が分からない……ふと目にした風景や、感じた土の匂い。そんなものに、急に鳥肌が立ったり、不安に襲われたりするのだ。
 はじめは気のせいかと思っていた……父上との接点を掴むと決めたけれど、やはり気持ちとしては、恐れがある。それのせいなのかもしれないと。
 だけど違う。
 父や母の話を振られても、そんなザワリとした感覚が襲ってこない場合もあるのに、ただ景色を見ていただけで、襲ってくる恐怖があったりするのだ。
 次第に調子を誤魔化しきれなくなり、馬車酔いのふりをして体調不良を耐えていたのだけど、そのうちハインにバレた。

「何故言わないんですか!」
「いや、気のせいだと思って……」
「どこが気のせいですか!」

 最終日は、馬車の運転をジェイドに交代してもらったハインに責められつつ、サヤの肩にもたれさせてもらい、不調に耐えていた。
 寝転がると、揺れで逆に気持ち悪さが増したのだ。

「引き返し、医者を探すべきではないでしょうか……」

 心配してそう言うカークに、無理はしないからと、予定通り馬車を進めさせてもらった。
 多分、休んだって治らないと思う。熱もなければ、咳も出ないのだ。病というわけではないように、俺自身が感じていた。

「原因はいったい……食事は皆同じものを食べているのに、何故……っ」

 俺の額の汗を拭いつつ、ハインの方が体調の悪そうな顔をしている。
 ずっとカークを警戒しているけれど、彼が何か仕掛けている様子もない。
 というのも、カークも連日揺れる馬車に、少々体力を消耗し、疲れた様子だったのだ。

「私はまぁ、老体ですから」
「はは、馬車に揺られて運ばれているだけの二人が体調不良って、ちょっと笑えるな……」
「笑えませんよ!」

 本日、山城の最寄となる村に到着する予定だった。
 そこから山城へは半時間ほどで着くという。
 木々で埋もれ、麓から山城は見えないらしい。だから忘れ去られていたのだろうけれど、思いの外村と近くて、少々驚いた。

「村人にとっては日常風景の一部なのです。
 何もなければ山城は、子供の遊び場でして……。
 麓には邸が一軒あるのですが、そこももうずっと、空き家でございます。宿などはありませんから、本日はそこに」

  馬車が村に到着した。まずは一旦ここで、体勢を立て直すことにする。
 揺れから解放されれば、多少は体調も回復するかもしれない。
 サヤの差し出す手につかまり、なんとか馬車から降りたのだが……。

 その瞬間、目にした風景に、身が竦んだ。

「………………………………ぅそ……」

 足元から這い上がってくるような、恐怖。
 前かがみになっているせいで、視線が地面に近い。余計にそれは、忠実な再現がなされているようで……。

 俺が降り立ったそこは、出発地点にほど近い場所。
 見なくても、振り返れば、少し大きめで、小さな庭のある邸があるのだと、分かる。

「……レイシール様⁉︎」

 急に動きを止めた俺を訝しんだのか、サヤが俺の顔を覗き込み、慌てた様子で俺の名を呼んだ。
 多分、今まで以上に顔色が悪いんだろう。正直、頭がグラグラしていて、表情に意識すら回っていなかった。

 この先に、何があるかを、俺は知っている……。
 行きたくない…………。
 だけど……だけど確認しなくちゃ…………、ここは、ほんとうに、あの場所なのか。

「サヤ……こっちに、行こう……」
「レイシール様?……っ、レイ!    あかん、そんな顔色で……」
「お願い、お願いだから……!」
「どないしたん⁉︎    今は休まな……レイ、今自分が、どんな顔色か、自覚しとる?」
「いいから!    今はそんなことは、どうだっていいんだ‼︎」

 急に怒鳴った俺に、サヤがビクリと慄いたけれど、今の俺には気を配る余裕も無かった。
 連れて行ってくれないなら、自分で行く……。何度も何度も通った道。だから、案内は必要無い。
 そう、何度も何度も……身体に刻みつけてきた道だ。迷うこともない道なんだ。

 闇の底へと、続く道だ。

 くいと、手を引かれた気がした。
 あの日を繰り返すように、いないはずの人物が、俺の前に立っている。
 そう、繋がれていたのは、俺の右手。

 歩く。
 歩く。
 ひたすら歩く。
 手を引かれて。

 この道を歩いた。早朝だ。まだ村人も起き出してこないような時間に、俺たちは家を出た。
 朝食もとらないままに、無言で手を引かれて、前しか見ない母に、俺は、逆らってはいけないのだと感じていた。

 そう、あの時俺は、母に言葉を投げかけることも、できなかった……。
 握られた手が痛くても、黙って母に、ついていった。
 進む先に泉が見えても、それに母と、自らの足が浸されるまで、俺は状況を理解できなかった。

 そこで初めて抵抗したのは、生理的な恐怖から。
 だがまだ意味は理解していなかった。グイグイと引っ張られ、顔を水に浸す寸前にやっと叫んだけれど、そのせいで泥の混じった水が、口の中に流れ込んできた。

 あ、あ、あああぁぁぁぁぁぁ。

 ここ、だ。

 記憶の通り。

「ぅぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁああああ!」

 夢だったのに、夢じゃない。
 分かってた。あれは現実だって。
 過去のことだと理解してた。だけど過去じゃない。
 今もここは、かつてのままに、俺がちゃんと沈むまで、存在を消してしまうまで、口を開いて待っている、俺を、ずっと!

「レイ!」
「レイシール様⁉︎」

 意識が途切れるまでひたすら叫んだ。喉を掻きむしって、引き千切ってしまいたかった。
 夢よりも圧倒的な絶望が、現実となって俺にのし掛かってくる。
 なんでまだそこにいるのだと、問いかけてくる。
 俺はここで、死を望まれた。

 死ななきゃ、いけなかったんだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に引っ越しする予定じゃなかったのに

ブラックベリィ
恋愛
主人公は、高校二年生の女の子 名前は、吉原舞花 よしはら まい 母親の再婚の為に、引っ越しすることになったコトから始まる物語り。

義娘が転生型ヒロインのようですが、立派な淑女に育ててみせます!~鍵を握るのが私の恋愛って本当ですか!?~

咲宮
恋愛
 没落貴族のクロエ・オルコットは、馬車の事故で両親を失ったルルメリアを義娘として引き取ることに。しかし、ルルメリアが突然「あたしひろいんなの‼」と言い出した。  ぎゃくはーれむだの、男をはべらせるだの、とんでもない言葉を並べるルルメリアに頭を抱えるクロエ。このままではまずいと思ったクロエは、ルルメリアを「立派な淑女」にすべく奔走し始める。  育児に励むクロエだが、ある日馬車の前に飛び込もうとした男性を助ける。実はその相手は若き伯爵のようで――?  これは若くして母となったクロエが、義娘と恋愛に翻弄されながらも奮闘する物語。 ※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。 ※毎日更新を予定しております。

「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
 ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。  チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。  なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!  こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。  ※注:すべてわかった上で自重してません。

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

藤森フクロウ
ファンタジー
 相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。  悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。  そこには土下座する幼女女神がいた。 『ごめんなさあああい!!!』  最初っからギャン泣きクライマックス。  社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。  真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……  そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?    ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!   第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。  ♦お知らせ♦  余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!  漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。  よかったらお手に取っていただければ幸いです。    書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。  7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。  今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。  コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。  漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。  ※基本予約投稿が多いです。  たまに失敗してトチ狂ったことになっています。  原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。  現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。  

【完結】愛する人にはいつだって捨てられる運命だから

SKYTRICK
BL
凶悪自由人豪商攻め×苦労人猫化貧乏受け ※一言でも感想嬉しいです! 孤児のミカはヒルトマン男爵家のローレンツ子息に拾われ彼の使用人として十年を過ごしていた。ローレンツの愛を受け止め、秘密の恋人関係を結んだミカだが、十八歳の誕生日に彼に告げられる。 ——「ルイーザと腹の子をお前は殺そうとしたのか?」 ローレンツの新しい恋人であるルイーザは妊娠していた上に、彼女を毒殺しようとした罪まで着せられてしまうミカ。愛した男に裏切られ、屋敷からも追い出されてしまうミカだが、行く当てはない。 ただの人間ではなく、弱ったら黒猫に変化する体質のミカは雪の吹き荒れる冬を駆けていく。狩猟区に迷い込んだ黒猫のミカに、突然矢が放たれる。 ——あぁ、ここで死ぬんだ……。 ——『黒猫、死ぬのか?』 安堵にも似た諦念に包まれながら意識を失いかけるミカを抱いたのは、凶悪と名高い豪商のライハルトだった。 ☆3/10J庭で同人誌にしました。通販しています。

もしかしてこの世界美醜逆転?………はっ、勝った!妹よ、そのブサメン第2王子は喜んで差し上げますわ!

