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第2章 王都編 ②新たな出会い

あの店に行く前日

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 時刻午後4時40分。

 ビックベアーとウィンドウルフを倒して、リール達3人は王都に戻ってきた。

「肉の買い取りは後で良いか。ホテルに戻って晩ご飯食べるか」
 リール達はホテルに帰る途中で、本や紙やペンを買って帰る。

 子供達の部屋に行くと子供達が、遊んでいる。

「シュナ変わりなかったか?」
 ミウロが聞く。

「うん。変わりなかったよ。紙にお絵かきして遊んでいたし。」
 シュナが紙を見せる。
 子供達が書いたリールやユリカ、ミウロ、シュナ、子供達の似顔絵が愛らしく書かれている。
  
「うん。こんな生活が良いな。」
 リールはしみじみと考えている。

「そうか。晩ご飯食べたか?」
 ミウロが聞く。

「いや。まだよ。」

「よし!ホテルの食堂に行くぞ!」
 リールは子供達に向かって話かける。

「うんー!」
「いくー!」
「何たべるの?」
 子供達がリールの回りに集まってくる。

「好きなの食べよう!好き嫌いしないで食べるんだぞ!」

「「おー」」
 リール達は部屋を出て食堂へ向かう。


「あ!リールさん!」

 ホテルを歩いていると、ホワイトペガサスの4人がいた。

「ああ、ケイン達か。ご飯食べたか?」
 リールはケインに聞く。

「いえまだですけど。」

「あの話がある。時間あるか?」

「あの話ですか。今夜行くんですか?」
 ケインは笑顔で聞く。

「そうだ。時間あるか?」

「もちろんです。時間ありますよ。」

「なら一緒にご飯食べよう。」
 ホワイトペガサスの4人も一緒に食堂に向かう。


 食堂に着き、食事を注文してテーブルに料理が並んでいく。
 リール、ユリカ、子供達8人、ホワイトペガサス4人の大所帯だ。
 個室を用意してもらっている。

 子供達は、ミウロとシュナが面倒を見ながら楽しそうに食べている。


「ケイン。7時頃に行くからな。」
 リールはケインに言う。

「分かりました。ジュウドはどうする?」
 ケインはジュウドに聞く。

「俺も行こうかな。気になるからな。」
 ジュウドは悩みながら答える。

「へぇ。珍しいな、女の子に興味があるのか?」
 ケインはからかう様に話す。

「いや、リールさんの行動に興味があるだけだ。女の子に興味がない訳ではないがな。」
 ジュウドは慌てながら話す。

「ジュウドは真面目だからモテるからなぁ。結婚願望あるのか?」

「もちろんあるが、冒険者だから安全な仕事ではないから不安だな。もしもの事があったら申し訳ないと思うからな。」

 もしも亡くなってしまうと妻や子供を残してしまう。生活の事を考えると、安全な仕事が良いのだろう。


「冒険者関係なく、死ぬ時は死ぬんだから気にしなくても良いだろ?好きになってくれる人が居るって言うのはうらやましいな。」
 ケインは女性人気があまりない。見た目は悪く無いが、自分一番のため結婚に向かない人なのだろう。


「そうだな。人生どうなるかわからないからな。そうだ!リールさん、盗賊達の討伐金を渡します。」
 ジュウドはバックからお金を取り出す。
 大銀貨9枚。中銀貨18枚。合計銀貨1080枚。

 銀貨1枚で約1万円の価値。


「思ったよりも多いな。」
 リールは受けとる。

「ギランだけで銀貨800枚ですからね。他の盗賊もそれなりの金額がありました。」
 ジュウドが答える。

「そうか。ありがとう。これはお礼だ。」
 リールは大銀貨4枚をジュウドに渡す。

「こんなに良いんですか!ありがとうございます。」
 ジュウドは笑顔でお礼を言う。

「ありがとうございます。」
 ケインもお礼を言う。

「ああ、そうか。パーティーの仕事になってるのか。」
 リールは気付く。
 ジュウドが盗賊団2組と後でマリオン一緒にギラン一味を衛兵に対応してくれた。

「ならジュウドさんとマリオンさんにこれ。2人個人にやる」
 リールは中銀貨10枚をジュウドに渡す。

「ありがとうございます!」
 ジュウドは大きな声でお礼を言う。マリオンに中銀貨5枚を渡す。
 マリオンもお礼を言ってくる。

「こちらこそありがとう。面倒な事をやってくれて助かった。」


「いいな。ジュウド。俺がやれば良かった。」
 ケインが拗ねる。

「リーダーだろ。他にやることあるだろうに。それより店に行く作戦はあるのか?」
 ジュウドが聞いてくる。

「あるぞ。問題は店ムラシキに入って、シルカって女性を指名出来るかだな。気合い入れなくて良いぞ。楽しんで普通にしていてくれ」

 ムラシキ。女性が接客してくれて、お酒を飲む事が出来る店。


「そうですか。難しい事は考えないで楽しみます!」
 ケインか答える。

「ああ、よろしく。」

「それより、ユリカさんが変な目で見てますよ。」

 リールの隣に居るユリカがリールを睨んで見ている。


「仕事だから。説明しただろ。」

「うん知ってるけど。やっぱり嫌な事は嫌。」

「大丈夫だ。変な事はしないから。何かあったらケインが言うだろうから聞け。」

「大丈夫ですよユリカさん!ちゃんと見張っておきますから。浮気しないように見張ってます!」
 ケインが親指を立てて笑顔で言う。

「違うの。リールが心配なんじゃなくて、女の子がリールに手を出すのが心配なの。」

「そっちですか。大丈夫ですよ!俺がSSランクの力を使って魅了しますから!」
 ケインがおどけながら話す。

「ジュウドさんしっかり見ててくださいね。」

「え?無視」

「はい。任せてください。」
 ジュウドは答える。


 テーブルの料理もほとんど食べ終えた。
 子供達も食べ終えて、動きたくてうずうずしている。


「よし!そろそろ戻るか!」


 リール達は部屋に戻っていく。
 ホワイトペガサスとは別行動。


 子供達の部屋の前。


「じゃあなミウロ。今日の戦いをしっかり考えておけよ。身体強化の魔法を使うのを慣れておけ。部屋で出来る事もあるからな。」

「はい。今日もありがとうございました。」


 リールとユリカは、子供達を部屋に送り、リール達の部屋に戻る。


 時刻午後6時40分。

「それじゃ、行ってくる。9時には帰ってくる。」

「うん!行ってらっしゃい。」

 リールは身だしなみを整え、部屋を出る。
 黒いスーツ姿で、青いネクタイをしている。


 ホテルの前にケインとジュウドが待っていた。


「凄い格好ですね。絶対悪い人ですね。」
 ケインが白いスーツ姿で話す。

「ケインは真面目な印象がないがな。」
 ジュウドが呆れながら話す。
 無難に黒いスーツにネイビーのネクタイ姿だ。

 スーツ姿を全員で揃えている。真面目な印象になるようにした。

「それじゃ、ムラシキに行くか。」

 ムラシキは王都でもお金持ちが住む場所の近くに店がある。


 3人は目立ちながらムラシキへ歩いて向かう。



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