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日常編
第57話 ラルジュナ×兵馬 ☆
しおりを挟む兵馬は希望を叶えてもらうと(?)、四つん這いになり、後孔を好きな人の指でイジられるという羞恥に耐えた。
「痛かったら言ってねー」
恥ずかしくてそれどころではないーー。
兵馬はクッションに顔をうずめて、歯を食いしばっていた。
「ーー力抜けるー?」
はて?どこの力を抜くのかー?
「あっ、」
ジュナのだーー。
後ろに彼のモノをあてられるだけで、ゾクリとした快感が背中に走る。何か塗られた気もするが、尋ねるのも恥ずかしい。
「やだぁ、やめてー、あんっ!」
もれた声が信じられずに兵馬は頭を振る。あてて擦られているだけなのに、くすぐったいのとは違う気持ちがいい感覚がそこにクる。
自分のしょぼいモノも異常な反応をした。漏らしてないのに、液体は垂れてくるし、少しの刺激でイキそうになっているーー。
「ごめんー、挿れたいーー」
ゆっくりと、彼のモノが自分の中に入ってくる。それは隙間なくみっちりと、兵馬のナカにおさまっていきーー。
あれ?こんなに苦しかったっけ?お腹がきついーー。
ラルジュナが少し動くだけで、兵馬の奥がきゅんと感じてしまう。
「あっ、あっ、あん、っふぅ!」
頼むから黙れ自分!
「いやぁー。変だよー、やだぁ!」
入ったの?人体って不思議ーー。
「あぅん!動かさないでよぉ!やだ!やだぁ!」
「ヒョウマー、落ち着いてー。大丈夫ー、嫌なら抜くからーー」
後ろから優しく抱きしめられて、兵馬は少し冷静になった。すごく硬い身体だ。鍛えてるんだなーー、いや、自分と比べるなんてすべての男に失礼だが。
「ーーヒョウマ。もう少し奥までいいー?」
「な、何をー?」
兵馬が尋ねるとラルジュナは黙ってしまった。後ろを向いているから、彼の表情がわからない。これはこれで難儀だ、と兵馬は思った。
ーーがっかりしてるよね。僕なんか絶対につまらないだろうし。
マッチョの方がいいのだろうかー。
「あー、ごめんー」
えっ?ふられたの僕?この状態で?
「もう無理ーー!」
「あっ、」
ーー捨てないでよ、お願い!
兵馬が思った瞬間、身体の奥を突き破るように熱棒が動いた。
「あ~!あっ!あっ!ぃやー!あぁ~~!」
前はこんなんじゃなかったーー。
激しく腰を動かされ、奥をずんずんと突かれる。
「ふぅ、はんっ!あぅ~!あんっ!」
自分うるさい!クッションでも噛んどきなよ!
だが、兵馬の少し残っていた冷静さもそこまでだった。ラルジュナの動きに耐えていると、最奥から続けてクる快感に思考がぶれ、気分が高揚してくる。
あぁ!イっちゃう!いやだぁーー!バカみたいになっちゃうよーー!!
「あぁん!」
奥を激しく突いたモノが熱を吐き、兵馬の中を満たした。
「ーーヒョウマ……。かわいいーー」
「ーー動か、ない、でーー」
ぜーぜー肩で息をして懇願する兵馬に、ラルジュナが言った。
「やっぱりー、前でもしたいー」
「へぇ?」
「はいー、一回抜くねー」
「終わりでしょ?」
「ううんー?終わらないよー」
兵馬を仰向けにし、ラルジュナは両足を抱える。
「ちょっと柔軟がぁ!」
「大丈夫ー、大丈夫ー」
再び後孔を突かれ、兵馬は悲鳴をあげた。
「あん!」
ずるり、と入ったモノに驚いて、兵馬は腰を引こうとした。だが、足を押さえられていては兵馬の力ではどうにもならない。
されるがままだ。
「も、もうジュナぁ!」
「あー、最高ー。もっと名前呼んでー♡」
「あ~ん~~。ジュナのばかぁ~!」
兵馬は何度も最奥を突かれ、中に熱液を出された。自身も何度かイクうちに、「こんなもんか」、と気持ちが落ち着いてくる。
まぬけでもいい、って言うんだから気にしてもしょうがないーー。
それよりも、問題はーー。
「……も、もう………」
「三回でへばらないのー。休憩したらいけるー?」
無理だよーー。
兵馬は気絶するように、眠りについた。
「ルート」
「兵馬……」
親友の姿を見た琉生斗は、悲しそうな表情で口をつぐんだ。
「昨日は僕が悪かったよ。後、イチャイチャもみんながいいなら好きにしなよ」
「兵馬ー。何だ、できたのか!」
「デリカシーがない!やりましたよ!まぬけ面しながらね!」
「んなもん誰でもそうだって、たぶん」
「君もよそがどうとか、一般的にどうとか知らないでしょ?」
「そりゃそうだ。けど、おれアレク以外としないし」
それもそうか。
「君は偉いね」
「何だ、何を悟ったんだ?」
「やっぱり、賢者への道を行くのかとーー」
兵馬の言葉に琉生斗は大声で笑った。
「そういえば、殿下ってチョコ食べるの?」
「甘さ控えめにしたんだけど、甘いからいらない、って言われたよ」
「殿下って案外はっきりしてるね」
「だろ?もう、おれで我慢しとけ、って結局おれをプレゼントだ」
「一番嬉しいだろうね」
「おまえは、あげなくてよかったのか?」
「ジュナ、甘い物食べないから。すごい辛党」
何だ、それでかーー。
琉生斗はにやにやと笑う。
「兵馬ー。恋人ができた感想は?」
目を動かしながら、親友は答えた。
「んー、そうだね」
兵馬は笑った。
「恋人は恋人。親友は親友だね」
後日ー。
「殿下ぁ」
兵馬は魔法騎士団の将軍室に向かうアレクセイを呼び止めた。
「ヒョウマ」
兵馬の姿にルッタマイヤが戦闘態勢に入ろうとするのを、ヤヘルがとめる。
「はい。今回はがんばったから、僕からプレゼント。これからも、常識をもってイチャイチャしなよ」
「プレゼント?」
兵馬からスケッチブックを受け取ったアレクセイは、それを開いてーー。
「…………」
無言で食い入るようにそれを見ているアレクセイを案じ、横からヤヘルが盗み見る。
「あー、もしかして……」
ヤヘルが兵馬に問う。
「うん。ルートの中学生のとき、こんな感じ」
兵馬はにこにこしながら答えた。
スケッチブックには、いまより幼い顔の琉生斗の学生服や、カジュアルな服を着た姿が描かれていた。
「殿下が僕の言う事もっと聞いてくれるなら、正月に着てた紋付き羽織姿も描くよ」
「是非に」
アレクセイに迷いはない。
「オッケー。この書類、すぐに認可して」
「わかった。会議はーー」
「遅らせます」
ヤヘルが、ガハハッと大笑いした。
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