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七 引金
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長治郎は気づくと家の裏手にへたり込んでいた。
天を仰ぐと、飛び上がる時に見えた星の配列はそっくりそのまま夜空に残っている。
恐らく、長治郎が飛び立った頃から殆ど時間が経過していないのだろう。
この、ヒトの世においては。
長治郎は羽根を片手に家の戸をそっと開け、いつものように筵の上に寝転がった。
ああ、畳が恋しい。
鬼に教えられなければ、このような気持ちにはならずに済んだろうに。
長治郎は六玄を恨みつつ、ほろ酔いの頬を筵に付けると、そのままいい気分のまま夢の中へと落ちていった。
➵
それからというもの、美酒と馳走に舌が肥えてしまった長治郎は思わぬ苦痛を強いられることになる。
いつもの飯が、美味くない。
粟も稗も芋も何もかも、粗末でしみったれて鼠でも囓らないようなものに思えてくる。
何を贅沢な。
あれが可怪しいんだ。
そう思っても、長治郎の舌は満足しない。
思わぬ幸運は時として毒である。
長治郎はじわじわとその毒に侵されているのである。
そしてもう一つ長治郎を苦しめるものがあった。
孤独である。
誰かと話しながら飯を食ったのは何年ぶりだっただろうか。
何もかも異なる六玄とは話が噛み合わぬことも多かったが、それでさえ楽しかった。
今はどうだ。
長治郎に返事をするのは囲炉裏で燃える薪が小さく爆ぜる音くらいである。
俺にも嫁っ子が居たら、違げぇんだろうけっど……。
淋しい。ああ、淋しい。
長治郎はあと十日は控えようと思っていた訪問を早めることにした。
こうして三日か四日に一度、長治郎は鬼の元を訪ねるようになっていった。
最初は遠慮がちだった長治郎も、今や我が家のように寛ぐまでになった。
庭への着地も上手くなり、戯けて一本足で降り立ったことさえある。
六玄はいつも朗らかな様子で長治郎を迎え入れ、毎晩毎晩美味い酒と肴でもてなした。
「どうだ、傷の具合は?」
「うむ、大分塞がってきたな」
「そうかぁ。そりゃ良がったな! なら、もう家さ帰ぇんのか」
「いや。暫くは大人しくしているほかあるまい。父上の機嫌は簡単に変わらぬ。他の者にも示しがつかぬしな」
「はぁ、大層なこって」
ある晩、長治郎と六玄はこのようなやりとりを行った。
長治郎とて、この夢の時間が何時までも続くとは思っていない。
せめて、終わりくらいは知りたいという下心でした質問であったが、どうも幸運の酒宴はまだ終わりそうにない。
それは六玄の怪我が完治せず、蟄居も解かれないことを喜ぶことにもなり、長治郎は自分の浅ましさに恥と嫌気を覚えた。
六玄は帰りたいだろうに。
お前はなんて野郎だ。
人の、いや、鬼の不幸を喜んでしゃぶってやがる。
だが、それ以上にこの時間が終わってほしくないことも本心だった。
六玄は鬼とは思えぬほど穏やかで、笑い上戸で、優しかった。
こんなに良い呑み友達はどこを探しても居ないだろう。
六玄との時間は失いたくなかった。
だから、長治郎は初めのときのように、酷く酔ってしまった日、こんな事を言ってしまったのである。
「ずっとこうして、おめぇと一緒に居られたらなぁ……」
長治郎は盃に注がれた酒の鏡に映る自分の情けない顔を見ながら、ぽそりと本心を口にした。
その時、六玄がどのような顔をしたか、長治郎は見ていない。
目を伏せていたからだ。
