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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子
192:大きな冒険者ギルド
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トゥンシム王国に入国すると、国境に1番近い都市に足を運ぶ。そこには冒険者ギルドがあるというのを、ここまで来るまでの村で聞いたからだ。
この国境に近い都市は《アンシム》という。
ここは冒険者たちが他の国に行く為の中間地点、休憩場所として利用しているみたいだ。
「冒険者ギルドが頼みの綱なんて、何とも不甲斐ないばかりだよなぁ………」
「仕方ないでござるよ。初めて来る国で、それなりに立地を理解している方が怖いでござる」
「まぁそれはそうだけどさぁ」
俺としては冒険者ギルドに頼らざる得ない、この状況がとてもじゃないが悔しい。
そんな俺をルイちゃんは、肩にポンッと手を置いて慰めてくれる。こんなに可愛い子に慰められるなんて、ちょっとウキウキしちゃうじゃないか。
そんな事を思いながら俺たちは、アンシムの中に入ると話を聞く通りに冒険者が多い。そんな冒険者の多くは俺よりも下だと思うと、聞こえが悪いかもしれないが嬉しくなってしまう。
「おいっ!! そこの若いの女を侍らせてるってのは、どういう両分なんだ!!」
「どうせ親が貴族階級のボンボンなんだろ!!」
「アンタら誰だよ? その身なりからして、そんなに階級が高そうに見えないが?」
「なんだと、コラ!!」
何だろうか、こんなに早く問題ごとが起きてしまうなんて想定していなかった。
それにしたって明らかにチンピラが、どうして強者を見極められないのだろうか。まぁそれが分からないからランクなんて低いんだろうけど。
とにかく俺は、こんなところで時間を使っている暇は無いので一言言ってから立ち去ろうとする。しかしチンピラたちは、そんなのを見逃すわけがなく俺の方を掴んで腕を振り上げる。
こんな奴に使うなんて癪ではあるが、サーチを使って力を調べてみる。やはり雑魚中の雑魚で、この拳を喰らっても大したダメージにはならなそうだ。
だがそんな雑魚だろうと、こんなのにパンチを貰ったなんて言ったら、俺の第二の人生に泥を塗ってしまう。そう考えて俺は拳を避けると、チンピラの懐に入って普通の拳でワンツーを腹に入れる。
「ゔっ!? う 嘘だろ………」
「こっちのセリフだわ。そんな弱いパンチで、地面に倒れるなんて嘘だろ………そんなもんで、よく俺に喧嘩を売ってきたもんだな」
「お 覚えてろ!!」
俺のパンチを喰らったチンピラは、前のめりに倒れて涙目になっている。確かに鳩尾を狙ってパンチをしたのだが、そんなに痛がるような威力ではないだろう。
という事は俺が想定していたよりも遥かに弱かったという事で、そんな実力の奴が俺に喧嘩を売ってきたなんて、結果的に俺の株は下がってるのではないだろうか。
「おぉおおお!!!!!」
「凄いぞ、兄ちゃん!!」
「良くやった!!」
「ど どうもどうも………」
こんなチンピラを倒しただけだというのに、アンシムの街の人たちは俺を英雄のように褒めてくれた。あまりにも手応えが無かった事に、そんなに歓声を受けて良いものなのだろうかと思ってしまう。
「あんな弱いのを倒して満足なの………」
「なっ!? そういうわけじゃないよ!!」
「まぁまぁ何でも褒められる事は良い事でござるよ」
俺が街の人たちに手を振っていると、イローナちゃんが小さな声で毒を吐いていた。その毒に、俺はやられて必死に弁明する事になる。そんな俺にトドメを刺すかのように、ルイちゃんがカバーしてくれた。
どうして何もしていないのに、こんなダメージを受けなければいけないのかと思いながら冒険者ギルドがある中央に向かう。それまでに、やはり厳つい冒険者たちが俺の顔を睨んでくるがイローナちゃんの目があるので、ソイツらに喧嘩を得る事はできない。
とてつもなく肩身の狭い思いをしながら、俺たちは冒険者ギルドの前に到着する。冒険者ギルドは、人数に合っている感じの大きく立派な建物だった。
「思ってるよりも大きいところだったね」
「建物もこだわってるみたいね………」
「けっこう雰囲気が、妾好みで良さそうじゃのぉ」
ローズちゃんもイローナちゃんも建物を気に入ったらしく、ボーッと眺めているのである。その姿を見て、俺はイローナちゃんの表情が豊かになったんじゃないかと思って、親心のようにしんみりしてしまっている。
「何を見ているのよ? さっさと中に入りましょ」
「は はい………まだ毒が抜けてないよぉ~」
「これは先が思いやられるでござるな」
「嫌よ嫌よも好きのうちじゃ。勝手にやらせておけば、そのうちに治るわ」
