113 / 201
第3章・残念なドラゴンニュートの女の子
110:ババアなんかじゃない
しおりを挟む
俺がオリヴァーの後を追えたのは、エッタさんたちが共和傭兵団の3つの隊を足止めしてくれているからだ。もちろんエッタさんとイローナちゃんだけではなく、フローレンの冒険者チームも足止めに力を貸してくれている。
「あのガキは死ぬよなぁ? オリヴァー様との一騎打ちを望むなんて、頭のイかれた野郎だ!!」
「ミナト様を馬鹿にしましたね? ミナト様に変わって、私が馬鹿な人間たちに鉄槌を下します!!」
「エッタさん、男らしい………私も手伝う」
俺の事を頭のおかしい奴だと第1師団長の《カルロ=デ=プレスティア》は小馬鹿にしていた。そんなレベルの低い悪口なら俺が、その場にいても怒りはしないだろうが、エッタさんが完全にプチンッと来たみたいだ。エッタさんと、カルロの対戦が決まるとイローナちゃんも参戦した。
その少し左側ではフローレンたちの前に、力を警戒して第2師団と第3師団の2つが現れた。完全に数の力で十二聖王のフローレンたちを押さえ込もうとしている。フローレンは他の冒険者たちとは異なり、攻撃の魔法を対して持っておらず、回復魔法で十二聖王まで上り詰めている。
「コイツは戦闘になったら、ほとんど役に立たないみたいだぞ」
「手柄を挙げた人間には、報償金を渡してやるぞ!! その代わり身包み剥がした後は俺たちがもらうぞ!!」
高らかにフローレンの事を貶しているのは、第1師団長《アンドレア=フォリエ》と第2師団長《ジーノ=ロッカ》である。
そんな事を間近で聞いている仲間のアラグは、完全に堪忍袋の尾が切れて怒号を上げる。
「黙って聞いてればよぉ!! うちのヒーラーの事を、自由に言いやがって………タダで済むと思うなよ?」
アラグは完全にブチギレて剣を抜くと、フローレンの事を悪く言ったアンドレアとジーノに向かって走り出す。それに続くようにカールハインとモニカも走り出した。
それを横目でいていたエッタさんたちも、こっちで戦闘を始める為に前衛をイローナちゃんに任せる。
カルロは前世でいうところの角刈りに、男っぽく角張った顔をしているガタイの良い男だ。イローナちゃんがカルロに向かって走り出した瞬間に、女だからと舐めずファイティングポーズを取るのである。
「おいおい。そんなに張り切るなよ、最初から飛ばしてると直ぐに息が上がっちゃうぞ?」
「直ぐに終わらせれば息は上がらない………」
イローナちゃんのパンチを、カルロは真っ向から受け止めると中々に強気な発言をする。しかしイローナちゃんは、直ぐに決着をつけると言って地面に倒れ込む。
するとカルロとエッタさんの線上に、何も障壁が無くなってカルロはハッとした顔をする。それはイローナちゃんが意識を集めているうちに、エッタさんが魔法を発動させる準備をしていたからである。
「貴方と、そんなに遊ぶ気は無いわ」
・風魔法Level4《台風の訪れ》
「嘘だろ……ゔっ!!」
エッタさんはハリケーンのような強い風を、矢のようにしてカルロに向かって放った。目の前がクリアになった瞬間に、エッタさんが風魔法を放っているのを見たら絶望だろうな。
それを全身にマシンガンを受けたかのように、ドドドドッとカルロの体が左右に揺れて吹き飛びながら地面に倒れる。明らかに即死してもおかしくはない威力だ。俺が受けたと考えたら、ゾッとするような攻撃だった。
「やっぱり直ぐに決着がつきましたね。ミナト様の悪口を言うから、こんな事になるんですよ」
「エッタさん。怖いよ………」
「痛いなチキショーっ!! 俺じゃなかったら、全身に穴ポコ空いて死んじまうところだったわぁ」
完全にエッタさんとイローナちゃんは勝利を確信したが、ムクッとカルロは上半身を上げて生き返った。カルロの体には無数の火傷の跡があったが、魔法の威力ほどの傷になっていない。
どうなっているのかと疑問が浮かびながら、カルロが立ち上がるのを見ている。カルロはボロボロになった上着を脱いで、首をコキコキッと左右に骨を鳴らす。
「たくっ、マッサージにしては四肢がもげるかと思った。確かに俺じゃなかったら瞬殺だったろうな」
「どういう原理で立ってられるんだろう………」
「原理は分からないけど、これは厄介そうよ………」
「原理は簡単さ。綱体とオリジナルスキルの合わせ技だ」
思ったよりも元気そうなカルロは、鼻高々に綱体とオリジナルスキルの合わせ技だと説明する。このカルロのオリジナルスキルとは《鉄の体》という、体を鉄に変化させる能力である。
「自由に俺の体を、撃ち抜こうとしてくれたんだ。今度は、こっちの番って事で良いよな」
「こっちに来るみたい………」
「イローナちゃん、距離を取って!!」
カルロは全身を鉄に変えると、地面が抉れるくらいに強く踏み込むと、一瞬にしてイローナちゃんの目の前に現れた。そして円滑にガードしているイローナちゃんを殴り飛ばした。
エッタさんの真横を凄まじい勢いで、イローナちゃんが飛んでいき、少しイローナちゃんを目で追った瞬間、背後から嫌な予感がして振り返る。するとエッタさんもイローナちゃん同様に、カルロの拳をもらって吹っ飛んでいく。
「どうだい? 俺の拳は、そこそこに効くって話なんだけど?」
吹き飛んでいったエッタさんたちは、王都の建物に突っ込んでいき建物が半壊した。その被害を受けて王都の市民たちは、悲鳴を上げながら避難するのである。
瓦礫を退かしてエッタさんたちは、地上に出ると自分のパンチは効くだろうと自慢げな顔をしている。それにムカついて、エッタさんは風で瓦礫を浮かせて、カルロに向けて投げつけた。
「おっと、気の強い女は嫌いじゃないが………俺は、残念ながら歳が離れ過ぎているのは好みじゃないんだよ」
「エッタさんを、おばさん扱いするな」
・雷魔法Level4《雷獣の鉤爪》
「うぉっと!? 雷魔法なんて使えるのか………これは珍しい人材だな。俺の目で雷魔法使いを見たのは初めてだ」
エッタさんがエルフで歳が3桁なところを、カルロはババアだと指摘してきた。そんなのを聞いて、その場に俺がいたならばゴメンと言っても殴りつけるくらいの事はするだろう。
その代わりにイローナちゃんが、雷魔法で腕に雷の鉤爪を作ってカルロに襲いかかる。普通の人間ならば受け止めるだけで、感電と共に腕が落とされるところだ。しかしイローナちゃんの鉤爪を、カルロは腕を鉄に変えて受け止めた。
意外と武闘派のイローナちゃんの攻撃を受け止められるのは、冒険者や傭兵団の中でも多くはないだろう。その中でカルロは、余裕でイローナちゃんよりも遥かな戦闘経験があり、圧倒する予想が簡単にできてしまう。
「エッタさんは、全然若くて可愛い………」
「そうだねぇ。確かに見た目は、俺の性癖にドストライクなのは変わりないだろうな」
「それなら黙って、私たちにやられれば良い………そうすれば気持ちよくねんねする事ができる」
「それは名案だなぁ。でも、俺は女との駆け引きには、自分から手を出したい生き物なんでね」
イローナちゃんはカルロに、エッタさんへの失礼な発言を撤回するように迫っている。距離を取りたいところだが、後ろに飛んだ隙に距離を潰されるのが怖く距離を空けられない。
「あのガキは死ぬよなぁ? オリヴァー様との一騎打ちを望むなんて、頭のイかれた野郎だ!!」
「ミナト様を馬鹿にしましたね? ミナト様に変わって、私が馬鹿な人間たちに鉄槌を下します!!」
「エッタさん、男らしい………私も手伝う」
俺の事を頭のおかしい奴だと第1師団長の《カルロ=デ=プレスティア》は小馬鹿にしていた。そんなレベルの低い悪口なら俺が、その場にいても怒りはしないだろうが、エッタさんが完全にプチンッと来たみたいだ。エッタさんと、カルロの対戦が決まるとイローナちゃんも参戦した。
その少し左側ではフローレンたちの前に、力を警戒して第2師団と第3師団の2つが現れた。完全に数の力で十二聖王のフローレンたちを押さえ込もうとしている。フローレンは他の冒険者たちとは異なり、攻撃の魔法を対して持っておらず、回復魔法で十二聖王まで上り詰めている。
「コイツは戦闘になったら、ほとんど役に立たないみたいだぞ」
「手柄を挙げた人間には、報償金を渡してやるぞ!! その代わり身包み剥がした後は俺たちがもらうぞ!!」
高らかにフローレンの事を貶しているのは、第1師団長《アンドレア=フォリエ》と第2師団長《ジーノ=ロッカ》である。
そんな事を間近で聞いている仲間のアラグは、完全に堪忍袋の尾が切れて怒号を上げる。
「黙って聞いてればよぉ!! うちのヒーラーの事を、自由に言いやがって………タダで済むと思うなよ?」
アラグは完全にブチギレて剣を抜くと、フローレンの事を悪く言ったアンドレアとジーノに向かって走り出す。それに続くようにカールハインとモニカも走り出した。
それを横目でいていたエッタさんたちも、こっちで戦闘を始める為に前衛をイローナちゃんに任せる。
カルロは前世でいうところの角刈りに、男っぽく角張った顔をしているガタイの良い男だ。イローナちゃんがカルロに向かって走り出した瞬間に、女だからと舐めずファイティングポーズを取るのである。
「おいおい。そんなに張り切るなよ、最初から飛ばしてると直ぐに息が上がっちゃうぞ?」
「直ぐに終わらせれば息は上がらない………」
イローナちゃんのパンチを、カルロは真っ向から受け止めると中々に強気な発言をする。しかしイローナちゃんは、直ぐに決着をつけると言って地面に倒れ込む。
するとカルロとエッタさんの線上に、何も障壁が無くなってカルロはハッとした顔をする。それはイローナちゃんが意識を集めているうちに、エッタさんが魔法を発動させる準備をしていたからである。
「貴方と、そんなに遊ぶ気は無いわ」
・風魔法Level4《台風の訪れ》
「嘘だろ……ゔっ!!」
エッタさんはハリケーンのような強い風を、矢のようにしてカルロに向かって放った。目の前がクリアになった瞬間に、エッタさんが風魔法を放っているのを見たら絶望だろうな。
それを全身にマシンガンを受けたかのように、ドドドドッとカルロの体が左右に揺れて吹き飛びながら地面に倒れる。明らかに即死してもおかしくはない威力だ。俺が受けたと考えたら、ゾッとするような攻撃だった。
「やっぱり直ぐに決着がつきましたね。ミナト様の悪口を言うから、こんな事になるんですよ」
「エッタさん。怖いよ………」
「痛いなチキショーっ!! 俺じゃなかったら、全身に穴ポコ空いて死んじまうところだったわぁ」
完全にエッタさんとイローナちゃんは勝利を確信したが、ムクッとカルロは上半身を上げて生き返った。カルロの体には無数の火傷の跡があったが、魔法の威力ほどの傷になっていない。
どうなっているのかと疑問が浮かびながら、カルロが立ち上がるのを見ている。カルロはボロボロになった上着を脱いで、首をコキコキッと左右に骨を鳴らす。
「たくっ、マッサージにしては四肢がもげるかと思った。確かに俺じゃなかったら瞬殺だったろうな」
「どういう原理で立ってられるんだろう………」
「原理は分からないけど、これは厄介そうよ………」
「原理は簡単さ。綱体とオリジナルスキルの合わせ技だ」
思ったよりも元気そうなカルロは、鼻高々に綱体とオリジナルスキルの合わせ技だと説明する。このカルロのオリジナルスキルとは《鉄の体》という、体を鉄に変化させる能力である。
「自由に俺の体を、撃ち抜こうとしてくれたんだ。今度は、こっちの番って事で良いよな」
「こっちに来るみたい………」
「イローナちゃん、距離を取って!!」
カルロは全身を鉄に変えると、地面が抉れるくらいに強く踏み込むと、一瞬にしてイローナちゃんの目の前に現れた。そして円滑にガードしているイローナちゃんを殴り飛ばした。
エッタさんの真横を凄まじい勢いで、イローナちゃんが飛んでいき、少しイローナちゃんを目で追った瞬間、背後から嫌な予感がして振り返る。するとエッタさんもイローナちゃん同様に、カルロの拳をもらって吹っ飛んでいく。
