9 / 12
波に乗れる時に乗っておけ
しおりを挟む
あっぶなかったぁぁぁ。踏みとどまった俺、エライ!!
雅を送った帰り、思わず軽くとはいえキスしてしまったが、そのまま本気で連れ帰りそうになってしまった。
ヤバイ、ヤバイ、いや、別にヤバく無いか。
びっくりした雅ちゃん、可愛かったなぁぁと、それでご飯三杯食べれそうな勢いの蒼司であった。
つまり、ご機嫌だったのである。
プロポーズもできたし、自分の意識は伝えた。
後は説得だ!!グッと拳を握りしめて、異世界に向かう蒼司だった。
クリストファーに事前に連絡し、指定された時間に転移する。
「久しぶり、クリストファー。急に魔道具頼んだりしてごめんな」
「久しぶり、蒼兄。良いよ。前にも作ったことあるし」
コトリ。と蒼司の方に置いたのは、軽く認識障害をかけたメガネ。
黒縁眼鏡がオシャレだ。
これをかければ、蒼司の印象がぼやけ、認識されにくくなる。
外に出れば何かと注目されることが多い蒼司にとって、夢のアイテムだった。
クリストファーの魔道具作りは実用一辺倒で、デザイン性はイマイチ。
つまり、ちょいとダサいのである。
眼鏡やアクセサリーに魔術を施す場合は、依頼者が持ち込む場合もあるが、それ以外は一からクリストファーが作ることもある。
あまりに非デザイン的なフォルムに見兼ねたアルスがある時デザインを買って出た。
それ以降、アルスがデザイン担当する事になったのだ。
C&Aとして、世間では人気が高い。
『何気にアルスさんが、異世界No. 1ハイスペだと思う』と、いうのが悠里の見解だ。
料理もでき、魔力も高く、器用で何でも出来る。確かに。
キチンと報酬も払い、メガネをかけてみる。
「どう?」
「うん。良い感じ。ちょいイケメンくらいには見える」
「ははは。クリストファーの基準で大丈夫かなぁ」
アルスが持って来てくれた鏡で確認すると、いい感じで印象がぼやける。
確かに、人目を引くほどでは無い。
これなら、待ち合わせしてても注目されることなく、蒼司だとわからないほどでも無い。
「あ、良い感じ。ありがとうクリストファー気に入った」
「メガネもよくお似合いです」
アルスも自分のデザインが蒼司に良く似合っていたので、ほっとした。
「アルスさんもありがとう。凄くいいな、このデザイン」
恐れ入ります、と、優雅に一礼して微笑んだ。
相変わらず洗練された物腰だ。
「あ、蒼兄いらっしゃい」
悠里がやって来た。
ポーション作りをひと段落して、休憩してたらしい。
「悠里、元気だったか?」
「うん。蒼兄は?雅ちゃんと上手く行ってる?」
蒼司はニマっと笑った。ここに来る前のデートを思い出したのだ。
やだ、と悠里はちょっと引いた。
「まあ、上手く行ってるなら、良いけど、強引なことはしないでよね」
「大丈夫だよ。そんな事しないし。大事にしてるから心配すんなって」
結婚式まであと少し、溜まってる依頼をなるべく多くこなすべく、クリストファー、悠里、アルスの3人は忙しかった。
蓮司にも会いに行く。
「久しぶり、蒼司。どう?雅ちゃんと上手く行ってる?」
「はは、悠里にも聞かれた。まあまあかな?蓮司はいつ結婚するの?」
蓮司は悠里のお披露目パーティ後からアンナさんと良い雰囲気になり、既に恋人同士になっていた。
結婚まで順調そうだ。
「そうだな、お互いの仕事の都合がつかないとな~」
蓮司は外交官に抜擢され、連日ドSウォルフに仕事を仕込まれ、あちこち行かされ、大変忙しいらしい。
アンナは副隊長として元々忙しい。
お互い頑張ろうと、検討しあった。
翌日にはレオナルドのところにも挨拶に行った。
「おぉ!よく来たな、ソージ!」
「お久しぶりです、レオさん。お元気そうで、っていうか、何か若返ってません?」
「あはは、そうだろ。ユーリのポーションだぞ。凄いんだよあれ」
「俺、土産に持たされました」
「寝る時飲んで寝てみろ、次の日肌ピカピカなんだぞ」
俄には信じられなかったが、本当に翌日、ツルツルピカピカだった。
異世界、恐るべし。
蒼司のピアノをすっかり気に入ったリタは、家に友人を招き、即席のリサイクルをした。
もちろん、ピアノも調律した。
リタの友人である王妃キャスリーンもリサイタルに来ていた。