それがすべての始まりであり、終わりでもある。
長治郎は顔を上げるべきだった。
鬼の顔を見るべきだった。
己が何を言ったのか考えるべきだった。
何が惜しくてそう言ったのか説明するべきだった。
だが、もう遅い。
長治郎は己しか見ていなかったのだから。
➵
ある朝、まだ日の登りきらぬ暗い中、長治郎が酒の残った重たい頭で井戸まで来ると、そこには珍しい人物がいた。
長治郎の二軒隣に住む男の女房である。
村の者には珍しく線が細く色白の器量良しだ。
旦那の弥吉は自分の女房になるだけ力仕事をさせたくないらしく、水汲みも任せないほどだ。
その女房が今、額に汗を浮かせて水のたっぷり入った桶を引き上げているのである。
「おう、て、手伝うか?」
長治郎に近づかれたくない素振りを見せる者もいるため、恐る恐る尋ねた長治郎へ、女は困り顔で笑ってみせた。
「なァに、手伝ってもらうほどのこったぁ、ねっ、からっ」
ふう、と大きくため息をつき、ようやく汲んだ水を盥へ流し込んでいる。
「弥吉はなじょした?」
「あぁ、夜中にな、なんだかいがい音がすっからって言って起き上がってな、そしたら寝ぼけたてのかひっくり返って」
女はとんとん、と自らの腰を拳で軽く叩いて見せる。
どうも腰を打ち付けてへばっているらしい。
「ま、すぐに治っと思うけどよ」
「いいなあ」
長治郎の口から思ったことが流れ出てしまう。
「へっ?」
女もぽかんと口を開けるばかりだ。
「いや、その、俺がひっくり返っても誰も診てくんねぇべ。だからよ、こうして一所懸命になってくれる嫁さん貰って、弥吉は幸せモンだ」
「何だァ、そんな、いきなし、可笑しいこと」
女は満更でもないようである。
はにかみながら虫を払うような手の仕草をしきりに行っているところを見ると、夫婦仲はとても良いようだ。
「俺んとこさは来てくれねぇからよ、おめぇみてぇな優しい嫁さんはよぉ」
嫉妬にまみれた愚痴を努めて明るく零す長治郎は、こんな話をすべきではないと今更ながらに思った。
「何で。おめぇさんも働きモンだし、きっと」
「無理だ、俺には」
長治郎は右の目尻をトントンと指でつつく。
多くの村人が忌み嫌う病の痕だ。
それを見た女は少し眉を下げた。
「あんなぁ、口の悪りぃ奴らの言うことなんか放っとけよぉ。年寄のろくでもねぇ話なんか」
「でもよ、その年寄らが俺ァ家には嫁がせねぇって言ってったもんなあ」
それを聞いた女はニヤリと不敵に笑う。
「何もこん村の者としか夫婦になれねぇってワケでもあんめぇよ」
「えっ」
「おらぁが隣村から嫁いで来たこと忘れてっか?」
「あ」
盲点だった。
➵
夜。
長治郎はいつものように六玄の屋敷でゆるゆると酒を飲んでいる。
いつもに増して上機嫌に見えるのは気の所為ではないだろう。
「何か良いことでもあったようだな、長治郎」
六玄の問に、長治郎はへへへと笑って首の後ろを掻いている。
「いやあ、それがよ、弥吉の女房がよ」
「ヤキチ?」
「ああ、俺ァ家の二つ隣のモンだ。でよ、そこの女房がよ、口利いてくれることになってよ。いやぁ、弥吉にもったいねぇくれぇだなぁ」
「ふむ。それで、口利きとは?」
酔っぱらいの蛇行する話を六玄は嫌な顔ひとつせず聞いている。
「そういや、前に言ったっけか? 俺の痘痕の話は」
「ああ、聞いておる。某としては、ヒトは病を恐れすぎていると思うがな」
長治郎が天涯孤独である身の上は世間話の中で溢れたものから六玄にもしっかりと把握されていた。
「まあ鬼とは違ぇからなぁ。でよ、俺も一人でいっと淋しいからよぉ、そういう話をしたらな」
「……」
「なんとよ、弥吉の女房が隣村で嫁いでねぇ娘っ子がいねぇか聞いてくれるってよ! 俺ァにもようやく春が来たってわけだぁ。あっ、まだ早ぇか!」
わははは、と一人笑いの花を咲かせる長治郎であったが、それはある音によって途絶えることになった。
バキッ、と硬いものが折れる音が座敷にこだまする。
その音の出所は、六玄が持っていた盃だ。
朱塗りも見事な盃は、六玄の親指に強く押さえつけられ過ぎたのか、見事に折れて粉々になっていた。
盃の破片と、中の酒が六玄の袴へと落ちてゆく。
「何故だ」
「えっ」
「分からぬ」
「お、おい」
「嫁取りだと? 何ゆえそのような……」
まるで化け物を目の当たりにしたのように目を開き、六玄は長治郎を見据える。
「そなたは某と共にあると、そう申したではないか」
恐ろしく低く、平坦な声だ。
一切の表情を失った六玄の顔は、目玉だけがぎらぎらと凶刃のごとく光っている。
「な、な、その」
座敷の温度が急激に冷え、長治郎はまるで猛吹雪のなかにほっぽり出されたような、痛いくらいの寒さを覚える。
肌は粟立ち、四肢は自然と小刻みに震え始めた。
「忘れたとは言わせぬ。そなたは某へ、ずっと一緒に居られたらと、そう申したではないか」
「えっ、いや、あの」
言ったか?
覚えてねぇ。
もはやそのようなことを口にする事ができないくらい、六玄は恐ろしい威圧感を放っている。
膝の上の破片を払い除けた六玄は立ち上がり、大股で座したままの長治郎の真正面へやってくる。
そして膝を折ると、強い力で長治郎の肩を掴んで長治郎の顔へ己の顔を近づけた。
鼻と鼻とか触れ合いそうなほど、近い。
「あれは嘘だったのか? 某と一緒になりたいという――」
「待て待て待て待て待ってくれッ! 話ッ、話をさせてくれぇっ!」
つづく
天を仰ぐと、飛び上がる時に見えた星の配列はそっくりそのまま夜空に残っている。
恐らく、長治郎が飛び立った頃から殆ど時間が経過していないのだろう。
この、ヒトの世においては。
長治郎は羽根を片手に家の戸をそっと開け、いつものように筵の上に寝転がった。
ああ、畳が恋しい。
鬼に教えられなければ、このような気持ちにはならずに済んだろうに。
長治郎は六玄を恨みつつ、ほろ酔いの頬を筵に付けると、そのままいい気分のまま夢の中へと落ちていった。
➵
それからというもの、美酒と馳走に舌が肥えてしまった長治郎は思わぬ苦痛を強いられることになる。
いつもの飯が、美味くない。
粟も稗も芋も何もかも、粗末でしみったれて鼠でも囓らないようなものに思えてくる。
何を贅沢な。
あれが可怪しいんだ。
そう思っても、長治郎の舌は満足しない。
思わぬ幸運は時として毒である。
長治郎はじわじわとその毒に侵されているのである。
そしてもう一つ長治郎を苦しめるものがあった。
孤独である。
誰かと話しながら飯を食ったのは何年ぶりだっただろうか。
何もかも異なる六玄とは話が噛み合わぬことも多かったが、それでさえ楽しかった。
今はどうだ。
長治郎に返事をするのは囲炉裏で燃える薪が小さく爆ぜる音くらいである。
俺にも嫁っ子が居たら、違げぇんだろうけっど……。
淋しい。ああ、淋しい。
長治郎はあと十日は控えようと思っていた訪問を早めることにした。
こうして三日か四日に一度、長治郎は鬼の元を訪ねるようになっていった。
最初は遠慮がちだった長治郎も、今や我が家のように寛ぐまでになった。
庭への着地も上手くなり、戯けて一本足で降り立ったことさえある。
六玄はいつも朗らかな様子で長治郎を迎え入れ、毎晩毎晩美味い酒と肴でもてなした。
「どうだ、傷の具合は?」
「うむ、大分塞がってきたな」
「そうかぁ。そりゃ良がったな! なら、もう家さ帰ぇんのか」
「いや。暫くは大人しくしているほかあるまい。父上の機嫌は簡単に変わらぬ。他の者にも示しがつかぬしな」
「はぁ、大層なこって」
ある晩、長治郎と六玄はこのようなやりとりを行った。
長治郎とて、この夢の時間が何時までも続くとは思っていない。
せめて、終わりくらいは知りたいという下心でした質問であったが、どうも幸運の酒宴はまだ終わりそうにない。
それは六玄の怪我が完治せず、蟄居も解かれないことを喜ぶことにもなり、長治郎は自分の浅ましさに恥と嫌気を覚えた。
六玄は帰りたいだろうに。
お前はなんて野郎だ。
人の、いや、鬼の不幸を喜んでしゃぶってやがる。
だが、それ以上にこの時間が終わってほしくないことも本心だった。
六玄は鬼とは思えぬほど穏やかで、笑い上戸で、優しかった。
こんなに良い呑み友達はどこを探しても居ないだろう。
六玄との時間は失いたくなかった。
だから、長治郎は初めのときのように、酷く酔ってしまった日、こんな事を言ってしまったのである。
「ずっとこうして、おめぇと一緒に居られたらなぁ……」
長治郎は盃に注がれた酒の鏡に映る自分の情けない顔を見ながら、ぽそりと本心を口にした。
その時、六玄がどのような顔をしたか、長治郎は見ていない。
目を伏せていたからだ。
それがすべての始まりであり、終わりでもある。
長治郎は顔を上げるべきだった。
鬼の顔を見るべきだった。
己が何を言ったのか考えるべきだった。
何が惜しくてそう言ったのか説明するべきだった。
だが、もう遅い。
長治郎は己しか見ていなかったのだから。
➵
ある朝、まだ日の登りきらぬ暗い中、長治郎が酒の残った重たい頭で井戸まで来ると、そこには珍しい人物がいた。
長治郎の二軒隣に住む男の女房である。
村の者には珍しく線が細く色白の器量良しだ。
旦那の弥吉は自分の女房になるだけ力仕事をさせたくないらしく、水汲みも任せないほどだ。
その女房が今、額に汗を浮かせて水のたっぷり入った桶を引き上げているのである。
「おう、て、手伝うか?」
長治郎に近づかれたくない素振りを見せる者もいるため、恐る恐る尋ねた長治郎へ、女は困り顔で笑ってみせた。
「なァに、手伝ってもらうほどのこったぁ、ねっ、からっ」
ふう、と大きくため息をつき、ようやく汲んだ水を盥へ流し込んでいる。
「弥吉はなじょした?」
「あぁ、夜中にな、なんだかいがい音がすっからって言って起き上がってな、そしたら寝ぼけたてのかひっくり返って」
女はとんとん、と自らの腰を拳で軽く叩いて見せる。
どうも腰を打ち付けてへばっているらしい。
「ま、すぐに治っと思うけどよ」
「いいなあ」
長治郎の口から思ったことが流れ出てしまう。
「へっ?」
女もぽかんと口を開けるばかりだ。
「いや、その、俺がひっくり返っても誰も診てくんねぇべ。だからよ、こうして一所懸命になってくれる嫁さん貰って、弥吉は幸せモンだ」
「何だァ、そんな、いきなし、可笑しいこと」
女は満更でもないようである。
はにかみながら虫を払うような手の仕草をしきりに行っているところを見ると、夫婦仲はとても良いようだ。
「俺んとこさは来てくれねぇからよ、おめぇみてぇな優しい嫁さんはよぉ」
嫉妬にまみれた愚痴を努めて明るく零す長治郎は、こんな話をすべきではないと今更ながらに思った。
