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嫌な予感
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~アシュレイ~
指輪も無事注文できたし、アルスさんのお茶に未練ありありだったシェリルを何とか引き剥がして、俺たちは王都まで帰って来た。
クリストファーの子供達可愛かったなぁ。
レイモンドも歩けるようになってたし。
二人とも小さいのにしっかりしてて、ビックリだなぁ。
良いなぁ、子供。
シェリルも子供好きそうだから、早く欲しいかな。
なんて言ったら、また急発進とか言われちゃうかな。
何か、思ったより俺、浮かれてる??
「どうしました?アシュレイさん、顔赤くして」
「!!何でもない。疲れた?シェリル」
「私ですか?全然。それにしても、クリストファーさんちの子供達、めちゃくちゃ可愛かったですねぇ~。うちの甥っ子、姪っ子たちに負けない可愛さだわ」
「シェリル、子供好き?」
「はい、大好きですよ!育てるのは大変なんでしょうけどね」
「大丈夫、俺も手伝う!」
「ははは。だから早いんですって、アシュレイさんはぁぁ。まだ付き合ってもいないのに」
「え!?」
「だって、昨日の今日なんですよ。交際一日目!いくらなんでも早いんですってば」
「そうか・・・ずっといたから、そんな感じしてなかった」
「確かに!でもそのくらいの気持ちでいてくれるっていうのは、わかりました」
ヤバイヤバイ。前のめりすぎて、シェリルに引かれるところだった。
しっかり、俺。
昨日からちょっとおかしいぞ。冷静に。
ふぅ、と一息ついた。
あ、兄貴に報告しようと思ってたんだ。
「シェリル、まだ義姉さんに連絡してないよな」
「うん。まだ」
「俺もまだなんだ。後で連絡しとくけど、良い?」
「よろしく。子供達にも会いたいから、行くって言っといて」
「わかった」
さてと、お茶はさっき飲んだし、夕飯にはまだちょっと早い。
さてどうしよう。
「アシュレイさん、今日西地区で花火上がるみたいなんですけど、見に行きません?」
「そうなんだ!花火なんて久しぶりかも。行きたい」
「じゃあ、西地区ぶらぶらしましょうか」
「俺、西地区も久しぶりかも」
「私もですよ」
じゃあ行こう、となって二人で転移した。
今日が花火が上がるって聞いてる人が多いのか、西地区は賑わっていた。
「花火って何時からだろうね」
「海から上げるみたいですけど。時間は夕方からなのかな~」
なんて言いながら、二人でバザールをぶらつく。
人が多いので、はぐれないようにとさりげなく手まで繋いでしまった。
考えてみれば、護衛として近くにはいたけど手繋いだ事無かったな。
シェリルは珍しいのか、あたりをキョロキョロしている。
子供みたいだな。
「あ、アシュレイさん、あそこなんだろう」
急にシェリルが何処かに向かって走り出した。その拍子に手が離れてしまった。
ヤバイ、この人の多さでははぐれてまう。
そう思って慌てて後を追ったが、彼女は人波に飲み込まれたようで見失ってしまった。
あ~あ~、言わんこっちゃない・・・
仕方ない、魔力を探るか、と辺りを捜索したものの、シェリルの魔力を感じ取れない。
あれ?そんなに遠くに行ったかな。
もう少し範囲を広げてみるか。彼女が走った方向に向かって歩きながら探ってみる。
やっぱり感じない。おかしい。
訝しく思おながら、さらに範囲を広げる。
バザール全体を見渡せる時計台があったので、そこに上がってそこから探してみることにした。
見た目は若い女性だが、シェリルは騎士だ。
易々と誘拐させれるようなことはないだろうと思ったが、何かに巻き込まれでもしたのか?
指輪はまだ出来上がっていない。
仮の指輪を借りてくれば良かったが、後の祭りだ。
通信機に触れて呼びかけてみたが応答がない。
虚しくコール音だけが聞こえた。
嫌な予感がした。
ここまで魔力も気配も感じた取れないのは変だ。
しかも、さっきから感じるこの違和感。
俺は人でごった返す広場を見下ろした。
指輪も無事注文できたし、アルスさんのお茶に未練ありありだったシェリルを何とか引き剥がして、俺たちは王都まで帰って来た。
クリストファーの子供達可愛かったなぁ。
レイモンドも歩けるようになってたし。
二人とも小さいのにしっかりしてて、ビックリだなぁ。
良いなぁ、子供。
シェリルも子供好きそうだから、早く欲しいかな。
なんて言ったら、また急発進とか言われちゃうかな。
何か、思ったより俺、浮かれてる??
「どうしました?アシュレイさん、顔赤くして」
「!!何でもない。疲れた?シェリル」
「私ですか?全然。それにしても、クリストファーさんちの子供達、めちゃくちゃ可愛かったですねぇ~。うちの甥っ子、姪っ子たちに負けない可愛さだわ」
「シェリル、子供好き?」
「はい、大好きですよ!育てるのは大変なんでしょうけどね」
「大丈夫、俺も手伝う!」
「ははは。だから早いんですって、アシュレイさんはぁぁ。まだ付き合ってもいないのに」
「え!?」
「だって、昨日の今日なんですよ。交際一日目!いくらなんでも早いんですってば」
「そうか・・・ずっといたから、そんな感じしてなかった」
「確かに!でもそのくらいの気持ちでいてくれるっていうのは、わかりました」
ヤバイヤバイ。前のめりすぎて、シェリルに引かれるところだった。
しっかり、俺。
昨日からちょっとおかしいぞ。冷静に。
ふぅ、と一息ついた。
あ、兄貴に報告しようと思ってたんだ。
「シェリル、まだ義姉さんに連絡してないよな」
「うん。まだ」
「俺もまだなんだ。後で連絡しとくけど、良い?」
「よろしく。子供達にも会いたいから、行くって言っといて」
「わかった」
さてと、お茶はさっき飲んだし、夕飯にはまだちょっと早い。
さてどうしよう。
「アシュレイさん、今日西地区で花火上がるみたいなんですけど、見に行きません?」
「そうなんだ!花火なんて久しぶりかも。行きたい」
「じゃあ、西地区ぶらぶらしましょうか」
「俺、西地区も久しぶりかも」
「私もですよ」
じゃあ行こう、となって二人で転移した。
今日が花火が上がるって聞いてる人が多いのか、西地区は賑わっていた。
「花火って何時からだろうね」
「海から上げるみたいですけど。時間は夕方からなのかな~」
なんて言いながら、二人でバザールをぶらつく。
人が多いので、はぐれないようにとさりげなく手まで繋いでしまった。
考えてみれば、護衛として近くにはいたけど手繋いだ事無かったな。
シェリルは珍しいのか、あたりをキョロキョロしている。
子供みたいだな。
「あ、アシュレイさん、あそこなんだろう」
急にシェリルが何処かに向かって走り出した。その拍子に手が離れてしまった。
ヤバイ、この人の多さでははぐれてまう。
そう思って慌てて後を追ったが、彼女は人波に飲み込まれたようで見失ってしまった。
あ~あ~、言わんこっちゃない・・・
仕方ない、魔力を探るか、と辺りを捜索したものの、シェリルの魔力を感じ取れない。
あれ?そんなに遠くに行ったかな。
もう少し範囲を広げてみるか。彼女が走った方向に向かって歩きながら探ってみる。
やっぱり感じない。おかしい。
訝しく思おながら、さらに範囲を広げる。
バザール全体を見渡せる時計台があったので、そこに上がってそこから探してみることにした。
見た目は若い女性だが、シェリルは騎士だ。
易々と誘拐させれるようなことはないだろうと思ったが、何かに巻き込まれでもしたのか?
指輪はまだ出来上がっていない。
仮の指輪を借りてくれば良かったが、後の祭りだ。
通信機に触れて呼びかけてみたが応答がない。
虚しくコール音だけが聞こえた。
嫌な予感がした。
ここまで魔力も気配も感じた取れないのは変だ。
しかも、さっきから感じるこの違和感。
俺は人でごった返す広場を見下ろした。
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