キャスリーンも蒼司を気に入り、ぜひ、王宮のピアノも調律して欲しいし、子供たちにも聴かせたいと依頼を受けた。
王妃を通じて、異世界でもピアノの調律やリサイタルの依頼を受けたので、定期的に来る事になった。
思わぬ収穫である。
あちらでは今まで、悠里を優先していたため、表立った仕事はしてこなかったが、これからは表舞台に立つのも良いかもな、と思うようになった。
そんなこんなであっという間に一週間は過ぎた。
毎日雅には連絡していたとはいえ、会えないのはやはり寂しい。
夜、雅にメッセージを送る
『こんばんは。明日帰るよ。良かったら会わない?』
ピロリン
すぐ既読になって、返事が来た。
お、早いな、と早速読む。
『明日は残業で遅くなりそうなので、土曜はどうですか?』
明日会えなくてちょっと残念だが、その次の日の土曜、蒼司に断る選択はない。
『良いよ。何時にする?お昼一緒に食べよう』
『ちょっと遠いんですが、美味しいお蕎麦屋さんがあるって後輩に教えてもらったんですが、良かったら行きませんか?』
『良いね。じゃあ車で行くか、どこ?』
『那須の方なんですけど』
那須!?ちょっとした旅行だ。都内からなら日帰りで行けなくも無い。
え?泊まり?泊まりもあり?ちょっとドキドキして来た。
『じゃあ、ついでに温泉も入る?』
『お任せします』
任されちゃったぁぁぁ。
当然
『じゃあ、温泉付き』
『わかりました』
ぺこり、の絵文字付き。
良いんだよね?良いんだよね?雅ちゃん。
期待が膨らむ蒼司だった。
雅を送った帰り、思わず軽くとはいえキスしてしまったが、そのまま本気で連れ帰りそうになってしまった。
ヤバイ、ヤバイ、いや、別にヤバく無いか。
びっくりした雅ちゃん、可愛かったなぁぁと、それでご飯三杯食べれそうな勢いの蒼司であった。
つまり、ご機嫌だったのである。
プロポーズもできたし、自分の意識は伝えた。
後は説得だ!!グッと拳を握りしめて、異世界に向かう蒼司だった。
クリストファーに事前に連絡し、指定された時間に転移する。
「久しぶり、クリストファー。急に魔道具頼んだりしてごめんな」
「久しぶり、蒼兄。良いよ。前にも作ったことあるし」
コトリ。と蒼司の方に置いたのは、軽く認識障害をかけたメガネ。
黒縁眼鏡がオシャレだ。
これをかければ、蒼司の印象がぼやけ、認識されにくくなる。
外に出れば何かと注目されることが多い蒼司にとって、夢のアイテムだった。
クリストファーの魔道具作りは実用一辺倒で、デザイン性はイマイチ。
つまり、ちょいとダサいのである。
眼鏡やアクセサリーに魔術を施す場合は、依頼者が持ち込む場合もあるが、それ以外は一からクリストファーが作ることもある。
あまりに非デザイン的なフォルムに見兼ねたアルスがある時デザインを買って出た。
それ以降、アルスがデザイン担当する事になったのだ。
C&Aとして、世間では人気が高い。
『何気にアルスさんが、異世界No. 1ハイスペだと思う』と、いうのが悠里の見解だ。
料理もでき、魔力も高く、器用で何でも出来る。確かに。
キチンと報酬も払い、メガネをかけてみる。
「どう?」
「うん。良い感じ。ちょいイケメンくらいには見える」
「ははは。クリストファーの基準で大丈夫かなぁ」
アルスが持って来てくれた鏡で確認すると、いい感じで印象がぼやける。
確かに、人目を引くほどでは無い。
これなら、待ち合わせしてても注目されることなく、蒼司だとわからないほどでも無い。
「あ、良い感じ。ありがとうクリストファー気に入った」
「メガネもよくお似合いです」
アルスも自分のデザインが蒼司に良く似合っていたので、ほっとした。
「アルスさんもありがとう。凄くいいな、このデザイン」
恐れ入ります、と、優雅に一礼して微笑んだ。
相変わらず洗練された物腰だ。
「あ、蒼兄いらっしゃい」
悠里がやって来た。
ポーション作りをひと段落して、休憩してたらしい。
「悠里、元気だったか?」
「うん。蒼兄は?雅ちゃんと上手く行ってる?」
蒼司はニマっと笑った。ここに来る前のデートを思い出したのだ。
やだ、と悠里はちょっと引いた。
「まあ、上手く行ってるなら、良いけど、強引なことはしないでよね」
「大丈夫だよ。そんな事しないし。大事にしてるから心配すんなって」
結婚式まであと少し、溜まってる依頼をなるべく多くこなすべく、クリストファー、悠里、アルスの3人は忙しかった。
蓮司にも会いに行く。
「久しぶり、蒼司。どう?雅ちゃんと上手く行ってる?」
「はは、悠里にも聞かれた。まあまあかな?蓮司はいつ結婚するの?」
蓮司は悠里のお披露目パーティ後からアンナさんと良い雰囲気になり、既に恋人同士になっていた。
結婚まで順調そうだ。
「そうだな、お互いの仕事の都合がつかないとな~」
蓮司は外交官に抜擢され、連日ドSウォルフに仕事を仕込まれ、あちこち行かされ、大変忙しいらしい。
アンナは副隊長として元々忙しい。
お互い頑張ろうと、検討しあった。
翌日にはレオナルドのところにも挨拶に行った。
「おぉ!よく来たな、ソージ!」
「お久しぶりです、レオさん。お元気そうで、っていうか、何か若返ってません?」
「あはは、そうだろ。ユーリのポーションだぞ。凄いんだよあれ」
「俺、土産に持たされました」
「寝る時飲んで寝てみろ、次の日肌ピカピカなんだぞ」
俄には信じられなかったが、本当に翌日、ツルツルピカピカだった。
異世界、恐るべし。
蒼司のピアノをすっかり気に入ったリタは、家に友人を招き、即席のリサイクルをした。
もちろん、ピアノも調律した。
リタの友人である王妃キャスリーンもリサイタルに来ていた。
キャスリーンも蒼司を気に入り、ぜひ、王宮のピアノも調律して欲しいし、子供たちにも聴かせたいと依頼を受けた。
王妃を通じて、異世界でもピアノの調律やリサイタルの依頼を受けたので、定期的に来る事になった。
思わぬ収穫である。
あちらでは今まで、悠里を優先していたため、表立った仕事はしてこなかったが、これからは表舞台に立つのも良いかもな、と思うようになった。
そんなこんなであっという間に一週間は過ぎた。
毎日雅には連絡していたとはいえ、会えないのはやはり寂しい。
夜、雅にメッセージを送る
『こんばんは。明日帰るよ。良かったら会わない?』
ピロリン
すぐ既読になって、返事が来た。
お、早いな、と早速読む。
『明日は残業で遅くなりそうなので、土曜はどうですか?』
明日会えなくてちょっと残念だが、その次の日の土曜、蒼司に断る選択はない。
『良いよ。何時にする?お昼一緒に食べよう』
『ちょっと遠いんですが、美味しいお蕎麦屋さんがあるって後輩に教えてもらったんですが、良かったら行きませんか?』
『良いね。じゃあ車で行くか、どこ?』
『那須の方なんですけど』
那須!?ちょっとした旅行だ。都内からなら日帰りで行けなくも無い。
え?泊まり?泊まりもあり?ちょっとドキドキして来た。
『じゃあ、ついでに温泉も入る?』
『お任せします』
任されちゃったぁぁぁ。
当然
『じゃあ、温泉付き』
『わかりました』
ぺこり、の絵文字付き。
良いんだよね?良いんだよね?雅ちゃん。
期待が膨らむ蒼司だった。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
ハイスぺ副社長になった初恋相手と再会したら、一途な愛を心と身体に刻み込まれました
中山紡希
恋愛
貿易会社の事務員として働く28歳の秋月結乃。
ある日、親友の奈々に高校のクラス会に行こうと誘われる。会社の上司からモラハラを受けている結乃は、その気晴らしに初めてクラス会に参加。賑やかな場所の苦手な結乃はその雰囲気に戸惑うが
そこに十年間片想いを続けている初恋相手の早瀬陽介が現れる。
陽介は国内屈指の大企業である早瀬商事の副社長になっていた。
高校時代、サッカー部の部員とマネージャーという関係だった二人は両片思いだったものの
様々な事情で気持ちが通じ合うことはなかった。
十年ぶりに陽介と言葉を交わし、今も変わらぬ陽介への恋心に気付いた結乃は……?
※甘いイチャイチャ溺愛系のR18シーンが複数個所にありますので、苦手な方はご注意ください。
※こちらはすでに全て書き終えていて、誤字脱字の修正をしながら毎日公開していきます。
少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる