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聖女様
お手て
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マルクエン達は空き家に案内された。中を除くと、机も椅子、生活用品はある。
「こんな所しかご案内できまぜんがー、どうか使っでぐださい」
「いえ、充分です。ありがとうございます」
そう、マルクエンは礼を言って村人を見送った。
「はー、疲れたわね……」
ラミッタは独り言をしてから、うーんと背伸びをする。
マッサも椅子に座って机に突っ伏した。
「俺はもう限界っすよー……」
「ふん、だらしないな」
虚勢を張るスフィンだったが、自分自身も疲労困憊だ。
「あー、もう寝ますか……。ベッドもありますし」
マッサは自分自身の疲れか、スフィンを気遣ってか、寝ようとしていた。
「そうですね、隣の部屋にあるみたいですし……」
隣の部屋をの戸を開けると、ベッドはある事にはあったが、三つだ。
「三つか、私はさっきの部屋のソファで寝ます。皆さん使って下さい」
「何よ宿敵、気を使っているの?」
ラミッタがむくれて言うと、マルクエンは軽く笑う。
「ははは、私はそこまで疲れていないからな」
「この体力バカ」
「美女二人と同じ部屋で寝られるなんて、幸せ者ですよ俺はぁ」
マッサがそんな事を呟くので、スフィンは怪訝そうな目で見つめた。
「こいつは外に放り出そう」
「酷くない!? スフィンさん酷くない!?」
結局マッサは左端のベッドに横たわり、真ん中がスフィンで右端がラミッタとなる。
カーテンを閉め、薄暗くなった部屋で、眠気を感じる三人。
「ふぅー、やっと休めますぜ」
「黙って寝ろ」
「はいはい、聖女様ー」
「聖女と言うな!!」
そうスフィンが言うと、しばらくの静寂。
「でも、やっている事は聖女様ですぜ?」
ポツリとマッサが言うと、スフィンは寝返りを打って背を向ける。
「大体、私は軍人だ。この手で数多もの敵を殺してきた。私の手は血で汚れている」
「そうですかい……」
うーんと目を閉じるマッサ。
「だけど、スフィンさんの手白くて綺麗で柔らかかったなー」
「そういう話ではない!!」
ははっとマッサが笑い、その後は会話もなく、いつの間にか眠ってしまう。
そんな部屋の隣でマルクエンは一人寂しくソファで横になっていた。
「聖女様……」
スフィンに足を治して貰った男、タカセはそう口にしていた。
元々剣の腕が立ち、運動神経の良かったタカセは足の感覚を取り戻しつつあり、引きずりながらも自分の力で歩けていた。
「タカセ、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ」
アザミヤという女はタカセをまだ心配している。
「あの人は俺の恩人だ」
「えぇ、本当に……」
「これで、これで俺はもう一度冒険者を目指せるかもしれない」
「こんな所しかご案内できまぜんがー、どうか使っでぐださい」
「いえ、充分です。ありがとうございます」
そう、マルクエンは礼を言って村人を見送った。
「はー、疲れたわね……」
ラミッタは独り言をしてから、うーんと背伸びをする。
マッサも椅子に座って机に突っ伏した。
「俺はもう限界っすよー……」
「ふん、だらしないな」
虚勢を張るスフィンだったが、自分自身も疲労困憊だ。
「あー、もう寝ますか……。ベッドもありますし」
マッサは自分自身の疲れか、スフィンを気遣ってか、寝ようとしていた。
「そうですね、隣の部屋にあるみたいですし……」
隣の部屋をの戸を開けると、ベッドはある事にはあったが、三つだ。
「三つか、私はさっきの部屋のソファで寝ます。皆さん使って下さい」
「何よ宿敵、気を使っているの?」
ラミッタがむくれて言うと、マルクエンは軽く笑う。
「ははは、私はそこまで疲れていないからな」
「この体力バカ」
「美女二人と同じ部屋で寝られるなんて、幸せ者ですよ俺はぁ」
マッサがそんな事を呟くので、スフィンは怪訝そうな目で見つめた。
「こいつは外に放り出そう」
「酷くない!? スフィンさん酷くない!?」
結局マッサは左端のベッドに横たわり、真ん中がスフィンで右端がラミッタとなる。
カーテンを閉め、薄暗くなった部屋で、眠気を感じる三人。
「ふぅー、やっと休めますぜ」
「黙って寝ろ」
「はいはい、聖女様ー」
「聖女と言うな!!」
そうスフィンが言うと、しばらくの静寂。
「でも、やっている事は聖女様ですぜ?」
ポツリとマッサが言うと、スフィンは寝返りを打って背を向ける。
「大体、私は軍人だ。この手で数多もの敵を殺してきた。私の手は血で汚れている」
「そうですかい……」
うーんと目を閉じるマッサ。
「だけど、スフィンさんの手白くて綺麗で柔らかかったなー」
「そういう話ではない!!」
ははっとマッサが笑い、その後は会話もなく、いつの間にか眠ってしまう。
そんな部屋の隣でマルクエンは一人寂しくソファで横になっていた。
「聖女様……」
スフィンに足を治して貰った男、タカセはそう口にしていた。
元々剣の腕が立ち、運動神経の良かったタカセは足の感覚を取り戻しつつあり、引きずりながらも自分の力で歩けていた。
「タカセ、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ」
アザミヤという女はタカセをまだ心配している。
「あの人は俺の恩人だ」
「えぇ、本当に……」
「これで、これで俺はもう一度冒険者を目指せるかもしれない」
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