27 / 42
第22話 不器用な兄弟~SIDEアンリ&ルイス~
しおりを挟む
鉛筆の音だけが室内に鳴り響く。
青々と茂った生命力あふれるその植物を顔をあげて何度も確認しながら、キャンバスに反映させた。
裏庭からロザリアの手によって運ばれてきたそれは、今日は低めの器に身を投じている。
ルイスは瞬間、緑と緑の間から少しだけ顔を出している小さな白い花を見つめて、手に取ると優しく撫でた。
「これは……」
そう言いかけた瞬間に部屋の扉がゆっくりと開く音がした。
食事の時間でもない、お茶の時間でもない。
それにエリーヌは少し前に訪問して戻ったばかり。
不思議に思ったルイスは振り返って入口のほうをみやった。
「──っ!!」
「久しぶり、ルイス」
「兄さん……」
およそ5年ぶりの再会だった──
アンリは瞬きを速めながら自分の靴をちらりと見ては、気恥ずかしそうに大きな時計を見る。
ルイスはその赤い瞳を開いたまま、じっと兄の瞳が何度も閉じては開く姿を見つめる。
部屋の入口からゆっくりとした歩みでルイスに近づく。
待っていた彼は兄の目を見上げて、彼の頬へ手を伸ばす。
「兄さん、いらっしゃい」
「ああ、お邪魔します」
なんともぎこちなく交わされた挨拶は静かな時間をもたらし、二人は以前のようにソファの定位置へと腰かける。
本棚側のソファにはアンリが右端側よりに座り、大きな時計側のソファにはルイスがこれまた右側よりに座った。
少しだけずれたその位置が、彼ら兄弟の定位置──
「もう来てくれないかと思いました」
「いや、その、エリーヌに促されて……」
やっぱり彼女が気を回してくれたのだと気づき、ルイスはわずかに微笑む。
テーブルにあった冷水をグラスに注ぐと、兄の右手の前に置いた。
「ごめんね、お水しかないけど」
「大丈夫だよ。水は好きだ」
「昔、山に湧き水を汲みに行きましたね」
「ああ、勝手に家を出て怒られたな」
意図的に”誰に”と言わないアンリに、彼は少し苛立ちを覚えた。
「僕はもう父上の死も、母上の死も受け入れています」
「──っ! ああ、そうだな」
図星を突かれたように目を逸らした兄に向かって、ルイスは立ち上がって訴える。
「僕は子供じゃないんです!! 兄さんに、兄さんに守られなくても生きていけます!」
「ルイス……!」
そこまで言って自分で自分が矛盾していると思った。
ならなぜここから出ない。
どうしてここに居座って外へと出ないのか。
(怖がっているのは自分じゃないか、これじゃあまるで八つ当たりだ)
アンリはおもむろに立ち上がると、テーブルを回り込んで彼のもとへと向かった。
「──っ!」
ゆっくりと彼は自分を責める弟の背中をさする。
そして少しだけ遠慮がちに自分の身体を彼の身体に寄せた。
「俺が来たら、お前を苦しめると思った。お前から大切な全てを奪ったのは俺だから」
「ちがっ……!」
「でも、違った。怖かったんだよ、俺はお前に合うのが。だってお前は絶対に俺を責めない」
一層責めてくれたら楽なのに。
恨まれれば楽なのに。
だが、アンリは知っていた。
自分の弟はどんなに辛い目にあったとしても人のせいにしないことを──
彼のその優しさをわかっているからこそ、自分の罪がどこかに消えてしまうのではないかと怖かった。
アンリは左耳につけたピアスに手をやると、ダイヤの光るそれをはずしてテーブルに置く。
「兄さん?」
「お前の言う通りだよ。俺は今までお前を縛ってた。守ってあげなくちゃいけないと思っていた。でも、もうそうじゃなかった」
アンリは先程まで逸らしていた目をルイスに向ける。
「ルイス。お前はもう大人だ。いつまで閉じこもってる? いつまで傷ついた『ふり』をしている?」
「──っ!!」
「もうお前は自分の足で歩けるはずだ。怖がるな」
彼は気づいた。
兄は自分へ『勇気』を伝えようとしている。
長年がんじがらめになっていた鎖を引きちぎって兄はここへと来た。
ならば、今度その鎖を強固なものへと正しく繋ぎ直すのが……。
(僕の役割……兄さんの気持ちを受け取って、そして僕は)
彼は黒く見える兄の瞳を見つめて頷いた。
「兄さん、ありがとう。守られるんじゃない。僕も自分の足で踏み出すよ。だから、今度は見守っていてほしい」
「ああ、俺が絶対にお前の目を治す。お前がもう一度、夢を見られるように」
ルイスの頬に一筋の涙が光った。
そうして兄弟は微笑み合った──
