538 / 574
邪神サズァン
邪神サズァン 5
しおりを挟む
天高くそびえ立つ塔、その下へムツヤ達はやって来た。
「これが……。裏ダンジョン……」
ユモトがゴクリと生唾を飲んで言う。
「ムツヤ、サズァンの力が強まっている今、お前が昔に登っていた様にはいかないかもしれない。気を付けろよ」
「わがりまじだ」
返事はするが、ムツヤは心ここにあらずといった感じだ。
「しっかりしろ!! ムツヤ!!」
アシノに喝を入れられ、ムツヤは下を向き目を瞑った後に正面を見据える。
「わがりまじだ!! 行きましょう!!」
「そう来なくっちゃ、ムツヤっち!」
一行は裏ダンジョンの一階へと侵入した。そこで早々に裏ダンジョンの洗礼を受けることになる。
「これは……」
扉を開けた先には草原が広がっていた。建物の中だというのに太陽まで登っている。
もっとジメジメした石造りの部屋を想像していた面々は驚いていた。
「ここは、本当に塔の中なのでしょうか?」
「はい、そうでず」
モモの言葉にムツヤが答える。
そして、それと同時に何かがムツヤ達の元へ接近してきた。
青紫色のカニの化け物だ。人ほどの大きさがある。
「な、なに!? このカニさん!!」
ルーが精霊を向かわせ叩くが、殻が頑丈すぎて衝撃しか与えられない。
ムツヤが走り、蹴飛ばすと、空の彼方へ消えていった。
「前衛はムツヤに任せるしか無いな。各自、自分の身を守ることを優先しろ!!」
アシノが言うと皆、返事をする。
今度は空飛ぶ赤いモスモスの群れだ。ユモトが電撃魔法を繰り出すが、一匹しか落とすことが出来なかった。
これもムツヤが炎の渦を繰り出して丸焼きにする。
ムツヤの後を付いて先へ進むと、草原の中にポツンと扉があった。
「あそこから次の部屋にいげまず」
「そうか、わかった」
ムツヤが扉を開け、仲間達もその中に入る。今度は打って変わって廃墟の街だった。雷鳴と雨が降っている。
「ここでは幽霊みたいな敵が出てきまず! 殴ったり普通の剣で攻撃がでぎまぜん」
「なるほどな、わかった」
ムツヤは魔剣『ムゲンジゴク』をカバンに収め、代わりに白い鞘の剣を二本、更に銀色に光るナイフも取り出した。
「モモさんとヨーリィもこれを! 幽霊が斬れます!」
「わかりました、ムツヤ殿!」
「わかった、お兄ちゃん」
そんな会話もそこそこに、半透明の人間や、ゾンビが襲いかかってくる。
ヨーリィが飛び出し、ナイフで幽霊を斬りつけると、それは消滅した。
「はあああ!!!」
モモも叫び、剣で幽霊を斬り捨てる。斬った手応えはないが、相手は消えた。
ムツヤはゾンビの群れに突っ込み、次々と切り捨てながら奥へ進む。
仲間達も自衛をしながらその後を追った。
「これが……。裏ダンジョン……」
ユモトがゴクリと生唾を飲んで言う。
「ムツヤ、サズァンの力が強まっている今、お前が昔に登っていた様にはいかないかもしれない。気を付けろよ」
「わがりまじだ」
返事はするが、ムツヤは心ここにあらずといった感じだ。
「しっかりしろ!! ムツヤ!!」
アシノに喝を入れられ、ムツヤは下を向き目を瞑った後に正面を見据える。
「わがりまじだ!! 行きましょう!!」
「そう来なくっちゃ、ムツヤっち!」
一行は裏ダンジョンの一階へと侵入した。そこで早々に裏ダンジョンの洗礼を受けることになる。
「これは……」
扉を開けた先には草原が広がっていた。建物の中だというのに太陽まで登っている。
もっとジメジメした石造りの部屋を想像していた面々は驚いていた。
「ここは、本当に塔の中なのでしょうか?」
「はい、そうでず」
モモの言葉にムツヤが答える。
そして、それと同時に何かがムツヤ達の元へ接近してきた。
青紫色のカニの化け物だ。人ほどの大きさがある。
「な、なに!? このカニさん!!」
ルーが精霊を向かわせ叩くが、殻が頑丈すぎて衝撃しか与えられない。
ムツヤが走り、蹴飛ばすと、空の彼方へ消えていった。
「前衛はムツヤに任せるしか無いな。各自、自分の身を守ることを優先しろ!!」
アシノが言うと皆、返事をする。
今度は空飛ぶ赤いモスモスの群れだ。ユモトが電撃魔法を繰り出すが、一匹しか落とすことが出来なかった。
これもムツヤが炎の渦を繰り出して丸焼きにする。
ムツヤの後を付いて先へ進むと、草原の中にポツンと扉があった。
「あそこから次の部屋にいげまず」
「そうか、わかった」
ムツヤが扉を開け、仲間達もその中に入る。今度は打って変わって廃墟の街だった。雷鳴と雨が降っている。
「ここでは幽霊みたいな敵が出てきまず! 殴ったり普通の剣で攻撃がでぎまぜん」
「なるほどな、わかった」
ムツヤは魔剣『ムゲンジゴク』をカバンに収め、代わりに白い鞘の剣を二本、更に銀色に光るナイフも取り出した。
「モモさんとヨーリィもこれを! 幽霊が斬れます!」
「わかりました、ムツヤ殿!」
「わかった、お兄ちゃん」
そんな会話もそこそこに、半透明の人間や、ゾンビが襲いかかってくる。
ヨーリィが飛び出し、ナイフで幽霊を斬りつけると、それは消滅した。
「はあああ!!!」
モモも叫び、剣で幽霊を斬り捨てる。斬った手応えはないが、相手は消えた。
ムツヤはゾンビの群れに突っ込み、次々と切り捨てながら奥へ進む。
仲間達も自衛をしながらその後を追った。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
半身転生
片山瑛二朗
ファンタジー
忘れたい過去、ありますか。やり直したい過去、ありますか。
元高校球児の大学一年生、千葉新(ちばあらた)は通り魔に刺され意識を失った。
気が付くと何もない真っ白な空間にいた新は隣にもう1人、自分自身がいることに理解が追い付かないまま神を自称する女に問われる。
「どちらが元の世界に残り、どちらが異世界に転生しますか」
実質的に帰還不可能となった剣と魔術の異世界で、青年は何を思い、何を成すのか。
消し去りたい過去と向き合い、その上で彼はもう一度立ち上がることが出来るのか。
異世界人アラタ・チバは生きる、ただがむしゃらに、精一杯。
少なくとも始めのうちは主人公は強くないです。
強くなれる素養はありますが強くなるかどうかは別問題、無双が見たい人は主人公が強くなることを信じてその過程をお楽しみください、保証はしかねますが。
異世界は日本と比較して厳しい環境です。
日常的に人が死ぬことはありませんがそれに近いことはままありますし日本に比べればどうしても命の危険は大きいです。
主人公死亡で主人公交代! なんてこともあり得るかもしれません。
つまり主人公だから最強! 主人公だから死なない! そう言ったことは保証できません。
最初の主人公は普通の青年です。
大した学もなければ異世界で役立つ知識があるわけではありません。
神を自称する女に異世界に飛ばされますがすべてを無に帰すチートをもらえるわけではないです。
もしかしたらチートを手にすることなく物語を終える、そんな結末もあるかもです。
ここまで何も確定的なことを言っていませんが最後に、この物語は必ず「完結」します。
長くなるかもしれませんし大して話数は多くならないかもしれません。
ただ必ず完結しますので安心してお読みください。
ブックマーク、評価、感想などいつでもお待ちしています。
この小説は同じ題名、作者名で「小説家になろう」、「カクヨム」様にも掲載しています。
俺の召喚魔術が特殊な件〜留年3年目から始まる、いずれ最強の召喚術士の成り上がり〜
あおぞら
ファンタジー
2050年、地球にのちにダンジョンと呼ばれる次元の裂け目が開いた。
そこから大量のモンスターが溢れ出し、人類は1度滅亡の危機に立たされた。
しかし人類は、ダンジョンが発生したことによって誕生した、空気中の物質、《マナ》を発見し、《魔導バングル》と言う物を発明し、そのバングルに《マナ》を通すことによって、この世界の伝承や神話から召喚獣を呼び出せる様になり、その力を使ってモンスターに対抗できる様になった。
時は流れて2250年。
地球では魔術と化学の共存が当たり前になった時代。
そんな中、主人公である八条降魔は国立召喚術士育成学園都市に入学した。
この学園の生徒はまず、精霊や妖精などのスピリットや、鬼、狼、竜などの神話や伝承の生き物を召喚し契約する。
他の生徒が続々と成功させていく中で、降魔だけは、何も召喚することができなかった。
そのせいで何年も留年を繰り返してしまう。
しかしそれにはある理由があって———
これは学園を3年留年してから始まる、いずれ最強になる召喚術士の物語。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
長女は家族を養いたい! ~凍死から始まるお仕事冒険記~
灰色サレナ
ファンタジー
とある片田舎で貧困の末に殺された3きょうだい。
その3人が目覚めた先は日本語が通じてしまうのに魔物はいるわ魔法はあるわのファンタジー世界……そこで出会った首が取れるおねーさん事、アンドロイドのエキドナ・アルカーノと共に大陸で一番大きい鍛冶国家ウェイランドへ向かう。
魔物が生息する世界で生き抜こうと弥生は真司と文香を護るためギルドへと就職、エキドナもまた家族を探すという目的のために弥生と生活を共にしていた。
首尾よく仕事と家、仲間を得た弥生は別世界での生活に慣れていく、そんな中ウェイランド王城での見学イベントで不思議な男性に狙われてしまう。
訳も分からぬまま再び死ぬかと思われた時、新たな来訪者『神楽洞爺』に命を救われた。
そしてひょんなことからこの世界に実の両親が生存していることを知り、弥生は妹と弟を守りつつ、生活向上に全力で遊んでみたり、合流するために路銀稼ぎや体力づくり、なし崩し的に侵略者の撃退に奮闘する。
座敷童や女郎蜘蛛、古代の優しき竜。
全ての家族と仲間が集まる時、物語の始まりである弥生が選んだ道がこの世界の始まりでもあった。
ほのぼののんびり、時たまハードな弥生の家族探しの物語
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
【第一部完結】魔王暗殺から始まった僕の異世界生活は、思ってたよりブラックでした
水母すい
ファンタジー
やりたいことがない空っぽの高校生の僕がトラックに轢かれて転移したのは、なんと魔王城だった。
貴重な役職の《暗殺者》である僕はチートスキルを駆使して、魔王を倒して囚われの姫を救い出すことに。
⋯⋯ただし使えるのは短剣一本。
英雄なのに英雄になれない、そんな報われない僕の異世界生活は魔王討伐から始まる──
・一話の分量にバラつきがありますが気分の問題なのでご容赦を⋯⋯
【第一部完結】
第二部以降も時間とネタができ次第執筆するつもりでいます。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる