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農法 1

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 十日間の休みを取ろうと決めたその日の夕刻、サヤが「ご相談があります」と、言ってきた。
 何故か隣にはマルと、ハインもいる。どうしたんだ?   と、視線をやるとサヤに呼ばれたとのこと。
 とりあえず、真剣な顔で、大量の資料……。
 これは、何かとんでもないことを言われるんだろうなぁ……と、思いつつ、腹を括って「どうぞ」とサヤを促したのだが。

「氾濫を抑え込むことに成功した以上、今後必ず問題になる事があるので、そのことについてお話しさせて頂きたいんです」

 と、言う。

「……それは、何か良くないこと?   みたいな顔だよね……」
「そうですね。良くないことだと思います。でも、氾濫対策は必要なことでした」

 ……?   サヤの言わんとすることが、よく分からない。
 だから「うん、必要なことだった。そこは俺も同意するよ」と返す。

「ですから、これから起こることも、受け入れて頂くしかありません。
 そして、それに対応していく必要があります」
「うん……。分かってる。だから、単刀直入に言ってくれて構わないよ」

 俺の言葉に。サヤはホッと、小さく息を吐く。そして、いつか見た様な、悲壮感漂う表情をちらりと覗かせつつ、口を開いた。

「では、単刀直入に。
 セイバーンの麦の生産量は、確実に落ちます。
 川の氾濫による土の流入で、土地を潤わせていた形が、失われたからです。
 ですが、対応策はあります。
 そのことについて、お話しさせて頂きたく、伺いました」

 ……ああ、それで。
 そんな真剣な……そして不安そうな顔をしていたのか。
 サヤの葛藤が見て取れた俺は、彼女のその真摯な姿勢に自然と顔が綻ぶ。
 彼女を不安にさせてはいけない。これは、俺が決めたこと。当然、その覚悟もしていたのだと、きちんと伝えなければ。

「うん。理解している。
 麦の生産性は落ちるだろうな。セイバーンには、休耕地が無い。
 氾濫が頻発する為に、八月から麦を蒔くまでの間、ずっと畑は使われてもいず、氾濫の為に、他の農地の様に、家畜を利用することもままならなかった。
 その辺と引き換えであるかのように、この地は作物が豊かに育つ。
 つまり、他に多くある麦の生産地とは、かなりかけ離れた方法で、麦が作られてきている。
 この状況に……氾濫が、少なからず、関係していたってことだな?」

 俺の言葉に、サヤは一瞬驚いた表情を見せた。
 けれど、俺が言った言葉を咀嚼する様に俯き、暫く考えたかと思うと、その瞳に安堵の色が広がった。

「ええ……、そうなんです」
「他の地域の農法は、もう誰かから聞いた?」
「いえ、ハインさんに、セイバーンに休耕地がないことと、牛などの家畜を殆ど飼っていないこと、畑で麦以外を作っていないことは伺ったのですけど……」
「うん。ここは土が良いのか、生産量は他の地域と比べてかなり高かった。
 家畜を飼っていないのは、氾濫の度に死なせてしまう可能性が高いから。
 麦以外を作っていないのは、雨季の関係と、この時期は大抵、復旧作業に追われるからだ」

 ハインが動き、持ってきていたお茶を湯呑みに注ぎだす。
 マルは、眠そうに擦っていた目を爛々と輝かせてサヤを見ているから、知識を得られると乗り気になった様子だ。とりあえずマルは座ってと長椅子に促した。
 俺も執務机を離れ、長椅子に移動する。

「じゃあ、情報のすり合わせをしようか。
 まずはサヤに、この世界の一般的な農法を話す。それで問題がある様なら、そこを指摘してくれるか」

 そう言うと、大量の資料を脇に置き「畏まりました」と優しく微笑んだ。
 見惚れてしまいかけて、慌てて視線を外す。
 いかん……真剣な話をするのに、気を散らせちゃ駄目だろ、俺。

 この世界の農法。それはどの地域もだいたい似通っていると思う。
 基本的には、一年目、麦を作る。二年目、他の作物を作る、三年目、休ませる。
 という手順で回していた。
 この二年目の他の作物というのは、我々が食べる野菜と、家畜の食べる飼料だ。
 三年目は何も作らない。ただ雑草が生えるに任せることとなる。そのついでで、雑草を家畜の飼料としていた。
 そしてまた、麦を作る。
 だがセイバーンは、その方法を取っていない。

「私の世界のやり方と似てますけど、やはり色々違うんですね。……ああ、でも……こういった方法を取っていた時代もある。ということ……でしょうか」

 そう言ったサヤが、顎に手を当てて、うーんと唸る。
 まったく、この子の知識幅は尋常じゃないよなぁと、それを見て苦笑する俺。

 俺は、学舎にいた頃、ギルによく、王都へと連れ出してもらっていた。
 ギルの実家が王都に店を構える大店であったから、長期休暇等はそちらでお世話になっていたのだ。
 大体はは王都で過ごしていたけれど、たまに別荘で過ごすこともあった。
 その折に、セイバーンとこの地域の農法が随分と違うことに気付き、びっくりしたのを覚えている。
 ……そんな機会でもなければ、農地運営に興味を持たなかったかもしれない。

