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雨季 4

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 昼食を終えたら、各部屋への家具の運び込みとなるわけだが、そうすると気付いた。
 家具の量が、想定よりも、多い。

「あれ?   発注数を間違えてた?」

 首を傾げつつもう一度寝台の数を数えたのだが、やはり多い……。しまった、無駄遣いをしてしまったか⁉︎   そう思ったのだが。

「一式俺の部屋の家具だからな」

 と、横に来たギルが言い、通り過ぎる。
 ……ギルの部屋って、どういう意味。

「……万が一の場合に対応しにくいから、自分の部屋を作って管理しとけって……言われたんだが……お前の指示じゃないのか?」
「ハインー?」

 聞いてない、聞いてないよハイン⁉︎
 慌ててハインに確認を取ると、客間に運び込む荷物を点検していたハインが「必要だと思ったので指示しました」と、あっさり認めた。相談とかなんで無かったの⁉︎

「生憎、あの時レイシール様は体調を崩されてましたので。
 ルオード様も客間を利用するとのことでしたし、今後のことも考えると、ある方が良いと判断しました」

 しれっと言われた。
 体調を崩してた時……そ、そういえば、あの後急に、ギルが戻ったんだ……。そうか、この準備に戻ったのか……いやでも!   後で報告してくれても良かったんじゃ⁉︎

「すぐに慌ただしくなりましたからね。報告を疎かにしてしまい、申し訳ありませんでした。
 問題があるようでしたら、そのまま持って帰らせます。
 サヤの副業のこともありますし、バート商会の者が利用出来る部屋は備えておく方が良いと思ったのですが……」

 神妙な顔でそんな風に言われてしまった。
 しかしそれが作った表情であることは分かる。建前上謝っているけど必要だと確信を持っているといった顔。
 い、いや別に、反対しているわけじゃない……から……。

「……うん。良いんじゃないか……」

 バート商会の部屋、用意したら良いよ。うん。
 ハインにやり込められてしまった感が拭えない……。でも俺が体調を崩してたのが悪いんだし……サヤの為なんだし……。そんな風に言い訳して、自分の気持ちに折り合いをつけることにする。
 すると、俺たちのやり取りを、苦笑しつつ眺めていたギルが、

「それとな、この家具は、俺の所から運んで来たものだ。流石に、意匠の揃った出来合いの家具はそうそう転がってない。
 今発注してるから、完成したら随時入れ替えていく。それで良いか?」

 随分早く、揃えたものだと思っていたら、そういった理由だったのか。家具を運ぶだけでも手間が掛かるというのに、手を煩わせているな。

「店の方は問題無いのか?」
「ああ、元々客間は数部屋あるからな。雨季の間は来客もそう無い。うちは大丈夫だ」
「そうか……いつもすまないな」
「仕方ねぇだろ?   クリスタ様相手に下手なことは出来ねぇからな。
 ったく、彼の方は……何考えてんだかなぁ。今まで、音沙汰無かったってのに」

 ギルがぶちぶちと文句を言いつつ、荷物を二階に運んでいく。
 ギルの方には連絡、入ってなかったんだな。
 そう考えたら、何かふと、違和感を覚えた。
 ……?   マルだけ?   マルって、そんなにクリスタ様と交流があっただろうか。
 学舎にいた頃、クリスタ様に絡まれるのはやたらと俺で、次にギルだった。ギルはよく、クリスタ様のご姉妹の方々……嫁いでない方だけで十人程いらっしゃるのだが、そのご姉妹への装飾品やら礼服やら、贈答品の手配を受けていたのだ。
 だから、マルに問い合わせがあったなら、ギルにだってあってしかるべきだと思った。
 何故なら、ギルがメバックに暖簾分けをする手助けをして下さったのが、他ならぬクリスタ様だから。
 俺に一番近い位置にいるのは、当然ギルで、それをクリスタ様もご承知なのに、俺のことをわざわざ、マルに聞いた……?
 なんだろう。だからって別に、問題は無いのだけど……何か違和感がある。
 それとも考えすぎか?   マルならば大抵の情報は網羅しているから、何か用事のついでとか?

「どうされましたか?」

 しきりに首を捻っていると、戻ったサヤが、俺に声を掛けて来た。
 ルーシーと二人で、マルの世話をお願いしていたのだ。
 手には盆を持ち、上の皿は、あらかた空になっている。

「お。今日はしっかり食べたみたいだな」
「熱も引いて、だいぶん楽になってきた様子でしたよ。
 炭酸葡萄の試食、出来なかったのを、残念がってらっしゃいました」

 食べ物にさして興味のないマルが、食べれなかったことを残念がるなら、もうだいぶん良いのだろう。良かった。サヤの報告にホッと胸をなでおろす。
 明日からは、皆と一緒に食堂で食事が出来るかな。
 良かった。傷が膿んだりもしなかったし、もうきっと、大丈夫。

「レイシール様、バート商会の使用人らですが、もうそろそろ出立しませんと、今日中に帰りつけません」

 ハインが、そんな風に言って来たので、それじゃあと、帰宅してもらうことにする。
 今日は、ギルと、予定外だったがルーシーが泊まっていくらしい。
 ギルは明日には帰るそうだが、ルーシーは結局、そのまま残ることとなった。だから取り敢えず、ギルの部屋をまずは整える必要がある。今日寝る場所確保の為に。
 突発的なことだったので、ルーシーの着替え等が無かったが、サヤのものを借りることで話がついていた。
 ……一度も使ってない女性用の服、結局、サヤ本人が使う前に、ルーシーが使うんだな。

「レイ殿、すまん。俺も交代の様だ」

 そうこうしていたら、ディート殿も、交代の近衛の方とやって来た。今まで、玄関広間の家具を、バート商会の使用人と二階に上げる作業をして下さっていたのだ。
 重い家具を上げ下げする、一番の重労働なのだが、文句も言わず、黙々と続けて下さった。なんて男前なんだろうか。

「明日も朝から昼過ぎまで来る。ではまたな」
「有難うございます。ではまた、明日」

 俺も手伝うのか?と、残された近衛の方が恐る恐る周りを見ているので、あれはディート殿のご好意なので、気にしないで下さいと、言っておく。
 護衛の為に来ている近衛の方を、荷運びの戦力になんて、普通考えません。ディート殿は人が良い。わざわざ手伝うのだから。

「よしっ、ではバート商会用の部屋を整えよう。今日休む場所を確保しないとな。
 終わったら、次はクリスタ様のお部屋だ」

 号令をかけて、残りの面々で動き出す。
 とはいえ、俺とルーシーは重い家具の移動には適さないので、運んだ家具を拭いたり、小物を開けて配置したりといった雑ごと担当だ。
 皆で黙々と進めたら、二時間程でひと段落出来た。さぁ、ではクリスタ様の部屋の準備に行こうと思ったら、ハインが先に俺の部屋を済ますと言い出す。

「物置の荷物は運び出しましたし、掃除も済ませてありますので、寝台を入れてしまいましょう」

 サヤを一人で出歩かせない宣言をしてから、ハインは護衛をサヤに任せて、雑務を一手に引き受けている。俺たちが執務室で日常業務をこなす間、掃除や洗濯などは彼が行なっていたのだが、俺の部屋の片付けと掃除も済ませておいたらしい。普段覗かない物置とはいえ、いつの間にやらだ。
 ハインに促されて、寝台を俺の部屋に運び込む準備として、部屋の手前にある家具類を移動させる。ここは俺の自室の為、近衛の方は遠慮して、階段から下を見ていてくれることとなったので、思う存分、サヤに活躍してもらうことにした。

「ついでに模様替えも済ませます。重たいものはサヤに任せて良いですね」
「はい、頑張ります!」

 やはり少々ややこしかった。まずは湯呑みなどの割れ物を退避させ、次に引き出しを引き抜いて積み上げる。
 動かしやすくなったものを、サヤやギル、ハインで端に寄せ、新たな寝台を入れた。これは出来合いの物を購入出来たらしい。
 小さな棚と小机も運び込み、次は俺の部屋だ。前から気になっていたのか、こうすると決めていたのか、ハインがテキパキと指示を飛ばし、その場所に家具が移動された。
 家具の位置が決まったら、引き出しを中身ごと戻していく。
 それが済んだら、割れ物も食器棚の定位置に戻す。

「俺の部屋じゃないみたいになったな」

 家具の位置を変えるだけで、随分様変わりする。
 ここに移動した二年前以来だな。あの時も、雨季を目前に家具の移動を……いや、あの時の俺は半分死んだ様になってたから家具を運んではいないな。ハインが一人、村の人に手伝ってもらいながら頑張ってくれたんだ。
 そんなことを思い出していたら視線を感じた。振り返ると、ハインと目が合った。

「これで多少は、気持ちも落ち着くのではないですか」

 さらっとそう言って、クリスタ様方用の客間準備に向かいますと、部屋を出て行ってしまう。
 言葉が耳に残った。
 最近は、あまり気にならなくなっていたものの、この部屋での惨劇を忘れたわけではない。
 つい、長椅子に座りがたく思っていたり、家具の影が血の汚れに見えたりしてビクついていたのを、ハインはとうに、お見通しだったのだろう。
 雰囲気が変われば、あの時のことも意識しにくくなる。そう思っての、模様替えであったのかもしれない……。
 ……なんというか、分かりにくいよな、ハインの優しさって。
 こんなに優しいのに、言動はああだし、顔もああだし、長く深く付き合わないと、あいつの良さは見えてこない。
 ハインはそれで全然構わないと思っている様子で、友人を作るでもなく、恋人を作るでもなく、ただ俺に仕える為だけに、食べて寝て、生きる。
 そんなの、もったいないと、思うんだ。
 もっと沢山の人に好かれ、自分本位に時間を使って、たまになんの意味も無いような、くだらないことをしてほしい。
 そう思うのは、間違っているだろうか……。いや、間違っていない筈だ。俺だって望んで良いのだから、ハインはもっと、望むべきだ。
 ハインの肩にのしかかっている、獣人という重石。そして足に絡まる、過去という枷。
 マルは俺が決めてやれと言っていた。
 ハインが獣人らしい獣人であるなら、自分で決めることはあまり得意ではないそうだから。
 とはいえ……ハインの人生を、俺が決めるなんてのも、おこがましいというか……なんか、難しい。
 今までの九年、ハインはいつだって俺優先だったから、ハインのしたいことが、俺には分からない……。

「あっ、降り出しました」

 サヤのそんな言葉で、意識が引き戻された。
 窓に視線をやると、空の色が黒い。しかし、まだ雨が降っている雰囲気では……いや、窓にポツンと、水滴がぶつかった。
 それが、ポツン、ポツンと続き、あっという間に窓を叩き出す。

「う……い、勢いが、強すぎませんか……」
「滝の様だよな。でも、はじめのうちだけだよ。だんだん落ち着いてくるから」

 恐れおののくサヤに、そう教える。あまりの雨の勢いに不安になったのか、土嚢壁を補強しましょうとか言い出しそうな雰囲気だったのだ。

「レイシール様の言う通りでしたね。夕刻前に、降り出しました」
「ん。そうだね」

 ああ、雨季が来た。降り止まない雨が、降り始めた。
 連夜の悪夢がここから続く。
 そして雨季が終われば……サヤとの約束、別れの時が、やって来る……。

「土嚢壁、ちゃんと、役に立ってくれますよね……」
「そうであってもらう。その為に、皆頑張ってくれたんだ。大丈夫だよ」

 自分に言い聞かせるためにも、あえて言葉にした。
 そうであってもらう。雨季の度に、領民の皆が、苦しんだり、悲しんだりしない様に。そして、サヤの痕跡を、この世界に刻む為に。サヤがいつだって取り出して、眺めていられる、楽しく美しい思い出となる様に……。
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