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第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子
173:この拳で
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何とか気合いでスマイリーから付けられた切り傷の傷口を塞いで、出血を止めたのである。これで何の心配もなくスマイリーとの第2ラウンドを行なえる。
俺が傷口を炎魔法で焼いて止血した事に、スマイリーは完全に引いてしまっている。まぁ別の人間が俺の前で同じ事をしていたら、俺だって同じくらい引いてしまうのは確実だろう。それでも、これをしなければスマイリーとは、まともに戦う事は不可能だ。
「確かに止血ができたのは大きいみたいだけど、それでも意識が朦朧としてるんじゃないの? 出血の量もそうだし、何よりも痛みで意識があるのも奇跡だろ」
「こんなの奇跡でも何でもない………ただの気合いだ。これが負けられないって気持ちの表れだ!! お前らに理解できるか? お前らは自分の命を守る為なら、他人の人生を容易に狂わせられるんだろ!!」
「好き勝手に言わせておけが、何とも侮辱的な事を言ってくれるじゃないか。言っているだろうが、僕たちには他人の人生を狂わすだけの過去があるんだよ!! それを理解できないのに、僕たちを否定するな!!」
俺がフラフラになりながらも立っているのを見て、スマイリーは立っているのも奇跡だろうと言ってくる。俺からしたら、この状況は奇跡でも何でもなく鍛えられてきた精神で立っている。
そんなスマイリーに対して、他人の人生を狂わすだけの犯罪者である人間だと言った。するとスマイリーは自分たちが、どんな人生を歩んできたのかを知らないくせに、自分たちを否定するなという。どうやらスマイリーたちには、他人の人生を狂わせるだけの理由があるのだと主張してきた。
「他人の人生を狂わせて良いだけの理由だと? そんなの理解しようとしても不可能だな………テメェらは、どこまで行っても独りよがりなんだよ!!」
「なんだと? 僕たちが独りよがりだと………もう話にならないみたいだな。本当に、お前の首を刎ねて神々の御前に並べてやる!!」
「ふんっ。対話を辞めた瞬間に、人間は進歩を止めるんだぞ………もうテメェには、人を語る資格はねぇ」
「調子に乗ってんじゃねぇ!!」
さっきまでは挑発に乗るような人間では無かったが、俺が必要以上に煽り続けた事でスマイリーは、遂に剣を構えて俺に向かって斬りかかるようになった。完全に頭に血が昇っているみたいだ。
俺は痛みと出血によって俊敏な動きはできないが、全身に力を均等に流れさせるように意識する。それだけではなくオーラが、水のように体を流れているという風なイメージを持って構える。
「そのまま後悔しながら死ね!!」
「そう簡単に死ねねぇんだよ!!」
「なにっ!? ゔぉっ………」
俺は最小の動きで、スマイリーの剣を避けると懐に大きな隙を見つける。そして瞬時に俺は、スマイリーの腹に向かって正拳突きを行なった。
その殴った時の感覚が、自分の拳が鉄になったのではないかという感覚だった。そのパンチを喰らった、スマイリーは後ろに飛んでいき地面に倒れる。そしてあまりの痛みから嘔吐して立ち上がれずにいる。
「お前も使えるのかよ………」
「何が使えるって?」
「マーシャルアーツだっ!! お前が、僕の腹を殴ったのはマーシャルアーツの鉄拳だろ!!」
スマイリーは俺の拳を受けて、俺にマーシャルアーツが使えるのかと言ってきた。俺としては無意識に、全身にオーラを巡らせるイメージでパンチをしただけで、マーシャルアーツの鉄拳をしようとは思っていなかった。
しかしそんなに喜んではいられない。スマイリーは怒りが込み上げているので、鉄拳を1回喰らっただけで止まるような人間ではない。なんなら攻撃を受けた事で、スイッチが入っている可能性が高い。
「たまたま出来たくらいで、調子に乗るな!! たかがマーシャルアーツを使える程度で、僕たちに勝ったと思うなよ!!」
やはり想定した通りに、スマイリーは完全にスイッチが入っていた。逆に、このタイミングで冷静になっていたら怖いところがある。
しかしスマイリーが頭に血が昇った時に、思考が淡白になるのか、それとも集中力が上がって強くなるのかという疑問がある。もしも後者であるのならば、これは俺にとっては窮地に追い込まれてしまう。
「そんなに僕に本気を出して欲しいっていうなら、望み通りに本気を出してやる………シャドー・アニマルの真骨頂を見せてやる!!」
――古代の覇者――
「おいおい。こんなところにティラノサウルスなんて出すんじゃねぇよ………っていうか、シャドー・アニマルって、そんなのも出せるのかよ」
負けられないと思ったスマイリーは、シャドー・アニマルを使って巨大な爬虫類であるティラノサウルスを出してきた。こんな狭いところでティラノサウルスを出して欲しくなかったし、そもそもティラノサウルスはアニマルという括りに入れて良いものなのだろうか。
そんな事を思いながらも俺は、拳を構えて向かってくるティラノサウルスに備える。スマイリーは仮面で顔を隠しているが、明らかに満面の笑みだろうという雰囲気が、俺にも伝わってきているのである。
「そんなのを出されたら、こっちも色々と考えなきゃいけないじゃねぇかよ………」
「なっ!? あれだけ格好をつけておいて、どうして逃げるんだよ!!」
俺はティラノサウルスとスマイリーに、背を向けて逃走を始める。これは別に配送しているわけではなく、俺には俺なりの作戦があって動いている。
スマイリーはティラノサウルスを走らせて、逃げていく俺を追いかけていく。しかし俺は全力で逃げているので、それなりに早く追いつけずにいる。そんな俺の後ろ姿を見て、スマイリーは引いている
「(どうして、あんな傷を負ってながら全力で走れるんだ………それにプライドの話をしておきながら、何の躊躇もなく僕たちから逃げるなんて)徹底的に、ボコボコにしなきゃ僕の気がすまないな」
スマイリーは地味に、俺が怪我をしていながらも全力で走っている姿に引いている。とにかく負けられないと思ってスマイリーは、全力でボコボコにしなければ自分の気がすまないと気合いを入れ直す。
そしてもう少しで追いつくというところで、俺は右の角を曲がった。ここで追いついてやると全力で、角を曲がった瞬間に俺が仁王立ちして待ち伏せしていた。
「なっ!?」
「いやぁ~、遅かったじゃないのぉ。どデカいクラッカーを用意して待ってたんだよ!!」
・炎魔法Level1:ファイヤーボール
・風魔法Level2:ストーム
――炎龍の吐息――
完璧に油断していた事によって、俺のドラゴン・ブレスをティラノサウルスが喰らって消えた。スマイリーも炎に驚いて剣を顔の前に出して防ごうとした。その際に熱風から目を守る為に瞬きをしてしまった。
瞬間的に瞬きをしてしまった時、スマイリーは隙を作ってしまったと嫌な予感がした。その予感の通りに、俺はスマイリーの懐に飛び込んでいた。予想通りの突進力に、スマイリーは仮面の中で苦笑いをしてしまう。
俺が傷口を炎魔法で焼いて止血した事に、スマイリーは完全に引いてしまっている。まぁ別の人間が俺の前で同じ事をしていたら、俺だって同じくらい引いてしまうのは確実だろう。それでも、これをしなければスマイリーとは、まともに戦う事は不可能だ。
「確かに止血ができたのは大きいみたいだけど、それでも意識が朦朧としてるんじゃないの? 出血の量もそうだし、何よりも痛みで意識があるのも奇跡だろ」
「こんなの奇跡でも何でもない………ただの気合いだ。これが負けられないって気持ちの表れだ!! お前らに理解できるか? お前らは自分の命を守る為なら、他人の人生を容易に狂わせられるんだろ!!」
「好き勝手に言わせておけが、何とも侮辱的な事を言ってくれるじゃないか。言っているだろうが、僕たちには他人の人生を狂わすだけの過去があるんだよ!! それを理解できないのに、僕たちを否定するな!!」
俺がフラフラになりながらも立っているのを見て、スマイリーは立っているのも奇跡だろうと言ってくる。俺からしたら、この状況は奇跡でも何でもなく鍛えられてきた精神で立っている。
そんなスマイリーに対して、他人の人生を狂わすだけの犯罪者である人間だと言った。するとスマイリーは自分たちが、どんな人生を歩んできたのかを知らないくせに、自分たちを否定するなという。どうやらスマイリーたちには、他人の人生を狂わせるだけの理由があるのだと主張してきた。
「他人の人生を狂わせて良いだけの理由だと? そんなの理解しようとしても不可能だな………テメェらは、どこまで行っても独りよがりなんだよ!!」
「なんだと? 僕たちが独りよがりだと………もう話にならないみたいだな。本当に、お前の首を刎ねて神々の御前に並べてやる!!」
「ふんっ。対話を辞めた瞬間に、人間は進歩を止めるんだぞ………もうテメェには、人を語る資格はねぇ」
「調子に乗ってんじゃねぇ!!」
さっきまでは挑発に乗るような人間では無かったが、俺が必要以上に煽り続けた事でスマイリーは、遂に剣を構えて俺に向かって斬りかかるようになった。完全に頭に血が昇っているみたいだ。