「大抵の地域は牛を利用して畑を耕すな。
 牛は冬に潰して、食料にする」

 ここは氾濫が頻発し、人も家畜もよく死ぬ。その代わりの様に、麦の生産量はとても多かった。
 他の地域の様に、広大な畑を耕す必要もなかった為、家畜無しでなんとかやってこれていたわけだ。

「冬に牛を潰して食料にするのは何故ですか?
 毎年潰していたのでは、その……費用とか、大変なのでは?」

 首を傾げて問うサヤに、ああそれはね。と、マルが口を挟んだ。

「冬の家畜の飼料が確保出来ないからですよ。
 冬場は作物もあまり育ちませんからね。なので繁殖用の最低限しか、残しません」
「……?   でも、保存のきく作物はありますよね?   蕪や、馬鈴薯があるじゃないですか」
「え?」
「私の世界でも、確か家畜を潰していた時期はあったんです。
 けれど、蕪や馬鈴薯を飼料にする様になり、家畜を残せるようになったはずです」

 そう言ってからサヤは、脇に置いた資料の中から数枚の紙を取り出した。
 むぎ。と書かれた下にりん・ちっそ・かりうむという謎の言葉。
 そしてりんから線を伸ばし、こっぷん
 ちっそから線を伸ばし、まめ・しろつめぐさ・れんげ
 かりうむから線を伸ばし、かぶ

 そうごう、けいふん、ぎゅうふん、など

 そして欄外に

 はい・あぶらかす

 しりょう……じゃがいも・かぶ・しろつめぐさ


 と、書かれている。

「すいません。うろ覚えなので、あまりあてに出来ないんですが、父から聞いた話ですから、信頼度は高いです」

 そう言い置いてから、語り出した。

「麦を育てるのにとても重要な三大肥料として、りん、窒素、カリウムがあります。
 他にもカルシウムとマグネシウムを入れて五大肥料なんて言う場合もあるんですけど、今回は省きます。
 私の世界では、稲は土で取り、麦は肥料で取る。なんて言葉があるくらい、肥料によって生産量が変わる作物だと言われています。
 それでえっと……りんが実や花、窒素が葉や茎、カリウムが根や茎を育てるのに重要らしいんですね」

 そこまではスラスラとした説明がされた。
 しかしそこから、サヤの眉間にシワが寄る。

「私、化学はあまり、得意じゃなくて……どれに何が含まれていたかが、あまり思い出せないんです。
 窒素が豆類にとても豊富で、レンゲや白詰草も豆類に含まれたと思うんですけど……。
 あと、りんが骨粉だったのは覚えてます。
 カリウムが蕪なのも、間違ってないと思うんですけど……灰と、油粕。これが何だったかが、出てきません」

 これは一旦保留にします。と、宣言してから、次の話へ移る。

「農法に家畜が利用される利点として、家畜の労働力と、もう一つは糞尿。これが肥料になることも挙げられますよね。
 この糞尿が、上記の三つを効率良く含んでいるから、これに単一肥料……先程の豆や骨粉を加える形で土を作る……って、父が言っていたと思うんです」
「ふぅん……。よく分からないけど、家畜の糞尿が良い肥料なのは知ってる。
 セイバーンの農家は、あまり使ってこなかったけど、他の地域では利用してる」

 俺の返事に、サヤはこくりと頷いた。

「なら本当は、冬に殺して食料にするのではなく、飼って糞尿を確保する方が、経費がかからないのではないですか?」
「そうだな。だから本当は、冬場も家畜を確保しておきたい」
「ですよねぇ。糞尿を確保したいんですよ、本当は」

 家畜の糞尿はそのままでは使えない。
 時間をかけて肥料に作り変えなければならないのだ。
 そのための手順や方法も、この地域には根付いていないということを今更気付き、これはちょっと大ごとだなと、頭の端の方で考える。

「はい。その為に蕪の栽培をお勧めしたいんです。蕪は牛の乳を甘くする作用もあるって聞きました。
 馬鈴薯は、乾酪がパサつかなくなって、美味しくなると。
 じゃあ、蕪を食べた家畜の糞尿が、カリウムを多く含む様になるのかどうか……その辺が、よく分かりません……」

 そう言って悩むサヤ。
 だが俺とマルは、顔を見合わせた。
 よく分からないが、蕪を多く育て、牛に与えれば、肥料も確保でき、潰す牛の量も減らせるという。なら……、

「何が含まれるかって……そんなに重要?」
「必要なものは分かっているのですよね?   なら、それを全部利用すれば済むのでは?」

 そう言うと、サヤは駄目なんですと首を振る。

「分量が重要なんです。
 例えば、窒素を多く与えすぎると、食物は茎や葉が肥えすぎて、軟弱になり、病気にかかりやすくなるんです」
「……それは、難しいな」
「しかもその地域の土壌によって混ぜる分量が異なります。
 例えば……このセイバーンの土は、黒くてしっとりしてますよね。
 粘土質を含んだ土……氾濫によってもたらされた、私の世界で沃土よくどと呼ばれる土だと思われます。
 自然に、作物を育てる養分を多く含んだ土なんです。
 けれど、養分は作物を作ることで、消費されます。だから……」

 そう言って、また別の紙を取り出した。
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