ルイスの描く絵を見て、アンリは感心する。
「ほお、うまくなったな」
「本当!?」
「ああ、陰影もそうだが、なんだか生き生きしている」
「ふふ、ありがとう。ねえ、覚えてる? この花」
ルイスは小さな白い花を撫でてアンリの顔を伺う。
彼は腕を組んで天井を眺めながら、う~んと唸って考える。
「もう、忘れたの!?」
「見たことあるような……?」
「ほら、兄さんが昔出会ったあの子がくれたって僕に見せてくれたじゃないか!」
そこまで聞いて、アンリの中に少しずつ当時の記憶がよみがえってくる。
『ねえ~これ、おにわにあったのですが、アンリさま、よかったら』
『ああ、可愛いね。なんて花なんだい?』
『おなまえはわからなく……すみません』
『いいや、じゃあ次に会った時までに俺が調べておくよ』
『ほんとうですか!?』
『ああ、楽しみにしていてくれ……』
「──っ!!」
鮮明に光景と声が呼び起こされて彼はぞくりとした。
彼はにわかには信じがたく、思わずその場で硬直してしまう。
「兄さん?」
「ルイス、ありがとう。お前のおかげで大事な記憶を思い出せたよ」
「え?」
そう、淡い青のドレスに身を包んだ金髪のその少女に言った最後の言葉を、アンリは思い出した。
『ああ、楽しみにしていてくれ……エリーヌ』
青々と茂った生命力あふれるその植物を顔をあげて何度も確認しながら、キャンバスに反映させた。
裏庭からロザリアの手によって運ばれてきたそれは、今日は低めの器に身を投じている。
ルイスは瞬間、緑と緑の間から少しだけ顔を出している小さな白い花を見つめて、手に取ると優しく撫でた。
「これは……」
そう言いかけた瞬間に部屋の扉がゆっくりと開く音がした。
食事の時間でもない、お茶の時間でもない。
それにエリーヌは少し前に訪問して戻ったばかり。
不思議に思ったルイスは振り返って入口のほうをみやった。
「──っ!!」
「久しぶり、ルイス」
「兄さん……」
およそ5年ぶりの再会だった──
アンリは瞬きを速めながら自分の靴をちらりと見ては、気恥ずかしそうに大きな時計を見る。
ルイスはその赤い瞳を開いたまま、じっと兄の瞳が何度も閉じては開く姿を見つめる。
部屋の入口からゆっくりとした歩みでルイスに近づく。
待っていた彼は兄の目を見上げて、彼の頬へ手を伸ばす。
「兄さん、いらっしゃい」
「ああ、お邪魔します」
なんともぎこちなく交わされた挨拶は静かな時間をもたらし、二人は以前のようにソファの定位置へと腰かける。
本棚側のソファにはアンリが右端側よりに座り、大きな時計側のソファにはルイスがこれまた右側よりに座った。
少しだけずれたその位置が、彼ら兄弟の定位置──
「もう来てくれないかと思いました」
「いや、その、エリーヌに促されて……」
やっぱり彼女が気を回してくれたのだと気づき、ルイスはわずかに微笑む。
テーブルにあった冷水をグラスに注ぐと、兄の右手の前に置いた。
「ごめんね、お水しかないけど」
「大丈夫だよ。水は好きだ」
「昔、山に湧き水を汲みに行きましたね」
「ああ、勝手に家を出て怒られたな」
意図的に”誰に”と言わないアンリに、彼は少し苛立ちを覚えた。
「僕はもう父上の死も、母上の死も受け入れています」
「──っ! ああ、そうだな」
図星を突かれたように目を逸らした兄に向かって、ルイスは立ち上がって訴える。
「僕は子供じゃないんです!! 兄さんに、兄さんに守られなくても生きていけます!」
「ルイス……!」
そこまで言って自分で自分が矛盾していると思った。
ならなぜここから出ない。
どうしてここに居座って外へと出ないのか。
(怖がっているのは自分じゃないか、これじゃあまるで八つ当たりだ)
アンリはおもむろに立ち上がると、テーブルを回り込んで彼のもとへと向かった。
「──っ!」
ゆっくりと彼は自分を責める弟の背中をさする。
そして少しだけ遠慮がちに自分の身体を彼の身体に寄せた。
「俺が来たら、お前を苦しめると思った。お前から大切な全てを奪ったのは俺だから」
「ちがっ……!」
「でも、違った。怖かったんだよ、俺はお前に合うのが。だってお前は絶対に俺を責めない」
一層責めてくれたら楽なのに。
恨まれれば楽なのに。
だが、アンリは知っていた。
自分の弟はどんなに辛い目にあったとしても人のせいにしないことを──
彼のその優しさをわかっているからこそ、自分の罪がどこかに消えてしまうのではないかと怖かった。
