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第1章・幼少期 編
003:こんなに恵まれているとは
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003:こんなに恵まれているとは
俺の魔法を学びたいというお願いに、母さんは元冒険者仲間のラグネルさんを紹介してくれた。
やはり魔法を何年も使って来た人の授業は、とても分かりやすく楽しい授業をしてくれている。それに俺には魔法の才能もあるみたいで、ラグネルさんの方も熱が入って来ているのである。
「この本当に才能があるわ。3歳児にして私の魔粒を超える勢いよ」
「やっぱりアッシュちゃんは、才能があるのねぇ!!」
「才能があるってレベルじゃないわ。これは五大賢人や十二聖王だって目指せるレベルよ」
「五大賢人候補だった、貴方が言うのだから本当なのよねぇ。やっぱり冒険者になりたいのかしら!!」
ラグネルさんは五大賢人の候補だったと初めて聞かされて、そりゃあ色々と魔法の知識があるわと納得した。
魔法の授業は俺が幼いという事から週に3回程度の回数になってしまった。せっかく楽しくなりそうになったのだが、こうなってしまったら残念だ。
それならと俺は母さんに、冒険者になる事を想定した剣術も教えて欲しいと懇願した。
「アッシュちゃんの意思は尊重したいけど、まだ3歳だからねぇ………そんなに冒険者になりたいの?」
「なりたいっ!! 世界で1番の冒険者になる!!」
「そうなのねぇ。それじゃあパパと話し合ってから剣術に関しては考えるわねぇ」
母さんは俺に甘いから、きっと剣術を教える人を用意してくれるはずだ。
とても申し訳ないが赤ちゃんという利点を活かして、この世界の知識や技術を学ぼうとしている。
そんな懺悔を心の中でしていながら待っていると、頼んだ日から4日後に動きがあった。
「アッシュちゃん、この人を紹介するわね。この人はラグネルと同じく冒険者パーティーを組んでいた人よ」
「会うのは初めましてだな。俺は〈ラドール=イルクニフ〉だ!! 今日は何やら鑑定をして欲しいって事で、お前の母ちゃんに呼ばれたみたいだな」
「アッシュちゃんを、お前なんて呼ばないで!! もうラドールが固有スキルを持ってなかったら、アッシュちゃんに合わせないんだからね!!」
「そんな酷い事を言わないでくれよ………まぁとにかく鑑定してやるから見せてもらうぞ」
このチャラチャラしてそうなラドールという男は、固有スキル《鑑定士》を持っているらしい。
固有スキルというのは、その人が唯一持っているオリジナルなスキルで、もちろん持っている人もいれば持っていない人もいる。
そしてラドールさんに関しては、相手のステータスや固有スキルの有無を見る事ができる鑑定士という固有スキルを持っているみたいだ。
この人に鑑定してもらって、俺の今後について考えると母さんは説明してくれたのである。
「アッシュちゃんも冒険者になりたいなら、今のうちにステータスを知っておくのも良いからね」
「それじゃあ早速だけど、アッシュちゃんのステータスを確認させてもらおうかな………って。こ こんな事ってあるのかよ!?」
「ど どうかしたの!? もしかして何か問題でもあるの!?」
「い いや問題があるとかっていう話じゃ………」
俺のステータスを見た途端に、ラドールさんは冷や汗ダラダラと垂らしながら焦っている様子だ。
それを見て俺と母さんも、何か問題があったのかと少しドキッとするのである。
しかしラドールさんの様子からして、問題があったというよりも何か驚くべき能力が書かれていたのだと、何となく察する事ができた。
とりあえずはステータスについて話し始めた。
「まずは魔粒量に関しては、魔女のラグネルよりも多いっていうあり得ない量だよ。それも驚きなんだけど、それよりも遥かに驚きがあるんだよ………」
「遥かな驚き? ラグネルよりも魔粒量が多いって事だけでも驚きなんだけどな」
「このアッシュは固有スキルが、3つもあるんだよ!! こんな事は初めて聞いた………」
「はっえっ!? 固有スキルが3つも!?」
なんと魔粒量はラグネルさんよりも多く、そして何よりも群を抜いてヤバいのは固有スキルが3つもあるというところだったのである。
