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拠点村 9

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 身支度を整えて戻ったサヤに、何食わぬ顔の俺たちは祝詞しゅくし日の説明をすることにした。
 ディート殿がいるとできない話だからな。今のうちだ。

「この世界では、ひと月は三十日で、十二の月がある。そして、十二の月から一の月の間に、祝詞日という、月に属さない十日があるんだ。
 だから、一年は三百七十日で一巡りする。
 祝詞日というのは、神の生誕した日と言われている。
 この世界の神は、はじめは唯一神だったんだけどね、色々あって複数に分かれたんだ。体の各部位がそれぞれ別の神になったと言われていて、その生まれ変わりに掛かったのがその十日間。祝詞日は、神を言祝ぐために祝日なんだ」

 大雑把にかいつまんで説明する。
 フェルドナレンではこのように言われているけれど、他国では違ったりもするし、唯一神ですらなく、二柱だったという説もある。
 だから細かくなくても問題は無いだろう。

「一年が三百七十日……私の世界より、五日多いんですね。毎月が同じ日数なのも不思議です」
「そりゃ……そういうもんだろ?」
「私の世界は、二十八日の月もあれば、三十一日の月もあります。一年は概ね三百六十五日ですけど、年によって変わります」
「え?……一年の日数が変わる?」
「それだと、だんだん月がずれてしまいますが」
「いえ、四年に一度一日を増やさないと、ずれていってしまうんですよ。あと四百年に一度は増やしちゃ駄目なんです」
「…………サヤの世界の神は何かとややこしいことがお好きなんですね」

 本当にな……。月の日数を変えるとか、数年に一度増やすとか減らすとか……なんでそんなことをする……。

「うーん……神様……というより、地球の自転と公転周期の問題……いえ、やっぱりなんでもないです」

 サヤは、苦笑しつつ何か言いかけたが、結局止めにした様子だ。
 より一層ややこしい話をされても多分ついていけないし、俺たちには必要ない知識だと判断したのだろう。

「でも、覚えやすくて助かりました。月の日数、バラバラだと覚えにくかったので。
 面白いですね。神様が、生まれ直した十日間が、祝日なのですか……」
「他にも、これに関して疑問点とかは、無い?」
「えっと、私の世界では七日を一巡りとするんです。一週間といって月、火、水、木、金、土、日と、呼び名が決まっていたりするのですけど、ここでそういうのは聞かないなと、ずっと思ってて……ああ、ここは太陽系でもないでしょうし、きっと違うんですね」
「……一年が七で割り切れもしないのに七日という中途半端な日数を一括りにする意味も分かりかねます」
「そういうのは無いなぁ……七をくくりにすることはまず無い。五や、十なら、分かるけど……」

 あー、でも四が一括りになることはあるなぁ。銅貨とか四つに割ってあったりするし。
 世界が違うんだなぁ……と、改めて感じる。
 一年の日数すら違うのか……なら正確なサヤの誕生日は、きっとずれていってしまうな……。

「まあでも、月が十二の区切りで良かったです。ここが十五ヶ月とかだったら、私、本当に十四歳になってしまいますもんね」

 クスクスと笑ってそんな風に言われた。

「まあ、五日くらいの差は考えない方向で良いでしょう。サヤの一生の中で一年ほど歳がずれるだけです」

 ハインの言葉に、それもそうですねとサヤが首肯する。
 これでまたひとつ、サヤの世界との齟齬が埋められた。


   ◆


 ディート殿が戻り、昼からの業務にかかろうかという頃合いに、来客があった。

「レイ様、お客人連れてきた!」
「あ、あの……村の人が……こ、ここだって……」

 お客人はロビンで、案内してきてくれた村人はカミルだ。最近あまり顔を合わす機会が無かったけれど、元気な様子。

「カミル、背が伸びたな」
「おうっ!    ちょっと伸びた!   最近しっかり食ってるからなっ」

 ニシシと満面の笑みを浮かべるカミルの頭をグリグリ撫でると、隣のロビンがなんだか複雑な表情だ。
 村の子供が思いの外適当な態度なのでびっくりしているのだろう。

「やあロビン、セイバーンまで来てくれたのか、ありがとう。納品かな?」
「は、はい……三十品ほど……完成したので……」
「じゃあ中へ。見せてもらうから」

 中へと促すと、戸口横に立つディート殿にギョッとするも、彼がにこりと笑うものだから、どう対応しようかと悩んで視線を彷徨わせた挙句、ヘラリと笑って誤魔化すことにした様子だ。すすすと、距離を取って入室してきた。

「そこの長椅子に座って。今俺もそっちに行くから」

 手元の書類にざっと目を通し、署名と捺印を済ませてから席を立つ。
 机の上の書類をハインが片付けていると、コンコンとまた訪いの音が響いた。なんだ?    千客万来なのか?

