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暗転 1 〜語り手 ギルバート〜

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 逃げ出したレイを、ハインの指示でサヤが追った。

「……ルーシー、しばらく帰ってこねぇだろうし、小部屋を片付けろ。あと、補整着の修正箇所を伝えてこい。急いで直せ、帰るまでに、渡しておきたい」
「はい!  じゃあ……あっ、でも、サヤさんが暇な時間は教えてくださいよ?   私だってお茶したりお買い物行ったりしたいんだから!」
「はいはいはい……」

 適当な用事を言いつけてルーシーを部屋から追い出すと、ここに居るのは俺とハイン、そしてワドだけになる。
 小部屋が片付けられ、部屋の扉が閉まり、ルーシーがきちんと部屋の前を離れたことを確認してから、俺はハインに腕を振り上げた。当然、さっと避けられる。
 それで俺の怒りは沸点に達した。

「お前な!   急に殴るってのはどういう事だ⁉︎   俺がなんかしたか⁉︎」

 いつも突っかかってくるハインだが、殴られたのは久々だ。久々だからって俺が許すと思うな!お前に急に殴られる筋合いはねぇ!そう思ったのだが……。

「しようとしてましたよ。余計な差出口を挟まないで下さい。
 今下手に刺激したら、どちらの方向に話が進むか分かったものじゃないのですよ」
「何の話だそれは!」
「レイシール様が、サヤへの執着をどの方向に向けるかの話です」

 なんか意味の分からねぇ事を言いやがる。
 サヤへの執着だぁ?   執着って、あいつがするか?

「なに…………何言ってんだ?どういう意味だそれは」
「分かりませんか……。あなたの目は節穴ですね。
 レイシール様が、サヤを、好んでいるという話ですよ」

 もっと分からなくなった。
 執着の次は好んでいる……あいつから程遠い単語だ。
 好んでいる……それはどういう意味だ?レイは基本人を嫌ったりしないだろ。大抵の人間は好むと思うぞ。
 一瞬そう思ったのだが、そんなことはハインも重々承知だよなと思い直す。
 それをあえて好んでいるって表現するのは…………あれ?

「まさかとは思うが……好意を寄せている……なんて意味じゃないよな」
「それ意外の意味とは何ですか……」

 半眼で、呆れたように答えるハインを、俺はただ凝視した。
 嘘…………。

「お前……好意の意味、分かってるよな?」
「私の頭を疑う前に、自分の頭を疑って下さい。
 その鈍い頭に分かるように言い直しましょうか?   思慕の念を抱いているとでも言えば、理解できるのですか?」

 顔の全面で、馬鹿の相手は疲れると表現しつつ、ハインが溜息をつく。
 その台詞を頭の中で何度も反芻し、俺は…………その感情を表現する、一番手っ取り早い行動に出た。というか、もう身体が動いた。ハインを思いきり抱き竦める。

「っっ‼︎   離せ気色悪い‼︎   俺にまで抱きつくな、このクソ野郎が!」

 久々に口汚く罵られるが知ったことじゃない。
 これ以外の方法で、この気持ちをどう表現すりゃいいっていうんだ。
 俺はこの喜びを、これより的確に表現できる方法なんて思いつかない!
 それくらい、嬉しかったのだ。

「マジか!」
「そうですよ。だから、貴方の考えなしの行動で、波風を立てないで下さい。
 せっかくレイシール様が、執着を見せてるんですよ……この機会を無駄にしないで頂きたい」

 何とか俺の腕から逃れたハインが、乱れた服を直しながら俺を殺しそうな目で睨みつけてくる。
 言葉が続かなかった。
 だってな……レイが、異性に好意を持つような日が、来るなんて……想像できなかったような奇跡が、今、目の前にあるのだ。
 二年前の、貼り付けたような作り笑顔すら維持できなくなっていたレイを思い出し、この二年の、身を削り続けるような日々を思い出し、俺はマジで泣くかと思った。
 何もしてやれなかった……だが粘ってた甲斐はあったってことだ。
 ただ削られていくだけのような日々だったが、僅かながらでも、救ってやれていたのだろうか……。
 今日潰れるか、明日潰れるかと、綱渡りでしかなかった日々。
 サヤを連れてきた時は、また余計なものを背負い込んでしまったのかと、内心やきもきしていたが、どうやら上手く作用したらしい。
 何一つ手に入れようとしない……自分の意思すら、持とうとしない、そんなレイが、サヤを求めている……。
 出会った頃の、できの悪い人形のようだったレイが脳裏を掠めた。
 だが……。

「サヤは異界の人間なんだよな……このまま進むわけにもいかねぇのか……ああぁ、ままならねぇ……」

 なんでサヤは異界の人間なんだ……。
 神の采配は、いつもどこか意地が悪い。何故サヤを、ここの世界の人間にしておいてくれないのか……。
 俺が唸っていると、ハインが不思議そうな顔をして問うてきた。

「異界の者だと何か困るのですか?」

 ……何ってお前……根本的な部分が問題ありすぎだろうが……。

「だってお前……サヤは故郷に帰すって……ここに留まってくれないなら、くっつきようがねぇよ」
「帰し方が分かればですよ。分からなければ、そのままです」

 前を見据え、そう宣う。しかし、ハインの眇められた目に剣呑な光を見た気がして、俺は溜息を吐いた。
 ああ……これは暗躍する顔だ。こいつはほんと、言葉遣いが、腹の中身と釣りあわねぇ……。
 レイの為なら、サヤを帰す方法を見つけたところで、告げないつもりでいるのだ。
 サヤを思うと可哀想でならない……レイの為に……その一心で、犠牲にされるのだから。

「まあ、このような事例聞いたこともありません。
 サヤの帰る方法など、万に一つ……奇跡でも起きなければ見つかりませんよ」

 それが、お前の本当の望みなんだよな……。

「相変わらず……腹の中が真っ黒だよな、お前……」
「レイシール様の為なら、私の腹の黒さなど問題になりませんよ」

 なんでもないことのように言う。
 だけど俺は知っているのだ。ハインはレイの為なら泥をかぶる性分だが、本心からそれを望めるほど、黒くもないことを。
 そのような手段を取らなくて良いならそれがいい、けれど、レイの為にと、心を鬼にする。こいつもつくづく、面倒臭い。
 そして、そんな二人の親友を、どうか不幸にしてくれるなと、願う俺も結局、願いはハインと一緒なのだ。腹黒いよな……。
 サヤが帰る方法なんて、見つからない方が良いと、願ってしまうのだから。

「……サヤの男装は、継続するのか」
「それしかありませんよ。今レイシール様の側から、サヤを離したくありません。
 貴方が何も考えず、男装させるなとかほざいてる時、ほんと刺してやろうかと思いましたよ……。
 今年は本当に順調です。どうも、サヤが何かしてくれているようで……今の段階で、まだ一度も体調を著しく崩していない。きちんと眠れているようなのです……。
 ですから、くれぐれも、邪魔はしないでください。特に!   無意味なひやかしは却下です」

 次邪魔しやがったらマジで刺すからな……と、小声で脅しつけてくるハイン。
 俺は苦笑しつつ了承した。俺だって邪魔する気はねぇよ。レイの成長を、邪魔したくない。

「それにしてもだ……。逃げるってのはなんなんだ……。
 好きな女が着飾ってるんだぞ?   逃げてどうする」
「さあ。ほぼ男装のサヤしか知らなかったのですから、刺激が強すぎたのでは?」
「お前はなんとも思わねぇのか?」
「美しいと思いましたよ。女性は男装より女装がやはり似合いますね」

 誰か、この朴念仁に女という生き物を教えてやってくれ……。
 俺が悪かった。九年前の俺に会えるなら、殴ってでも止める。ハインには手加減しろと……。

「さあ、ごたくはいいので、サヤの従者服をなんとかしてください。
 サヤが夏場でもレイシール様の側にいれるように。早急にお願いします」
「……お願いしてる態度じゃねぇって分かってるか?」

 急き立てられて、俺はガシガシと頭を掻いた。
 うーん……涼しくしようと思ったら露出を増やすしかねぇよな……長衣の袖を無くすか?しかし、どうせ上着を羽織るのだから、大して涼しくもならないか……じゃあ袴を短いものにするか……女性の曲線が顕著に出ないようにと思うとやはり、すねまでだよな……。

 頭の中で、服の形状を色々模索していると、コンコンと部屋の扉が叩かれた。
 お、帰ったのか?ずいぶん長くかかったな……。

 やっとレイたちが帰ったかと思い、扉の方に視線をやると……何故か、泣きそうな顔のサヤだけが、立っていた。トボトボと……としか表現できないような足取りで、俺たちの前に、歩いてくる。

「サヤ?   どうしたのですか……レイシール様は⁈」
 ハインの口調が、鋭くなっていたので、頭を叩いて黙らせる。
 そんな風に言うと、サヤを責めてるみたいだからやめろ。この屋敷の中にいて、レイに危害を加える様なことは断じて起きない。人を殺しそうな目で睨んでくるハインを無視して、俺がかわりにサヤに問うた。

「おい、どうしたサヤ、何があった?」

 美しい顔に、憂いを帯びた瞳。それはそれで見ていたいほど麗しいのだが、サヤには笑顔の方がよく似合う。
 俯いたサヤを長椅子に導こうと、俺は右手をサヤの肩に……やろうとして、できなかった。
 サヤが、一瞬で身を強張らせ、引いたのだ。
 サヤの肩があった辺りで、俺の手が止まる。
 あ、そうか。サヤは、男に間合いを詰められるのが嫌だったな……。

 出してしまった手を、どう引っ込めようかと思っていたら、少し落ち着いたらしいハインが、慎重に口を開いた。サヤを責めるような口調にならないよう、意識しているようだ。

「サヤ、レイシール様は、どちらにおられるのですか」
「今、お部屋の方に、行かれました。頭を冷やすと、仰られて……」

 なんだよ……サヤに追っかけられてまた逃げたってことか?あいつには教育が必要だな……こんな麗しい、しかも好きな女に追いかけられて逃げるってのは何事だ。
 俺はそう思って舌打ちしたのだが、ハインはサヤに「続けなさい」と指示する。なに……続きがあんのか?   すると、サヤは曇っていた瞳に、みるみる涙を溜め始めたのだ。なっ、なに?   似合わないとでも言われたか⁈

「私、もう、レイシール様のお側には、居られないみたいです」

 それだけ言って、はらはらと、静かに涙を零し始めた。
 唖然とするしかない……。
 何が、どうなってる?
 レイは、サヤを好いてるんだろう?   なら、なんでサヤは泣く羽目になってる……?   側に居られないって、どうして?
 俺はハインと顔を見合わせた。
 嫌な予感がする……。
 ハインは、何か思うところがあるのだろう、瞳を揺らし、小さく、息を吐いた。
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