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えっーと
どこにあったかな?
着てない大きいTシャツあったはずなんだけどなぁー
ありそうな所をガサガサと探していく。
これでも無いし…
こっちでも無いし…
…あった!!
サイズはいけそうだな。けど色が…自分でも忘れていたけど、蛍光色のピンク色だった。
まぁ、今着てもらうだけだしいいかと思うことにした。
あとはズボンだ。父さんの部屋から探すか。
ズボンはすぐに見つかった。新品のスウェットを用意した。スウェットと一緒に新品の下着もあったから一応用意しておく。
お風呂場の前に着くと、シャワーの音が響いていた。
コンコン
「すみません。着替ここに置いておきますね。」
「あっ!一応全て新品なのできれいなはずです。」
たったこれだけの事を言うだけなのにとても緊張してしまい、妙に改まってしまった。
「…ありがとう。」
そう返事が帰ってきてホッとする。
「じゃあ、ゆっくり入ってくださいね!」
そう言って私は逃げるようにお風呂場から出ていった。
というかこの人これからどうするんだろ?泊まっていくなか?
変なことが目的だと思っていたけど、今の所そんな素振りもないし…
名前とかも聞いてみたいけど、人を殺した人なんだよね…
なんだかそう思うと、今何もあのひとに対して怖さとか感じない自分が怖くなってくる。
一先ず、出て来るまでお茶でも作って飲もう!
夜も随分遅くなったせいか、それとも温かいお茶を飲んだせいか、うとうとし始めた。
だめだ!お客さんも来てるんだしまだ寝ちゃだめ!
そう思いはするが、眠気に抵抗で来たのは一瞬だけだった。
「 …ません…」
んー…
「あの… …みません」
起きなきゃ…
「あの すみません」
そう言われて、無意識に言ってしまった。
「おはようございます?」
クスッと笑う声が、上から聞こえてきた。
ボーッとした頭であたりを見渡すと、横には男が立っていた。
さっき聞こえた笑い声が嘘だったかの様な無表情だ。
「お風呂上がりました。ありがとう。」
これで帰ってくれれば…と思い
「この後はどうしますか?」
と聞いた。
「雨も、止んでるしそろそろ帰る。」
そう言われて、窓の外を見てみるともう雨は降っていなかった。
本当だ。と思い
「じゃあ今乾かしてる服が乾いてるか見て…」
そういった瞬間ザァーと音がした。
窓の外を見てみると雨が降っていた。
しかも、さっきまでとは比べ物にならないくらいいっぱい降っていた。
まじかーと思い、男の人の方を見るとポカーンとした顔で立っていた。
その顔を見てしまい、フフッと笑ってしまった。
「じゃあ、今日は泊まっていきますか?」
あの顔を見ると自然にそう言ってしまった。
…
そうは言ってみたものの返事はなかった。
悩んでいるように見えた。
やっぱり早く帰りたいのかもしれない。だけどまた降ってきた雨は風も強く、台風のような雨だった。
実際帰りたくても帰れない状況ということだ。
あっ!と思いついたので言ってみる。
「私と一緒に寝たりするわけじゃないですよ?ちゃんと用意します。」
「…じゃあ、泊まる。この雨じゃ外出れないし、行く宛もないし。」
「ありがとう」
“ありがとう”の言葉になんだかくすぐったくなった。しかし、とっさに言ってしまったので予備の布団がある事ぐらいしか把握して無かった。
家の状況を思い出す。
この家には客間があるが、泊まりに来る人もいないので最近は物置として使われている…
客間は使えない。
寝れそうな部屋… 私の部屋は無し。
父よ部屋は… 流石にだめだろう
…屋根裏部屋… ここ数年使ってない。しかも布団の置いてある客間からは遠い。
後は… やっぱりリビングだろうか?
一番キレイな部屋で布団も持って行きやすい
と言うことで脳内会議の結果リビングに決定した。
「部屋リビングでもいいですか?」
聞いたところで他の部屋は寝れそうにも無いが一応聞いておく。
「大丈夫。どこでもいいよ」
なんだか申し訳無さそうな顔をして言った。
こんな人でもこんな顔をするんだなんて思ってしまった。
どんどん人殺しと言う事を忘れてしまいそうになる。
「布団持ってきます!ちょっとだけ待っててくださいね!」
男からの反応は無かったがついてくる様子はないので客間に取りに行く。
奥の方で置きっぱなしになっていた布団を引っ張って廊下にいくと、男の人が待っていた。
「手伝う。」
そう一言言われ何も言えずに布団を半分持ってもらった。
そのままリビングの机をどけるのも手伝ってもらい、一番広いところに布団を引いた。
「こんな所でごめんなさい。私は部屋に戻りますね。二階なので何かあったら呼んでください」
「おやすみなさい」
準備が終わり、今日の予定は崩れてしまったが、寝ようと思っていた時間が近づいてきたのでそう言った。
「大丈夫。泊まってしまってごめん。」
「おやすみ」
軽く会釈をして上に上がろうとして立ち止まる
「…お兄さんの名前聞いてもいいですか?」
聞かないほうが見の為だと思い我慢をしていたのだが、とうとう我慢できずに聞いてしまった。
「… 俺が人殺しなの分かってて言ってんの?」
私を突き放すような強い言葉で言われた。
もちろんわかってる。
だが弱々しく“はい”と言う事しかできなかった。
「ヘェ~ 分かってて言ってるんだ。アハハ じゃあ、“人殺し”とでも呼ぶ?」
「まぁなんでもいいよ好きに呼んで」
イメージの人殺しらしく狂った様な、無気力の様ななんとも言えない、今日初めて見る雰囲気だ。
一瞬コレがこの人の本性かと思ったがなんだか違和感を感じた。
何も知らない人の事でおかしいとは思うのだが、言葉にも表せないがなんというか、言葉とは少しずれてる?そんなふうに感じた
流石に名前は教えてくれなかった。ただ、私は呼び名を知れたことに喜びを感じた
「おやすみなさい“人殺しさん”」
再び挨拶をし、二階へと行った。
どこにあったかな?
着てない大きいTシャツあったはずなんだけどなぁー
ありそうな所をガサガサと探していく。
これでも無いし…
こっちでも無いし…
…あった!!
サイズはいけそうだな。けど色が…自分でも忘れていたけど、蛍光色のピンク色だった。
まぁ、今着てもらうだけだしいいかと思うことにした。
あとはズボンだ。父さんの部屋から探すか。
ズボンはすぐに見つかった。新品のスウェットを用意した。スウェットと一緒に新品の下着もあったから一応用意しておく。
お風呂場の前に着くと、シャワーの音が響いていた。
コンコン
「すみません。着替ここに置いておきますね。」
「あっ!一応全て新品なのできれいなはずです。」
たったこれだけの事を言うだけなのにとても緊張してしまい、妙に改まってしまった。
「…ありがとう。」
そう返事が帰ってきてホッとする。
「じゃあ、ゆっくり入ってくださいね!」
そう言って私は逃げるようにお風呂場から出ていった。
というかこの人これからどうするんだろ?泊まっていくなか?
変なことが目的だと思っていたけど、今の所そんな素振りもないし…
名前とかも聞いてみたいけど、人を殺した人なんだよね…
なんだかそう思うと、今何もあのひとに対して怖さとか感じない自分が怖くなってくる。
一先ず、出て来るまでお茶でも作って飲もう!
夜も随分遅くなったせいか、それとも温かいお茶を飲んだせいか、うとうとし始めた。
だめだ!お客さんも来てるんだしまだ寝ちゃだめ!