「どうだい? 俺の拳は、そこそこに効くって話なんだけど?」
吹き飛んでいったエッタさんたちは、王都の建物に突っ込んでいき建物が半壊した。その被害を受けて王都の市民たちは、悲鳴を上げながら避難するのである。
瓦礫を退かしてエッタさんたちは、地上に出ると自分のパンチは効くだろうと自慢げな顔をしている。それにムカついて、エッタさんは風で瓦礫を浮かせて、カルロに向けて投げつけた。
「おっと、気の強い女は嫌いじゃないが………俺は、残念ながら歳が離れ過ぎているのは好みじゃないんだよ」
「エッタさんを、おばさん扱いするな」
・雷魔法Level4《雷獣の鉤爪》
「うぉっと!? 雷魔法なんて使えるのか………これは珍しい人材だな。俺の目で雷魔法使いを見たのは初めてだ」
エッタさんがエルフで歳が3桁なところを、カルロはババアだと指摘してきた。そんなのを聞いて、その場に俺がいたならばゴメンと言っても殴りつけるくらいの事はするだろう。
その代わりにイローナちゃんが、雷魔法で腕に雷の鉤爪を作ってカルロに襲いかかる。普通の人間ならば受け止めるだけで、感電と共に腕が落とされるところだ。しかしイローナちゃんの鉤爪を、カルロは腕を鉄に変えて受け止めた。
意外と武闘派のイローナちゃんの攻撃を受け止められるのは、冒険者や傭兵団の中でも多くはないだろう。その中でカルロは、余裕でイローナちゃんよりも遥かな戦闘経験があり、圧倒する予想が簡単にできてしまう。
「エッタさんは、全然若くて可愛い………」
「そうだねぇ。確かに見た目は、俺の性癖にドストライクなのは変わりないだろうな」
「それなら黙って、私たちにやられれば良い………そうすれば気持ちよくねんねする事ができる」
「それは名案だなぁ。でも、俺は女との駆け引きには、自分から手を出したい生き物なんでね」
イローナちゃんはカルロに、エッタさんへの失礼な発言を撤回するように迫っている。距離を取りたいところだが、後ろに飛んだ隙に距離を潰されるのが怖く距離を空けられない。
0
お気に入りに追加
206
あなたにおすすめの小説
チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~
てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。
そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。
転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。
そんな冴えない主人公のお話。
-お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
魔力吸収体質が厄介すぎて追放されたけど、創造スキルに進化したので、もふもふライフを送ることにしました
うみ
ファンタジー
魔力吸収能力を持つリヒトは、魔力が枯渇して「魔法が使えなくなる」という理由で街はずれでひっそりと暮らしていた。
そんな折、どす黒い魔力である魔素溢れる魔境が拡大してきていたため、領主から魔境へ向かえと追い出されてしまう。
魔境の入り口に差し掛かった時、全ての魔素が主人公に向けて流れ込み、魔力吸収能力がオーバーフローし覚醒する。
その結果、リヒトは有り余る魔力を使って妄想を形にする力「創造スキル」を手に入れたのだった。
魔素の無くなった魔境は元の大自然に戻り、街に戻れない彼はここでノンビリ生きていく決意をする。
手に入れた力で高さ333メートルもある建物を作りご満悦の彼の元へ、邪神と名乗る白猫にのった小動物や、獣人の少女が訪れ、更には豊富な食糧を嗅ぎつけたゴブリンの大軍が迫って来て……。
いつしかリヒトは魔物たちから魔王と呼ばるようになる。それに伴い、333メートルの建物は魔王城として畏怖されるようになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる