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14話 精霊国で迎えた朝

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 ベッドに飛び込み、目を閉じると、気がつけば朝になっていた。城を追い出された日から2日目の朝。バルコニーから下を覗くと、精霊たちはもう起きていて、動き始めていた。
この世界の精霊はかなり人間に近い生活を送っていると聞いたことがあったが、本当だったのか。確かに、見た目もほぼ人間と言っていいだろう。なんか美人が多い気がするけど。違うのは、魔力量の差。
人間も魔法を使うが、大抵の人は生活に使うので精一杯。ところが精霊は、戦いでも役立てたりできるほど魔力量が多いのだ。
魔力量が多いのは、確か魔族も同じだったはず……なんだけど、見た目がすこし違う。ツノが生えてたり、尻尾があったり、耳が長かったり。
人間の魔法使いは、精霊か魔族のどちらかと契約して魔力を借りるのだけれど、契約するのは精霊と、がほとんどらしい。
「ローズ様。おはようございます。」
ノックの音とともに扉の向こうから聞こえてきたのは精霊女王の声だった。女王にお越しに来てもらえるなんて、贅沢だなあ……。
「おはようございます。」
挨拶をしながら扉を開けると、そこにはニコニコしている女王がいた。
「朝食でございます。」
女王の後ろにはメイドらしき人も付き添っていて、私を昨日宴会があった広場まで案内してくれるらしい。
「そういえば、女王はおいくつなんですか?」
私の年齢は言ったけれど、女王の旗しか聞いていなかったなあ。
「10歳ですよ。」
「10歳!?」
思ったよりも若い。そんな年齢で女王という大役を務めていたのか。
「見ての通り、まだ成長しきっていないのでお分かりかと……。」
女王は当然のようにそう言った。
10歳で目の前で仲間を殺された。そりゃ泣くわな……。
「大丈夫ですよ。私には仲間がいますから。」
そう言った女王の顔は、昨日と違ってどこか吹っ切れたような顔をしていた。
何かがわかったのであれば、まあよかったのではないだろうか?
 広場に出ると、もう朝食の準備は済まされていた。
「どうぞこちらに。」
そう言って女王が指差した先には、二つの大きな椅子が用意されていた。
私と女王の席だというのだけれど、正直ここまでしてもらわなくてもよかったかな……。
席に着くと、朝食の時間が始まった。みんながお喋りをしながら食べ始める。その中には、泣いている人もいた。昨日、たくさん仲間が死んでしまったからだろう。昨日の宴では無理に笑っていたのかな……私なんかのために。
「勇者様。こちらを。」
昨日の青年から、料理の入った皿を渡される。乗っていたのは、きれいに仕上げられたサンドイッチだ。
「ローズ様。すこしよろしいですか?」
隣に座ってサンドイッチを手にしている女王が私に話しかけてきた。どうやら私に話があるらしい。
……なんだろう?
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