「何で。おめぇさんも働きモンだし、きっと」
「無理だ、俺には」
長治郎は右の目尻をトントンと指でつつく。
多くの村人が忌み嫌う病の痕だ。
それを見た女は少し眉を下げた。
「あんなぁ、口の悪りぃ奴らの言うことなんか放っとけよぉ。年寄のろくでもねぇ話なんか」
「でもよ、その年寄らが俺ァ家には嫁がせねぇって言ってったもんなあ」
それを聞いた女はニヤリと不敵に笑う。
「何もこん村の者としか夫婦になれねぇってワケでもあんめぇよ」
「えっ」
「おらぁが隣村から嫁いで来たこと忘れてっか?」
「あ」
盲点だった。
➵
夜。
長治郎はいつものように六玄の屋敷でゆるゆると酒を飲んでいる。
いつもに増して上機嫌に見えるのは気の所為ではないだろう。
「何か良いことでもあったようだな、長治郎」
六玄の問に、長治郎はへへへと笑って首の後ろを掻いている。
「いやあ、それがよ、弥吉の女房がよ」
「ヤキチ?」
「ああ、俺ァ家の二つ隣のモンだ。でよ、そこの女房がよ、口利いてくれることになってよ。いやぁ、弥吉にもったいねぇくれぇだなぁ」
「ふむ。それで、口利きとは?」
酔っぱらいの蛇行する話を六玄は嫌な顔ひとつせず聞いている。
「そういや、前に言ったっけか? 俺の痘痕の話は」
「ああ、聞いておる。某としては、ヒトは病を恐れすぎていると思うがな」
長治郎が天涯孤独である身の上は世間話の中で溢れたものから六玄にもしっかりと把握されていた。
「まあ鬼とは違ぇからなぁ。でよ、俺も一人でいっと淋しいからよぉ、そういう話をしたらな」
「……」
「なんとよ、弥吉の女房が隣村で嫁いでねぇ娘っ子がいねぇか聞いてくれるってよ! 俺ァにもようやく春が来たってわけだぁ。あっ、まだ早ぇか!」
わははは、と一人笑いの花を咲かせる長治郎であったが、それはある音によって途絶えることになった。
バキッ、と硬いものが折れる音が座敷にこだまする。
その音の出所は、六玄が持っていた盃だ。
朱塗りも見事な盃は、六玄の親指に強く押さえつけられ過ぎたのか、見事に折れて粉々になっていた。
盃の破片と、中の酒が六玄の袴へと落ちてゆく。
「何故だ」
「えっ」
「分からぬ」
「お、おい」
「嫁取りだと? 何ゆえそのような……」
まるで化け物を目の当たりにしたのように目を開き、六玄は長治郎を見据える。
「そなたは某と共にあると、そう申したではないか」
恐ろしく低く、平坦な声だ。
一切の表情を失った六玄の顔は、目玉だけがぎらぎらと凶刃のごとく光っている。
「な、な、その」
座敷の温度が急激に冷え、長治郎はまるで猛吹雪のなかにほっぽり出されたような、痛いくらいの寒さを覚える。
肌は粟立ち、四肢は自然と小刻みに震え始めた。
「忘れたとは言わせぬ。そなたは某へ、ずっと一緒に居られたらと、そう申したではないか」
「えっ、いや、あの」
言ったか?
覚えてねぇ。
もはやそのようなことを口にする事ができないくらい、六玄は恐ろしい威圧感を放っている。
膝の上の破片を払い除けた六玄は立ち上がり、大股で座したままの長治郎の真正面へやってくる。
そして膝を折ると、強い力で長治郎の肩を掴んで長治郎の顔へ己の顔を近づけた。
鼻と鼻とか触れ合いそうなほど、近い。
「あれは嘘だったのか? 某と一緒になりたいという――」
「待て待て待て待て待ってくれッ! 話ッ、話をさせてくれぇっ!」
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