6 / 13
第6話 守護王の右腕となりて
しおりを挟む
「綾芽様、お下がりください」
私は綾芽様を守るように膝を立てる。
右手で綾芽様を囲うようにしながら、神経を研ぎ澄ませて気配を探った。
「綾芽様、結界への反応はございますか?」
「わずかに。妖魔は大きくはないわ」
「かしこまりました」
綾芽様はその身を媒介にして、屋敷全体を守る結界を張っている。
その結界に触れたということは、この屋敷にすでに侵入したということ。
妖魔は大きさが大きいほど強い妖気を纏っている。
だが、この中で一番やっかいなのが姿形、大きさを自由に変化することができる「妖術使い」。
彼らは妖魔の中でもトップクラスの知能を誇り、私達を苦しめてきた。
「──っ!」
私はそのあまりの鋭い気配に守護刀に手を当てる。
確実にそこにいる──。
思わず息を止めながら、ゆっくりと部屋のふすまに手をかける。
目で綾芽様には後ろに下がるようにお願いをして、私は一気にふすまを開けた。
「──っ!!」
その瞬間、私の首に手をかけられ、部屋の奥の壁まで一気に押さえつけられた。
「凛っ!!」
なんとか相手のもう一方の手の攻撃を守護刀で防ぎ、相手と交戦する。
妖魔は人型をしており、少年のような姿をしていた。
「なーんだ、止めちゃったのか」
「んぐっ……」
「凛っ!」
綾芽様から光が放たれる。
その光の槍を妖魔は交わすと、部屋の外へと飛び退いて私達と距離を取る。
「会いたかった、桜華姫」
にやりと笑った彼は一気に狙いを綾芽様に絞って、距離を詰めようとした。
素早い動きで綾芽様へと詰め寄る彼と綾芽様の間に、私は勢いよく飛び込む。
「邪魔するなよ」
「綾芽様には指一本触れさせない」
私は守護刀を相手の首元目がけて突き刺すが、それをひらりと交わす。
相手も妖力によって作り出した脇差ほどの刀で、こちらに攻撃を仕掛けてきた。
普段稽古で見ているような刀の振りとは違い、彼はむやみやたらに振り回している。
しかし、人間の体の動きや構造と異なるため、不規則かつ予想しづらい攻撃でこちらを翻弄してきた。
「ほらほらほら! 避けないと死んじゃうよっ!?」
「──っ!」
彼の縦横無尽に展開される攻撃で、私は体にいくつかの切り傷を作ってしまう。
「凛っ!」
「綾芽様、自らのまわりに最大強度の結界をお願いします」
「でも、凛が!」
「私は大丈夫ですから!」
綾芽様が結界を張れるのは二つのみ。
屋敷の結界と、自身の半径5m程度の範囲の結界の二つだ。
しかし、結界を二つ張ってしまうとそれ以外の攻撃はできなくなる。
──つまり、防御に徹することになってしまう。
それでも問題ない。
攻撃の者がいる限り、綾芽様を第一に守ることができる。
私は守護刀を横に振って、敵との距離を保った後、助走をつけて飛んだ。
上から振り下ろした守護刀は相手の真上から、彼に襲い掛かる。
「うっざ……! んだよ、お前みたいなんがいるなんて聞いてねえよ。隠し里へ守護王向かわせたら手薄になるんじゃなかったのか!?」
「──っ! まさか、そのために里を……」
「まあ、あっちにはすでに僕の分身の魔狐斗が行ってるけどね。どうせ、里も滅ぼし……っ!!」
私は彼の言葉を待たずしてもう一度切りつける。
相手の右腕を切り落とし、すかさず二段突きで追撃した。
「──っ! なんだよ、あんた」
「絶対に綾芽様を守る。それが私の役目」
私は真正面から相手に切りかかる。
「ぐあっ!」
仰け反った相手の視線は、私から逸らされて綾芽様に向けられた。
相手は左手をかざして綾芽様へ攻撃を放とうとする。
私は重心を下にすると、一気にその腕を蹴り上げた。
綾芽様から照準がずれた相手の攻撃は、部屋の天井を突き抜ける。
「邪魔するなあああー!」
「それはできない」
私には零様から授かった、綾芽様を守るという使命がある。
絶対に、誰であっても彼女を傷つけることは許さない。
私は蹴り上げた足の勢いのまま体を一回転させ、相手の心臓目掛けて一気に守護刀を突き立てた。
「ぐあああああーー!」
苦しい声をあげた後、彼は一気に脱力してその場に倒れる。
わずかに動かした腕も虚しく、そのまま息絶えた。
動かなくなった彼は、そのまま煙のように消えていく。
息を整えながら、脅威が去ったことを確認すると、私は守護刀を鞘に収める。
その瞬間、結界を解いた綾芽様が私に駆け寄った。
「よかった……凛……」
「お怪我はございませんか?」
「あなたが守ってくれたから、大丈夫。それより、急いで手当てをしましょう」
「ご心配には及びません」
私は胸元から貝殻を取り出す。
手の平に収まるそれを開けると、中に塗り薬が入っている。
「それ、まだ持っていたの?」
「はい」
