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アマラ深界(最下層・悪魔の誕生)
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大天使メタトロンを倒した先にある
梯子を降りて、B6Fに到着。
このフロアは、シンジュク衛生病院から
入り込んでしまった、謎の場所だ。
実に懐かしい。
但し、あの時にいた闇医者はいないし、
敵悪魔も出現しない。
道だけが同じという感じだ。
奥のT字路を右側に進んだ先の
行き止まりには思念体がいる。
思念体
「…お待ちしておりました。
あの御方の命により、
あなたがここに訪れる日を…
世界の定めにない存在、ゆえに
あらゆる可能性を秘めたあなたを…
あの御方の目論む
神との戦いが始まるのか…
それとも、何も起こらず
ただ歴史は繰り返すのか…
…あなたの心に問うてみましょう。
かまいませんか?」
隼人
「はい。」
思念体
「では…お尋ねします。
生きとし生ける者みな、
いずれ死すのが世の定め…
運命という見えない糸に操られ…
人は悲しく死に逝きます。
あなたはそれを、どう思いますか?
己の大切な人を、事故や事件といった
偶然で亡くしたとしたら…
あなたは神を恨みませんか?
…
何も答える必要はありません。
ただ、運命の理不尽さを感じるなら…
あの御方に会いに行きなさい。
そう…その時、止まった時が
動き出すのです。
最終決戦に向けて…」
戻り、車椅子の老人と喪服の淑女に
出会った場所へ向かうと、
深層へのリフトがあった。
隼人がリフトに乗ると、
ゆっくりと深層へ降りていった。
そして着いた場所は、各カルパの
覗き穴から見ていたあの舞台。
その真正面に降り立った。
緞帳が上がり、車椅子の老人と
喪服の淑女が姿を見せる。
喪服の淑女
「よくここまで辿り着きましたね。
…永劫のアマラの流れを超え
待ち続けた甲斐がありました。
全てのメノラーを配し、
最強の光の刺客すら退けたあなたは…
まさに我らが待ち望んだ悪魔です。」
他の幾多ある覗き窓から、
盛大な歓声が上がった。
その歓声を聞き届けると
車椅子の老人が片手を上げ、
それを静かに止める。
喪服の淑女
「聞こえましたか、隼人?
全ての悪魔たちが、
新たな悪魔の誕生を祝っています。
あなたこそが、長い連鎖を打ち破り、
暗黒の天使と共に大いなる存在をも
打ち破ってくれるだろう、と期待して…
もはや引き返すことはできません…
光より堕ちた我らと、光を支配する者たち…
その相容れぬ両者の最終決戦が、
間もなく始まろうとしています。
あなたは、その戦いが始まる前に
地上に戻りなさい。
そして、創世を目論む人間たちや、
創世の源たるカグツチを討ち、
その身にさらなる力を宿すのです。
静寂なる世界を望みし者…
それに力を貸すは、虚無の魔王アーリマン。
力による淘汰を望みし娘…
身に降りたるは、魔神バアル・アバター。
孤独を好み、己の殻に隠れた少年…
流れ着きし力は、さ迷える古の邪神ノア。
そして、創世とボルテクス界を
見守りつづける光、カグツチ…
それらの敵を討ち果たした時、
私たちは全ての悪魔と共に
あなたを迎え入れましょう。
この先のあなたの戦いの手助けになるよう、
我が主が力の一部を、あなたに与えようと
おっしゃっておられます。
これで、あなたが初めに与えられた
マガタマの最後の力が解放されましょう。
…かつて人の衣を脱ぎ捨て悪魔となり、
今、全ての死を乗り越えここに来た魔人よ。
あの御方の力によって悪魔の力を得…
今我が主の手によって
その心も悪魔へと生まれ変わるのです。
混沌の新たな悪魔…
終の決戦の始まりを告げる者として!」
車椅子の老人が隼人を指さすと、
隼人に電気のような衝撃が走り、
それが体をまとっていた。
一瞬、隼人の両目が赤く光る。
喪服の淑女
「さぁ、行きなさい、
我らの希望となる新たな悪魔よ…」
隼人が乗っていた台座が、
ゆっくりと沈んでいく。
それを見届けていた車椅子の老人は、
口元に軽く笑みを浮かべていた…
そして着いた先は、病院の一室。
声
「…
…行け…
…カグツチの…所へ…
…見せよ…始まりを…」
声は聞こえなくなった。
ちょっと待て。
創世を目論む者たちとカグツチは、
神と悪魔の戦いの前に邪魔だから
全部討ってこいと、喪服の淑女に
丸投げされただけに思えるのは、
果たして気のせいだろうか?
(新しい悪魔が誕生したって祝ってたけど、
その実態は、喪服の淑女の
使いパシリ1号になっただけなんじゃ?)
あと、ウェイティングじじいの存在とか、
なんで飲んだくれのロキが明星のカギ
なんて貴重な物を持っていたのかとか、
聞きたい事は山ほどあったのに、
こちらから質問する間も無く、
ボルテクス界に強制退去させられた気分。
(今後、覗き穴のイベントは発生しなくなる
ので、まんまと逃げられた感じ…だよね。)
オートマップで場所を確認してみる。
するとここは、金髪の少年と喪服の老婆が
隼人にマガタマを与えた部屋だった。
部屋を出た先には思念体。
思念体
「そういえばアンタ、
この先の病室で生まれたっけなあ。
…2度目の誕生だな。」
まるで、全てを知っているかのような
口振りだ。
とりあえず落ち着いたので、
ターミナルでセーブ。
アマラ深界の残りの探索は後回し。
次はユウラクチョウ坑道に入り、
氷川のいる国会議事堂を目指す。
梯子を降りて、B6Fに到着。
このフロアは、シンジュク衛生病院から
入り込んでしまった、謎の場所だ。
実に懐かしい。
但し、あの時にいた闇医者はいないし、
敵悪魔も出現しない。
道だけが同じという感じだ。
奥のT字路を右側に進んだ先の
行き止まりには思念体がいる。
思念体
「…お待ちしておりました。
あの御方の命により、
あなたがここに訪れる日を…
世界の定めにない存在、ゆえに
あらゆる可能性を秘めたあなたを…
あの御方の目論む
神との戦いが始まるのか…
それとも、何も起こらず
ただ歴史は繰り返すのか…
…あなたの心に問うてみましょう。
かまいませんか?」
隼人
「はい。」
思念体
「では…お尋ねします。
生きとし生ける者みな、
いずれ死すのが世の定め…
運命という見えない糸に操られ…
人は悲しく死に逝きます。
あなたはそれを、どう思いますか?
己の大切な人を、事故や事件といった
偶然で亡くしたとしたら…
あなたは神を恨みませんか?
…
何も答える必要はありません。
ただ、運命の理不尽さを感じるなら…
あの御方に会いに行きなさい。
そう…その時、止まった時が
動き出すのです。
最終決戦に向けて…」
戻り、車椅子の老人と喪服の淑女に
出会った場所へ向かうと、
深層へのリフトがあった。
隼人がリフトに乗ると、
ゆっくりと深層へ降りていった。
そして着いた場所は、各カルパの
覗き穴から見ていたあの舞台。
その真正面に降り立った。
緞帳が上がり、車椅子の老人と
喪服の淑女が姿を見せる。
喪服の淑女
「よくここまで辿り着きましたね。
…永劫のアマラの流れを超え
待ち続けた甲斐がありました。
全てのメノラーを配し、
最強の光の刺客すら退けたあなたは…
まさに我らが待ち望んだ悪魔です。」
他の幾多ある覗き窓から、
盛大な歓声が上がった。
その歓声を聞き届けると
車椅子の老人が片手を上げ、
それを静かに止める。
喪服の淑女
「聞こえましたか、隼人?
全ての悪魔たちが、
新たな悪魔の誕生を祝っています。
あなたこそが、長い連鎖を打ち破り、
暗黒の天使と共に大いなる存在をも
打ち破ってくれるだろう、と期待して…
もはや引き返すことはできません…
光より堕ちた我らと、光を支配する者たち…
その相容れぬ両者の最終決戦が、
間もなく始まろうとしています。
あなたは、その戦いが始まる前に
地上に戻りなさい。
そして、創世を目論む人間たちや、
創世の源たるカグツチを討ち、
その身にさらなる力を宿すのです。
静寂なる世界を望みし者…
それに力を貸すは、虚無の魔王アーリマン。
力による淘汰を望みし娘…
身に降りたるは、魔神バアル・アバター。
孤独を好み、己の殻に隠れた少年…
流れ着きし力は、さ迷える古の邪神ノア。
そして、創世とボルテクス界を
見守りつづける光、カグツチ…
それらの敵を討ち果たした時、
私たちは全ての悪魔と共に
あなたを迎え入れましょう。
この先のあなたの戦いの手助けになるよう、
我が主が力の一部を、あなたに与えようと
おっしゃっておられます。
これで、あなたが初めに与えられた
マガタマの最後の力が解放されましょう。
…かつて人の衣を脱ぎ捨て悪魔となり、
今、全ての死を乗り越えここに来た魔人よ。
あの御方の力によって悪魔の力を得…
今我が主の手によって
その心も悪魔へと生まれ変わるのです。
混沌の新たな悪魔…
終の決戦の始まりを告げる者として!」
車椅子の老人が隼人を指さすと、
隼人に電気のような衝撃が走り、
それが体をまとっていた。
一瞬、隼人の両目が赤く光る。
喪服の淑女
「さぁ、行きなさい、
我らの希望となる新たな悪魔よ…」
隼人が乗っていた台座が、
ゆっくりと沈んでいく。
それを見届けていた車椅子の老人は、
口元に軽く笑みを浮かべていた…
そして着いた先は、病院の一室。
声
「…
…行け…
…カグツチの…所へ…
…見せよ…始まりを…」
声は聞こえなくなった。
ちょっと待て。
創世を目論む者たちとカグツチは、
神と悪魔の戦いの前に邪魔だから
全部討ってこいと、喪服の淑女に
丸投げされただけに思えるのは、
果たして気のせいだろうか?
(新しい悪魔が誕生したって祝ってたけど、
その実態は、喪服の淑女の
使いパシリ1号になっただけなんじゃ?)
あと、ウェイティングじじいの存在とか、
なんで飲んだくれのロキが明星のカギ
なんて貴重な物を持っていたのかとか、
聞きたい事は山ほどあったのに、
こちらから質問する間も無く、
ボルテクス界に強制退去させられた気分。
(今後、覗き穴のイベントは発生しなくなる
ので、まんまと逃げられた感じ…だよね。)
オートマップで場所を確認してみる。
するとここは、金髪の少年と喪服の老婆が
隼人にマガタマを与えた部屋だった。
部屋を出た先には思念体。
思念体
「そういえばアンタ、
この先の病室で生まれたっけなあ。
…2度目の誕生だな。」
まるで、全てを知っているかのような
口振りだ。
とりあえず落ち着いたので、
ターミナルでセーブ。
アマラ深界の残りの探索は後回し。
次はユウラクチョウ坑道に入り、
氷川のいる国会議事堂を目指す。
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