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53 どうしてほしい?

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 サイベリアンはケンの唇を自分の唇で塞いで、口内を荒々しく貪る。歯列をなぞり、舌を吸い上げると、ケンも口を大きく開けて受け入れた。それどころか、たどたどしくサイベリアンの舌に追いすがり、絡めて自ら口づけを深めてくる。

(!……)
 サイベリアンを真似るように拙いながらも懸命に応える舌に、いとしさがこみあげてたまらない。
 この人はどれだけ俺を夢中にさせれば気が済むのだろうか。
 本当にたまらない──。
 腹にも指先にも力がこもる。
 すっかりと固く立ち上がったしこりをぎゅっとつまむと、塞がれた口の隙間から「ん、ぅう、んっ!」と鼻にかかった声が漏れる。
 心ゆくまで乳首を弄んでから、惚けた表情で見上げるケンに「もう少し進もうか」と、宣言して見せつけるように自分の指を舐った。
 期待に瞳を揺らめかせ、食い入るようにその様子を眺めて、指先の行く末を視線が追う。
 腹を通り過ぎて下腹部に近づいてきたサイベリアンの指に、ごくりと喉を鳴らして早く早くと視線で訴えてくる。
 その視線と期待を無視して、ケンの性器には触れずに、その後ろにある窄まりに指をはわせた。
 はっとケンの意識が覚醒し、困惑するのを感じる。
 どうやら、ここは初めてのようだ。
 誰も触れたことのない未踏の地に最初に踏み入れるのが自分であることにサイベリアンは喜びを隠せない。
「今日はこっちでも気持ちよくなろうか」
 これから行われることを敢えて言葉にすることで、ケンに強く意識させようとする。その思惑は成功したのか、指先にふれる蕾がひくひくと誘うようにうごめいた。
 間髪入れずにゆっくりと指を捩じりこむ。初々しい後孔は指一本でも侵入を拒むように、固く蕾を閉ざしていた。
 にっちにっちと音をさせて、後ろの穴に抜き差しすると想像以上の違和感だったのか、ケンの眉間に皺が寄る。慎ましやかな窄まりにぬめりを擦り付けながら丁寧にほぐし、この人を悦ばせるところはどこかと指先でじっくりと探っていく。
 指を増やして拡げながら、少ししょげてしまったケンの前をゆるゆると刺激して寛がせ、意識を分散させる。
 そして、指が腹側──ペニスの裏の器官を掠めた瞬間、ケンの肩がびくりと跳ねた。

(ここ、……か)
 目的地を見つけたサイベリアンはそこばかりを集中して責め立てた。
 ケンのペニスを握った手は、まるで吐精したかのようにどんどんと溢れてくる先走りでびしょびしょになって、伝って尻まで濡らしていた。
「あ、あ、だめ……」
 はぁ、はぁと息を荒げて、腰をひねって秘部に入った指から逃げようとするが、サイベリアンはそれを抑えこんで逃がさない。熱くうねって、ちぎれそうなほどに締め付けてくる中を二本の指で丁寧に拡げていく。内側の敏感な器官をえぐる様に押し、緩急をつけて抜き差しをすると、気持ちがいいのか次第にケンの喘ぐ声が大きくなる。
 穴を穿つ指が動くたびにぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて、指を美味そうに食んでいる。慎ましかった後穴は奥に誘い込むように収縮を繰り返し始めた。サイベリアンは応えるように指をぐぐっと突き入れる。
「ん、んぁ!」
「はぁ……かわいい」
 真っ赤に熟れた乳首をぎゅっと摘まみ上げると、「んあぁあ!」と一段と艶っぽい声を上げて、前から白い精を勢いよく吐き出した。
「あぁ……『イッていい』って言ってないよ?」
 いけない子だというように、にっこりと笑ってケンを見下ろす。
「ご、めんな、さい……」
 息の上がった声で精一杯に謝る姿は大変に嗜虐心をそそる。「『良い』というまで、我慢しようか」と言って、ずるりと勢いよく指を抜いた。
 サイベリアンの下半身もズボンの中で窮屈な思いをしているが、それが解放されることはない。今日はその時ではないのだ。

「どうしてほしいか『』」
 コマンドで次を促せば、「い、いっぱい中も、おちんちんもこすってぇ、くださいぃ」と実に素直な欲望を口にする。
「『いい子』だ」
 言われた通りに再び襞をかき分けて指を中に埋めると、嬉しそうにきゅうきゅうと締め付けて悦びを示してくる。もう片方の手を先ほど達したばかりペニスに這わせれば、すでに再び固さを取り戻して刺激される快感に先端から歓びの泪をこぼした。
 どこを触れても敏感に、驚くほど従順な反応を示す。その姿がサイベリアンのDom性を刺激して止まない。
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