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秘密 7

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 察しがついた。
 ルカの手を振り切り、階段を駆け下りて外に向かう。
 後ろから、何か叫ぶ声が聞こえた気がしたが、気にもならなかった。
 異母様方の通る道は決まっている。だから迷うこともない。ただ、気持ちほどに身体は動いてくれず、自分の足をこれほど疎ましく思ったことは無かった。しかも肺まで俺の願いを聞く気が無い。もっと早く動け、もっと空気をちゃんと吸え!   心の中で怠けそうになる自身を罵倒しながら、必死で進むと、程なくそれは見えてきた。
 蹲るのはマル。それを背に庇い、立つのはサヤ。何故か道幅いっぱいに騎士が囲み、サヤに剣を突き付けていた!

「剣を引けぇ‼︎」

 全力で吼えた。
 俺の怒声に、数人の騎士は剣先を下げるが、すぐにまた構えを取る。それを見て、怒りが俺の視界を赤く染めた。

「引けと言っているのが、聞こえないか‼︎」

 怒りのまま大喝すると、怯んだように、騎士らが二歩ほど後退する。しかし、やはり武器は下ろそうとしない。腹が立った。その腹立ちに任せて前に進む俺の足に、何かがゆるりと触れて、離れる。

「レ、レイ様……ちょっと、落ち着いて、ください……」

 か細い声。
   慌てて足元に視線をやると、肩の辺りを押さえ、蹲ったマルが、必死の様子で、俺に手を伸ばしていた。この馬鹿!   右手は左の肩を押さえている。その左手で、俺の足を掴もうとした様だ。肩の傷に響いたのか「酷いぃ、痛かったですよぅ」などと、言うものだから、急激に怒りが霧散してしまう。慌てて抱き起こすと、左肩がぬらりと血濡れていた。

「誰か!   マルの手当てを……っ。何故こんな……」
「やぁ、すいません。一応、総指揮を、任されているものですから。
 事情を、ご説明しようと思ったのですけど、聞く耳持たずで……」

 へらへらと笑いつつ、血の気の引いた白い顔でマルが言う。
 しかし、俺の呼びかけに応え、手を差し伸べようとする者は現れなかった。
 視線を上げ、巡らすと、人足や土建組合員らと、それに交じった村人が、恐怖に引きつった顔で、こちらを見ている。
 ……そうか……そうだな。この状況で、前に出ろだなんて、酷か。

「マル、少し待っていてくれ……」
「あぁ、お気に、なさらず。僕なら、もう暫くは、平気ですから」

 懐を探り、手拭いを引っ張り出す。それでマルの傷口を押さえると、マルの震える血濡れた手が、手拭いの上から改めて傷口を押さえた。
 それを見届けてから、立ち上がる。振り返り、目を眇めると、騎士らが怯えた様に、少しざわめいた。
 ……よくよく見渡すと、奥の方で数人が呻いたり、座り込んだりしている。多分サヤに何かされたのだと思うが、こちらは血で汚れていたり、動かない者が居たりする様子は無い。サヤは、彼らを必要最低限だけ、痛めつけたようだ。だから尚のこと、何故マルを斬ったのか、それを問い質さずにはおれないと思った。足を進め、サヤの横に立つ。サヤに怪我は無い様だ。ちらりとこちらに視線をよこすサヤも、怒っている様子で、圧を感じる。サヤの闘気だ。騎士らがあれ以上踏み込んで来なかったのは、サヤを恐れてのことであったらしい。

「何故斬った」

 低い声で問うと「ご、ご命令です……」という、返事が何処かから返る。

「命令……。命令であるなら、疑問を挟む余地は無いと言うのか。
 言われた通り、斬れば責務を果たしていると、そう胸を張れるのだな、お前たちは」

 俺の皮肉に、応える声は無い。
 命令なのだから、自分の行いは正しいのだと、そう思えるなら、是と言えば良い。だが彼らは、視線を泳がせて、少し俯いた。

「君たちはセイバーンの騎士だ。その役割は何だ。自身の胸に問うてみろ。
 セイバーンに忠義を尽くすというのは、その様にただ命令に従い、民を斬ることなのか、問うてみるが良い!
 何故、マルクスの話を聞かなかった、彼は、状況の説明に名乗り出た筈だ!   お前たちの目にも見えているな、あの壁が!   あれが何故あそこにあるか、何故必要か、その確認すらせずに、何を成すつもりでいた‼︎」
「主人の命が聞けぬ様な暗愚は要らないわ」

 おっとりと優しい声が、突き刺さった。
 まさか……馬車から降りて来られるとは、思っていなかった。
 背骨に沿って、剣を突き立てられた様な恐怖に、反射で身体が動く。罰を受ける際の姿勢。背筋を伸ばし、首部を垂らす。
 騎士らの垣根が割れた。煌びやかな赤い礼服の異母様が、一瞬視界の端を掠める。扇で口元を隠し、汚いものを見る様に、俺を見ているのが、視界に入れずとも分かる。