この貝殻に入れられた塗り薬は、稽古で怪我が絶えなかった私に綾芽様が昔くださったもの。
まだ成長しきっていない私は自分の体をうまく扱いきれず、怪我ばかりしていた。
『凛、これを』
そう言って優しく差し出してくださった。
光の反射によって色を変えるその貝殻は、綺麗でなんだか自分にはもったいなくて……。
お守りのように大事に持っていた。
「でも、使っていないわね?」
「え……?」
そう言って綾芽様は私からその薬を奪うと、指で取ってそれを私の頬に塗る。
「いけません、御手が汚れます!」
「怪我しているあなたに触れられない手なんて、いらないわ」
綾芽様自らの治療をありがたく受け、零様のお戻りを待った。
夕刻に戻られた零様を、私と綾芽様が迎えた。
「おかえりなさいませ」
「ああ」
私は早馬で零様へ先刻の襲撃を報告したが、零様自身もすでに把握されていたようだった。
「ご無事で何よりでございます」
「里は無事だ。着いた時には屋敷を襲撃した奴の分身とやらと朱里が交戦していた」
零様によると、やはり零様を綾芽様から引き離して襲撃をするのが目的だったそう。
こちらの敵が言っていた情報と差異はなく、恐らくそうなのだろう。
「凛」
「はい」
零様の呼びかけに、私は頭を下げて答える。
「隊長をやれ」
「……え?」
予想もしなかった事を言われて、私は思わず顔をあげる。
すると、零様は何か企みがうまくいったような、そんな顔をしていた。
「これより、霜月凛を妖魔専門護衛隊の隊長、ならび守護王の補佐役に任ずる」
「えっ!!」
その言葉を聞いた護衛隊の皆が私と零様に向かって膝をつく。
もう一度零様の方を見ると、なんとも満足そうな顔をなさっていた。
その顔を見て私は全てを理解した。
最初からこれをするために、私を隊長と守護王補佐役にするために自らが里に向かったのだ。
功績を私にあげさせ、皆を納得させる。
桜華姫を守った実力を以って、私に位を授けた。
私は零様の手のひらで踊らされたというわけだ……。
こうして綾芽様を守り、妖魔を倒した私は、守護王の右腕と呼ばれるようになった──。
私は綾芽様を守るように膝を立てる。
右手で綾芽様を囲うようにしながら、神経を研ぎ澄ませて気配を探った。
「綾芽様、結界への反応はございますか?」
「わずかに。妖魔は大きくはないわ」
「かしこまりました」
綾芽様はその身を媒介にして、屋敷全体を守る結界を張っている。
その結界に触れたということは、この屋敷にすでに侵入したということ。
妖魔は大きさが大きいほど強い妖気を纏っている。
だが、この中で一番やっかいなのが姿形、大きさを自由に変化することができる「妖術使い」。
彼らは妖魔の中でもトップクラスの知能を誇り、私達を苦しめてきた。
「──っ!」
私はそのあまりの鋭い気配に守護刀に手を当てる。
確実にそこにいる──。
思わず息を止めながら、ゆっくりと部屋のふすまに手をかける。
目で綾芽様には後ろに下がるようにお願いをして、私は一気にふすまを開けた。
「──っ!!」
その瞬間、私の首に手をかけられ、部屋の奥の壁まで一気に押さえつけられた。
「凛っ!!」
なんとか相手のもう一方の手の攻撃を守護刀で防ぎ、相手と交戦する。
妖魔は人型をしており、少年のような姿をしていた。
「なーんだ、止めちゃったのか」
「んぐっ……」
「凛っ!」
綾芽様から光が放たれる。
その光の槍を妖魔は交わすと、部屋の外へと飛び退いて私達と距離を取る。
「会いたかった、桜華姫」
にやりと笑った彼は一気に狙いを綾芽様に絞って、距離を詰めようとした。
素早い動きで綾芽様へと詰め寄る彼と綾芽様の間に、私は勢いよく飛び込む。
「邪魔するなよ」
「綾芽様には指一本触れさせない」
私は守護刀を相手の首元目がけて突き刺すが、それをひらりと交わす。
相手も妖力によって作り出した脇差ほどの刀で、こちらに攻撃を仕掛けてきた。
普段稽古で見ているような刀の振りとは違い、彼はむやみやたらに振り回している。
しかし、人間の体の動きや構造と異なるため、不規則かつ予想しづらい攻撃でこちらを翻弄してきた。
「ほらほらほら! 避けないと死んじゃうよっ!?」
「──っ!」
彼の縦横無尽に展開される攻撃で、私は体にいくつかの切り傷を作ってしまう。
「凛っ!」
「綾芽様、自らのまわりに最大強度の結界をお願いします」
「でも、凛が!」
「私は大丈夫ですから!」
綾芽様が結界を張れるのは二つのみ。
屋敷の結界と、自身の半径5m程度の範囲の結界の二つだ。
しかし、結界を二つ張ってしまうとそれ以外の攻撃はできなくなる。
──つまり、防御に徹することになってしまう。
それでも問題ない。
攻撃の者がいる限り、綾芽様を第一に守ることができる。
