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せんとうみんぞく
せんとうみんぞく 1
しおりを挟む(イラスト:らいどけえ先生)
翼竜を倒し、6人はスーナの街へ戻っていた。山道を超えた疲れからか、ヘトヘトで門をくぐり冒険者ギルドを目指す。
受付嬢にアシノは翼竜討伐達成と、2匹いた事を報告している間、残りのみなはギルドの椅子でぐったりとしていた。
「うううーん!! 疲れたもぉー!!」
ルーは大きく背伸びをして言った。同調するようにユモトも頷く。
「疲れましたね……」
足をバタバタさせてルーは駄々をこねる。
「すっごいキツかった!!! もうすっごいキツかった!!!!」
「本当、山道は普段慣れているとはいえ、大変でした」
モモもうんうんと頷くが、それに対してルーはブンブンと首を振る。
「ちーがーうーでーしょー? 山道なんかより翼竜とのあの激しい戦い、私なんて食べられそうになったんだから!!」
ハッとモモは気付く、うっかりしていた。
翼竜はアシノとルーが主戦力として戦って、自分達はサポートをしていたという事に話を合わせようと言うことになっていたのだ。
「そ、そうでしたね、私達と違ってルー殿とアシノ殿は前線で翼竜と戦っておられたのだからさぞかしお疲れのはず」
モモは嘘が下手だった。大きな声で周りに聞こえるように、だが早口気味、そして棒読みで話す。
そんな話を聞いていたのかいないのか、そうだと突然ルーは立ち上がって目を輝かせて言う。
「ねぇねぇ! 皆でこの後お風呂入ってさっぱりしていきましょうよ!! この時間なら空いてるし!」
今は朝方なので、近くの銭湯はあまり客のいない時間帯だ。確かに、数日風呂にも入らず歩き回った疲れも汚れも落としたいとモモも思った。
「騒がしいやつだな」
アシノは報告を終えて面倒くさそうに帰ってくる。
「アシノ、お風呂行くわよ!」
あーっとアシノも少し考えた。ルーにしては悪くない提案だ。
「だけど着替えねーだろ」
「その辺は大丈夫でしょ、ねー? ムツヤっち?」
「えっ? あっ、はい」
半分寝ていたムツヤは我に返って返事をする。
「よーし、決まり銭湯へゴー! イこうぜ☆銭湯!!!」
ルーはノリノリで言って拳を天高く突き上げた。
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