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第一章 ホシとペットと仲間と
第44話 ギルドにて
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<三人称視点>
ホシの配信が終わり、とある掲示板が加速する中、同時刻のギルド内。
「ふぅ……」
会議室にて、一人の女性がため息をついた。
ギルド局長の責野だ。
「……」
ホシが終わってから数十分。
責野はひたすらに配信を見返している。
そんな彼女に、周りの職員も心配そうに声を掛ける。
「きょ、局長……」
「大丈夫ですか」
「顔がしんどそうですよ」
周りの職員も、責野がホシ関連のことで胃を痛めていることを知っていたからだ。
「……」
しかし、今の責野のしんどさはこの前とは少し違う。
配信を見返しながら責野は思っていた。
(か、かわいい……!)
今回の配信で登場した、いちごとブルーハワイ。
その中でも特に、もふもふのフェニックス──いちごに興味を持っていた。
(この子も仲良くしてくれるのかな)
すでに接近した時のことまで考えている責野。
今の彼女は、むしろそう考えていることが周りにバレない為、あくまで毅然とした態度を取ることに「しんどさ」を感じているのだ。
(局長がナメられたらお終いだもの。監視目的で見ている様に振る舞わなきゃ)
責野は、ホシのペット達(特にもふもふ)のファンになりかけていた。
それを隠そうと必死なのだ。
「局長。そろそろ時間です」
「え! あ、ああ、そうね」
そうして予定していた時間になり、責野は名残惜しそうにスマホをしまった。
この切り替えの速さは仕事ができる人のそれである。
責野は会議室入口付近の職員に尋ねた。
「彼女は到着しているかしら」
「はい。待機してもらっています」
「ありがとう。すぐに呼んでちょうだい」
責野が声を掛け、ギルドに呼んでいた者が会議室に入ってくる。
「失礼します」
「来てくれてありがとう」
「いえ、私もお世話になっていますので」
席についた彼女が顔を上げ、責野から口を開いた。
「久しぶりね。日向さん」
「こちらこそです。責野さん」
呼んでいたのは──日向ヒカリ。
ホシが深層にて駆けつけた、高校生唯一のSランク探索者だ。
「早速だけど、データは確認してもらえた?」
「はい。バッチリです」
「それで了承は……」
「任せてください」
「!」
責野がヒカリの様子をうかがう様に尋ねたところ、ヒカリは即答する。
どうやら用件をのんでもらえたようだ。
「そう言ってもらえると助かるわ。これは数少ないSランクのあなたにしか頼めないもの」
「私に務まるかは分かりませんが、やってみます」
「ありがとう。本当は、まだ協力してもらいたい子もいるのだけど……」
「ふふっ。誰かはあえてツッコみませんよ」
二人の頭の中には「ホ」と「シ」が付く者が浮かんでいるだろう。
それでも、規則などの何らかの事情があるようだ。
「じゃあ改めて──」
そうして、責野はヒカリに頼んだ用件を口にした。
「ダンジョンに『魔核』が発生している可能性について、調査をお願いします」
ホシの配信が終わり、とある掲示板が加速する中、同時刻のギルド内。
「ふぅ……」
会議室にて、一人の女性がため息をついた。
ギルド局長の責野だ。
「……」
ホシが終わってから数十分。
責野はひたすらに配信を見返している。
そんな彼女に、周りの職員も心配そうに声を掛ける。
「きょ、局長……」
「大丈夫ですか」
「顔がしんどそうですよ」
周りの職員も、責野がホシ関連のことで胃を痛めていることを知っていたからだ。
「……」
しかし、今の責野のしんどさはこの前とは少し違う。
配信を見返しながら責野は思っていた。
(か、かわいい……!)
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その中でも特に、もふもふのフェニックス──いちごに興味を持っていた。
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今の彼女は、むしろそう考えていることが周りにバレない為、あくまで毅然とした態度を取ることに「しんどさ」を感じているのだ。
(局長がナメられたらお終いだもの。監視目的で見ている様に振る舞わなきゃ)
責野は、ホシのペット達(特にもふもふ)のファンになりかけていた。
それを隠そうと必死なのだ。
「局長。そろそろ時間です」
「え! あ、ああ、そうね」
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この切り替えの速さは仕事ができる人のそれである。
責野は会議室入口付近の職員に尋ねた。
「彼女は到着しているかしら」
「はい。待機してもらっています」
「ありがとう。すぐに呼んでちょうだい」
責野が声を掛け、ギルドに呼んでいた者が会議室に入ってくる。
「失礼します」
「来てくれてありがとう」
「いえ、私もお世話になっていますので」
席についた彼女が顔を上げ、責野から口を開いた。
「久しぶりね。日向さん」
「こちらこそです。責野さん」
呼んでいたのは──日向ヒカリ。
ホシが深層にて駆けつけた、高校生唯一のSランク探索者だ。
「早速だけど、データは確認してもらえた?」
「はい。バッチリです」
「それで了承は……」
「任せてください」
「!」
責野がヒカリの様子をうかがう様に尋ねたところ、ヒカリは即答する。
どうやら用件をのんでもらえたようだ。
「そう言ってもらえると助かるわ。これは数少ないSランクのあなたにしか頼めないもの」
「私に務まるかは分かりませんが、やってみます」
「ありがとう。本当は、まだ協力してもらいたい子もいるのだけど……」
「ふふっ。誰かはあえてツッコみませんよ」
二人の頭の中には「ホ」と「シ」が付く者が浮かんでいるだろう。
それでも、規則などの何らかの事情があるようだ。
「じゃあ改めて──」
そうして、責野はヒカリに頼んだ用件を口にした。
「ダンジョンに『魔核』が発生している可能性について、調査をお願いします」
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