持っていない人間が殆どの中で、俺は何と固有スキルを3つも持っていた。これも神様が与えてくれた加護なんだと思うと、これからは毎日2回はお祈りをしないといけないくらいに感謝している。
「それで固有スキルの名前もわかるんだよね? どんなスキルなのか教えて!!」
「えぇと1つ目は《即死回避》で、2つ目は《全属性適正》で、最後の3つ目が《能力複製》っていうらしいぞ」
「す 凄すぎる!! やっぱりアッシュちゃんは、1万年に1人の天才なのよ!!」
俺の持っている固有スキルは、即死を回避するスキルに、全ての属性魔法に適性がある。そして何よりも注目するべきは、他者の固有スキルをコピーして自分も使用する事ができる能力らしい。
あまりの衝撃的な事実に、母さんは俺を抱き抱えると高い高いをするように天才だと連呼する。
普段だったらラドールさんもツッコミを入れているみたいだが、今回は本当にヤバいくらいなモノだったのでツッコミは入れずに穏やかな目をしている。
「固有スキルの複数持ちなんて聞いた事がない上に、その1つ1つが異常なスキルだよな………これなら歴代十二聖王の中で最強と呼ばれていた〈フランシス=クック=ガマ〉に匹敵するんじゃないか?」
「フランシスよりも遥かに強いもん!! ウチの子を舐めてもらっちゃ困るわ!!」
どうやらあまりの才能から歴史上最高の冒険者と呼び声高いフランシスと比べられている。
そんなところと比べられても困るところではあるが、正直なところチヤホヤされているのは悪くはない。
というか前世では、周りからチヤホヤなんてされた事が無かったので、こっちの世界に来てからはチヤホヤされまくってドヤ顔をしてばかりだ。
「本当に冗談じゃなくて、育て方によっては世界を終わらせる事だってできるんじゃないのか………もしかしたら討伐対象になる可能性だってあるぞ」
「そんな事は絶対にさせないわ!! うちの子は絶対に悪に落ちるなんて事は無い!! これだけは決まっている事なのよ!!」
確かに力を悪用して世界征服なんて事は、全く考えていないから母さんに断言してもらえて嬉しかった。
それにしてもスタート時点で、こんなにも能力値が高いという事は、これからもっと研鑽していけば伸び代は計り知れないのでは無いだろうか。
それが分かっただけでも、これからのモチベーションになる。もっと強くなって冒険者として、この人生を成功させたいと思っている。
俺の魔法を学びたいというお願いに、母さんは元冒険者仲間のラグネルさんを紹介してくれた。
やはり魔法を何年も使って来た人の授業は、とても分かりやすく楽しい授業をしてくれている。それに俺には魔法の才能もあるみたいで、ラグネルさんの方も熱が入って来ているのである。
「この本当に才能があるわ。3歳児にして私の魔粒を超える勢いよ」
「やっぱりアッシュちゃんは、才能があるのねぇ!!」
「才能があるってレベルじゃないわ。これは五大賢人や十二聖王だって目指せるレベルよ」
「五大賢人候補だった、貴方が言うのだから本当なのよねぇ。やっぱり冒険者になりたいのかしら!!」
ラグネルさんは五大賢人の候補だったと初めて聞かされて、そりゃあ色々と魔法の知識があるわと納得した。
魔法の授業は俺が幼いという事から週に3回程度の回数になってしまった。せっかく楽しくなりそうになったのだが、こうなってしまったら残念だ。
それならと俺は母さんに、冒険者になる事を想定した剣術も教えて欲しいと懇願した。
「アッシュちゃんの意思は尊重したいけど、まだ3歳だからねぇ………そんなに冒険者になりたいの?」
「なりたいっ!! 世界で1番の冒険者になる!!」
「そうなのねぇ。それじゃあパパと話し合ってから剣術に関しては考えるわねぇ」
母さんは俺に甘いから、きっと剣術を教える人を用意してくれるはずだ。
とても申し訳ないが赤ちゃんという利点を活かして、この世界の知識や技術を学ぼうとしている。
そんな懺悔を心の中でしていながら待っていると、頼んだ日から4日後に動きがあった。
「アッシュちゃん、この人を紹介するわね。この人はラグネルと同じく冒険者パーティーを組んでいた人よ」
「会うのは初めましてだな。俺は〈ラドール=イルクニフ〉だ!! 今日は何やら鑑定をして欲しいって事で、お前の母ちゃんに呼ばれたみたいだな」
「アッシュちゃんを、お前なんて呼ばないで!! もうラドールが固有スキルを持ってなかったら、アッシュちゃんに合わせないんだからね!!」
「そんな酷い事を言わないでくれよ………まぁとにかく鑑定してやるから見せてもらうぞ」