アンリは左耳につけたピアスに手をやると、ダイヤの光るそれをはずしてテーブルに置く。
「兄さん?」
「お前の言う通りだよ。俺は今までお前を縛ってた。守ってあげなくちゃいけないと思っていた。でも、もうそうじゃなかった」
アンリは先程まで逸らしていた目をルイスに向ける。
「ルイス。お前はもう大人だ。いつまで閉じこもってる? いつまで傷ついた『ふり』をしている?」
「──っ!!」
「もうお前は自分の足で歩けるはずだ。怖がるな」
彼は気づいた。
兄は自分へ『勇気』を伝えようとしている。
長年がんじがらめになっていた鎖を引きちぎって兄はここへと来た。
ならば、今度その鎖を強固なものへと正しく繋ぎ直すのが……。
(僕の役割……兄さんの気持ちを受け取って、そして僕は)
彼は黒く見える兄の瞳を見つめて頷いた。
「兄さん、ありがとう。守られるんじゃない。僕も自分の足で踏み出すよ。だから、今度は見守っていてほしい」
「ああ、俺が絶対にお前の目を治す。お前がもう一度、夢を見られるように」
ルイスの頬に一筋の涙が光った。
そうして兄弟は微笑み合った──
ルイスの描く絵を見て、アンリは感心する。
「ほお、うまくなったな」
「本当!?」
「ああ、陰影もそうだが、なんだか生き生きしている」
「ふふ、ありがとう。ねえ、覚えてる? この花」
ルイスは小さな白い花を撫でてアンリの顔を伺う。
彼は腕を組んで天井を眺めながら、う~んと唸って考える。
「もう、忘れたの!?」
「見たことあるような……?」
「ほら、兄さんが昔出会ったあの子がくれたって僕に見せてくれたじゃないか!」
そこまで聞いて、アンリの中に少しずつ当時の記憶がよみがえってくる。
『ねえ~これ、おにわにあったのですが、アンリさま、よかったら』
『ああ、可愛いね。なんて花なんだい?』
『おなまえはわからなく……すみません』
『いいや、じゃあ次に会った時までに俺が調べておくよ』
『ほんとうですか!?』
『ああ、楽しみにしていてくれ……』
「──っ!!」
鮮明に光景と声が呼び起こされて彼はぞくりとした。
彼はにわかには信じがたく、思わずその場で硬直してしまう。
「兄さん?」
「ルイス、ありがとう。お前のおかげで大事な記憶を思い出せたよ」
「え?」
そう、淡い青のドレスに身を包んだ金髪のその少女に言った最後の言葉を、アンリは思い出した。
『ああ、楽しみにしていてくれ……エリーヌ』
31
お気に入りに追加
1,050
あなたにおすすめの小説
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
前世軍医だった傷物令嬢は、幸せな花嫁を夢見る
花雨宮琵
恋愛
侯爵令嬢のローズは、10歳のある日、背中に刀傷を負い生死の境をさまよう。
その時に見た夢で、軍医として生き、結婚式の直前に婚約者を亡くした前世が蘇る。
何とか一命を取り留めたものの、ローズの背中には大きな傷が残った。
“傷物令嬢”として揶揄される中、ローズは早々に貴族女性として生きることを諦め、隣国の帝国医学校へ入学する。
背中の傷を理由に六回も婚約を破棄されるも、18歳で隣国の医師資格を取得。自立しようとした矢先に王命による7回目の婚約が結ばれ、帰国を余儀なくされる。
7人目となる婚約者は、弱冠25歳で東の将軍となった、ヴァンドゥール公爵家次男のフェルディナンだった。
長年行方不明の想い人がいるフェルディナンと、義務ではなく愛ある結婚を夢見るローズ。そんな二人は、期間限定の条件付き婚約関係を結ぶことに同意する。
守られるだけの存在でいたくない! と思うローズは、一人の医師として自立し、同時に、今世こそは愛する人と結ばれて幸せな家庭を築きたいと願うのであったが――。
この小説は、人生の理不尽さ・不条理さに傷つき悩みながらも、幸せを求めて奮闘する女性の物語です。
※この作品は2年前に掲載していたものを大幅に改稿したものです。
(C)Elegance 2025 All Rights Reserved.無断転載・無断翻訳を固く禁じます。
捨てたのはあなたではなく私のほうです
風見ゆうみ
恋愛
私が幼い頃からお慕いしている方はコロール王国の王太子殿下であるオーランド・テードン様。
彼は何者かに、光属性である浄化魔法を毎日かけなければ死んでしまう呪いをかけられる。