「暗愚だわ。私は、この様なことは指示しておりません。何と愚か。主人の声ひとつ、ろくに拾えないのね」

 主人……。
 ……分かっていたさ。俺が、一族に数えられていないことくらい。
 顔を伏せたまま、唇を噛みしめる。
 動け、俺。
 今は、怯える時じゃない。俺は、領主一族の責務を果たす為、動いたんだ。間違ったことはしていない。堂々と、顔をあげておけるはずだろう?
 ここで俺が抗わなかったら、サヤや、マルや、関わってくれた皆の誠意に、泥を塗ることになってしまう。
 それが分かっているのに…………何で俺は、動けない……⁉︎

「誰が、あの様なことをせよと指示しました?   今まで通り恙無くだと、伝えた筈ですね?
 まったく、本当に、なんと愚かなのでしょうね……」

 震える足。震える手。恐怖に絡め取られて、俺は息一つ吐くことが出来ない。
 もう俺は、幼い子供じゃない。成人してなくても、領主代行という、責任ある立場だ。抗うと決めたのは俺だ。異母様に逆らってでも、氾濫を食い止める手段を選んだんだ。胸を張れよ、俺!   お願いだから‼︎

 震える手を、何とか動かして、拳を握った。けれど、足元を見下ろす俺の視界に入った、男物の長靴を見た途端、そのささやかな努力すら霧散した。更なる恐怖に、身体を乗っ取られてしまった。

 兄上…………っ。

 まだ何もされていないというのに、言葉一つかけられていないというのに、俺は次に襲う痛みや、突き刺さる言葉を想像して、勝手に苦しくなってしまう。
 また間違うのか?   今度は何を犠牲にするんだと、そんな言葉を想像して、呼吸が浅くなる。空気がまた、ドロドロの油の様にまとわりつく。けれど、次の瞬間ふわりと、圧がやわらいだ。

「レイシール様は、責務を全うされたまで。責められる謂れなど、ございません」

 サヤ……!

 半歩前に出たサヤが、俺と、お二人との間に、身体を割り込ませていた。
 異母様を見据え、きっぱりと言う。
 サヤが俺を庇う様なことをしたものだから、異母様の視線が剣呑な光を宿す。その視線が、サヤを見据えたことに、俺は全身の血が凍った。
 だが、サヤは気圧されない。そんなことは意にも解さず、ピンと伸びた綺麗な背筋で、堂々と言葉を口にする。

「騎士の皆さんへの、正しいお手本です。
 ただ上の命令に従っていれば、責務を果たしただなんて風に、レイシール様は考えたり致しません。
 ちゃんと民の声を聞き、考えて、行動したのです。何が望まれているか、何が正しいかを、ご自身でちゃんと判断されたのです。ご自身の責任の元に!
 いくら異母様や、ご領主様の命であろうと、それが民の為にならないのなら、意味がありません。今、領主一族の責務を正しく果たしているのは、レイシール様です」
「主人に逆らう不届き者を処分せよ」

 サヤの言葉が終わらぬうちに、異母様の命が下る。
 異母様の側に控えていた、ジェスルから異母様に付き従ってきた騎士が動く。それと同じくして、兄上を別の従者が、手を引きそそくさと下がらせた。
 サヤは動かない。いや、心なしか膝を曲げ、踵を浮かせたように見えた。
 騎士が迷いなど微塵もない様子で抜刀、サヤの立つ場所を横薙ぎにする……と、思っていたのに、それは起こらない。抜こうとした剣は、サヤの踵に容赦なく押し戻され、その衝撃で、一瞬身体の流れた騎士の側頭部に、剣の柄を蹴った足が、一度も地に下りることなく襲っていた。
 見事に吹き飛ばされる。人垣になっていた騎士の一角に、突っ込んだ。

「草さんの真似、出来ました」

 呆然とする俺の耳に、そんな茶目っ気のある小声が届く。
 草…の、真似?   あっ、ギルが、剣を抜けなかったあれか!
 そんな脈絡もないことに気を取られていたら、身体の自由が戻っていた。
 サヤがトンッと、足を地に付ける。

「私の主人は、セイバーンではありません。レイシール様です。主人の命には背いておりませんから、処分される筋合いも御座いません」

 そうきっぱりと宣言した。

「私の主人は正しく、民の為に、セイバーン男爵家の一員として動いています。異母様は、別館に大量にある、ご領主様の書記をご覧になられたことが、ございますか。
 毎年毎年、きっちりと記録を残してらっしゃいます。氾濫の度の試行錯誤が、苦悩が、ご領主様が、跡を継がれた年からずっと綴ってありました。その前の方、更に前のご領主様も。資料を残してらしゃいました。
 氾濫の駆逐は、歴代のご領主様からの切望です。レイシール様の勝手ではありません。
 レイシール様は、正しく、領主代行としての職務を全うしております。そしてあの壁が、それを果たしてみせます」
「……不敬な愚民を捕らえよ」
「どうぞ、いらっしゃって下さい。セイバーンに仕えるなら、命を全うするしかございませんものね?
 ですが私は、マルさんと違ってやり返しますから、そのつもりでどうぞ」

 騎士らに皮肉を贈り、にこりと笑うサヤ。
 首を振り、足首を捻りながら、手首を揉みほぐすような動作をする。それからトントンと数回飛び跳ねて、自身の身体の調子を確認した様だ。腰を落とし、構えを取る。

「多勢に無勢ですし、主人とマルさんをお守りせねばなりませんから、もう、手加減致しませんけど」

 そう言うと、闘気が、破裂するかの様に膨れ上がった。
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