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エロトラップダンジョン絶対潰すマン
敗北聖騎士の目覚め
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頬にあたる硬く冷たい感触がステファンの覚醒を促す。
ひんやりとした空気が素肌を通り抜ける感覚に身震いをしたステファンがようやく眼を覚ますと、そこは石壁の牢獄だった。
頭と腰にはまだ鈍痛が残り、全身が重たく、ステファンは起き上ることさえ億劫に感じた。
ステファンは下履き一枚の裸同然で牢の中に転がされていたようだ。
なんとか上体を起こして床に胡坐を掻いたステファンは、肌寒さに自然と両腕を擦っていた。
鉄格子の向こうに見える階段の先に燭台でも置かれているのだろうか。淡い光が牢の中を辛うじて照らしていた。
武器も防具も取り上げられたが、命までは奪われなかったようだ。
それがステファンにとってはかえって屈辱であり、自分をこのような目に遭わせた張本人が現れたのなら、辱めを受ける前に自決をしなければならないと思い込むほどであった。
──まさか淫魔に負けるとは。しかも、力で。
ステファンは血豆が潰れた痕すら消えかけ、皮の厚くなった自らの掌をじっと見つめた。
気づけば悔しさのあまり拳を握りしめ、奥歯が割れそうなほど食いしばっている。
──なんと情けない。こんな有様では、精霊様に顔向けできん。使命も果たせぬままここで……。
ステファンは己の顔を掻きむしるようにして覆う。
淫魔対策は完璧だった。未だ淫らな魔法に心奪われたことなどない。
それはこれまでの使命遂行状況を見ても明らかだった。
淫魔はその名の通り他者を魅了する魔法に特化しており、攻撃魔法はおろか血生臭い肉弾戦はまず出来ないと考えられていた。
それは概ね事実だろう。
ステファンを催淫できぬと分かった淫魔は皆血相を変えて逃げ出していたからだ。
たった一人の男淫魔を除いて。
もしかするとあの魔物はインキュバスではなかったのではないか。
そう考えたいステファンだったが、兜から突き出た赤黒い角や紫紺の鱗がついた尻尾が淫魔の一族であることを物語っており、自分を負かした相手が淫魔ではないという説を否定しなければならなくなった。
「このような……あってはならない……」
普段なら少し伸びた前髪を後ろに流し、すっきりと纏めている自慢の金髪を掻きむしりながら、ステファンはのたうち回りたい気持ちを必死に抑えていた。
そうこうしているうちに、誰かが階段を下ってくる靴音がステファンの耳に届き始める。
ステファンは脳内反省会を中断し、腰を上げて階段の上からやってくる者を待った。
──見張りか? 淫魔は私を襲いに牢の中に入ってくるだろう。何とか首を締めあげられないだろうか。
何とか格闘で淫魔を気絶させる方法を考えていたステファンだったが、そのシミュレートも水の泡と消える。
「もう起きてる。回復早いなぁ、キミ」
ステファンの前に現れたのは、己を昏倒させた張本人だった。
✡
今から遡ること数時間前。
ステファンはとある使命を胸に淫魔が造った地下迷宮、通称エロトラップダンジョンに足を踏み入れていた。
魔物が造る地下迷宮は大抵上層が下級魔獣が放たれたハンティングゾーン、中層が命を狙う狡猾な罠が仕掛けられたトラップゾーン、下層が溶岩や障気が流れたり迷宮のボスが待ち構えていたりする危険なキリングゾーンという構成である。
迷宮には途中途中に財宝が隠されているため、ニンゲンは命がけで宝探しを、魔物はニンゲンがあがく様を鑑賞したり、命そのものを狙ったりとで、欲と娯楽の持ちつ持たれつといった具合であった。
そして迷宮の中でも色物であるのが、淫魔が管理するダンジョンである。
淫魔が狙うのはヒトの命より貞操であり、魔物や罠も探索者をいかに辱しめられるかを基準に設計されていた。
腹上死や苗床化など死の危険もないわけではないが、他の迷宮に比べれば生存率は非常に高い。
代わりにエロトラップダンジョン依存症になり、淫魔の性奴隷に成り下がっていつの間にか消えている冒険者も少なくなかった。
ステファンがハマったらヒトとして終わりといわれるダンジョンに挑んでいるのは、財宝のためでも快楽のためでもない。
ステファンの目的は、エロトラップダンジョンの破壊。
淫魔の迷宮そのものをこの世から消すことであった。
「白銀のプレートメイルに天精霊の紋章付きマント……や、奴です!」
迷宮の管理室にいた若いインキュバスが半べそで水鏡を覗き込んでいる。
そこにはモーニングスターを手にした完全鎧の偉丈夫が映っていた。
彼の足元には服だけを溶かすスライムだったモノの断片が散らばり、またその横には陰茎を二本生やした猪型の魔獣が頭をかち割られてこと切れていた。
「うわ……」
大抵の淫魔は血生臭いことが大の苦手であり、武器を手にして向かってくる聖職者には内心怯えまくっている魔物だった。
「これ?」
水鏡を操るインキュバスの横に、ぬっと大きな影が寄り添うようにして立つ。
それはオークにも引けを取らない筋骨隆々の巨体で、彼の体を覆う筋肉そのものが鎧に見えるほど立派な体格をしている。
若いインキュバスは自分の二倍近い大男淫魔を見上げながら頷いた。
「はい。こいつが、こいつが迷宮潰しです! 僕達のダンジョンだけ狙ってくるんですよ」
「あー……。精霊教会のニンゲンかぁ。過激派っていうのがいるんだっけ? あんまり荒らさないでほしいよなぁ」
巨体の淫魔は寝起きのような気の抜けた声を出しながら水鏡を覗き込む。
「荒らしなんてもんじゃないですよ。本当に何もかもぶっ壊していくんです、ほら!」
事の重大さに気が付いていない巨体に焦れた若インキュバスがしきりに水鏡を指さす。
すると、そこには壁に向かって棘付鉄球を振り下ろす男の姿があった。
一体何をしてるのかなぁ、と巨体が口を開く前にそれは起こった。
とてつもない地響きと共に、最下層の管理室が揺れる。
「わぁっ!」
パラパラと細かい埃や削れた壁の破片が天井から降ってきた。
角の付け根を抑えてしゃがみ込む若インキュバスとは対照的に、巨体淫魔はどっしりと地に足をつけ、揺れる水面を凝視している。
そこには青白い光を帯びたモーニングスターで壁を破壊した完全鎧の男が映っていた。
「天界の魔法武器ってすごいよなぁ」
「呑気なこと言ってる場合ですか! あいつ、上層階ブチ抜き終わったら中層に爆薬設置して帰るんですよ!?」
「そうなの?」
「前も説明したじゃないですか。浄化の魔火だから全然消えないし、下層も吹き飛ぶし、あいつが中まで入ったらお終いです」
「そうなんだ。それは嫌だなぁ。俺、入れられるのより入れるほうが好きだし」
「僕は両方イけます。でも今そんな話してる場合じゃないんですよ。このままだと僕達本当に昇天してしまいます!」
「……もしかして、俺、戦闘要員で呼ばれたの?」
「もしかしなくてもそうです。お願いです、早く鎧着てください。武器はご親族様から取り寄せました。ダイン様が何とかしてくれないと、この世のエロトラップダンジョンが消えてしまいます」
ダインと呼ばれた巨体淫魔の前に、髑髏の飾りも禍々しい大振りの戦斧が突き出された。
若インキュバスは持っているのも辛いのか、戦斧の柄を握る両腕がぷるぷると震えている。
原始的かつ悪趣味な装飾の大戦斧はダインの母方、オーク族のものだ。
あらゆる種族と寝たといわれる淫魔王百一番目の息子がダインである。
おかげでダインは淫魔ながら規格外の体つきをもって生まれてきた。
見てくれが殆ど淫魔だったため、オーク族からは弾かれてしまったが、成長したダインの力はオーク族の男にも引けを取らない。
ダインは戦斧を片手で軽々受け取ると、刃こぼれをチェックしながら若インキュバスに声をかけた。
「もし、迷宮潰しを生け捕りに出来たら、俺のものにしていい?」
「好きにしてください。あ、一応生かすなら何故こんなことをしているのか理由くらいは尋問してほしいと王が」
「精霊の差し金なのかなぁ、やっぱり」
頭上で再度轟音が響き、部屋全体に振動が走った。
このままでは管理室も無事では済まないだろう。
「じゃあそろそろ行くよ。早く鎧脱がせてあげなきゃ。顔も俺好みだといいなぁ」
「……ご武運を」
迷宮が崩落の危機にあるにもかかわらず、どこまでも草を食んでいる牛のようにのんびりしているダインを見送りながら、若インキュバスは自分だけ逃げる算段を頭の中で巡らせていた。
つづく
ひんやりとした空気が素肌を通り抜ける感覚に身震いをしたステファンがようやく眼を覚ますと、そこは石壁の牢獄だった。
頭と腰にはまだ鈍痛が残り、全身が重たく、ステファンは起き上ることさえ億劫に感じた。
ステファンは下履き一枚の裸同然で牢の中に転がされていたようだ。
なんとか上体を起こして床に胡坐を掻いたステファンは、肌寒さに自然と両腕を擦っていた。
鉄格子の向こうに見える階段の先に燭台でも置かれているのだろうか。淡い光が牢の中を辛うじて照らしていた。
武器も防具も取り上げられたが、命までは奪われなかったようだ。
それがステファンにとってはかえって屈辱であり、自分をこのような目に遭わせた張本人が現れたのなら、辱めを受ける前に自決をしなければならないと思い込むほどであった。
──まさか淫魔に負けるとは。しかも、力で。
ステファンは血豆が潰れた痕すら消えかけ、皮の厚くなった自らの掌をじっと見つめた。
気づけば悔しさのあまり拳を握りしめ、奥歯が割れそうなほど食いしばっている。
──なんと情けない。こんな有様では、精霊様に顔向けできん。使命も果たせぬままここで……。
ステファンは己の顔を掻きむしるようにして覆う。
淫魔対策は完璧だった。未だ淫らな魔法に心奪われたことなどない。
それはこれまでの使命遂行状況を見ても明らかだった。
淫魔はその名の通り他者を魅了する魔法に特化しており、攻撃魔法はおろか血生臭い肉弾戦はまず出来ないと考えられていた。
それは概ね事実だろう。
ステファンを催淫できぬと分かった淫魔は皆血相を変えて逃げ出していたからだ。
たった一人の男淫魔を除いて。
もしかするとあの魔物はインキュバスではなかったのではないか。
そう考えたいステファンだったが、兜から突き出た赤黒い角や紫紺の鱗がついた尻尾が淫魔の一族であることを物語っており、自分を負かした相手が淫魔ではないという説を否定しなければならなくなった。
「このような……あってはならない……」
普段なら少し伸びた前髪を後ろに流し、すっきりと纏めている自慢の金髪を掻きむしりながら、ステファンはのたうち回りたい気持ちを必死に抑えていた。
そうこうしているうちに、誰かが階段を下ってくる靴音がステファンの耳に届き始める。
ステファンは脳内反省会を中断し、腰を上げて階段の上からやってくる者を待った。
──見張りか? 淫魔は私を襲いに牢の中に入ってくるだろう。何とか首を締めあげられないだろうか。
何とか格闘で淫魔を気絶させる方法を考えていたステファンだったが、そのシミュレートも水の泡と消える。
「もう起きてる。回復早いなぁ、キミ」
ステファンの前に現れたのは、己を昏倒させた張本人だった。
✡
今から遡ること数時間前。
ステファンはとある使命を胸に淫魔が造った地下迷宮、通称エロトラップダンジョンに足を踏み入れていた。
魔物が造る地下迷宮は大抵上層が下級魔獣が放たれたハンティングゾーン、中層が命を狙う狡猾な罠が仕掛けられたトラップゾーン、下層が溶岩や障気が流れたり迷宮のボスが待ち構えていたりする危険なキリングゾーンという構成である。
迷宮には途中途中に財宝が隠されているため、ニンゲンは命がけで宝探しを、魔物はニンゲンがあがく様を鑑賞したり、命そのものを狙ったりとで、欲と娯楽の持ちつ持たれつといった具合であった。
そして迷宮の中でも色物であるのが、淫魔が管理するダンジョンである。
淫魔が狙うのはヒトの命より貞操であり、魔物や罠も探索者をいかに辱しめられるかを基準に設計されていた。
腹上死や苗床化など死の危険もないわけではないが、他の迷宮に比べれば生存率は非常に高い。
代わりにエロトラップダンジョン依存症になり、淫魔の性奴隷に成り下がっていつの間にか消えている冒険者も少なくなかった。
ステファンがハマったらヒトとして終わりといわれるダンジョンに挑んでいるのは、財宝のためでも快楽のためでもない。
ステファンの目的は、エロトラップダンジョンの破壊。
淫魔の迷宮そのものをこの世から消すことであった。
「白銀のプレートメイルに天精霊の紋章付きマント……や、奴です!」
迷宮の管理室にいた若いインキュバスが半べそで水鏡を覗き込んでいる。
そこにはモーニングスターを手にした完全鎧の偉丈夫が映っていた。
彼の足元には服だけを溶かすスライムだったモノの断片が散らばり、またその横には陰茎を二本生やした猪型の魔獣が頭をかち割られてこと切れていた。
「うわ……」
大抵の淫魔は血生臭いことが大の苦手であり、武器を手にして向かってくる聖職者には内心怯えまくっている魔物だった。
「これ?」
水鏡を操るインキュバスの横に、ぬっと大きな影が寄り添うようにして立つ。
それはオークにも引けを取らない筋骨隆々の巨体で、彼の体を覆う筋肉そのものが鎧に見えるほど立派な体格をしている。
若いインキュバスは自分の二倍近い大男淫魔を見上げながら頷いた。
「はい。こいつが、こいつが迷宮潰しです! 僕達のダンジョンだけ狙ってくるんですよ」
「あー……。精霊教会のニンゲンかぁ。過激派っていうのがいるんだっけ? あんまり荒らさないでほしいよなぁ」
巨体の淫魔は寝起きのような気の抜けた声を出しながら水鏡を覗き込む。
「荒らしなんてもんじゃないですよ。本当に何もかもぶっ壊していくんです、ほら!」
事の重大さに気が付いていない巨体に焦れた若インキュバスがしきりに水鏡を指さす。
すると、そこには壁に向かって棘付鉄球を振り下ろす男の姿があった。
一体何をしてるのかなぁ、と巨体が口を開く前にそれは起こった。
とてつもない地響きと共に、最下層の管理室が揺れる。
「わぁっ!」
パラパラと細かい埃や削れた壁の破片が天井から降ってきた。
角の付け根を抑えてしゃがみ込む若インキュバスとは対照的に、巨体淫魔はどっしりと地に足をつけ、揺れる水面を凝視している。
そこには青白い光を帯びたモーニングスターで壁を破壊した完全鎧の男が映っていた。
「天界の魔法武器ってすごいよなぁ」
「呑気なこと言ってる場合ですか! あいつ、上層階ブチ抜き終わったら中層に爆薬設置して帰るんですよ!?」
「そうなの?」
「前も説明したじゃないですか。浄化の魔火だから全然消えないし、下層も吹き飛ぶし、あいつが中まで入ったらお終いです」
「そうなんだ。それは嫌だなぁ。俺、入れられるのより入れるほうが好きだし」
「僕は両方イけます。でも今そんな話してる場合じゃないんですよ。このままだと僕達本当に昇天してしまいます!」
「……もしかして、俺、戦闘要員で呼ばれたの?」
「もしかしなくてもそうです。お願いです、早く鎧着てください。武器はご親族様から取り寄せました。ダイン様が何とかしてくれないと、この世のエロトラップダンジョンが消えてしまいます」
ダインと呼ばれた巨体淫魔の前に、髑髏の飾りも禍々しい大振りの戦斧が突き出された。
若インキュバスは持っているのも辛いのか、戦斧の柄を握る両腕がぷるぷると震えている。
原始的かつ悪趣味な装飾の大戦斧はダインの母方、オーク族のものだ。
あらゆる種族と寝たといわれる淫魔王百一番目の息子がダインである。
おかげでダインは淫魔ながら規格外の体つきをもって生まれてきた。
見てくれが殆ど淫魔だったため、オーク族からは弾かれてしまったが、成長したダインの力はオーク族の男にも引けを取らない。
ダインは戦斧を片手で軽々受け取ると、刃こぼれをチェックしながら若インキュバスに声をかけた。
「もし、迷宮潰しを生け捕りに出来たら、俺のものにしていい?」
「好きにしてください。あ、一応生かすなら何故こんなことをしているのか理由くらいは尋問してほしいと王が」
「精霊の差し金なのかなぁ、やっぱり」
頭上で再度轟音が響き、部屋全体に振動が走った。
このままでは管理室も無事では済まないだろう。
「じゃあそろそろ行くよ。早く鎧脱がせてあげなきゃ。顔も俺好みだといいなぁ」
「……ご武運を」
迷宮が崩落の危機にあるにもかかわらず、どこまでも草を食んでいる牛のようにのんびりしているダインを見送りながら、若インキュバスは自分だけ逃げる算段を頭の中で巡らせていた。
つづく
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