そう思いはするが、眠気に抵抗で来たのは一瞬だけだった。
「 …ません…」
んー…
「あの… …みません」
起きなきゃ…
「あの すみません」
そう言われて、無意識に言ってしまった。
「おはようございます?」
クスッと笑う声が、上から聞こえてきた。
ボーッとした頭であたりを見渡すと、横には男が立っていた。
さっき聞こえた笑い声が嘘だったかの様な無表情だ。
「お風呂上がりました。ありがとう。」
これで帰ってくれれば…と思い
「この後はどうしますか?」
と聞いた。
「雨も、止んでるしそろそろ帰る。」
そう言われて、窓の外を見てみるともう雨は降っていなかった。
本当だ。と思い
「じゃあ今乾かしてる服が乾いてるか見て…」
そういった瞬間ザァーと音がした。
窓の外を見てみると雨が降っていた。
しかも、さっきまでとは比べ物にならないくらいいっぱい降っていた。
まじかーと思い、男の人の方を見るとポカーンとした顔で立っていた。
その顔を見てしまい、フフッと笑ってしまった。
「じゃあ、今日は泊まっていきますか?」
あの顔を見ると自然にそう言ってしまった。
…
そうは言ってみたものの返事はなかった。
悩んでいるように見えた。
やっぱり早く帰りたいのかもしれない。だけどまた降ってきた雨は風も強く、台風のような雨だった。
実際帰りたくても帰れない状況ということだ。
あっ!と思いついたので言ってみる。
「私と一緒に寝たりするわけじゃないですよ?ちゃんと用意します。」
「…じゃあ、泊まる。この雨じゃ外出れないし、行く宛もないし。」
「ありがとう」
“ありがとう”の言葉になんだかくすぐったくなった。しかし、とっさに言ってしまったので予備の布団がある事ぐらいしか把握して無かった。
家の状況を思い出す。
この家には客間があるが、泊まりに来る人もいないので最近は物置として使われている…
客間は使えない。
寝れそうな部屋… 私の部屋は無し。
父よ部屋は… 流石にだめだろう
…屋根裏部屋… ここ数年使ってない。しかも布団の置いてある客間からは遠い。
後は… やっぱりリビングだろうか?
一番キレイな部屋で布団も持って行きやすい
と言うことで脳内会議の結果リビングに決定した。
「部屋リビングでもいいですか?」
聞いたところで他の部屋は寝れそうにも無いが一応聞いておく。
「大丈夫。どこでもいいよ」
なんだか申し訳無さそうな顔をして言った。
こんな人でもこんな顔をするんだなんて思ってしまった。
どんどん人殺しと言う事を忘れてしまいそうになる。
「布団持ってきます!ちょっとだけ待っててくださいね!」
男からの反応は無かったがついてくる様子はないので客間に取りに行く。
奥の方で置きっぱなしになっていた布団を引っ張って廊下にいくと、男の人が待っていた。
「手伝う。」
そう一言言われ何も言えずに布団を半分持ってもらった。
そのままリビングの机をどけるのも手伝ってもらい、一番広いところに布団を引いた。
「こんな所でごめんなさい。私は部屋に戻りますね。二階なので何かあったら呼んでください」
「おやすみなさい」
準備が終わり、今日の予定は崩れてしまったが、寝ようと思っていた時間が近づいてきたのでそう言った。
「大丈夫。泊まってしまってごめん。」
「おやすみ」
軽く会釈をして上に上がろうとして立ち止まる
「…お兄さんの名前聞いてもいいですか?」
聞かないほうが見の為だと思い我慢をしていたのだが、とうとう我慢できずに聞いてしまった。
「… 俺が人殺しなの分かってて言ってんの?」
私を突き放すような強い言葉で言われた。
もちろんわかってる。
だが弱々しく“はい”と言う事しかできなかった。
「ヘェ~ 分かってて言ってるんだ。アハハ じゃあ、“人殺し”とでも呼ぶ?」
「まぁなんでもいいよ好きに呼んで」
イメージの人殺しらしく狂った様な、無気力の様ななんとも言えない、今日初めて見る雰囲気だ。
一瞬コレがこの人の本性かと思ったがなんだか違和感を感じた。
何も知らない人の事でおかしいとは思うのだが、言葉にも表せないがなんというか、言葉とは少しずれてる?そんなふうに感じた
流石に名前は教えてくれなかった。ただ、私は呼び名を知れたことに喜びを感じた
「おやすみなさい“人殺しさん”」
再び挨拶をし、二階へと行った。
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