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執着 8
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テクテクと歩いて、いつも通り坂道を下り、橋を渡り、川沿いを西に向かって行くと、雑木林が見えて来る。
その周辺に、何やら小屋のようなものがいくつも完成していた。
「なんだありゃあ……仮小屋にしては……あれ?」
「壁が土嚢……?」
近付くにつれ、その小屋の壁が、積み上げられた土嚢であることが分かってきて唖然とする。
いや、軍隊が使う技術って知ってたけど、こんなしっかりと小屋が作れるんだな……。
屋根は板で作られてはいたが、壁は見事に土嚢だった。それが五軒、設置されているのだ。
大きさも出来も様々ではあったが……。
「レイシール様、ご足労頂きまして有難うございます。
さあ、それではレイシール様に、土嚢を使った休憩所の採点を行ってもらいます。
結果、一位、二位には菓子を褒美としますからね。楽しみに待っていてください」
は?
集められていた人足達に向かって、マルがそんな風に言うものだから、少し驚いてしまったけれど、知らないんだけど? なんて態度で示すわけにもいかず、とりあえず笑って誤魔化す。
ええと……何?
状況が読めていない俺の元にマルがやって来て、小声で説明をしてくれた。
「班別対向の遊戯ですよ。班ごとの休憩所を作らせたんです。
見ての通り本気度が一目で分かりますが。
さあ、レイ様。どの班がどれを作ったかはお伝えしません。休憩所の評価をお願いします」
それ、なんで今言うかな……。昨日報告しておけば良かったのじゃと思うんだけど。
「駄目ですよ。先入観一切無し。前情報も一切無しでなければね。
さあ、どうぞ。あ、これが採点基準です」
そう言って、板の上に置かれた紙を差し出す。
うーん……。まあ、良いけど……。
とりあえず、一番近い場所にあった休憩所から確認することにした。
袋が積み上げられた壁は、土嚢が出たり引っ込んだりしていて乱雑だ。叩いて均すという作業もしていなかった。高さは俺の背より頭二つほど高い。とりあえず土嚢壁を適当に叩いてみるが、それにより揺らいだりはしなかった。
屋根は杭に板を打ち付けた簡易的なものとなっている。うん……。次に行こうか。
ギルが興味津々で俺の後について来る。人足から、あいつ誰だ……みたいな声がするわけだが、本人は気にしない。いつも見られ慣れてるからな。
とりあえず、あまりに顔がキラキラしているからか、あいつも貴族かという話でまとまってきたようだ。とりあえず無視しておく。
次の休憩所は壁に歪みもなく、きっちりまっすぐ積まれている。ただ、叩いて整えた場所と、そうでない場所があるのが意味不明だ。屋根は一軒目と同じく杭と板製。手で叩いてみるが、動きはしない。
それはそうと、壁は『く』の形を二つ向かい合わせに並べたように出来ている。そして、『く』どうしが向き合う部分には空間が開いていた。入口が二つある感じか。上を見上げると、屋根にも傾斜があるな…片側が少し高く作られている……うん、次。
今度は壁の部分が二枚のみの休憩所か……。
そんな風にして、休憩所を一つずつ回っていった。
十人用にしてはずいぶん大きめの休憩所だなと思いつつ、強度と構造を確認していく。
一周りできたので、ギルに声を掛けた。
「ギルはどれが素晴らしいと思った?」
一位と二位を決めるというから、俺の意見と同じか確認しておく。俺の気付いていない何かを見つけているかもしれないし。
「ん。これとこれか。
水漏れしなさそうなのっつったら、そうなるんじゃねぇか?」
「そうだね。俺も同意見だ。でもなんでこんな、土嚢の数に開きがあるのかな……?」
「大きさ揃えてるか、無視してるかだろ」
「ああ、そういうことか」
人足達からは聞こえないであろう距離を開けて、二人で話し合う。
程なく採点は終了した。
マルを呼んで結果を報告する。すると、マルはそれを受け取り、結果を確認した。
「有難うございます。
はい、では皆さん、待望の審査結果ですよ。
と、その前に……菓子も来たようですね……こちらが景品です」
サヤが木鉢を持ってやって来た。
ギルが興味津々に中を覗き込むが……。
「……なんだこりゃ。チマチマしてるな」
「鍋にくっついてしまって……この大きさにしないと、崩れてしまったんですよ」
サヤの持つ木鉢に入っていたのは、何やら親指の先ほどのころんとした粒だった。
わっさりと大量にある。黄色いものと、何かつぶつぶと、黒い粒が入っているものの二種類だ。一緒にごちゃ混ぜになっている。
「ラングドシャを作りたかったんですけど……ほぼボーロになっちゃいましたね」
「……何って? ラング……?」
「ラングドシャ。プレーンと、香草茶入りです」
「……お前の国の言葉は覚え難い……」
「麺麭の親戚みたいなものですよ。牛酪と砂糖と小麦と卵白で出来てます」
それを聞いた人足達は落胆した様だ。麺麭かよ……。でも砂糖があるなら……。揚げ麺麭だろ。という様なやりとりが聞こえてくる。
するとギルが、鉢の中に手を伸ばした。小粒のそれをちんまりと摘んで口に放り込む。
そして、愕然とした顔をした。
「…………なんだ、これ…………めちゃくちゃ美味い⁉︎」
乳脂入りの麺麭は怖がってたのに……躊躇なく手を出したな……。まあ、サヤが作るものは大抵美味だと学習したしな。それに材料が一般的だったからだろうなと思う。
ギルは黄色い方を食べたので、俺は黒い粒が入っている方を手に取った。
「サヤ、これは?」
「香草茶の茶葉を細かく砕いたものを混ぜ込んでいます。私の所では紅茶葉を使うのですけど……似た様になるかと思って」
茶葉って食べて良いのか?
……まあ、食べてみれば分かるか。
口に運ぶと、ふんわりとした甘さの中に、香ばしい牛酪の風味。ほんのりとした香草の香り。さっくりとしていたのに、ホロリと溶けていく様な食感にびっくりした。うわっ、美味い。そして、茶葉は全く、どこに含まれていたのか分からないほど細かくされていたようだ。食感からは存在を伺えない。
「チマチマしてるからまどろっこしくなるけど美味だな。うわー、美味い。もう一つの方も……」
「駄目ですよ。景品なんですから。味見はもうお終いです」
「嘘だろ⁉︎ 予備は無いのか?」
「失敗作は給仕係の人たちに食べてもらったので無いです」
もう一粒くれと言うギルから、さっと鉢を避けるサヤ。
そのやり取りに、景品はどうやら美味らしいぞと、人足達が期待を持ったのが伝わった。
「はいはい、どうやら美味な様ですよ。じゃあ二位を発表します。四班。一位は一班。
はい、じゃあふた班の者は前に出てください。貰ったものは各自のものですから、食すも、誰かに分け与えるも、自由にして構いません。が、無理やり奪うのを発見したら、サヤくんに攻撃してもらいますからね」
うん?マルが妙な言い方をしたなと思った。
ゾロゾロと二十人の人足が並ぶ。サヤは小鉢の中から、それぞれを二粒ずつ、計四粒を手に乗せて行く。
景品は食べれば良いと思うのだが、分け与えても良い……と、わざわざ言った。それを聞くと、景品を貰った者の中から、そうではなかった班に声を掛けたり、移動したりする者が数名現れる。
あっという間に鉢の中はほぼカラとなり、食した者の中からはうめぇええぇ⁉︎ だとか、なんだこれ⁉︎ だとか、誰だ麺麭って言ったの! 全然違う! だとか、それはもう凄い騒ぎとなった。
その光景を、マルがじっと観察している。何故だかとても楽しそうに、目を細めて。
そんな中、サヤがこちらに寄ってきて「余った分はどうぞ」と、俺とギルの手にころんと菓子を二粒乗せた。
「人足達が見てない所で食べてくださいね」
そう言ってから、ハインの所に小走りで去って行った。きっとハインにもあげるんだな。
サヤを見送っていると、皆それぞれが食べ終わったであろうことを見計らって、マルがパンパンと手を叩いた。はい注目。ということだ。
「各自堪能して頂いたようで良かったですね。
今日の菓子は、海の彼方、異国の菓子です。このお二人の反応通り、貴族だって富豪だって滅多に口にできない特別な菓子だったんですよ。良かったですねぇ」
今の一言で、ギルが富豪か。と、納得された。富豪って……。まあ、富豪だよな……。メバックの支店をあの規模で作ってしまう程には。
「レイシール様は片田舎の貴族ですが、先見の明がある方なのでね、なかなか珍しいものを惜しげも無く振舞って下さいます。他の日雇いでは堪能できない豪華で美味な賄いとか、たまに菓子などをね」
片田舎で悪かったな……。先見の明は別段持ち合わせた覚えはないけれども。
