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新たなる脅威
新たなる脅威 3
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「正直、裏の道具をキエーウに奪われたと言われた時には肝を冷やしたが、なんとかなったみたいだな」
「あぁ、なんとか、な」
「それで、私もまだ情報が届いていないのだが、戦闘で生き残ったキエーウのメンバーはどうしたのだ?」
ギルドマスターであるトウヨウは少し心配するように顎のヒゲをいじりながら聞いた。
「それなら心配ないさ、ムツヤが記憶を消す魔法とやらで裏の道具の事は忘れさせた」
「そんな魔法まで使えるのか!?」
信じられないとトウヨウは驚きの声を上げる。
「まぁ、それならば概ね心配はあるまい。みんな本当によくやってくれた」
「ほぼムツヤっちがどうにかしてた感はありますけどね」
ルーが言うとムツヤは首を振った。
「いいえ、皆さんが居たからキエーウを倒せたんです!!」
「謙虚だな」
そう言ってトウヨウは笑うが、次の瞬間には神妙な顔をする。
「ムツヤ、お前の行いはそれこそ勇者試練の権利を有するほどのことだ。しかしだ、ギルドはこの事を公にする事はできない」
「えぇ、構いません。俺は普通に冒険者ができればそれで」
「そうか…… 欲がないなお前は」
トウヨウは目を閉じて、何かを考えた後でまた話し始めた。
「個人的に出来る範囲でなら望みを叶えよう。何かあるか?」
「えーっと、それでしたら……」
ムツヤはうーんと考えてからハッとして言う。
「海…… 海が見てみたいです!! 皆で冒険して!!」
ムツヤが言うと、トウヨウが笑い、つられて皆、笑い始めた。
何かおかしな事を言っただろうかとムツヤは慌てる。
「海はやっぱりダメでしょうか……」
「いや、そうじゃない。意外な答えだったのでな」
「そういえばムツヤさん海が見たいって言ってましたね」
ユモトが言うとムツヤはうんうんと頷く。
「そうです、海って見たことが無いので」
ムツヤが子供のように言うと、トウヨウは優しく言った。
「良いだろう、海を見てこいムツヤ」
「良いんでずか!? ありがとうございまず!!」
それで、とトウヨウは仲間達を見る。
「お前達はどうするんだ?」
「私はムツヤ殿の従者です。どこまでもお供します」
「僕も!! 僕も海って見たこと無いし、まだムツヤさんと冒険が…… したいです」
ユモトは言い終わる頃には声がしぼんでした。恥ずかしいのだろう。
「私は、お兄ちゃんから離れられないので」
ヨーリィが部屋に来て初めて喋った。
「私はギルドの許しが出れば付き合うわよ!!」
そう言ってルーはちらりとギルドマスターを見る。トウヨウは黙って頷く。
「ムツヤが何かしでかした時、私も居た方が良いだろう。しばらくは国からの呼び出しも無さそうだしな」
これで全員がムツヤと共に海へ行くことに決まった。
「あぁ、なんとか、な」
「それで、私もまだ情報が届いていないのだが、戦闘で生き残ったキエーウのメンバーはどうしたのだ?」
ギルドマスターであるトウヨウは少し心配するように顎のヒゲをいじりながら聞いた。
「それなら心配ないさ、ムツヤが記憶を消す魔法とやらで裏の道具の事は忘れさせた」
「そんな魔法まで使えるのか!?」
信じられないとトウヨウは驚きの声を上げる。
「まぁ、それならば概ね心配はあるまい。みんな本当によくやってくれた」
「ほぼムツヤっちがどうにかしてた感はありますけどね」
ルーが言うとムツヤは首を振った。
「いいえ、皆さんが居たからキエーウを倒せたんです!!」
「謙虚だな」
そう言ってトウヨウは笑うが、次の瞬間には神妙な顔をする。
「ムツヤ、お前の行いはそれこそ勇者試練の権利を有するほどのことだ。しかしだ、ギルドはこの事を公にする事はできない」
「えぇ、構いません。俺は普通に冒険者ができればそれで」
「そうか…… 欲がないなお前は」
トウヨウは目を閉じて、何かを考えた後でまた話し始めた。
「個人的に出来る範囲でなら望みを叶えよう。何かあるか?」
「えーっと、それでしたら……」
ムツヤはうーんと考えてからハッとして言う。
「海…… 海が見てみたいです!! 皆で冒険して!!」
ムツヤが言うと、トウヨウが笑い、つられて皆、笑い始めた。
何かおかしな事を言っただろうかとムツヤは慌てる。
「海はやっぱりダメでしょうか……」
「いや、そうじゃない。意外な答えだったのでな」
「そういえばムツヤさん海が見たいって言ってましたね」
ユモトが言うとムツヤはうんうんと頷く。
「そうです、海って見たことが無いので」
ムツヤが子供のように言うと、トウヨウは優しく言った。
「良いだろう、海を見てこいムツヤ」
「良いんでずか!? ありがとうございまず!!」
それで、とトウヨウは仲間達を見る。
「お前達はどうするんだ?」
「私はムツヤ殿の従者です。どこまでもお供します」
「僕も!! 僕も海って見たこと無いし、まだムツヤさんと冒険が…… したいです」
ユモトは言い終わる頃には声がしぼんでした。恥ずかしいのだろう。
「私は、お兄ちゃんから離れられないので」
ヨーリィが部屋に来て初めて喋った。
「私はギルドの許しが出れば付き合うわよ!!」
そう言ってルーはちらりとギルドマスターを見る。トウヨウは黙って頷く。
「ムツヤが何かしでかした時、私も居た方が良いだろう。しばらくは国からの呼び出しも無さそうだしな」
これで全員がムツヤと共に海へ行くことに決まった。
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