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バート商会 4

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 サヤの服の寸法は、ギルがサヤをざっと見るだけで書き上げた。
 それをワドルが受け取り、一礼してから部屋を去る。
 しばらくすると戻ってきて、俺に向かってこう言った。

「お部屋の準備が整いました。ご案内致します」

 それを聞いて首をかしげる。俺の部屋の位置……変わったのか?
 ギルを見ると「サヤが増えてるだろ」との返答が……。ああ、そうか。前の部屋だと、従者用の部屋が一つしか無いのか。

「女性の方ですし……多少悩みましたがやはり……男装して生活なされるなら、慣れるのが肝要かと」

 ワドルにそう説明され、案内された部屋は三階で、従者用の小部屋が二つだった。
 従者は同室で寝台が二つ……という場合もあるのだが……流石にそれはちょっとあれだしな…。
 この短時間で俺の部屋の位置は変わったものの、家具は以前の通り、使い慣れたものが運び込まれていた。ハインの部屋も同じくだ。その気遣いが有難い……。
 そして、夜着と湯浴み用の湯が持ち込まれ、俺はハインに手伝われて湯浴みとなった。大きなたらいに湯を張り、旅の汚れを落とす。たった半日……しかも馬車の中だからね。たいして汚れてもいないのだが。

「今日こそは髪を洗います」
「あ~……サヤに聞き忘れてしまったな……洗い方……」

 そんなやりとりをしていたら、コンコンと扉が叩かれた。あの……と、サヤの声。うおぁ⁉︎

「ちょ、ちょっと待っててくれ!ハイン、髪は後!夜着取って!」
「何の用でしょうか……確認してきます」
「後にしてくれ!こんな状態でサヤに見られたら……サヤがやばいだろ⁉︎」

 夜着であんなに狼狽してたんだから男の裸体なんて最低だ。気絶するかもしれない。
 ため息をつくハインを急かして夜着を着て、その上から羽織を重ねる。湯はそのままになってしまうけど……この際仕方がない。
 俺がやっと人心地ついたところで、ハインがサヤの叩いた扉……サヤの部屋へと向かう。
 扉を開けると、やはりサヤが、朝も見た袋を持って立っていた。

「あの、御髪のお手入れをと思って……。昨日、お伝えできませんでしたし、先ほど、洗うって聞こえたので……」

 耳の良いサヤには俺たちの会話が筒抜けだったらしい……。

「ですが……レイシール様は夜着ですよ。大丈夫ですか?」
「は、はい……。大丈夫です」
「……と、言ってますが?レイシール様、どうされますか」
「まあ、サヤが良いなら良いんじゃないか?駄目だと思ったら自己申告してもらおう」

 そんな感じのやりとりがあって、サヤが部屋に入ってくる。
 やはり、朝の袋を手に持っていたが、とりあえずは使わないらしい……そのまま机に置いて、なぜか櫛を構えた。サヤの持つツゲグシではない、いつもの動物の毛の櫛だ。

「えっと……まずはブラシで、髪の汚れを落とします」
「ブラシというのは……櫛のことですか?」

 ハインが質問を挟む中、サヤが長椅子に俺を座らせて、髪を梳いていく。しばらくそうして納得したら、櫛の出番はおしまいらしい。

「それでは……レイシール様は、長椅子に仰向けで寝転んでください。あ、頭は肘掛けから外に出す感じで…」

 そう言いながら、サヤが座褥を長椅子の片側に集めて調節する。
 なだらかな傾斜になった座褥の上に仰向け……ってことか?髪を洗うのに?そう思ったけど言われた通りにする。すると、首の部分に折りたたまれた手ぬぐいを挟まれた。それで若干、頭が持ち上がる。

「えっと……小机を側に置いて……盥を置きますね。湯はあまり多くなくて大丈夫です。
 それをこう……手や器ですくって、かけるんですけど、顔の方にいかないように、手で堰を作る感じです」
「こうですか?」

 さやの指導の元でハインが洗う感じだ。後頭部は若干やりにくいようだが、とりあえず髪は問題なく洗えた。湯が飛び散らないので、床を汚さず済むようだ。時間が掛かって、若干まどろっこしい気もするが……。

「普段はお湯を頭からかける感じだったのですか?
 それだと汚れは落ちにくいです。埃とかが、髪の毛に絡まったままになってしまうんです。
 だから目の細かいブラシ……櫛で大きな汚れを取ってから、湯で流して小さな汚れを洗い流すと思ってください。きっとその方が、髪のツヤも良くなるかと。
 あ、あと……今日はちょっと、これを使いますね」

 髪の毛を洗い終わったと思ったら、まだ終わらないらしい。持ってきた袋を開けて、朝の小瓶を取り出すサヤ。油って言ってたけど……それを使うのか?
 盥の湯を新しいものに変えて、そこにほんの数滴だけ垂らした。それを手でかき混ぜる。

「手順はさっきと一緒です。これを頭にかけて、馴染ませます」

 そう言って、丹念に頭に湯をすくってはかける。ハインよりずいぶん細いサヤの指が、額や髪を撫でる。ああ、やはり女の子の手だなと思う。あんなに強いのに、こんなに細い……俺が握るだけで、折れてしまいそうな指……。

「はい、おしまいです。後はタオルドライ……じゃなくて、手拭いで、水をしっかり拭き取れば大丈夫です。明日がちょっと楽しみですね」
「……?何が楽しみなのでしょう……」

 洗髪がおわり、起き上がった俺の髪を、サヤが手ぬぐいで挟むようにして拭いていく。
 俺も良く分からない……何が楽しみなんだ?

「レイシール様の御髪です。銀髪だと思うんですけど……」
「………いや、灰髪だよ?」

 さっき馬車でも言ったと思うんだけどな……。
 そう言う俺に、サヤは笑顔だ。それ以上は何も言わず、洗髪の後片付けを手伝っている。
 片付けがひと段落したら、それではおやすみなさいと、自室に戻っていった。

 そして朝だ。いつも通り、日が昇ると同時に起きて、思いっきり体を伸ばす。
 ギルの所に来ると、何故かよく眠れる…。夢を見ることも減るんだよな……。
 寝台を降りて、衣装棚に向かう。ここには俺の服が山とあるのだ。しかも流行最先端。ギルの母君が、何かが流行る度に新作を作るので増える一方なのだ。
 俺には全く分からない分野なんでかなり無意味だ。畑の管理に流行は必要ないって何度も言ったんだけどな……。
 また増えてる気がする……心なしか、衣装棚がパンパンだ。数着持って帰らないとダメか……ほっとくと衣装棚自体が増えるしな……。
 そんな風に考えながら、夜着を脱ぎ捨てて細袴を履く。
 ここの服は、色合わせまで全て済ませて、一式をまとめて置いてあるから、考えなくていい。上から順に取って、着ていけば着替えは終了だ。
 だいたい、俺には拘りがない。配色とかにしても、なんでも良いと思う。目に痛くなければなんだって。
 前そう言ったらギルにこっぴどく怒られたので、とりあえずここでは文句を言わず、用意された通りに着る。長衣を羽織って、釦を閉めつつ、ふと横を見た。壁の鏡に何かがキラリと反射したのだ。なに?当然、まず見えたのは俺。
 ………俺のはずだ………。

「………何これ⁉︎」

 ついそんな風に叫んでしまった。
 びっくりして後ろに下がり、ガンッと机にぶつかってしまう。

「レイシール様⁉︎」

 慌てた感じで扉が開き、ハインが飛び込んできた。
 こいつも支度途中だったのか、まだ上着を羽織っていない。そして俺を見て停止。

「あの、どうされました?    大丈夫ですか?」

 サヤも起きたようだ。扉越しにそんな声が掛かるが、なんて返事すればいいんだ⁉︎全然大丈夫じゃない、だけど身の危険は全く無い。悩んでる間にそっと扉が開いた。

「あ、おはようございます。あの?    どうされたんですか?」

 いつも通り、艶やかな髪のサヤが、まだ夜着のままだった。羽織も羽織っていない。普段なら慌てる所だが、今日はそれどころではない。

「さ、サヤ……髪が……」
「あ、やっぱり?銀髪だって言ったじゃないですか。
 ちょっとで随分、ツヤが出ましたね。あとで結いますから、少し待っててください。身支度してきますね」

 サヤだけは慌てていない。銀髪……そう、鏡の俺が銀髪なのだ。今まで見たことないような光沢があって、しかも寝癖が酷くない!
 人生を十八年やってきて朝起きたら銀髪になっているなんて、誰が思う?    思わないよね⁉︎    光沢が出ただけだと言われればそれまでだけど……なんであんな油数的でこうなる⁈

「意味が分からない……」
「サヤのあの小瓶はなんだったんですか?」
「油って言ってた。ツバキアブラ?だったかな……魔法の油だったんだな……」

 茫然自失……まさにこの時の為の言葉だ。サヤの髪があんなに艶めいてるのもあの油のなせる技か。サヤの世界は一体何に精力を注いでるんだ……髪にツヤを出す魔法の油は、なんの用途で作られているんだ⁉︎
 俺たちが身支度も忘れてうんうんと唸っていると、サヤが着替えを済ませてやって来た。
 ワドルがサヤの従者用の服を用意してくれていたようだ。俺の古着ではないサヤだった。
 紺地の、少しふんわりとした大きめの細袴。淡い灰色の長衣に帯は無く、青の短い上着を羽織っている。今日も髪を高めに結わえ、まとめてあった。
 全体的に、体の曲線が誤魔化されている気がする。腰帯が無いので、際立つ腰の細さも目につかない。顔は今まで通りのサヤなのだが、どことなく、少年めいた感じだった。性別不詳というか……。ほんと、アミ神みたいだな……。

「魔法じゃないです。椿っていう、普通の木の実の油です。
 私の国では、千年以上前から使われてるって言われてますよ。
 うちは祖母が愛用してて……私も自然と使ってたんですけど……ダメ……でしたか?」

 少し困ったような、不安そうな顔でハインにそう聞くサヤ。「レイシール様の、本来の髪色なんですよ?」と、言葉を続ける。え?本来の?

「ツヤがなかったのは、髪の手入れが良くなかっただけです。
 レイシール様の髪は、元から銀髪です。油でそうなったんじゃないですよ?
 そりゃ、保湿とか……傷んだ部分を補うために使いましたけど……髪の手入れの方法を改めれば、椿油を使わなくても、ある程度光沢は出ると思います。
    石鹸を使って洗ったら、こんな風になりませんでしたか?」
「なりませんでしたね……。やり方がまずがったのかもしれませんが……」
「……まずかったかもですね。むしろ石鹸カスが残ってたのかも……」

 腕を組んで、うーんと唸りながら、首をコテンと傾けるサヤ。
 なんにしてもあれだ。綺麗好き民族のサヤは、ものの洗い方にも特化しているのだとわかった。
    有能すぎる……。勇者のように強く、料理もできて博識。さらに洗うのまで上手いとは……。

「とにかく。これが本来のレイシール様だと言うなら、文句もありません。
 支度をしましょう。……ギルがなんと言うか……若干恐ろしい気もしますが……」

 ハインの眉間にシワが増えたところで、身支度再開だ。途中やめになっていた長衣の釦を閉めて、腰帯、そして上着を羽織る。商業会館に行く時はまた正装しなきゃなと思うが、日中過ごすのは普段着でいい。……無駄に流行真っ只中だけど。

「髪を結いますね」

 サヤがそう言って、ツゲグシを手に取った。
 今日の髪ははじめからサラサラで、櫛の通りが良い。これも油の所為だけではなく、洗う前に埃を取り除いたからだとサヤは言った。
 櫛を使って昨日と同じように髪を少しずつ取り分けて、器用に結い上げていく。ハインが興味深そうに手元を覗いて、たまに質問を挟む。

「できました。あっ、飾り紐……」
「持って来ます。……どれにしましょう……」
「紺色か……水色がありますか?」
「ああ、ありますね。水色」

 衣装棚の上部に置いてあった小箱を持ってくるハイン。中から水色の飾り紐を取り出すが、中を見たサヤは何故か、山吹色もくださいと言った。
 そして、紐を二つ重ねて俺の髪を括る。紐を二本使う意味が分からない…。
 だが、髪を括ると満足そうに言った。

「今日はとても、素敵だと思います。
 レイシール様は、青がとてもよくお似合いですね」

 鏡に映る俺は、いつもと何が違うのかよく分からない……とりあえず髪がつやつやの銀髪で、それが綺麗に結わえられ、纏まっている。
 サヤと同じような青い上着。白の長衣に、濃い灰色の細袴だ。腰帯が山吹色だけど……だから飾り紐も山吹色なのか?でもそれなら水色は要らないと思うのだが……。

「うーん?よく分からないけど……サヤが褒めてくれるなら何でもいいか」

 結局分からないので考えるのをやめた。
 そして身支度を終えたので、三人揃って昨日の応接室に向かう。

 貴族と違って、領民たちは皆勤勉だ。ギルも既に起きていて、身支度も終えていた。
 何かの打ち合わせが始まっているのか、使用人と書類を見ながら話し込んでいたので声を掛ける。

「おはようギル」

 いつも通りの挨拶だったのだが、ギルの視線がこちらを向き……バサッと、手の中の書類を落とした。使用人が慌てて拾う。
 うわ……俺を見る目がサヤを見るみたいにギラついてる気がするのは気のせいか?

「おま……なんっ……何が起こった⁉︎」
「いや……髪を洗ってもらったんだけど……びっくりだよな」
「銀⁉︎    お前銀髪だったか⁈    しかもなんだそれは、どうなってるんだ⁇」
「これもサヤに結ってもらったんだけど……やっぱり珍しいみたいだね」

 反応がいちいち大袈裟だが、正直さっきの俺もかなりびっくりしたから、驚いてくれて何よりだ。俺だけびっくりしたんじゃ負けた気がするし。
 俺がサヤの名前を出したことで、ギルの視線がサヤに向いた。

「サヤ………マジか……今更なんか納得できた……」

    そんな風に言って溜息を吐きつつこっちに来る。
 俺を上から下までじっくりと眺めてから、もう一回溜息。
 何か真剣な顔で俺を見つめて言った。

「美女度が増してる。口付けしそうだ」
「うわっ、こっち来るな!    変態発言だぞそれ‼︎」
「本人に自覚ねぇのが一番問題だよな!    誰かこいつに着せる女物の礼服持ってこい、美女だって分からせてやる‼︎」
「ふざけんなよ⁉︎    女の衣装は絶対着ない!    前そう言ったよな⁈」

 とりあえず逃げる俺をギルが猛然と追って来るので、俺はサヤを盾にした。

「うおぉぉ、美女が二人……天国だけど地獄だ……」
「俺の性別忘れんな!    女じゃねぇ‼︎」

 くそっ、サヤの前でひどい言葉遣いをしてしまった……憶えてろよギルめ……そのうちサヤに投げ飛ばしてもらうからな……っ!
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