私は守護刀を横に振って、敵との距離を保った後、助走をつけて飛んだ。
上から振り下ろした守護刀は相手の真上から、彼に襲い掛かる。
「うっざ……! んだよ、お前みたいなんがいるなんて聞いてねえよ。隠し里へ守護王向かわせたら手薄になるんじゃなかったのか!?」
「──っ! まさか、そのために里を……」
「まあ、あっちにはすでに僕の分身の魔狐斗が行ってるけどね。どうせ、里も滅ぼし……っ!!」
私は彼の言葉を待たずしてもう一度切りつける。
相手の右腕を切り落とし、すかさず二段突きで追撃した。
「──っ! なんだよ、あんた」
「絶対に綾芽様を守る。それが私の役目」
私は真正面から相手に切りかかる。
「ぐあっ!」
仰け反った相手の視線は、私から逸らされて綾芽様に向けられた。
相手は左手をかざして綾芽様へ攻撃を放とうとする。
私は重心を下にすると、一気にその腕を蹴り上げた。
綾芽様から照準がずれた相手の攻撃は、部屋の天井を突き抜ける。
「邪魔するなあああー!」
「それはできない」
私には零様から授かった、綾芽様を守るという使命がある。
絶対に、誰であっても彼女を傷つけることは許さない。
私は蹴り上げた足の勢いのまま体を一回転させ、相手の心臓目掛けて一気に守護刀を突き立てた。
「ぐあああああーー!」
苦しい声をあげた後、彼は一気に脱力してその場に倒れる。
わずかに動かした腕も虚しく、そのまま息絶えた。
動かなくなった彼は、そのまま煙のように消えていく。
息を整えながら、脅威が去ったことを確認すると、私は守護刀を鞘に収める。
その瞬間、結界を解いた綾芽様が私に駆け寄った。
「よかった……凛……」
「お怪我はございませんか?」
「あなたが守ってくれたから、大丈夫。それより、急いで手当てをしましょう」
「ご心配には及びません」
私は胸元から貝殻を取り出す。
手の平に収まるそれを開けると、中に塗り薬が入っている。
「それ、まだ持っていたの?」
「はい」
この貝殻に入れられた塗り薬は、稽古で怪我が絶えなかった私に綾芽様が昔くださったもの。
まだ成長しきっていない私は自分の体をうまく扱いきれず、怪我ばかりしていた。
『凛、これを』
そう言って優しく差し出してくださった。
光の反射によって色を変えるその貝殻は、綺麗でなんだか自分にはもったいなくて……。
お守りのように大事に持っていた。
「でも、使っていないわね?」
「え……?」
そう言って綾芽様は私からその薬を奪うと、指で取ってそれを私の頬に塗る。
「いけません、御手が汚れます!」
「怪我しているあなたに触れられない手なんて、いらないわ」
綾芽様自らの治療をありがたく受け、零様のお戻りを待った。
夕刻に戻られた零様を、私と綾芽様が迎えた。
「おかえりなさいませ」
「ああ」
私は早馬で零様へ先刻の襲撃を報告したが、零様自身もすでに把握されていたようだった。
「ご無事で何よりでございます」
「里は無事だ。着いた時には屋敷を襲撃した奴の分身とやらと朱里が交戦していた」
零様によると、やはり零様を綾芽様から引き離して襲撃をするのが目的だったそう。
こちらの敵が言っていた情報と差異はなく、恐らくそうなのだろう。
「凛」
「はい」
零様の呼びかけに、私は頭を下げて答える。
「隊長をやれ」
「……え?」
予想もしなかった事を言われて、私は思わず顔をあげる。
すると、零様は何か企みがうまくいったような、そんな顔をしていた。
「これより、霜月凛を妖魔専門護衛隊の隊長、ならび守護王の補佐役に任ずる」
「えっ!!」
その言葉を聞いた護衛隊の皆が私と零様に向かって膝をつく。
もう一度零様の方を見ると、なんとも満足そうな顔をなさっていた。
その顔を見て私は全てを理解した。
最初からこれをするために、私を隊長と守護王補佐役にするために自らが里に向かったのだ。
功績を私にあげさせ、皆を納得させる。
桜華姫を守った実力を以って、私に位を授けた。
私は零様の手のひらで踊らされたというわけだ……。
こうして綾芽様を守り、妖魔を倒した私は、守護王の右腕と呼ばれるようになった──。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
2度目の人生は好きにやらせていただきます
みおな
恋愛
公爵令嬢アリスティアは、婚約者であるエリックに学園の卒業パーティーで冤罪で婚約破棄を言い渡され、そのまま処刑された。
そして目覚めた時、アリスティアは学園入学前に戻っていた。
今度こそは幸せになりたいと、アリスティアは婚約回避を目指すことにする。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる