230 / 234
聖女様と王都へ
残念!
しおりを挟む
夕飯が終わり、個室で一人。マルクエンはベッドに寝ころびながら天井を見上げる。
一人でこうボーっとするのはいつぶりだろうと考えていた。
こちらの世界に来てから、いつも隣にはラミッタが居るのが当たり前の日常。
元の世界では敵対し、斬り合い、殺し合いまでした仲だが。今は仲間。
そんな事を考えていたら、部屋の扉がノックされ、飛び起きた。
扉を開けるとそこには。
「ラミッタさんだと思いました? 残念、マッサでした!」
ニヤニヤとした笑みを浮かべたマッサが待っていた。
「い、いえ、何か御用ですか?」
「御用って程じゃないですがね。暇なんで夜の街へと繰り出そうかと思いましてね!」
「そうですか……」
気分転換には良いかもしれないと思ったマルクエンは誘いに乗ることにする。
「そうですね、私も行きましょう」
「そうこなくっちゃ!」
マルクエンとマッサは宿を抜け出して、夜の街へと飛び出した。
同時刻。ラミッタも何だか落ち着かないでいた。
長い茶色い髪をくるくるといじりながら、ベッドに横になる。
そんな時、部屋のドアがノックされ。ゆっくりと起き上がった。
扉を開けると。
「ラミッタ。飲みに行くぞ。付き合え」
「あ、はい。スフィン将軍!」
ラミッタも夜の街へと連れ出されるのであった。
夜の街を散策するマルクエンとマッサ。
「いやー、やっぱ王都に近い宿場街なだけあって、夜も元気元気ですねー」
「えぇ、そうですね」
街灯の明かりと、建物から漏れ出す明かりで街は十分照らされていた。
「やっぱここはチャンネーのいる店に行きたいっすね!」
「ちゃ、ちゃんねーとは?」
「お姉ちゃんですよ。女の子が居るお店に行きましょうや」
「お、女の子ですか……」
少しドキリとしたマルクエン。見透かされたようにマッサが言う。
「まぁ、ラミッタさんに悪いってんなら止めときますが」
「なっ、べ、別にラミッタとは何も……」
「それじゃ行きましょうや! 羽伸ばしも大事ですって!」
「すみませーん。お兄さん達お店をお探しで?」
丁度よく、マルクエン達はスーツ姿の男に声を掛けられた。
「はいはい、そうですよん」
「今なら1時間5000エンぽっきりで飲み放題。可愛い子も付けますよー?」
「その話。乗った!」
あれよあれよと店に連れてこられてしまったマルクエン。
スーツの男が扉が開いて大声を出す。
「お客様ご来店でーす!」
「いらっしゃいませー!!!」
女の声が出迎えてくれ、マッサは周りを見渡し笑顔になる。
マルクエンは過去に一度、うっかりサキュバスの店に入ってしまったが。その時の事を思い出した。
一人でこうボーっとするのはいつぶりだろうと考えていた。
こちらの世界に来てから、いつも隣にはラミッタが居るのが当たり前の日常。
元の世界では敵対し、斬り合い、殺し合いまでした仲だが。今は仲間。
そんな事を考えていたら、部屋の扉がノックされ、飛び起きた。
扉を開けるとそこには。
「ラミッタさんだと思いました? 残念、マッサでした!」
ニヤニヤとした笑みを浮かべたマッサが待っていた。
「い、いえ、何か御用ですか?」
「御用って程じゃないですがね。暇なんで夜の街へと繰り出そうかと思いましてね!」
「そうですか……」
気分転換には良いかもしれないと思ったマルクエンは誘いに乗ることにする。
「そうですね、私も行きましょう」
「そうこなくっちゃ!」
マルクエンとマッサは宿を抜け出して、夜の街へと飛び出した。
同時刻。ラミッタも何だか落ち着かないでいた。
長い茶色い髪をくるくるといじりながら、ベッドに横になる。
そんな時、部屋のドアがノックされ。ゆっくりと起き上がった。
扉を開けると。
「ラミッタ。飲みに行くぞ。付き合え」
「あ、はい。スフィン将軍!」
ラミッタも夜の街へと連れ出されるのであった。
夜の街を散策するマルクエンとマッサ。
「いやー、やっぱ王都に近い宿場街なだけあって、夜も元気元気ですねー」
「えぇ、そうですね」
街灯の明かりと、建物から漏れ出す明かりで街は十分照らされていた。
「やっぱここはチャンネーのいる店に行きたいっすね!」
「ちゃ、ちゃんねーとは?」
「お姉ちゃんですよ。女の子が居るお店に行きましょうや」
「お、女の子ですか……」
少しドキリとしたマルクエン。見透かされたようにマッサが言う。
「まぁ、ラミッタさんに悪いってんなら止めときますが」
「なっ、べ、別にラミッタとは何も……」
「それじゃ行きましょうや! 羽伸ばしも大事ですって!」
「すみませーん。お兄さん達お店をお探しで?」
丁度よく、マルクエン達はスーツ姿の男に声を掛けられた。
「はいはい、そうですよん」
「今なら1時間5000エンぽっきりで飲み放題。可愛い子も付けますよー?」
「その話。乗った!」
あれよあれよと店に連れてこられてしまったマルクエン。
スーツの男が扉が開いて大声を出す。
「お客様ご来店でーす!」
「いらっしゃいませー!!!」
女の声が出迎えてくれ、マッサは周りを見渡し笑顔になる。
マルクエンは過去に一度、うっかりサキュバスの店に入ってしまったが。その時の事を思い出した。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
下げ渡された婚約者
相生紗季
ファンタジー
マグナリード王家第三王子のアルフレッドは、優秀な兄と姉のおかげで、政務に干渉することなく気ままに過ごしていた。
しかしある日、第一王子である兄が言った。
「ルイーザとの婚約を破棄する」
愛する人を見つけた兄は、政治のために決められた許嫁との婚約を破棄したいらしい。
「あのルイーザが受け入れたのか?」
「代わりの婿を用意するならという条件付きで」
「代わり?」
「お前だ、アルフレッド!」
おさがりの婚約者なんて聞いてない!
しかもルイーザは誰もが畏れる冷酷な侯爵令嬢。
アルフレッドが怯えながらもルイーザのもとへと訪ねると、彼女は氷のような瞳から――涙をこぼした。
「あいつは、僕たちのことなんかどうでもいいんだ」
「ふたりで見返そう――あいつから王位を奪うんだ」
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる