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収穫 2

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 五の月二十六日。収穫が始まることとなった。
 有難いことに、ここのところ雨が降っていない。おかげで麦を刈ることができる。
 朝から総出だ。農民達は数組に分かれて、刈れる畑から刈っていく。それを束ねていくのは子供。そして、残りの者が台車に麦穂を乗せていき、貯蔵庫前に運ぶ。疲れると交代だ。
 麦穂の乾燥を貯蔵庫前にしたのは、ここが川の蛇行の内側だからだ。万が一、氾濫したとしても、こちら側に水が溢れる可能性は低い。麦を守る事ができれば、村人の収入が守られるのだ。
 貯蔵庫前では、大工作業の得意な農民が屋根を作っている。とはいえ、ざっくりとした簡単なつくりで、とりあえず麦が雨に濡れなければよしとする。
 乾燥が済み、脱穀が進めば使い回せるから、数はそれほど多くなくて良い。
 ここで意外なことに、役に立ったのがサヤだった。
 木の棒三本を束ね、端を縄で縛る。縛ってない方を広げて立てたものを二つ作り、その上に木の棒を渡すという、単純な方法で、麦穂を干すための土台を作ってしまった。いつもなら地面に棒を打ち付けて固定するのだが、その手間はいらないという。

「私が知っているのは麦ではなく……稲作なんですけれど……工程は似てるみたいなので」

 木の棒がたわまない様、途中でいくつか支えを追加する。そしてその棒に、括られた穂を二つに分ける様にして引っ掛けていくのだが、これも独特だった。麦の束を一対三の割合で裂き、それを互い違いになる様に、木の棒に掛けていくのだ。そして、ぎゅっと詰めて端に寄せていく。
 一通り乗せ終わると、乗せた麦穂の上にもう一段乗せていく。
 農民達がぽかんとしていた。効率が良いのだ。ただ無造作に乗せていくより、ずいぶん多く干せる。そして、麦穂が重ならない。

「サヤは……なんでこんなことを知ってる?君は……農家ではないよな?
 それともサヤの学校というのは、農作業の効率すら勉強するのか?」
「いえ……その……私の両親の仕事柄……でしょうか」

 とっさに皆がいる前で聞いてしまったのだが、サヤはちらりと視線をやって言葉を濁す。あ、そうか……しまった。

「私も、幼い頃に少し経験しただけです……。さして詳しくありません。
 ですが、こうやって干せば、干し場を多く広げる必要がないので効率良いかなって。
 あの頃は……何も思わず見ていたのですが……意味があったのだと今更知りました。
 ここの作業を見てて、今日初めて気付いたんです」
「今……気付いたのか?凄いな……。あっ、やり方を、みんなにも教えてあげてくれないか」

 俺がお願いするまでもなく、気の利いたものは見よう見まねで始めていた。
 おかげで刈り取られた麦穂が干し場ができるのを待っているなんてことがなく、どんどん干されていく。
 思った以上に、早く作業が進む。
 なんだろうな……アミ神の思し召しだったのかとすら思えてくる。この時期に、サヤがここにいてくれること……何故かこの地に現れたこと……なんでこんな、都合よくいってるんだ?

「秀逸ですね。確かに効率が良い上場所も取らない。通常の三倍近く干せているのでは?」
「本当にな……。うまくすればもう一段上にも積めるんじゃないか?」

 サヤが農民達にどの様に受け入れられるか……。明らかに、良家の生まれと伺わせるサヤなので、多少、懸念していたのだが……。その心配は、この初日で霧散した。
 天候との戦いとなる収穫時期は、作業も多く、仕事が進まないことが多い。
 麦穂を干すというこの作業も、手間の掛かる大変なものであったのだが、サヤは簡単な干し場と、効率良く干すという方法で、農民達の救世主となったのだ。
  干し場を担当していた農民達が話したのだと思う。翌日からサヤは「サヤちゃん」と呼ばれ出した。
 性別がバレているのではと思ったのだが、カミルは「サヤにいちゃん」と呼ぶのでバレていないのだと思う……。だが、補整着を身に付けているとはいえ、サヤは汗だくで作業を手伝う。化粧が、落ちてしまているのも気になった。
 まあ……誰も気にしてないし……みんなはもう、サヤを男だと思っているから、顔なんて気にしないということなのか……泥で汚れたりもするし、誤魔化せてるのだろうか……?考えれればきりがないのだが、とりあえず誰も指摘しないので有耶無耶のままだ。それよりも農作業。そんな感じで収穫と乾燥の日々が続く。そして、収穫開始から四日。とうとう雨となった。

「思ったより、随分と早くないか」

 今日は作業が出来ない為、つかの間の休みだ。
 外出の準備を進めながら、俺はハインにそう話し掛けていた。
 天候に恵まれたとはいえ、それだけではないと思う。サヤが汗まみれ、泥まみれで農民達に混じって作業をしている……だが、サヤが力持ちだからというだけでもないと思う……。
 なんだろう……効率の問題だけではなく、悲壮感が薄いのだ。氾濫が待っているかもしれないのに、畑も家も失うかもしれないのに、皆がとても前向きで、頑張っている。
 子供の頃、たった三年だけ過ごしたセイバーンでも、一度小さな氾濫を経験しているが……こんな風ではなかったよな……もっとずっと、重く、暗い雰囲気だったよな……?

「そうですね。……天候抜きで、十日以上掛かると思っていた収穫が半分以上終わってしまいましたしね……。皆必死なのだと思いますが……」

 そう言いつつ、不意にハインがこちらを見て、ありえないことに微笑んだ。
 唐突すぎて唖然とする。年に数回あるかないかの……苦笑じゃない笑み。

「レイシール様は、お気付きではないでしょうね」

 それだけ言うと、また視線を逸らし、作業に戻る。
 …………なに?    俺だけ分かってない様なことなの⁉︎

「なんなんだよ!    一人だけ分かってないで教えてくれたっていいだろう⁉︎」
「教えたらどうなると思いますか。きっとレイシール様は否定されますし、受け入れませんよ。ですから教えなくて良いことだと思います」

 素っ気無く答えてから、サヤの様子を見てきますと退室するハイン。
 現在サヤは、昼食の下拵え兼、調理場で火の番をしている。例の、風呂鍋の、だ。

 昨日、ギルからいくつかの荷物が届いた。主にサヤ用に頼んだ家具や衣服だ。
 家具は寝台や衣装棚のような、時間の掛かるものはまだだが、机や椅子等だ。それでも随分早い。きっと急いでくれたのだと思う。
 そのうちの一つが風呂場の仕切りとなる衝立だった。衝立というか……小部屋?
 ギルが仕事で使っているものだということを、俺たちは知っている。貴族の屋敷に持ち込み、応接室等で仮の小部屋を作るものだ。採寸をしたり、仮縫い中の衣装の試着をしたりするときに使う。他の部屋に移動せず、試着している人以外と会話をしながら作業することができるのだ。
 この小部屋はまあ、確かに衝立なのだが、一部が扉の様に開閉でき、中に鏡も設置してある。
 ギルにお願いした時は、衝立と書いたはずなのに…この形が届いた。なんでだ…。そう思っていたら、犯人はハインだった。

「扉はあった方が良いでしょう?わざわざ衝立をずらして隙間から入るのですか?
 そもそも、調理場で服を脱ぐのも、サヤは嫌だと思いますよ」

 優秀なハインは、あれが使えると目算を立てていたようだ。扉の内側に中にもう一つ、仕切りの衝立を入れ、扉の前を一部仕切って、そこを脱衣場とした。
 サヤに聞いて、サヤの国の風呂の形を参考にしたらしい。いつの間にやら……だ。
 とはいえ、今日やっとその風呂を体験してみようとなったのだ。
 雨の中外出せねばならないから、風邪を引かない様に、という建前で。
 因みに、鍋の水は昨日、夜の間に汲んである。空の様子で雨が降りそうだと察知していたので、早めに済ませておいた。そして朝からかまどの掃除を済ませ、現在火をくべたところだった。これから昼食の準備をし、食後に利用してみる。
 ちゃんと風呂として機能するのか……若干不安だ。

「レイシール様、私がお供する様にと、ハインさんがおっしゃったのですが……」

 風呂について考えていたら、火の番をしていたはずのサヤが部屋にやってきた。
 ハインめ……雨に濡れるから、サヤは留守番させていようと思ってたのに……。

「あと、川の説明をしてもらう様にと、言われました。
 決壊しやすい部分の下見に行くって伺ったんですけど……この雨の中行かれるのですか?」
「う、うん……。水量を見ておきたいんだ……。まだ決壊しないと思うけど心配だから」
「では、私も準備してきます。申し訳ありません、しばらくお待ちください」

 今日のサヤは、男装しているものの補整着を着けておらず、化粧もしていない。
 外に出向かないと思ったからだ。けど……まあ……外套を羽織るし、視界も悪い。従者用の服は着ているから体の曲線は目立たないし……解らないよな……きっと。それよりも、サヤと二人になることが、少し苦しい……。

 しばらく忙しくて、考える余裕が無かったから、ずっと気持ちを隅に追いやっていた。
 けれど……俺はまだ、サヤを好きだと自覚していた。
 考えない様にしていたし、主従関係でしかないとはっきりしたのだから、態度には出さない。けれど、気持ちばかりは、好き勝手にできなかった……。いつの間にやら住み着いていた感情であるだけに、始末が悪い。
 ここのところのサヤは、俺たちに随分慣れて、距離も近くなった。
 たまに、触れ合うことすらある。そもそも、俺の髪を毎朝結わえにやってくる。
 いつもサヤは長椅子の横に座り、髪を触るから、顔を見られはしないと分かっているのだが……緊張する。
 ハインがいる時は、必死で他のことを考えて気を紛らわせていた。
 サヤのことを感じていたら、顔が火照ってしまいそうなのだ。

「……はぁ……」

 溜息が出るが、決して、サヤといるのが嫌なのではない。むしろ嬉しい。それが余計虚しいのだ。
 どうにもならない、なれないと分かっているのに不毛だ……。
 そして、それを思う度に、カナくんに嫉妬して、カナくんという人間を知りたくなる。
 サヤは、カナくんに嫌われてると言う。俺には解らない。サヤを嫌う理由なんて……一体どこにあると言うのか。サヤを襲った不幸は、サヤの所為では無いのに……。そう考えると、カナくんに怒りすら覚えるのだ。ここにいるなら、胸ぐらを掴んで怒鳴ってやりたい。俺ならサヤを……っ!

「お待たせしました。行き……レイシール様?」
「っいあっ⁉︎    ごめん、ちょっと考え事」

 戻ってきたサヤに怪訝な顔をされ、俺は慌てて外套を目深に被った。
 サヤについてくる様に言って、そのまま外に向かう。
 いかん……知りもしないのに……偉そうだよな。俺はサヤの事情も、ましてやカナくんの事情も、知らないのに……。

「今日は馬は、良いんですか?」

 そのまま馬車用の出入り口から歩いて出る俺に続きながら、サヤが問うてきた。

「ああ、馬が濡れてしまうし、後の処理も大変になる。
 馬が体調を崩したら、厩番の管理が問われてしまうから」

 そう答えて、歩いて坂道を下っていると、サヤが隣に並んできた。いつも一歩下がって付いて来るのにどうしたんだ?    不思議に思って横を見ると、心配そうな顔のサヤと、目があった。

「あの……そんな顔なさらないで下さい……。レイシール様は、とても頑張ってらっしゃると思います。心配なのは、分かりますけど……」

 何を言われているのか解らなかったが、俺の態度が氾濫の心配をしているからだと思ったらしい。
 うわ……カナくんに嫉妬してた顔なんて知られたら恥ずかしくて死ぬな……。居心地悪くて視線を逸らす。するとサヤは、何故か外套の袖をツンと引っ張った。

「レイシール様……。その……村の皆さんも、感謝されてますよ。よくしてくれるって、おっしゃってます……。
   レイシール様は、ご自分でそう思われてないかもしれませんけれど……みなさんは、貴方がとても頑張ってるって、分かってます。根を詰めないでください……」
「……あ、ありがとう…。でも大丈夫だ。別に俺は、そんな疲れてるわけじゃないし…そもそも、ほとんど肉体労働としては戦力になってないから、疲れるのも変だよ」

 適当に誤魔化そうとしたのだが、サヤは誤魔化されてはくれないらしい。もうっと、少し怒った顔をして、上目遣いにこちらを見上げて来る。
 俺が一番苦手とする顔だ……。一気に顔の温度が上がる気がした。可愛いなんてもんじゃない……これをされて平然としていられる男はいない。断言する。ギル辺りだったら抱きすくめてるのではないかと思う様な可愛さなのだ。

「労働は身体だけのものじゃないでしょう?    頭だって疲れます!
 こうやって……雨の日だって仕事してるじゃないですか……。私がここに来て以来、レイシール様は、一日も休憩されてない様に感じます……。私たちには、すぐに休めって言うのに……」

 昨日だって……夜更かしされてますよね……と、切ない声で言うのだ。もう降参するしかない。

「ごめん……分かった。今日は早く寝るから……。ほんと、約束します……」

 日中は畑を見て回ったり、農民達の割り振りを行ったりしているから時間が無い。
 だから夜に、仮住居をどうするか考えていたのだが……サヤには物音でバレるものな……聞こえるから誤魔化せない。ある意味ハインより相当やり難いのだ。

 ……どうせこの時期は寝れないのだから、有効に時間を使ってるだけなんだけどな……。

「ああ、サヤ、あそこだ。まだ水量はそうでもないけれど……。よく決壊するのはこの部分だよ」

 話している間に目的地に到着していた。それで俺は話を逸らす。
 まだ水嵩は大して高くない。それでも茶色に濁った濁流が、川の蛇行部分で岸に打ち付けている様は、異様に迫力があった。

「本当に急カーブ……。これじゃあ、確かに……」
「うん。決壊するたびに余計決壊しやすくなっていく……いたちごっこだよ。
 もうすでに、結構削れてる感じだな…。石を置いたり、土を高く盛ったり、色々してきてるんだけどね…。流れが急すぎて、土も石も削れるのが早い。毎年整備してても…急に水かさが増したりしたら溢れてしまう。本当、キリがないんだ」

 川岸には近付きすぎない様に注意して、サヤとしばらく川を見守る。
 そして、外套にも水が染みてきて、少し寒くなってきたので、帰ろうと促した。
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