マルが何を言わんとしているのか分からなかったので、とりあえず文句は挟まずにおく。
「目標水準に到達する技術を身につけた者は、九日後、もう七日間仕事の延長が可能です。
また、その場合一日の賃金が銅貨六枚から七枚に上乗せされます。
水準に達しなかった者は、解雇。
また、個人の技術としても評価しますが、班ごとの成績も評価します。
菓子などの賞与は、個人のものと、班のものを、こちらの任意で前振り無しに挟みます。
今回は班のものでした。
では、どうすれば常に賞与にありつけるか……について、お話ししましょう」
食した者も、食せなかった者も、マルの言葉に耳をそばだてたのが分かる。
「こちらの求める正確な土嚢を作ること。それを綺麗に積むことです。
見た目ではっきり分かりますからねぇ、誤魔化せませんよぅ。だから、結果を見ただけのレイシール様でも、優秀なものを正しく選ぶことが出来たのです。
ほら、一位の一班。二枚の土嚢壁に屋根という簡素な形ですが、休憩所としての機能は有してます。また極力隙間を作らないよう、きちんと叩いて均してありますね。
二時間という時間制限の中、正確に土嚢を作ると用意できる個数は少なくなったようですが……目的を考えて、壁は二枚で良いとなったんでしょうね。
今段階で一番土嚢壁の練度が高いです。ただ、個数はやはり少ない。同じ時間で作れる量をもう少し増やせるよう、期待しますよ。
次に四班ですね。
こちらはうまく分担作業をしていましたね。それが功を奏したのでしょうか。
ただ、交代したら一気に練度が下がりましたねぇ…はじめの練度を維持できていたら、土嚢数も多く作れてますし、一位でしたね。
あ、そうそう。今回は二位までが評価対象でしたけど、いつもそうとは限りません。
今回はありつけて良かったですね」
ニコニコと笑いながら、マルがそんな風に言う。
人足達は、私語も止めて真剣に話を聞いていた。
「さて。そんな訳で、あなた達が作った休憩所ですが、各班の休憩所となります。
修正等は、休み時間にならば、自由にして頂いて構いませんよ。
明日から、日中の昼食と休憩は、こちらで班ごとに取ってもらうことになります。わざわざ集会場まで戻ってると手間ですからね。
午後からですが、今度は明日からの賄い製作のた為、ここに調理場となる仮小屋を土嚢で作って頂きます。
今度は設計図がありますから、それを忠実に再現して下さい。
あ、土建組合の方達も参加しますから、指示を仰ぐと楽ですよ。
そして、完璧に作れたならば、先程の菓子………少量となりますが、全員に提供しようじゃないですか」
わっ!と、歓声が上がった。
「その前に昼食なので、集会場に戻りますよ」と、マルが言うが、聞こえている気がしない……。
ギルは呆れ顔で現場を見ていたが、俺と視線が合うと、楽しそうに笑った。
「学舎にいた時みたいだよな」
マルの口八丁。それには俺も苦笑いだ。けど……。
「ああ、でも丸め込まれちゃうんだよな……」
それで結局、マルの思惑通りに動かされることになるのだ。
まあ、その場合結果も伴ってくるので、文句も言えなくなるんだけど……。
土建組合員の誘導で、人足達がやっと移動を始めた。
気付けばサヤが居ない。賄い作りに戻ったのだろう。いつの間にやらハインが俺の斜め前に控えていて、集会場に帰っていく人足達を警戒していた。
と、移動する人足達の間から、年若い二人の少年? が、列を抜けて走り出てきたものだから、ハインが剣の柄に手を掛け、警戒する。
俺はそれをやんわりと止めた。
だってなぁ……あの顔は敵意無いぞ。なんかもう、子犬のように喜びが溢れ出てる感じだから。
そのまま待っていると、俺から七歩程の場所で、険悪なハインの顔に気付き、足が止まった。
じりじりと、二歩程また下がる……。そこまで遠巻きにしなくても……。だからハインを呼んだ。後ろに下がってくれ。何か用事があるみたいなのに、威嚇したんじゃ要件が聞けないじゃないか。
「どうした? 班の者が心配しているぞ」
チラチラとこちらを見る視線を感じるから、そう声を掛けたらモジモジとしつつ、お互いを小突き合う二人。そのうち、藤色の髪をした方が、意を決して口を開いた。
「あ、あの……凄い菓子を、あ、ありがとうござい、ます」
「すっげぇ、美味かった!……です。あんなの、食ったことなかったっ」
草色の髪の方も、慌てて口を開いたが、ハインに睨まれて『です』を追加。だがすぐに元の口調に戻ってしまう。
興奮冷めやらぬのでそれを伝えにきたといった様子に、微笑ましくて頬が緩んだ。
すると少年らは、真っ赤になって俯いてしまった。十五かそこらだよな……多分。
「其方らが、努力の結果で得たものだ。私に礼など不要だよ。
どうか精進して、沢山菓子を食べてくれ。君らがそうであるということは、素晴らしい土嚢壁が出来上がるということだから。それが村の為にもなるのだよ。
あと……分けてくれる相棒で良かったな。大切にしなきゃな」
草色の髪の少年が、藤色の髪の少年を見た。草色の髪の少年は、枠外の班だったのだ。
そして、くすぐったそうに笑い合って、ぺこりとお辞儀をし、踵を返す。俺はその二人に手を振って見送った。
あのくらいの年齢だと食い物の効果はてき面だよな。サヤに感謝しないと。
「あ~あ、相変わらず人誑しだな……」
同じく二人を見送っていたギルが、何かを言って歩き出したけれど、あまりに小声で聞き取れなかったから「何?」と、聞き返した。
「何も言ってねぇぞ?」
「え? 何か言ってたろ?」
後を追いつつそう尋ねたけれど、はぁ? 空耳だろ? と、言われてしまった。
なんだよもぅ……。
そうしてそのまま連れ立って、別館に足を向けた。
その周辺に、何やら小屋のようなものがいくつも完成していた。
「なんだありゃあ……仮小屋にしては……あれ?」
「壁が土嚢……?」
近付くにつれ、その小屋の壁が、積み上げられた土嚢であることが分かってきて唖然とする。
いや、軍隊が使う技術って知ってたけど、こんなしっかりと小屋が作れるんだな……。
屋根は板で作られてはいたが、壁は見事に土嚢だった。それが五軒、設置されているのだ。
大きさも出来も様々ではあったが……。
「レイシール様、ご足労頂きまして有難うございます。
さあ、それではレイシール様に、土嚢を使った休憩所の採点を行ってもらいます。
結果、一位、二位には菓子を褒美としますからね。楽しみに待っていてください」
は?
集められていた人足達に向かって、マルがそんな風に言うものだから、少し驚いてしまったけれど、知らないんだけど? なんて態度で示すわけにもいかず、とりあえず笑って誤魔化す。
ええと……何?
状況が読めていない俺の元にマルがやって来て、小声で説明をしてくれた。
「班別対向の遊戯ですよ。班ごとの休憩所を作らせたんです。
見ての通り本気度が一目で分かりますが。
さあ、レイ様。どの班がどれを作ったかはお伝えしません。休憩所の評価をお願いします」
それ、なんで今言うかな……。昨日報告しておけば良かったのじゃと思うんだけど。
「駄目ですよ。先入観一切無し。前情報も一切無しでなければね。
さあ、どうぞ。あ、これが採点基準です」
そう言って、板の上に置かれた紙を差し出す。
うーん……。まあ、良いけど……。
とりあえず、一番近い場所にあった休憩所から確認することにした。
袋が積み上げられた壁は、土嚢が出たり引っ込んだりしていて乱雑だ。叩いて均すという作業もしていなかった。高さは俺の背より頭二つほど高い。とりあえず土嚢壁を適当に叩いてみるが、それにより揺らいだりはしなかった。
屋根は杭に板を打ち付けた簡易的なものとなっている。うん……。次に行こうか。
ギルが興味津々で俺の後について来る。人足から、あいつ誰だ……みたいな声がするわけだが、本人は気にしない。いつも見られ慣れてるからな。
とりあえず、あまりに顔がキラキラしているからか、あいつも貴族かという話でまとまってきたようだ。とりあえず無視しておく。
次の休憩所は壁に歪みもなく、きっちりまっすぐ積まれている。ただ、叩いて整えた場所と、そうでない場所があるのが意味不明だ。屋根は一軒目と同じく杭と板製。手で叩いてみるが、動きはしない。
それはそうと、壁は『く』の形を二つ向かい合わせに並べたように出来ている。そして、『く』どうしが向き合う部分には空間が開いていた。入口が二つある感じか。上を見上げると、屋根にも傾斜があるな…片側が少し高く作られている……うん、次。
今度は壁の部分が二枚のみの休憩所か……。
そんな風にして、休憩所を一つずつ回っていった。
十人用にしてはずいぶん大きめの休憩所だなと思いつつ、強度と構造を確認していく。
一周りできたので、ギルに声を掛けた。
「ギルはどれが素晴らしいと思った?」