このチャラチャラしてそうなラドールという男は、固有スキル《鑑定士》を持っているらしい。
固有スキルというのは、その人が唯一持っているオリジナルなスキルで、もちろん持っている人もいれば持っていない人もいる。
そしてラドールさんに関しては、相手のステータスや固有スキルの有無を見る事ができる鑑定士という固有スキルを持っているみたいだ。
この人に鑑定してもらって、俺の今後について考えると母さんは説明してくれたのである。
「アッシュちゃんも冒険者になりたいなら、今のうちにステータスを知っておくのも良いからね」
「それじゃあ早速だけど、アッシュちゃんのステータスを確認させてもらおうかな………って。こ こんな事ってあるのかよ!?」
「ど どうかしたの!? もしかして何か問題でもあるの!?」
「い いや問題があるとかっていう話じゃ………」
俺のステータスを見た途端に、ラドールさんは冷や汗ダラダラと垂らしながら焦っている様子だ。
それを見て俺と母さんも、何か問題があったのかと少しドキッとするのである。
しかしラドールさんの様子からして、問題があったというよりも何か驚くべき能力が書かれていたのだと、何となく察する事ができた。
とりあえずはステータスについて話し始めた。
「まずは魔粒量に関しては、魔女のラグネルよりも多いっていうあり得ない量だよ。それも驚きなんだけど、それよりも遥かに驚きがあるんだよ………」
「遥かな驚き? ラグネルよりも魔粒量が多いって事だけでも驚きなんだけどな」
「このアッシュは固有スキルが、3つもあるんだよ!! こんな事は初めて聞いた………」
「はっえっ!? 固有スキルが3つも!?」
なんと魔粒量はラグネルさんよりも多く、そして何よりも群を抜いてヤバいのは固有スキルが3つもあるというところだったのである。
持っていない人間が殆どの中で、俺は何と固有スキルを3つも持っていた。これも神様が与えてくれた加護なんだと思うと、これからは毎日2回はお祈りをしないといけないくらいに感謝している。
「それで固有スキルの名前もわかるんだよね? どんなスキルなのか教えて!!」
「えぇと1つ目は《即死回避》で、2つ目は《全属性適正》で、最後の3つ目が《能力複製》っていうらしいぞ」
「す 凄すぎる!! やっぱりアッシュちゃんは、1万年に1人の天才なのよ!!」
俺の持っている固有スキルは、即死を回避するスキルに、全ての属性魔法に適性がある。そして何よりも注目するべきは、他者の固有スキルをコピーして自分も使用する事ができる能力らしい。
あまりの衝撃的な事実に、母さんは俺を抱き抱えると高い高いをするように天才だと連呼する。
普段だったらラドールさんもツッコミを入れているみたいだが、今回は本当にヤバいくらいなモノだったのでツッコミは入れずに穏やかな目をしている。
「固有スキルの複数持ちなんて聞いた事がない上に、その1つ1つが異常なスキルだよな………これなら歴代十二聖王の中で最強と呼ばれていた〈フランシス=クック=ガマ〉に匹敵するんじゃないか?」
「フランシスよりも遥かに強いもん!! ウチの子を舐めてもらっちゃ困るわ!!」
どうやらあまりの才能から歴史上最高の冒険者と呼び声高いフランシスと比べられている。
そんなところと比べられても困るところではあるが、正直なところチヤホヤされているのは悪くはない。
というか前世では、周りからチヤホヤなんてされた事が無かったので、こっちの世界に来てからはチヤホヤされまくってドヤ顔をしてばかりだ。
「本当に冗談じゃなくて、育て方によっては世界を終わらせる事だってできるんじゃないのか………もしかしたら討伐対象になる可能性だってあるぞ」
「そんな事は絶対にさせないわ!! うちの子は絶対に悪に落ちるなんて事は無い!! これだけは決まっている事なのよ!!」
確かに力を悪用して世界征服なんて事は、全く考えていないから母さんに断言してもらえて嬉しかった。
それにしてもスタート時点で、こんなにも能力値が高いという事は、これからもっと研鑽していけば伸び代は計り知れないのでは無いだろうか。
それが分かっただけでも、これからのモチベーションになる。もっと強くなって冒険者として、この人生を成功させたいと思っている。
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