イローナちゃんが入り口に向かったのを、俺は涙目になりながら追いかけて、その姿を見てルイちゃんとローズちゃんが笑ってみている。
冒険者ギルドの中に入ってみると、中は城かと思うくらいのシャンデリアが吊るされていた。そして受付・素材受け取りなど分野によって分かれていて、本当に大きい冒険者ギルドなんだと思った。
俺たちは、どこに行けば正解なのかと思っていると相談窓口があったので、とりあえずは相談窓口に行って話を聞く事にしたのである。
「本日は、どのような要件でしょうか?」
「聞きたい事があるんですけど、この国に有名なスラム街とかってあったりしますか?」
「す スラム街ですか?」
そりゃあスラム街は、どこにありますかなんて聞いたら困るのは当然だ。ほら相談窓口の女性の顔が、完全に俺たちが怪しいんじゃないかと見ている。
「そ その前に冒険者ガードの確認をさせてもらっても大丈夫でしょうか?」
「えぇ問題ないですけど、俺だけが冒険者なんだけど大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。お預かりしますねぇ………えっ!?」
やはり身分証明を求められた。
それは理解できるので、抗う事なく素直に冒険者カードを出して女性に渡した。そして調べる為の水晶にカードを当てると、俺のスキルとランクが表示される。
その表示を見た女性は、俺のランクの高さに驚きの声を出した。確かに俺は16だし、それなりにランクは高いと思ってるので驚くのは当然だ。
「お若く見えますが、ランクがSSランクの下位なんですねぇ………」
「えぇ上手く運が回って来たんで」
女性が俺のランクを声に出すと、周りの冒険者たちが俺たちの顔をジロジロと見てくる事態になった。
まぁそれは理解できるが、こんな風に目立っちゃったら余計な連中に絡まれるかもしれない。そうなったら、さっきみたいに変な風になっちゃう………それだけは避けなければいけないので、聞きたい事だけを端的に聞いて冒険者ギルドを後にしよう。
「それでスラム街の件ですよね?」
「はい。この国に有名なスラム街とかってあったりするんですか?」
「そうですねぇ。それなりに富裕層との格差はあるのでスラム街は多くありますがぁ………その中でも有名といえば、荒くれ者たちの巣窟と呼ばれてる《ヤンリュウマウル》とかじゃないでしょうか」
「ヤンリュウマウル? それって四本刀の奴らが言ってた場所だよな………ありがとうございます!!」
女性はスラム街は多くあるがと前置きをしてから、その中でも有名なのは《ヤンリュウマウル》だという。
それを聞いて俺たちは少し考えてから、ヤンリュウマウルが四本刀の言っていたスラム街だと、俺たち4人は理解したのである。
この国境に近い都市は《アンシム》という。
ここは冒険者たちが他の国に行く為の中間地点、休憩場所として利用しているみたいだ。
「冒険者ギルドが頼みの綱なんて、何とも不甲斐ないばかりだよなぁ………」
「仕方ないでござるよ。初めて来る国で、それなりに立地を理解している方が怖いでござる」
「まぁそれはそうだけどさぁ」
俺としては冒険者ギルドに頼らざる得ない、この状況がとてもじゃないが悔しい。
そんな俺をルイちゃんは、肩にポンッと手を置いて慰めてくれる。こんなに可愛い子に慰められるなんて、ちょっとウキウキしちゃうじゃないか。
そんな事を思いながら俺たちは、アンシムの中に入ると話を聞く通りに冒険者が多い。そんな冒険者の多くは俺よりも下だと思うと、聞こえが悪いかもしれないが嬉しくなってしまう。
「おいっ!! そこの若いの女を侍らせてるってのは、どういう両分なんだ!!」
「どうせ親が貴族階級のボンボンなんだろ!!」
「アンタら誰だよ? その身なりからして、そんなに階級が高そうに見えないが?」
「なんだと、コラ!!」
何だろうか、こんなに早く問題ごとが起きてしまうなんて想定していなかった。
それにしたって明らかにチンピラが、どうして強者を見極められないのだろうか。まぁそれが分からないからランクなんて低いんだろうけど。
とにかく俺は、こんなところで時間を使っている暇は無いので一言言ってから立ち去ろうとする。しかしチンピラたちは、そんなのを見逃すわけがなく俺の方を掴んで腕を振り上げる。
こんな奴に使うなんて癪ではあるが、サーチを使って力を調べてみる。やはり雑魚中の雑魚で、この拳を喰らっても大したダメージにはならなそうだ。
だがそんな雑魚だろうと、こんなのにパンチを貰ったなんて言ったら、俺の第二の人生に泥を塗ってしまう。そう考えて俺は拳を避けると、チンピラの懐に入って普通の拳でワンツーを腹に入れる。
「ゔっ!? う 嘘だろ………」
「こっちのセリフだわ。そんな弱いパンチで、地面に倒れるなんて嘘だろ………そんなもんで、よく俺に喧嘩を売ってきたもんだな」
「お 覚えてろ!!」
俺のパンチを喰らったチンピラは、前のめりに倒れて涙目になっている。確かに鳩尾を狙ってパンチをしたのだが、そんなに痛がるような威力ではないだろう。
という事は俺が想定していたよりも遥かに弱かったという事で、そんな実力の奴が俺に喧嘩を売ってきたなんて、結果的に俺の株は下がってるのではないだろうか。
「おぉおおお!!!!!」
「凄いぞ、兄ちゃん!!」
「良くやった!!」
「ど どうもどうも………」
こんなチンピラを倒しただけだというのに、アンシムの街の人たちは俺を英雄のように褒めてくれた。あまりにも手応えが無かった事に、そんなに歓声を受けて良いものなのだろうかと思ってしまう。
「あんな弱いのを倒して満足なの………」
「なっ!? そういうわけじゃないよ!!」
「まぁまぁ何でも褒められる事は良い事でござるよ」
俺が街の人たちに手を振っていると、イローナちゃんが小さな声で毒を吐いていた。その毒に、俺はやられて必死に弁明する事になる。そんな俺にトドメを刺すかのように、ルイちゃんがカバーしてくれた。
どうして何もしていないのに、こんなダメージを受けなければいけないのかと思いながら冒険者ギルドがある中央に向かう。それまでに、やはり厳つい冒険者たちが俺の顔を睨んでくるがイローナちゃんの目があるので、ソイツらに喧嘩を得る事はできない。
とてつもなく肩身の狭い思いをしながら、俺たちは冒険者ギルドの前に到着する。冒険者ギルドは、人数に合っている感じの大きく立派な建物だった。
「思ってるよりも大きいところだったね」
「建物もこだわってるみたいね………」
「けっこう雰囲気が、妾好みで良さそうじゃのぉ」
ローズちゃんもイローナちゃんも建物を気に入ったらしく、ボーッと眺めているのである。その姿を見て、俺はイローナちゃんの表情が豊かになったんじゃないかと思って、親心のようにしんみりしてしまっている。
「何を見ているのよ? さっさと中に入りましょ」
「は はい………まだ毒が抜けてないよぉ~」
「これは先が思いやられるでござるな」
「嫌よ嫌よも好きのうちじゃ。勝手にやらせておけば、そのうちに治るわ」
イローナちゃんが入り口に向かったのを、俺は涙目になりながら追いかけて、その姿を見てルイちゃんとローズちゃんが笑ってみている。
冒険者ギルドの中に入ってみると、中は城かと思うくらいのシャンデリアが吊るされていた。そして受付・素材受け取りなど分野によって分かれていて、本当に大きい冒険者ギルドなんだと思った。
俺たちは、どこに行けば正解なのかと思っていると相談窓口があったので、とりあえずは相談窓口に行って話を聞く事にしたのである。
「本日は、どのような要件でしょうか?」
「聞きたい事があるんですけど、この国に有名なスラム街とかってあったりしますか?」
「す スラム街ですか?」
そりゃあスラム街は、どこにありますかなんて聞いたら困るのは当然だ。ほら相談窓口の女性の顔が、完全に俺たちが怪しいんじゃないかと見ている。
「そ その前に冒険者ガードの確認をさせてもらっても大丈夫でしょうか?」
「えぇ問題ないですけど、俺だけが冒険者なんだけど大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。お預かりしますねぇ………えっ!?」
やはり身分証明を求められた。
それは理解できるので、抗う事なく素直に冒険者カードを出して女性に渡した。そして調べる為の水晶にカードを当てると、俺のスキルとランクが表示される。
その表示を見た女性は、俺のランクの高さに驚きの声を出した。確かに俺は16だし、それなりにランクは高いと思ってるので驚くのは当然だ。
「お若く見えますが、ランクがSSランクの下位なんですねぇ………」
「えぇ上手く運が回って来たんで」
女性が俺のランクを声に出すと、周りの冒険者たちが俺たちの顔をジロジロと見てくる事態になった。
まぁそれは理解できるが、こんな風に目立っちゃったら余計な連中に絡まれるかもしれない。そうなったら、さっきみたいに変な風になっちゃう………それだけは避けなければいけないので、聞きたい事だけを端的に聞いて冒険者ギルドを後にしよう。
「それでスラム街の件ですよね?」
「はい。この国に有名なスラム街とかってあったりするんですか?」
「そうですねぇ。それなりに富裕層との格差はあるのでスラム街は多くありますがぁ………その中でも有名といえば、荒くれ者たちの巣窟と呼ばれてる《ヤンリュウマウル》とかじゃないでしょうか」
「ヤンリュウマウル? それって四本刀の奴らが言ってた場所だよな………ありがとうございます!!」
女性はスラム街は多くあるがと前置きをしてから、その中でも有名なのは《ヤンリュウマウル》だという。
それを聞いて俺たちは少し考えてから、ヤンリュウマウルが四本刀の言っていたスラム街だと、俺たち4人は理解したのである。
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