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第2章・ロデベリス帝国革命 編
018:獣人の森
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行動を開始して獣人の村に向かったエルサは、部下を連れて森の入り口までは行ったが、人嫌いだという情報を持っているので部下を入り口で待たせる事にした。
「ほ 本当に良いんですか? 団長1人で行かせて何かあったら、ギルドマスターにキレられるどころか………殺されるかもしれません!」
「そんな事を心配してるの? 全くヘヌリは心配性なんだから。私がやられると思うの?」
「いえ思いませんが、万が一って事もありますし」
エルサ魔術師団で側近の1人である《ヘヌリ=エーション》が、エルサの事を心配している。
しかしエルサが負けるとは思えない。
それでも部下としては1人で行かせたく無い。
「これ以上はしつこいよ? 私はしつこい男は嫌いなのよ………アラン様を除いてはね」
「わ 分かりました。私たちは、ここで待機していますんで何かあったら叫んで下さい」
ヘヌリは納得してエルサを見送る事にした。
エルサはフンフンッと鼻歌を歌いながらご機嫌で、獣人の森の中に入っていくのである。
獣人の森に生えている木は、とてつもない高さをしていて小さくなった感じがする。
しかし人間の手が入っていない事で、とても空気が澄んでいてエルフのエルサからしたら興奮するくらいだ。
「それにしても獣人の村って、どれくらい行ったら到着するのかしら? 馬でくれば良かったわ」
どれくらいで到着するか分かっていないので、エルサは馬に乗ってくれば良かったと思っている。
だがエルサはある異変に気がついた。
「うーん? なにか違和感があるなぁ………」
何かを感じ取ったエルサは目を閉じてからスーッと息を吸ってから息を吐いて目を開ける。
これはエルサが持っている感知系の魔法だ。
これによって周囲にいる生物の位置を把握できる。
「やっぱり周囲擬態を使って村自体を隠してるんだなぁ」
エルサの使った感知系のスキルが、風属性と土属性の派生系の魔法だとしたら、カモフラージュという魔法は水魔法の派生系である霧属性と光属性を使っている。
このカモフラージュという魔法を獣人僕は使って、村全体を隠しているとエルサは気がついた。
それに気がつくと木の上から声がする。
「良く私たちのカモフラージュに気がついたにゃ。中々の人間じゃにゃいか」
「褒めてくれて嬉しいわぁ。でも厳密に言えば人間種じゃなくてエルフだけどね」
木の上に立っていたのは13歳くらいの女の子だ。
普通の女の子と違うのは猫耳に猫の尻尾が生えているというところだ。
男だったら生で見たら興奮するだろう。
なんせ猫耳と猫尻尾は大人気………だよな?
「エルフの女が獣人の村に何の用だにゃ? 私が長の孫として話を聞いてやるにゃ!」
「それはちょうど良いわ! 是非とも長のところに連れて行ってはくれないかしら?」
「怪しい女を村まで連れていくわけないにゃ!」
「まぁそれはそうよね………どうしたら長に会わせてくれるのかしら?」
どうしても長に会わしてくれ無いという猫人族の女の子に、どうしたら会わせてくれるのかと聞く。
すると女の子は不敵な笑みを浮かべ言う。
「私たちに勝ったら連れて行ってやるにゃ」
「私たち? 周りには貴方しかいないように………」
女の子は自分たちに勝ったらと、複数形で話しているので何かとエルサは周りをキョロキョロする。
どこにも人なんて居ないと思ったが、森の奥の方から猛スピードでやってくる反応があった。
数秒後にはエルサの目の前に現れる。
「もー、クロロちゃん! 勝手に私を巻き込まないで下さいわん!」
「ごめんごめん、マリーナが前衛職だからにゃ」
現れたのはゴールデンレトリバーのような耳と尻尾をしている女の子で、少し大人っぽい顔立ちをしている。
そして猫人族の方が《クロロ》というらしく、犬人族の方が《マリーナ》というらしい。
「貴方たちと戦って満足して貰えれば、長に会わせてもらえるってわけだよね?」
「勝てる自信でもあるのかにゃ? 私たちも舐められたものにゃ………森から叩き出してやるにゃ!」
「しょうがないなぁ………私も手伝うわん!」
エルサたちは戦う事になった。
先に動き出したのはマリーナだ。
人間の身体能力では明らかに不可能な速度で、エルサに飛びかかっていくのである。
いつもより良い感じのマリーナを見たクロロは、これで決着が着いたかと肩の力を抜いた。
「良いスピードだけど、まだまだ猪突猛進って感じで荒削りだわ………もう少し頭を使わないとダメよね」
真っ正面にやってくるマリーナに対して、エリサは簡単に動きを読んでいる。
そしてエルサは吹き荒れる風を使ってマリーナを吹き飛ばした。
「つ 強いにゃ!? 侮ってたにゃ………」
「クロロちゃん、どうするんだわん!」
「私が遠距離をやるからマリーナは、そのまま近距離で相手をするにゃ!」
2人はエルサが強いという事を理解して、連係をキチンと取らなければ負けると意思疎通する。
そしてクロロが遠距離をマリーナが近距離を担当するという風に決まった。
「私の恐ろしさを教えてやるにゃ! 私のユニーク・スキルを見ても驚くんじゃ無いにゃ!」
クロロがユニーク・スキルを使うという。
どんな物かと見てみようと思ったら、クララが立っている木が一瞬にして凍った。
そしてエルサの足元まで凍った。
驚いているとマリーナも動き出した。
クロロのユニーク・スキルに驚いて少し意表を突かれそうになるのである。
ヤバいと思ったのだがマリーナは、エルサの手前で踏み込もうとして氷で足を滑らせ転んだ。
「ちょっとクロロっ! 私の足場くらいは凍らせないで欲しいわん!」
「そんなの知らないにゃ! それはそっちで対応してもらえにゃ………」
2人はエルサを目の前にしながらも口論する。
それを見ているエルサは、なんとも言えないという気持ちになって2人に土魔法の〈土の玉》を放つのである。
それを喰らった2人は「あうっ!?」と言って気を失ってしまった。
「せっかく面白いユニーク・スキルとコンビだと思ったんだけどなぁ………まぁまだ若いし、これからかな」
エルサは、まだ2人が若いから未来に期待しようと言って2人の様子を見るのである。
この2人が起きないと獣人の長には会えない。
というよりも、こんな事でエルサの勝ちになるのか。
そこのところが疑問だ。
「ほ 本当に良いんですか? 団長1人で行かせて何かあったら、ギルドマスターにキレられるどころか………殺されるかもしれません!」
「そんな事を心配してるの? 全くヘヌリは心配性なんだから。私がやられると思うの?」
「いえ思いませんが、万が一って事もありますし」
エルサ魔術師団で側近の1人である《ヘヌリ=エーション》が、エルサの事を心配している。
しかしエルサが負けるとは思えない。
それでも部下としては1人で行かせたく無い。
「これ以上はしつこいよ? 私はしつこい男は嫌いなのよ………アラン様を除いてはね」
「わ 分かりました。私たちは、ここで待機していますんで何かあったら叫んで下さい」
ヘヌリは納得してエルサを見送る事にした。
エルサはフンフンッと鼻歌を歌いながらご機嫌で、獣人の森の中に入っていくのである。
獣人の森に生えている木は、とてつもない高さをしていて小さくなった感じがする。
しかし人間の手が入っていない事で、とても空気が澄んでいてエルフのエルサからしたら興奮するくらいだ。
「それにしても獣人の村って、どれくらい行ったら到着するのかしら? 馬でくれば良かったわ」
どれくらいで到着するか分かっていないので、エルサは馬に乗ってくれば良かったと思っている。
だがエルサはある異変に気がついた。
「うーん? なにか違和感があるなぁ………」
何かを感じ取ったエルサは目を閉じてからスーッと息を吸ってから息を吐いて目を開ける。
これはエルサが持っている感知系の魔法だ。
これによって周囲にいる生物の位置を把握できる。
「やっぱり周囲擬態を使って村自体を隠してるんだなぁ」
エルサの使った感知系のスキルが、風属性と土属性の派生系の魔法だとしたら、カモフラージュという魔法は水魔法の派生系である霧属性と光属性を使っている。
このカモフラージュという魔法を獣人僕は使って、村全体を隠しているとエルサは気がついた。
それに気がつくと木の上から声がする。
「良く私たちのカモフラージュに気がついたにゃ。中々の人間じゃにゃいか」
「褒めてくれて嬉しいわぁ。でも厳密に言えば人間種じゃなくてエルフだけどね」
木の上に立っていたのは13歳くらいの女の子だ。
普通の女の子と違うのは猫耳に猫の尻尾が生えているというところだ。
男だったら生で見たら興奮するだろう。
なんせ猫耳と猫尻尾は大人気………だよな?
「エルフの女が獣人の村に何の用だにゃ? 私が長の孫として話を聞いてやるにゃ!」
「それはちょうど良いわ! 是非とも長のところに連れて行ってはくれないかしら?」
「怪しい女を村まで連れていくわけないにゃ!」
「まぁそれはそうよね………どうしたら長に会わせてくれるのかしら?」
どうしても長に会わしてくれ無いという猫人族の女の子に、どうしたら会わせてくれるのかと聞く。
すると女の子は不敵な笑みを浮かべ言う。
「私たちに勝ったら連れて行ってやるにゃ」
「私たち? 周りには貴方しかいないように………」
女の子は自分たちに勝ったらと、複数形で話しているので何かとエルサは周りをキョロキョロする。
どこにも人なんて居ないと思ったが、森の奥の方から猛スピードでやってくる反応があった。
数秒後にはエルサの目の前に現れる。
「もー、クロロちゃん! 勝手に私を巻き込まないで下さいわん!」
「ごめんごめん、マリーナが前衛職だからにゃ」
現れたのはゴールデンレトリバーのような耳と尻尾をしている女の子で、少し大人っぽい顔立ちをしている。
そして猫人族の方が《クロロ》というらしく、犬人族の方が《マリーナ》というらしい。
「貴方たちと戦って満足して貰えれば、長に会わせてもらえるってわけだよね?」
「勝てる自信でもあるのかにゃ? 私たちも舐められたものにゃ………森から叩き出してやるにゃ!」
「しょうがないなぁ………私も手伝うわん!」
エルサたちは戦う事になった。
先に動き出したのはマリーナだ。
人間の身体能力では明らかに不可能な速度で、エルサに飛びかかっていくのである。
いつもより良い感じのマリーナを見たクロロは、これで決着が着いたかと肩の力を抜いた。
「良いスピードだけど、まだまだ猪突猛進って感じで荒削りだわ………もう少し頭を使わないとダメよね」
真っ正面にやってくるマリーナに対して、エリサは簡単に動きを読んでいる。
そしてエルサは吹き荒れる風を使ってマリーナを吹き飛ばした。
「つ 強いにゃ!? 侮ってたにゃ………」
「クロロちゃん、どうするんだわん!」
「私が遠距離をやるからマリーナは、そのまま近距離で相手をするにゃ!」
2人はエルサが強いという事を理解して、連係をキチンと取らなければ負けると意思疎通する。
そしてクロロが遠距離をマリーナが近距離を担当するという風に決まった。
「私の恐ろしさを教えてやるにゃ! 私のユニーク・スキルを見ても驚くんじゃ無いにゃ!」
クロロがユニーク・スキルを使うという。
どんな物かと見てみようと思ったら、クララが立っている木が一瞬にして凍った。
そしてエルサの足元まで凍った。
驚いているとマリーナも動き出した。
クロロのユニーク・スキルに驚いて少し意表を突かれそうになるのである。
ヤバいと思ったのだがマリーナは、エルサの手前で踏み込もうとして氷で足を滑らせ転んだ。
「ちょっとクロロっ! 私の足場くらいは凍らせないで欲しいわん!」
「そんなの知らないにゃ! それはそっちで対応してもらえにゃ………」
2人はエルサを目の前にしながらも口論する。
それを見ているエルサは、なんとも言えないという気持ちになって2人に土魔法の〈土の玉》を放つのである。
それを喰らった2人は「あうっ!?」と言って気を失ってしまった。
「せっかく面白いユニーク・スキルとコンビだと思ったんだけどなぁ………まぁまだ若いし、これからかな」
エルサは、まだ2人が若いから未来に期待しようと言って2人の様子を見るのである。
この2人が起きないと獣人の長には会えない。
というよりも、こんな事でエルサの勝ちになるのか。
そこのところが疑問だ。
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