「あの、お茶を……」

 違った。サヤだ。ロビンが来たのが聞こえたらしい。
 だがサヤの姿でロビンの前に立つのは不安である様子で、入室してこない。察したハインがお茶を受け取り、中で用意してくれた。
 予定に無い来客であったため茶菓子は無いが、かわりに甘めの牛乳茶だ。甘味はどんなものであれ、庶民には喜ばれるから、これを用意してくれたのだろう。

 前回同様、ロビンは懐から灰色の絹布を取り出し、本日の荷物は懐に収まらなかった様子で、手荷物からいくつもの薄い木箱を取り出した。
 その中から、ひとつひとつ、丁寧に取り、絹布に並べていく。

「こ、この箱は、銅貨五枚の、品です」

 箱の中は全部で五つ。飾り彫りされた金属の軸に、蝶や花、木の葉や月といった意匠がひとつ、飾られている。
 銅貨五枚とは思えない、丁寧な出来栄えだ。素晴らしい。
 次の箱は銅貨六枚、その次は銀貨一枚といった風に、箱ごとに中身を揃えてくれた様子だ。銅貨五枚のものが十点。銅貨六枚が五点、銀貨一枚が五点、二枚が五点、更に、銅貨三枚という品が五点あった。

「三枚?」
「は、はい……その……初めての品ですし、少しでも安い方が、俺たち庶民は、手を出しやすいかなって……」

 装飾は金属の軸に掘られた飾り彫りのみ。けれど、ちゃんと手を掛けて作られた良品に見える。簡素だけれど、美しい。

「ああ、君は本当に、良い職人なんだな。ギルが目をかける理由が、よく分かった」

 自ら考えて、客の要望を想像して、これを作ってきてくれたのだ。とても良い判断だと思う。そして、安く仕上げるにしても、ちゃんとした仕事をこなしている。
 俺のお願いした仕事以上のことをしてくれたのだと素直に思えたから、そう口にしたら、ポカンと呆気にとられた顔をされた。

「……えっ……?」
「美しいよ、これ。銅貨五枚のものよりしっかりとした模様が彫り込まれているから、とても見栄えが良い。
 飾り彫りが分かりやすいように、少し幅広にしたんだな。うん。良い出来栄えだ」

 ざっと金額を計算すると、金貨二枚に銀貨六枚となっていたので、今回の材料費は金貨一枚のみを差し引くことにする。
 それと合わせて、ここまでの馬車代も加えた。予定していない出費であったろうから。

「セイバーンまで来るのは時間も馬車代も掛かるだろう?
 今、五日に一度の割合で、拠点村に出向いている。昼からだいたい、三、四時間ほどはいるかな。
 拠点村までは、荷物や職人を多く移動させているから、馬車が毎日往復しているんだ。次はその馬車に便乗させてもらうと良い。許可証を用意するから、それを見せれば乗せてもらえる。あそこまでなら、一日全部を潰すこともないだろうし、品もそちらで確認するよ。
 あと、俺がいない場合は、ウーヴェが必ずいると思うから、そちらに渡しても良いようにしておこう」

 ブンカケンの店主という肩書きなのに、使い倒されている感じのウーヴェだが、本人はとても楽しそうにしている。
 色々な職人に関わるのが、殊の外好みに合うらしい、現場の職人も前代未聞の工事にとても興味津々であるそうで、士気は高いと教えてくれた。
 今は昼食のみを、食事処の面々が出張販売している状況なのだが、食事処と湯屋が急ぎ造られていて、完成すれば、ガウリィとエレノラはこちらに移り、賄い作りを引き受けてくれることになっている。そうすれば職人も泊まり込みが可能となるし、馬車の往復時間も作業に回せるようになる。
 そう……セイバーンの食事処は、ダニルとカーリン、そしてユミルに任されることとなった。ダニルももう、弟子ではなく、店主となるのだ。

 ロビンに、俺たちが拠点村まで出向く日を伝えておく。
 そうしておいてから、気になることも、確認しておくことにした。

「それで……メバックでの生活は、問題無いか?
 俺たちの事業に関わっているということを、何か言われたり……嫌がらせを受けたり、していないかな?
 もしそうであるなら、遠慮なく言ってほしい」

 そう伝えると、表情が強張る。
 あぁ……やっぱり、言われているんだな……。

「すまない……思っていた以上に、反発が大きいみたいだな。
 親方などは、どう言っている?職場での扱いは……」
「親方は、大丈夫です。むしろ、貴族との仕事ではありえないくらい、優遇してもらえているって、言ってくれました。
 材料費として金を前借りさせてくれるような貴族なんていやしねぇぞって……あっ、ご、ごめ……すいません!」

 勢いで言葉を口にしてしまったようで、あわあわと慌てて蒼白になるから、気にするなと言っておいた。

「俺は普段、こんな風なんだよ。だからそんなに畏まらなくても良いんだ。
 さっきカミルだって、遠慮してなかったろう?」

 そう言って茶化しておく。
 常に貴族扱いされたんじゃ、遠慮して本音すら聞けなくなってしまう。それでは駄目なのだ。貴族の目の色を伺って作業する環境なんて、良いものができる気がしないではないか。

「そ、その……俺は……今、決心が、固まりました!
 このまま、頑張ります。
 少しぐらい何か言われたって、平気です。御子息様……レイ様は、あいつらの言うような人じゃないって、こうして話してる俺が、一番よく、分かってる。
 あいつらより絶対、レイ様を知ってる。惑わされる必要なんて無いんだって、よく、分かりましたから」

 膝の上の拳が、少し震えていた。
 けれど、決心は固い様子で、瞳は揺れていない。
 やせ我慢している……でも、踏ん張るつもりなのだ。その強い意志は、感じた。

「そうか……ありがとう。
 けど、身の危険を感じたりしたら、遠慮しなくて良い。メバックなら、商業会館やバート商会に逃げ込んだって良い。
 もし、ロビンが怪我を負ったりするようなことになったら、俺は耐えられないよ。
 そうなりそうだと思ったら、関わるのはやめるって、言ってしまえば良い。分かったね?」

 身を守ることが最優先。職人は、その命と腕を、大切にしなきゃいけない。
 それだけは絶対だと言い含めた。
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