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第2章 王都編 ②新たな出会い

ミランダレ商会 ミランダへ相談

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 時刻午前10時。

 リールとユリカとミウロはミランダレ商会本店の前に着いた。

「行くぞ。」

 リール達は入口から入っていく。



「いらっしゃいませ」女性店員が話掛けてくる。

「リールと言います。ミランダさんに用があってきました」

「リール様ですね。話は伺ってます。会長に伝えますので、少々お待ちください。」

「ああ。わかった。」

 女性店員は店の奥に向かっていく。

 1人の50歳程のスーツを着た男性がリール達に近づいてきた。

「いらっしゃいませ。私店長のヨキムと言います。以後お見知りおきを。」

 店長は頭を下げる。

「ああ、リールです。よろしくお願いします。」

「いやぁ。噂はかねがね聞いてます。素晴らしい冒険者らしいと噂になってますよ。」

「はぁ。そうですか。」

 リールは面倒くさそうに答えている。

「ぜひ今後はこのヨキムに対して仕事の相談でも」

「おう!リール来たか!店長話は終わりだ!リール!私の部屋にいくぞ!」ミランダが呼ぶ。

 リール達は、店長ヨキムに頭を下げ、ミランダの元にむかう。

「店長!サンクを呼んで私の部屋に連れてきてくれ!」

「私ではダメですか?」

「ダメだ。サンクを呼んでこい!」

「分かりました。」
 店長は副店長のサンクを呼びにいく。



 ミランダの部屋に集まってくる。

「よし!集まったな!」

 部屋にミランダ、サンク、リール、ユリカ、ミウロの5人が椅子に座っている。

「初めての人がいるが誰だ?」

「こいつはミウロ。金貨を落としたのを拾ってくれたんだ。貧困街に子供達と一緒に暮らしていたからお礼として恩返ししている。」
 リールは笑顔で紹介する。

「ミウロです。リールさんにお世話になってます。」
 ミウロは頭を下げる。

「そうか!悪い奴ではなさそうだな。リールに感謝しろよ!」
 ミランダは含みのある言い方で話す。

「ところでリール!なにやら面白そうな事を考えてるらしいな!」

「はい。話よりこれを見てください。」

 リールは貧困街の権利書をテーブルに置いて、ミランダへ見せる。

「ほう?貧困街を手に入れたのか!やることの規模がでかいな!名義もリールに変わってるな。これを私に売る気か?」

「いいえ、貧困街に家を建てます。いろんな人と、縁もできたので売る事はできません。ただ協力して欲しい事があります。」

「協力か?儲けはあるのか?」

「それはミランダレ商会次第ですね。」

「ほう?面白いな!話を聞こうか。」

「必要な事は4つ。家の解体と建築。道の整備。店の充実。貧困街の住人の職場提供です。」

「ほう?莫大な金が動くだろうな。私なら全て提供出来る力があるぞ?どうする?」

「はい。出来るのはミランダレ商会かゾロダロン商会でしょうね。」

「だろうな。ゾロダロン商会にでも行くのか?」

「信用出来ませんね。ギラン一味を貧困街に潜めていましたし。商才が歪んでいますから。」

「それなら私に頼むしかないだろうな!どうする?」

「でもなぁ。気になることがあるですよ。」

「何が言いたいんだ?」

「今の1番の商会はゾロダロン商会ですよね?」

「そうだな。ミランダレ商会は2番だな。」

「一番にならないのか?」

「なれるならやってるさ!冒険者ギルドの収益に勝てないんだよ!」
 ミランダは声を上げる。

「魔道具の収益か?」

「いやギャンブルだ。賭けの収益は莫大な収益になる。八百長もやりたい放題だ!Aランクの冒険者を使って本命を作り出している!1、01倍でも金貨1万枚なら金貨100枚の儲けがでる!」

「同じ事は出来ないのか?」

「Aランクだぞ!実力は本物だ!リールなら余裕だか、Sランクの冒険者を雇って倒す訳に行かないだろ!」

「そうか。それならいくらでもやりようはありそうだな。」

「リールはもう戦えないだろうな。覚えられているぞ!」

「問題ない。」

「問題ないか。結局リールは何が言いたいんだ?」

「ゾロダロン商会って必要か?」
 リールは笑顔で聞く。

「潰すのか?」

「いやミランダレ商会に吸収してもらいたい。」

「出来るのか?」

「出来るのか?ではない。やるか?やらないか?を聞いている。」

「やる!作戦は?」
 ミランダは前傾になりながら話を聞く。

「ひとまず貧困街の建築だな。家と道の整備を早急に頼む。後はゾロダロン商会の会長がよくいく店は無いか?」

「建築は話せば明日には動かせるぞ!店は夜の10時頃に毎日ムラシキって店に行くらしい。そこのシルカって娘に合うらしい。」

「なるほど。なら建築関係は任せる。明日には動かせる準備をしてくれ。」

「人数は?」

「出来るだけ沢山だ。金は用意する。」

「いや。金はいらない。恩を売らせてくれ。リール1人で貧困街を独占したら、私もどうしようも無くなる。」

「そうか。独占する気はないぞ?」

「無くても出来てしまうだろ?だからだ。」
 ミランダは笑いながら話す。

「勝負は2週間だな。」
 リールは考えてながら話す。

「2週間?それだけで良いのか?」

「そうだ。ゾロダロン商会の飲食店と宿泊施設の売上を激減させる。」

「そうか。詳しくは聞かない。職人達を集めておく。サンク!リール関係の責任者に任命する。細かい事は頼むぞ。」

「分かりました。お任せください。」
 サンクは頭をさげる。

「これで、終わりだな。明日の午後には街の建築が始めるられますか?」

「はい。午後の1時に集合でいいですか?」
 サンクが聞いてくる。

「はい。大丈夫です。ミランダレ商会に集合としましょう。」

「分かりました。」

「それではミランダさん。話は以上です。」

「そうか。恐ろしい事になりそうだな。」

「そうですか?ミランダレ商会の実力があれば問題ありませんよ。」

「そうか!そうだな!ゾロダロン商会なんぞに負ける訳ないな!」
 ミランダは気合いを入れている。

「それではこれで、失礼します」
 リールは立ち上がる。ユリカとミウロ、サンクも立ち上がる。


「リール!何で急にゾロダロン商会を潰す気になったんだ?」
 ミランダか立ち上がり聞いてくる。

「俺達の生活に邪魔だからですよ。あとユキさんの家に手を出そうとしたからですね。」

「そうか。それだけで王都1番の商会を潰すのか。」

「ええ、不利益の奴は消します。殺す訳じゃありません。正面から潰します。」

「そうか。これからよろしくな!」
 ミランダは握手を求める。

「はい。よろしくお願いします。サンクさんもよろしくお願いします。」
 リールはミランダと握手をする。サンクとも握手をする。

「それでは失礼します。」

「おう!気を付けてな!サンク!送ってやれ!」

 リール達はサンクに連れられ、ミランダレ商会を出る。
 遠くから店長が見ていたが気にせず出ていく。

「それではまた明日午後1時にお待ちしてます。」
 サンクは頭を下げながら話す。

「はい。よろしくお願いします。」
 リール達も頭を下げる。

 サンクは店の中に戻って行った。


 時刻午前11時30分


「お昼の時間だな。ホテルに戻って子供達と食べるか。」

「うん!」「はい」
 ユリカとミウロは返事をする。

 帰る途中のミランダレ商会の屋台で食べ物を買って帰る。

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