俺は痛みと出血によって俊敏な動きはできないが、全身に力を均等に流れさせるように意識する。それだけではなくオーラが、水のように体を流れているという風なイメージを持って構える。
「そのまま後悔しながら死ね!!」
「そう簡単に死ねねぇんだよ!!」
「なにっ!? ゔぉっ………」
俺は最小の動きで、スマイリーの剣を避けると懐に大きな隙を見つける。そして瞬時に俺は、スマイリーの腹に向かって正拳突きを行なった。
その殴った時の感覚が、自分の拳が鉄になったのではないかという感覚だった。そのパンチを喰らった、スマイリーは後ろに飛んでいき地面に倒れる。そしてあまりの痛みから嘔吐して立ち上がれずにいる。
「お前も使えるのかよ………」
「何が使えるって?」
「マーシャルアーツだっ!! お前が、僕の腹を殴ったのはマーシャルアーツの鉄拳だろ!!」
スマイリーは俺の拳を受けて、俺にマーシャルアーツが使えるのかと言ってきた。俺としては無意識に、全身にオーラを巡らせるイメージでパンチをしただけで、マーシャルアーツの鉄拳をしようとは思っていなかった。
しかしそんなに喜んではいられない。スマイリーは怒りが込み上げているので、鉄拳を1回喰らっただけで止まるような人間ではない。なんなら攻撃を受けた事で、スイッチが入っている可能性が高い。
「たまたま出来たくらいで、調子に乗るな!! たかがマーシャルアーツを使える程度で、僕たちに勝ったと思うなよ!!」
やはり想定した通りに、スマイリーは完全にスイッチが入っていた。逆に、このタイミングで冷静になっていたら怖いところがある。
しかしスマイリーが頭に血が昇った時に、思考が淡白になるのか、それとも集中力が上がって強くなるのかという疑問がある。もしも後者であるのならば、これは俺にとっては窮地に追い込まれてしまう。
「そんなに僕に本気を出して欲しいっていうなら、望み通りに本気を出してやる………シャドー・アニマルの真骨頂を見せてやる!!」
――古代の覇者――
「おいおい。こんなところにティラノサウルスなんて出すんじゃねぇよ………っていうか、シャドー・アニマルって、そんなのも出せるのかよ」
負けられないと思ったスマイリーは、シャドー・アニマルを使って巨大な爬虫類であるティラノサウルスを出してきた。こんな狭いところでティラノサウルスを出して欲しくなかったし、そもそもティラノサウルスはアニマルという括りに入れて良いものなのだろうか。
そんな事を思いながらも俺は、拳を構えて向かってくるティラノサウルスに備える。スマイリーは仮面で顔を隠しているが、明らかに満面の笑みだろうという雰囲気が、俺にも伝わってきているのである。
「そんなのを出されたら、こっちも色々と考えなきゃいけないじゃねぇかよ………」
「なっ!? あれだけ格好をつけておいて、どうして逃げるんだよ!!」
俺はティラノサウルスとスマイリーに、背を向けて逃走を始める。これは別に配送しているわけではなく、俺には俺なりの作戦があって動いている。
スマイリーはティラノサウルスを走らせて、逃げていく俺を追いかけていく。しかし俺は全力で逃げているので、それなりに早く追いつけずにいる。そんな俺の後ろ姿を見て、スマイリーは引いている
「(どうして、あんな傷を負ってながら全力で走れるんだ………それにプライドの話をしておきながら、何の躊躇もなく僕たちから逃げるなんて)徹底的に、ボコボコにしなきゃ僕の気がすまないな」
スマイリーは地味に、俺が怪我をしていながらも全力で走っている姿に引いている。とにかく負けられないと思ってスマイリーは、全力でボコボコにしなければ自分の気がすまないと気合いを入れ直す。
そしてもう少しで追いつくというところで、俺は右の角を曲がった。ここで追いついてやると全力で、角を曲がった瞬間に俺が仁王立ちして待ち伏せしていた。
「なっ!?」
「いやぁ~、遅かったじゃないのぉ。どデカいクラッカーを用意して待ってたんだよ!!」
・炎魔法Level1:ファイヤーボール
・風魔法Level2:ストーム
――炎龍の吐息――
完璧に油断していた事によって、俺のドラゴン・ブレスをティラノサウルスが喰らって消えた。スマイリーも炎に驚いて剣を顔の前に出して防ごうとした。その際に熱風から目を守る為に瞬きをしてしまった。
瞬間的に瞬きをしてしまった時、スマイリーは隙を作ってしまったと嫌な予感がした。その予感の通りに、俺はスマイリーの懐に飛び込んでいた。予想通りの突進力に、スマイリーは仮面の中で苦笑いをしてしまう。
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