結ノ葉
ファンタジー
目が冷めたらめ~っちゃくちゃ美少女!って言うわけではないけど色々ケアしまくってそこそこの美少女になった昨日と同じ顔の私が!(それどころか若返ってる分ほっぺ何て、ぷにっぷにだよぷにっぷに…)  でもちょっと小さい?ってことは…私の唯一自慢のわがままぼでぃーがない! 何てこと‼まぁ…成長を願いましょう…きっときっと大丈夫よ………… ……で何コレ……もしや転生?よっしゃこれテンプレで何回も見た、人生勝ち組!って思ってたら…何で周りの人たち布被ってんの!?宗教?宗教なの?え…親もお兄ちゃまも?この家で布被ってないのが私と妹だけ? え?イケメンは?新聞見ても外に出てもブサメンばっか……イヤ無理無理無理外出たく無い… え?何で俺イケメンだろみたいな顔して外歩いてんの?絶対にケア何もしてない…まじで無理清潔感皆無じゃん…清潔感…com…back… ってん?あれは………うちのバカ(妹)と第2王子? 無理…清潔感皆無×清潔感皆無…うぇ…せめて布してよ、布! って、こっち来ないでよ!マジで来ないで!恥ずかしいとかじゃないから!やだ!匂い移るじゃない! イヤー!!!!!助けてお兄ー様!

【R18・完結】おっとり側女と堅物騎士の後宮性活

野地マルテ
恋愛
皇帝の側女、ジネットは現在二十八歳。二十四歳で側女となった彼女は一度も皇帝の渡りがないまま、後宮解体の日を迎え、外に出ることになった。 この四年間、ジネットをずっと支え続けたのは護衛兼従者の騎士、フィンセントだ。皇帝は、女に性的に攻められないと興奮しないという性癖者だった。主君の性癖を知っていたフィンセントは、いつか訪れるかもしれない渡りに備え、女主人であるジネットに男の悦ばせ方を叩きこんだのだった。結局、一度も皇帝はジネットの元に来なかったものの、彼女はフィンセントに感謝の念を抱いていた。 ほんのり鬼畜な堅物騎士フィンセントと、おっとりお姉さん系側女によるどすけべラブストーリーです。 ◆R18回には※がありますが、設定の都合上、ほぼ全話性描写を含みます。 ◆ヒロインがヒーローを性的に攻めるシーンが多々あります。手や口、胸を使った行為あり。リバあります。

婚約も結婚も計画的に。

cyaru
恋愛
長年の婚約者だったルカシュとの関係が学園に入学してからおかしくなった。 忙しい、時間がないと学園に入って5年間はゆっくりと時間を取ることも出来なくなっていた。 原因はスピカという一人の女学生。 少し早めに貰った誕生日のプレゼントの髪留めのお礼を言おうと思ったのだが…。 「あ、もういい。無理だわ」 ベルルカ伯爵家のエステル17歳は空から落ちてきた鳩の糞に気持ちが切り替わった。 ついでに運命も切り替わった‥‥はずなのだが…。 ルカシュは婚約破棄になると知るや「アレは言葉のあやだ」「心を入れ替える」「愛しているのはエステルだけだ」と言い出し、「会ってくれるまで通い続ける」と屋敷にやって来る。 「こんなに足繁く来られるのにこの5年はなんだったの?!」エステルはルカシュの行動に更にキレる。 もうルカシュには気持ちもなく、どちらかと居言えば気持ち悪いとすら思うようになったエステルは父親に新しい婚約者を選んでくれと急かすがなかなか話が進まない。 そんな中「うちの息子、どうでしょう?」と声がかかった。 ルカシュと早く離れたいエステルはその話に飛びついた。 しかし…学園を退学してまで婚約した男性は隣国でも問題視されている自己肯定感が地を這う引き籠り侯爵子息だった。 ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~) ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

処理中です...