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ネオンライト編

ネオンライトオークション①

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 オークション会場に到着し、受付を済ませると、番号札を渡された。

「195番だって。席にいこうか。」
 ステージから扇形に席があり番号ごとに座席が決まっている。

 195番は、一番ステージから遠いテーブル席だ。番号1つに3席あり、俺が代表者だ。この会場には200組しか入る事が出来ないみたいだ。

 番号札は魔法道具になっており、ボタンを押すと金額を上げる事ができる。
 間違って2倍のボタンを押さない様に気を付けよう。

 周りの席には、貫禄のあるおじ様や、お金持ちのマダムなどが護衛と共に座っている。

 限られたお金持ちしかいない空間。最高じゃないか。

 開催まではまだ時間があるのかオークション会場には露店が出ている。Bランク商会以上しか出店出来ない露店だ。

 串焼きや揚げ物。フルーツやパンなど様々だ。富豪達が席で食べている。

「これは宣伝になりそうだな。アリス、ダンバルさん。キャンディスイーツの商品を並べるから好きに食べていいよ。」
 スイーツ空間収納からありとあらゆる商品をだす。

 まずはフルーツケーキをホールのままどん!と置いておく。近くの人達は釘付け間違いなしだ。
 次にキャラメルやクッキー、チョコレートを見せつける様に並べる。
 後はメロンをまるごと使ったアイスクリームだ。メロンの見た目だが、中身はメロンアイスクリームになっている。俺が氷魔法を使い、氷の器に入れて溶けないように頑張っている。見た目ならピカイチだろう。

 アリスが嬉しそうにアイスクリームを食べている。ダンバルさんもチョコレートに釘付けだ。

 ほらほらマダムが護衛に指示を出しているぞ。探してこいだ?無理だろ。この商品はどこにも売って無いんだからな。


 辺りがざわざわしだしたな。お金があっても売って無いものを手に入れる事は不可能なのだよ。

「うん!美味しいねぇ。」
 こんなに優越感があることは、この先無いだろうな。

「すみません。こちらの品々はどこでお買いしましたか?」
 執事服のお兄さんが声を掛けてきた。チラチラと遠くから、おじさまが見てくるので、あのおじさまの執事さんだな。

「こちらの商品は、我がキャンディスイーツ商会で販売しております。しかし、この場には出店しておりませんので、申し訳ありません。」

 聞き耳を立てていた人達が、ため息をつきガッカリしている。

「しかし、迷惑じゃなければ少し差し上げますよ。私がキャンディスイーツ商会会頭のキャンディと言います。それで何が必要ですかな?」

 執事さんがこのメロンに釘付けになっている。確かにこれはとても美味しいアイスクリームだからな。

「メロンアイスクリームですか。しかし、この大きさを食べるのは大変でしょう。味見何てどうですか?」
 スプーンでメロンアイスクリームをすくい、グラスに乗せて渡す。このグラスもキャンディマークが入ったキャンディスイーツ商会のグラスだ。

「いただきます。うん!冷たくて美味しいですね。暑い季節にぴったりです。アイスクリームと言うのは初めて食べましたが、美味しいものがあるんですね。」
 執事さんは笑顔で食べているが、おじさまがこっちを睨んでいるよ。大丈夫なのか。

 あっ!おじさまがこっちにきた。

「失礼する。私はグーラッド・ハルハーンだ。男爵の爵位を持っておる。」
 偉そうなおじさまは、偉い男爵のおじさまだった。

「どうもはじめまして。私はDランク商会のキャンディスイーツ商会会頭キャンディと申します。ローズマリン伯爵家御用達店としてこのオークションに参加いたしました。よろしくお願いしますハルハーン男爵様。」
 立ち上がり頭を下げて自己紹介をする。

「ローズマリン伯爵の御用達店か。流石伯爵様だ。しかし、キャンディはDランク商会だろう。どうやって御用達店になったんだ?」

「はい。こちらのジャムを気に入って貰い御用達店への許可をいただきました。」
 テーブルにビンに入ったジャムを並べていく。

 ジャムのビンをテーブルに置くと、周りの人達が何か言いたそうにしている。

「これは見たことがある入れ物だな。もう少し大きな入れ物はないのか?」

 俺は一番大きなジャムのビンを見せる。

「おお!これだ!このジャムはとても旨いジャムだ。キャンディがロイヤルスイーツ商会に納めていたのか。」

 ん?何だって?

「いえ。私はロイヤルスイーツ商会に納めてませんよ。これはキャンディスイーツ商会オリジナルのビンになります。他の商会では扱っておりません。」

「何!だがロイヤルスイーツ商会の行商からこのジャムを購入したぞ。」

「私には分かりません。おそらく行商の人がロイヤルスイーツ商会と嘘をついて売っているのでしょう。ロイヤルスイーツ商会はAランク商会なので、信用度が高いですから。」

「そうか。だがこのジャムは良いものだ。1個50000エルだったか。それだけの価値はある!」

 50000エルだって!
 店の10倍で売っているのかよ!

「すみません。私の店では1個5000エルの商品です。」

「5000エルでこのジャムが買えるのか!何でだ!」

 何でだ!って言われてもその値段で売っているからだよね。

「私はその値段で売っています。ロイヤルスイーツ商会とは関係ありません。」


「その子が言ってるのは本当だよ。」
 俺の席に一人の若い男性が座ってケーキを食べている。服装も偉い人が着る様なピシッとした服装で、まるで王子さまのようだな。

「そうですか。詳しくは聞きませんがあなた様が言うなら本当何でしょう。」

「そうそう。美味しいから食べて見なよ。ほら好きなのどうぞ。」
 若い男性がケーキを切り分けて配っている。
 いやそれ俺のやつだけど。まぁいいか。皆笑顔で食べてるし。

 ケーキが足りないので、更にケーキを追加で出す。キャラメルケーキやチョコレートケーキなどなど、様々なケーキを振る舞った。

「美味しかったよ。ありがとね。お代は置いとくよ。僕はレオン・ロードロス。一応公爵家だからよろしくね。」

 公爵家!
 めっちゃ偉い人やん!

 公爵家のロードロス様は、手紙にお代を入れて置いて行った。
 他のオークション参加者もお礼を言って席に戻って行った。


 そろそろオークションが始まるのかな。テーブルを綺麗にして待っている。


「お待たせいたしましたー!ただいまより夏のネオンライトオークションを開始いたします!」
 ステージ上がライトアップされ、司会者の女性が照らされている。

 やっと始まったな。

 今、オークションが開始された。

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