一位と二位を決めるというから、俺の意見と同じか確認しておく。俺の気付いていない何かを見つけているかもしれないし。
「ん。これとこれか。
水漏れしなさそうなのっつったら、そうなるんじゃねぇか?」
「そうだね。俺も同意見だ。でもなんでこんな、土嚢の数に開きがあるのかな……?」
「大きさ揃えてるか、無視してるかだろ」
「ああ、そういうことか」
人足達からは聞こえないであろう距離を開けて、二人で話し合う。
程なく採点は終了した。
マルを呼んで結果を報告する。すると、マルはそれを受け取り、結果を確認した。
「有難うございます。
はい、では皆さん、待望の審査結果ですよ。
と、その前に……菓子も来たようですね……こちらが景品です」
サヤが木鉢を持ってやって来た。
ギルが興味津々に中を覗き込むが……。
「……なんだこりゃ。チマチマしてるな」
「鍋にくっついてしまって……この大きさにしないと、崩れてしまったんですよ」
サヤの持つ木鉢に入っていたのは、何やら親指の先ほどのころんとした粒だった。
わっさりと大量にある。黄色いものと、何かつぶつぶと、黒い粒が入っているものの二種類だ。一緒にごちゃ混ぜになっている。
「ラングドシャを作りたかったんですけど……ほぼボーロになっちゃいましたね」
「……何って? ラング……?」
「ラングドシャ。プレーンと、香草茶入りです」
「……お前の国の言葉は覚え難い……」
「麺麭の親戚みたいなものですよ。牛酪と砂糖と小麦と卵白で出来てます」
それを聞いた人足達は落胆した様だ。麺麭かよ……。でも砂糖があるなら……。揚げ麺麭だろ。という様なやりとりが聞こえてくる。
するとギルが、鉢の中に手を伸ばした。小粒のそれをちんまりと摘んで口に放り込む。
そして、愕然とした顔をした。
「…………なんだ、これ…………めちゃくちゃ美味い⁉︎」
乳脂入りの麺麭は怖がってたのに……躊躇なく手を出したな……。まあ、サヤが作るものは大抵美味だと学習したしな。それに材料が一般的だったからだろうなと思う。
ギルは黄色い方を食べたので、俺は黒い粒が入っている方を手に取った。
「サヤ、これは?」
「香草茶の茶葉を細かく砕いたものを混ぜ込んでいます。私の所では紅茶葉を使うのですけど……似た様になるかと思って」
茶葉って食べて良いのか?
……まあ、食べてみれば分かるか。
口に運ぶと、ふんわりとした甘さの中に、香ばしい牛酪の風味。ほんのりとした香草の香り。さっくりとしていたのに、ホロリと溶けていく様な食感にびっくりした。うわっ、美味い。そして、茶葉は全く、どこに含まれていたのか分からないほど細かくされていたようだ。食感からは存在を伺えない。
「チマチマしてるからまどろっこしくなるけど美味だな。うわー、美味い。もう一つの方も……」
「駄目ですよ。景品なんですから。味見はもうお終いです」
「嘘だろ⁉︎ 予備は無いのか?」
「失敗作は給仕係の人たちに食べてもらったので無いです」
もう一粒くれと言うギルから、さっと鉢を避けるサヤ。
そのやり取りに、景品はどうやら美味らしいぞと、人足達が期待を持ったのが伝わった。
「はいはい、どうやら美味な様ですよ。じゃあ二位を発表します。四班。一位は一班。
はい、じゃあふた班の者は前に出てください。貰ったものは各自のものですから、食すも、誰かに分け与えるも、自由にして構いません。が、無理やり奪うのを発見したら、サヤくんに攻撃してもらいますからね」
うん?マルが妙な言い方をしたなと思った。
ゾロゾロと二十人の人足が並ぶ。サヤは小鉢の中から、それぞれを二粒ずつ、計四粒を手に乗せて行く。
景品は食べれば良いと思うのだが、分け与えても良い……と、わざわざ言った。それを聞くと、景品を貰った者の中から、そうではなかった班に声を掛けたり、移動したりする者が数名現れる。
あっという間に鉢の中はほぼカラとなり、食した者の中からはうめぇええぇ⁉︎ だとか、なんだこれ⁉︎ だとか、誰だ麺麭って言ったの! 全然違う! だとか、それはもう凄い騒ぎとなった。
その光景を、マルがじっと観察している。何故だかとても楽しそうに、目を細めて。
そんな中、サヤがこちらに寄ってきて「余った分はどうぞ」と、俺とギルの手にころんと菓子を二粒乗せた。
「人足達が見てない所で食べてくださいね」
そう言ってから、ハインの所に小走りで去って行った。きっとハインにもあげるんだな。
サヤを見送っていると、皆それぞれが食べ終わったであろうことを見計らって、マルがパンパンと手を叩いた。はい注目。ということだ。
「各自堪能して頂いたようで良かったですね。
今日の菓子は、海の彼方、異国の菓子です。このお二人の反応通り、貴族だって富豪だって滅多に口にできない特別な菓子だったんですよ。良かったですねぇ」
今の一言で、ギルが富豪か。と、納得された。富豪って……。まあ、富豪だよな……。メバックの支店をあの規模で作ってしまう程には。
「レイシール様は片田舎の貴族ですが、先見の明がある方なのでね、なかなか珍しいものを惜しげも無く振舞って下さいます。他の日雇いでは堪能できない豪華で美味な賄いとか、たまに菓子などをね」
片田舎で悪かったな……。先見の明は別段持ち合わせた覚えはないけれども。
マルが何を言わんとしているのか分からなかったので、とりあえず文句は挟まずにおく。
「目標水準に到達する技術を身につけた者は、九日後、もう七日間仕事の延長が可能です。
また、その場合一日の賃金が銅貨六枚から七枚に上乗せされます。
水準に達しなかった者は、解雇。
また、個人の技術としても評価しますが、班ごとの成績も評価します。
菓子などの賞与は、個人のものと、班のものを、こちらの任意で前振り無しに挟みます。
今回は班のものでした。
では、どうすれば常に賞与にありつけるか……について、お話ししましょう」
食した者も、食せなかった者も、マルの言葉に耳をそばだてたのが分かる。
「こちらの求める正確な土嚢を作ること。それを綺麗に積むことです。
見た目ではっきり分かりますからねぇ、誤魔化せませんよぅ。だから、結果を見ただけのレイシール様でも、優秀なものを正しく選ぶことが出来たのです。
ほら、一位の一班。二枚の土嚢壁に屋根という簡素な形ですが、休憩所としての機能は有してます。また極力隙間を作らないよう、きちんと叩いて均してありますね。
二時間という時間制限の中、正確に土嚢を作ると用意できる個数は少なくなったようですが……目的を考えて、壁は二枚で良いとなったんでしょうね。
今段階で一番土嚢壁の練度が高いです。ただ、個数はやはり少ない。同じ時間で作れる量をもう少し増やせるよう、期待しますよ。
次に四班ですね。
こちらはうまく分担作業をしていましたね。それが功を奏したのでしょうか。
ただ、交代したら一気に練度が下がりましたねぇ…はじめの練度を維持できていたら、土嚢数も多く作れてますし、一位でしたね。
あ、そうそう。今回は二位までが評価対象でしたけど、いつもそうとは限りません。
今回はありつけて良かったですね」
ニコニコと笑いながら、マルがそんな風に言う。
人足達は、私語も止めて真剣に話を聞いていた。
「さて。そんな訳で、あなた達が作った休憩所ですが、各班の休憩所となります。
修正等は、休み時間にならば、自由にして頂いて構いませんよ。
明日から、日中の昼食と休憩は、こちらで班ごとに取ってもらうことになります。わざわざ集会場まで戻ってると手間ですからね。
午後からですが、今度は明日からの賄い製作のた為、ここに調理場となる仮小屋を土嚢で作って頂きます。
今度は設計図がありますから、それを忠実に再現して下さい。
あ、土建組合の方達も参加しますから、指示を仰ぐと楽ですよ。
そして、完璧に作れたならば、先程の菓子………少量となりますが、全員に提供しようじゃないですか」
わっ!と、歓声が上がった。
「その前に昼食なので、集会場に戻りますよ」と、マルが言うが、聞こえている気がしない……。
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「学舎にいた時みたいだよな」
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「ああ、でも丸め込まれちゃうんだよな……」
それで結局、マルの思惑通りに動かされることになるのだ。
まあ、その場合結果も伴ってくるので、文句も言えなくなるんだけど……。
土建組合員の誘導で、人足達がやっと移動を始めた。
気付けばサヤが居ない。賄い作りに戻ったのだろう。いつの間にやらハインが俺の斜め前に控えていて、集会場に帰っていく人足達を警戒していた。
と、移動する人足達の間から、年若い二人の少年? が、列を抜けて走り出てきたものだから、ハインが剣の柄に手を掛け、警戒する。
俺はそれをやんわりと止めた。
だってなぁ……あの顔は敵意無いぞ。なんかもう、子犬のように喜びが溢れ出てる感じだから。
そのまま待っていると、俺から七歩程の場所で、険悪なハインの顔に気付き、足が止まった。
じりじりと、二歩程また下がる……。そこまで遠巻きにしなくても……。だからハインを呼んだ。後ろに下がってくれ。何か用事があるみたいなのに、威嚇したんじゃ要件が聞けないじゃないか。
「どうした? 班の者が心配しているぞ」
チラチラとこちらを見る視線を感じるから、そう声を掛けたらモジモジとしつつ、お互いを小突き合う二人。そのうち、藤色の髪をした方が、意を決して口を開いた。
「あ、あの……凄い菓子を、あ、ありがとうござい、ます」
「すっげぇ、美味かった!……です。あんなの、食ったことなかったっ」
草色の髪の方も、慌てて口を開いたが、ハインに睨まれて『です』を追加。だがすぐに元の口調に戻ってしまう。
興奮冷めやらぬのでそれを伝えにきたといった様子に、微笑ましくて頬が緩んだ。
すると少年らは、真っ赤になって俯いてしまった。十五かそこらだよな……多分。
「其方らが、努力の結果で得たものだ。私に礼など不要だよ。
どうか精進して、沢山菓子を食べてくれ。君らがそうであるということは、素晴らしい土嚢壁が出来上がるということだから。それが村の為にもなるのだよ。
あと……分けてくれる相棒で良かったな。大切にしなきゃな」
草色の髪の少年が、藤色の髪の少年を見た。草色の髪の少年は、枠外の班だったのだ。
そして、くすぐったそうに笑い合って、ぺこりとお辞儀をし、踵を返す。俺はその二人に手を振って見送った。
あのくらいの年齢だと食い物の効果はてき面だよな。サヤに感謝しないと。
「あ~あ、相変わらず人誑しだな……」
同じく二人を見送っていたギルが、何かを言って歩き出したけれど、あまりに小声で聞き取れなかったから「何?」と、聞き返した。
「何も言ってねぇぞ?」
「え? 何か言ってたろ?」
後を追いつつそう尋ねたけれど、はぁ? 空耳だろ? と、言われてしまった。
なんだよもぅ……。
そうしてそのまま連れ立って、別館に足を向けた。
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よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
【完結】愛する人にはいつだって捨てられる運命だから
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凶悪自由人豪商攻め×苦労人猫化貧乏受け
※一言でも感想嬉しいです!
孤児のミカはヒルトマン男爵家のローレンツ子息に拾われ彼の使用人として十年を過ごしていた。ローレンツの愛を受け止め、秘密の恋人関係を結んだミカだが、十八歳の誕生日に彼に告げられる。
——「ルイーザと腹の子をお前は殺そうとしたのか?」
ローレンツの新しい恋人であるルイーザは妊娠していた上に、彼女を毒殺しようとした罪まで着せられてしまうミカ。愛した男に裏切られ、屋敷からも追い出されてしまうミカだが、行く当てはない。
ただの人間ではなく、弱ったら黒猫に変化する体質のミカは雪の吹き荒れる冬を駆けていく。狩猟区に迷い込んだ黒猫のミカに、突然矢が放たれる。
——あぁ、ここで死ぬんだ……。
——『黒猫、死ぬのか?』
安堵にも似た諦念に包まれながら意識を失いかけるミカを抱いたのは、凶悪と名高い豪商のライハルトだった。
☆3/10J庭で同人誌にしました。通販しています。
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※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
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※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
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