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第2章 王都編 ②新たな出会い

ロンダール南東地区

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 時刻午前7時。

「おはようございます!」
 リールとユリカの部屋の前に犬の獣人ミウロがやってきた。

「おはよう。ミウロ、早いな。」
 リールが部屋のドアを開けてミウロを部屋に入れる。

「はい。強化魔法の練習を昨日したので、今日は力を試してみたいです!」
 ミウロは気合いを入れて言う。

「1日だけだとあんまり変わらないぞ。まず今日は、冒険者登録に行くか。」
 ミウロは冒険者ギルドに登録していない。今後冒険者として活動するなら、早くに登録しても問題ない。

「良いんですか!」
 ミウロは尻尾を動かしながら、喜んでいる。

「良いも、悪いも登録はミウロ次第だからな。登録したいなら、好きにすればいいさ。登録したら、仕事には全力で取り組まないといけないがな。」
 リールは、仕事には責任が付いている事を教える。


「はい!全力で頑張ります!」

「いくら全力でも、弱いと話にならないからな。」
 リールは、ミウロの力は今の段階では、厳しいと思っている。

「はい。これから成長していきます。」

「そうか。まず朝食を食べに行くか」

 リールとユリカは、子供達と合流しホテル内で朝食を済ませる。
 子供達は、以前よりも大人しくなり、行儀良くしようとしている。シュナが子供達の教育に力を入れているのだ。
 大人しくも、楽しそうに食事をしている。


 時刻午前8時30分。

 子供達は部屋に戻って行った。
 リールとユリカとミウロは、ミランダレ商会へ向かって歩いて行く。以前倒したビックベアーを売りに行くのだ。


「いらっしゃいませ。リール様。今日はどのような用事でしょうか?」
 店の従業員を下がらせて、笑顔で店長のヨキムがやってきた。


「依頼ではないが、ビックベアーの肉を買い取って欲しいが、お願いできますか?」
 リールは、ミランダレ商会が冒険者ギルドにタ出している依頼を受けないで、直接売りに来ている。


「ありがとうございます!喜んで買い取りいたします。こちらにどうぞ」
 ヨキムが解体場まで案内する。
 リール達もついて行く。


「お!リールじゃないか!朝から来たのか!」
 店の奥にいた、ミランダが元気良く話掛けてくる。

「おはようございます。またビックベアーの買い取りをお願いたところです。」


「そうか。店長!サンクを呼んで来てくれ!私がリールの相手をする!」

「分かりました」
 店長ヨキムはとぼとぼと歩き、副店長サンクを呼びに行く。ヨキムもリール達ともっと親密な関係を築きたいのだ。


「毎回ギルドの依頼を受けないでありがとうな!討伐料金が節約出来るから得だな。」
 ミランダは笑顔で言う。
 依頼報酬には、討伐料金と、素材買い取り料金がある。
 リールは信用されているから直接買い取り出来るが、普通の冒険者は依頼じゃないと、買い取り出来ない。正直、冒険者の依頼よりも、リールの買い取りはかなり高く買い取っている。普通の冒険者は、肉がズタズタに裂かれていたり、魔法で傷が付いていて、食用にするには難しい。リールの仕留める技術が高いため、買い取り金額が高いのだ。


「今回は、ミウロの修行の為に行ったので、数は多くありません。魔石は取ってしまいましたけど。」


「それでもビックベアーの肉は、高い肉だぞ!一般の家庭のたまの贅沢なご馳走だからな!」

「そうですね。王都に来て感覚がおかしくなってきました。」

「それが正当な評価だからな。リールはそれが普通になるだろうさ。」
 ミランダは嬉しそうに話す。

「よし!着いたぞ!」
 作業場に着いた。サンクが後からやってきて挨拶を済ませる。

 リール達は作業場へビックベアー12匹、ウィンドウルフ4匹の肉を買い取ってもらう。

 合計銀貨3846枚になった。
 リールは小金貨3枚、大銀貨8枚、中銀貨4枚、小銀貨6枚を受けとる。


「ありがとうございます。」
 リール達はミランダへお礼を言う。

「こちらこそありがとうな!ミウロ!今度はもっと綺麗に倒せる様になれよ。」
 ミウロが倒したビックベアーは、背中が斬られてズタズタになっている。ユリカは頭に矢を放つだけで仕留めている。リールは凍らせて、外傷なく倒している。

「はい!リールさん達みたいに一撃で倒せる様になります!」
 ミウロが元気よく宣言する。

「そうか!頑張れよ!後は何かあるのか?」
 ミランダが聞く。

「そろそろ時間になるので、一緒にロンダール南東地区へ向かいましょう」
 サンクが提案する。今日は店や家の配置を考えるのだ。


「私も今日は行くぞ!良いよな?」
 ミランダが聞く。

「はい。大丈夫ですよ。ぜひ意見が欲しいですね。」
 リールは答える。


「では行きますか。」
 サンクは従業員10人を連れてくる。
 リール達はロンダール南東地区へ向かって歩いて行く。


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