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帰還 1

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 日差しはもう夏の様相だ。立ってるだけで汗が滲んでくる。
 しかし、日陰に入れば風が心地よく、過ごしやすい。
 もう暫くすれば、ジメジメとしてどこにいても暑苦しくなってくる。それが、雨季の訪れる合図だ。
 収穫も脱穀も終わったセイバーンは何もない。畑には雑草が伸びており、この時期の農民達は氾濫に備えての準備に追われている。
 いつもなら男手が主に川の周りで作業に勤しむのだが、今年は少し違う。土建組合の職人がちらほらと混ざっていて、届く資材の受け入れを担当してくれている。そして合間に、こっそりと土嚢作りの練習をお願いしてあった。

 六の月十六日。
 今日から現場に人足がやって来る。雇用期間は十日間。その後は一週間ごとに更新可能だ。
 日給は銅貨六枚。肉体労働として考えると若干割安なのだが、賄いが付くので妥当な金額となっている。
 雇うのは五十人。まず始めの十日間で、土嚢作りに慣れてもらい、次からの一週間では指導者側に立てる者が育ってほしいものだと思っている。次週からは人足を百人に増やす予定なのだ。
 今回の現場は特殊だ。まず十日間限定で雇用。希望があれば一週間ごとに更新が可能。
 ただし、こちらが要求する技術水準に到達しなかった者は解雇。
 また、問題行動等が目立った場合、三度の警告を受けた時点で解雇だ。
 随分と厳しい設定なのだが、要求する通りのものを作ってもらえなければ強度に影響するので、妥協はできない。通常なら賃金を高く設定して人足の士気を高めるのだが、今回は別の手段でもってそれを行う予定だ。

「早く食べて下さい。やることが山積みなのですから」

 ぼーっとしていたら、文句を言われた。
 不機嫌なハインの声音に、はいはいとおざなりな返事を返しつつ、朝食をかき込む。
 首の後ろで括った髪が鬱陶しい。頻繁に洗うようになってからはベタつきもなく、随分とマシなものの、やはり結わえられていないと、バサバサ広がって邪魔だ。
 結わえ方はサヤに聞いていたし、一応挑戦はしてみたのだが、やはり上手くできなかったので、首元で括るだけにとどめてある。というか、後頭部を結わえるって……後ろが見えないのにどうすれば良いんだ……。サヤは自分でどうやって結っていたのだろう……。そんなサヤの器用さに今更気付く。

「ふはぁ……おはようございます。ハイン、僕汁物だけで良いよ……なんだか食欲無い」
「ふざけないで下さい。貴方に食欲なんてものは元から無いでしょう。
    雨季も来てないのに暑さに滅入る気ですか。私がわざわざ作ったものを食べないつもりなら、無理矢理口に突っ込みますよ」

 寝癖まみれの頭でフラフラとやって来たマルに、そんな脅し文句を浴びせつつ、小さな麺麭パンと、申し訳程度の塩漬け肉を炙ったものが乗った皿を渡すハイン。
 ほんと、一口程度の大きさなんだから食べようよ……。たっぷりとよそわれた汁物の椀にげんなりした顔をするマルに苦笑しつつ、頑張れと声を掛ける。
 とにかく食べることを怠けたがるマルには、一日に最低限食べる量が設定されているのだ。

「予定通りなら、今日の昼前には人足達と、資材、食材が届きます。
 村の女性陣には、食材が届き次第、指示した下処理を、各家庭で行うように伝えてあります。
 土建組合の面々には、資材の受け入れと、人足達を一旦集会場に連れていくように伝えてあるので、その後は時間によって指示を出します。
 私は午前中雑務がありますので、マルは書類関係を。
 レイシール様は、報告書の確認をお願いします」

 サヤが居なくなって、ハインは雑務に追われている。
 掃除や洗濯、食事の準備と忙しい。サヤはその辺をそつなくこなしていたので、役割分担も可能だったのだが、マルには生活能力が皆無だ。俺以上に体力も無いのでほんと使えない。
 なので必然的に、書類仕事はマルに回され、雑務をハインが担っている。
 更に氾濫対策に関しても細々やることが増えたので、目の回る忙しさなのだ。
 一通りの予定を話し終わってから、ハインがやっと席に着き、食事を始める。
 そして、何か視線を彷徨わせてから、ふっと、溜息を吐いた。
 その様子に、俺はつい、口元が綻ぶ。

「……今日で、何日目だっけね」

 それで、意味は通じる。

「…………御託は良いので早く食べてください」

 サヤが居ればな……と、そんな風に考えている顔だったから、ついそう聞いたのだが、機嫌を損ねてしまったようだ。

 サヤのいない生活が始まって、今日で六日目だ。
 ちょっと前に戻っただけなのに、初日は特に、違和感だらけだった。
 サヤは機転がきくのだと思う。何か言う前に、なんとなく先を察して動いてくれていたようで、気付けば必要なものが手元にある。そんな感覚でいたのだ。
 だから、サヤが居ない時間を過ごし始めてみると、なんだか身の回りに、妙な手順が加わってしまったかのような違和感を感じた。
 例えば、書類に署名をする時、署名用の筆と墨壺を、戸棚から探してくる一手間。
 書類を書いている時、紙が切れてしまい、席を立って探しにいく一手間。
 作業の最中に、妙に喉が渇いて、お茶を用意する一手間。
 サヤは、そんな一つ一つに先回りをしてくれていた。書類を見ているうちに、筆を用意し、少なくなった紙を補充し、仕事の合間にお茶を用意してくれていたのだと気付いたのだ。
 サヤはこちらの文字が読み書き出来なかったので、書類仕事には関わっていないような気でいたのに、ちゃんと俺たちを支えてくれていたわけだ。
 そういえば、男二人で作業してると妙に殺伐とした雰囲気になっていたり、言葉のやりとりがトゲトゲしてたりしたのだが、サヤが来てからは平和だった気もする……。
 サヤはハインのように仏頂面で仕事してないし、大体は機嫌よくニコニコしてたからかな。機嫌を損ねても、あのムッとした顔はなんだか可愛い。心なしか頬を膨らまして、俯き加減になっている様子は微笑ましくて笑ってしまいそうになるのだ。
 普通にしてるときは、どこか儚げで……繊細そうで……年より落ち着いて見えるのに、こちらに気を許すと幼さが出る。そのくせ、鍛錬の時は人が変わったように凛々しくなる。
 はじめは、どれがサヤらしい姿なのかと考えたりもしたのだが、その落差の激しさがサヤらしさなのかな……と、最近は思うようになっていた。
 サヤに会いたい。けれど、異母様方の脅威がある。サヤの安全を思うなら、遠去けるべきだ。
 あの方は明らかにサヤを見ている。まだ兄上はサヤを意識していないようだけれど、気付かれてしまったら…………っ。

 …………あ、駄目だ。妙に気持ちが落ち込んでくる……。

 気持ちの立て直しを図ることにする。食後のお茶を飲み干してから、俺は立ち上がった。

「ごちそうさま。荷物の到着は、昼頃だよな?」
「早朝、人足達の出発前に発つとあったので、早いと思いますよ。
 馬車列に巻き込まれるのを避けるつもりでいるでしょうから」

 ハインの指摘に、ふむ……と、考える。
 じゃあ、十時前後と思っておこう。メバックの街門が開いてすぐなら、それくらいの筈だ。

 食堂を出て、自室に向かう。
 サヤを補給しなければ。
 このままでいると、また後ろ向き思考にどっぷりと浸かってしまいそうだ。
 部屋に戻って、執務机の引き出しを開ける。
 サヤからの報告書は下の執務室だが、個人的な内容の手紙はここに置いていた。資材の受け取り等、荷物の行き来があるついでに、報告書や納品書のやりとりをしている。その中に、サヤからの手紙があったのだ。
 折りたたまれたそれを開くと、辿々しい、いびつな形の文字が書き連ねてある。

 れいしーるさまあて   さやよりふみをしたためます

 こんにちは   ちゃんとねむれていますか
 ぎるさんが   ただもじをかくより   てがみをかくほうがれんしゅうになるというので   かいてみることにしました
 よめるもじが   かけているとよいのですが   じしんがありません
 おぼえきれていないため   おてほんをみながらなので   すごくじかんが   かかります
 こちらのさぎょうは   とどこおりなくすすんでいます
 ほうこくしょに   しょうさいはまとめてあるのですが   わたしのもじは   まだよみにくいということで   ぎるさんが   だいひつしてくださっています
 しょめいだけ   わたしのじなので   なんだかあまり   しごとをしているきがしません
 ぎるさんは   かけるだけすごいといってくださったのですが   どうなのでしょう
 はやくひとりで   ほうこくしょがかけるよう   がんばって   れんしゅうしようと   おもいます
 それでは   たいちょうにきをつけて   あまりむりをしないでくださいね
 こちらのしょりがおわりましたら   せいばーんにかえります

 もう何度も読んだのに、サヤの手紙を見て、またにやけてしまった。
 まるで幼い子供が書くような文字。間違った文字が見当たらないので、何度か書き直しているのかもしれない。
 三種類、数千の文字を駆使するサヤでも、初めての文字は辿々しくなるのかと思うと、微笑ましくて仕方がない。
 結構な長文だ。つい数日前までこの世界の文字なんて、全く読み書きできなかった筈なのに、サヤは本当に凄い。そうやって日々努力を積み重ねている姿に頭が下がる。

 ちゃんとねむれていますか……か。
 手紙を引き出しに戻し、よし!   と、気合いを入れる。元気が出た。大丈夫だ。
 こちらに戻ってから、二度目の夢を見た。一度目は回避に成功したのだが、今朝は水中に沈むまでを見てしまい、飛び起きてしまったのだ。
 久しぶりの感覚に、しばらく震えが止まらなかった。ちゃんと自分が生きているか不安になり、つい、身体があることを抱き締めて確認して、そのことに笑ってしまった。
 要らないことを刻み込まれることよりも、死を、恐れている自分に、気が付いたのだ。
 今までは、望まれるなら生きていく。必要とされるうちは、ちゃんと居るからと、言い訳するように、そう考えてたのに……。

 俺、生を、望むようになってるのか……。

 しばらく笑って、そのまま布団に潜り、眠れないまでも、目をつむって身体を休めるよう努めた。
 サヤが、そうしているだけでも体は休まるのだと教えてくれたから。起きて仕事をしたら、怒りますよと、別れ際に言われたから。
 サヤに心配を掛けたくないし、雨季はまだだ。先は長い。だから身体を大事にしなくてはいけない。
 そう……サヤが帰った時、俺が死にそうな顔してたら、きっと、自分を責めるだろうから。
 やっぱり無理矢理帰ればよかったと、顔を歪めてほしくない。
 どうせなら、安心して、ただいまと言って欲しいのだ。
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