テンディー公爵家の長女であり、使える人間が少ないと言われる光属性の魔法が使える私
、ミーアはそのことにより殿下に見初められて1年後には婚約者になった。
他国の王族を招いて行われた婚約披露パーティーで、オーランド殿下と親友のセフィラが抱き合っている場面を見てしまう。
殿下とセフィラはいつしか恋仲になっており、セフィラが殿下の呪いを解いたため、二人は邪魔な私を殺そうとしてきた。
隣国の王太子であるヒース様に間一髪で助けられた私だったけれど、父と兄に裏切られ国外に追放されてしまう。
契約した動物と意思疎通の出来るヒース様から、動物の世話係として雇われた私のもとにオーランド殿下から「助けてほしい」と手紙が届くが――
※第一部完結。第二部はのんびり更新。
※動物がたくさん出ます。
※史実とは関係なく、設定もゆるゆるのご都合主義です。
※現実世界のお話ではなく、この話上での世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
八重
恋愛
「婚約破棄を言い渡す」
クラリス・マリエット侯爵令嬢は、王太子であるディオン・フォルジュにそう言い渡される。
王太子の隣にはお姫様のようなふんわりと可愛らしい見た目の新しい婚約者の姿が。
正義感を振りかざす彼も、彼に隠れて私を嘲る彼女もまだ知らない。
その婚約破棄によって未来を滅ぼすことを……。
そして、その時に明かされる真実とは──
婚約破棄されたクラリスが幸せを掴むお話です。
【完結】その令嬢は、鬼神と呼ばれて微笑んだ
やまぐちこはる
恋愛
マリエンザ・ムリエルガ辺境伯令嬢は王命により結ばれた婚約者ツィータードに恋い焦がれるあまり、言いたいこともろくに言えず、おどおどと顔色を伺ってしまうほど。ある時、愛してやまない婚約者が別の令嬢といる姿を見、ふたりに親密な噂があると耳にしたことで深く傷ついて領地へと逃げ戻る。しかし家族と、幼少から彼女を見守る使用人たちに迎えられ、心が落ち着いてくると本来の自分らしさを取り戻していった。それは自信に溢れ、辺境伯家ならではの強さを持つ、令嬢としては規格外の姿。
素顔のマリエンザを見たツィータードとは関係が変わっていくが、ツィータードに想いを寄せ、侯爵夫人を夢みる男爵令嬢が稚拙な策を企てる。
※2022/3/20マリエンザの父の名を混同しており、訂正致しました。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
本編は37話で完結、毎日8時更新です。
お楽しみいただけたらうれしいです。
よろしくお願いいたします。
釣り合わないと言われても、婚約者と別れる予定はありません
しろねこ。
恋愛
幼馴染と婚約を結んでいるラズリーは、学園に入学してから他の令嬢達によく絡まれていた。
曰く、婚約者と釣り合っていない、身分不相応だと。
ラズリーの婚約者であるファルク=トワレ伯爵令息は、第二王子の側近で、将来護衛騎士予定の有望株だ。背も高く、見目も良いと言う事で注目を浴びている。
対してラズリー=コランダム子爵令嬢は薬草学を専攻していて、外に出る事も少なく地味な見た目で華々しさもない。
そんな二人を周囲は好奇の目で見ており、時にはラズリーから婚約者を奪おうとするものも出てくる。
おっとり令嬢ラズリーはそんな周囲の圧力に屈することはない。
「釣り合わない? そうですか。でも彼は私が良いって言ってますし」
時に優しく、時に豪胆なラズリー、平穏な日々はいつ来るやら。
ハッピーエンド、両思い、ご都合主義なストーリーです。
ゆっくり更新予定です(*´ω`*)
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
【完結】フェリシアの誤算
伽羅
恋愛
前世の記憶を持つフェリシアはルームメイトのジェシカと細々と暮らしていた。流行り病でジェシカを亡くしたフェリシアは、彼女を探しに来た人物に彼女と間違えられたのをいい事にジェシカになりすましてついて行くが、なんと彼女は公爵家の孫だった。
正体を明かして迷惑料としてお金をせびろうと考えていたフェリシアだったが、それを言い出す事も出来ないままズルズルと公爵家で暮らしていく事になり…。
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる